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とりあえず古巣へ

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 とりあえずアドベントの街に戻って来た。
 一番知り合いも多いから今後の事も含めて相談しようと思ったからだ。長期滞在する訳じゃないからシルヴィアも大丈夫だろう。

 宿を取ってからギルドに向かう。
 ギルドに入ると懐かしい雰囲気だ。ここに来るのも二年以上振りだしな。

「おっ!? アウルムか? 久しぶりじゃないか! 元気だったか?」
「イーリエさん、ご無沙汰してます。相変わらずのオーラですね」

「おぉ? なんだ数年ぶりのイジりか?」
 グッと肩を掴まれる。
「痛いイタイいたい!! イジってない、イジってないって‥‥‥」

 イーリエさんがようやく肩を離してくれた。
 あぁ、痛え‥‥‥。

「ハハッ! 久しぶりに来たのも世間話しに来たんじゃないだろう? どうしたんだ?」
「実はご相談がありまして‥‥‥」
 かなり端折ったが一応経緯を話した。

「なるほどな。そういう事ならコパーのやつと今夜呑むんだ。そこで相談すると良い」
「コパーさんかぁ。懐かしいなぁ」

ーーーーーーーーーーーー

 イーリエ道場のあとはいつもここだったなぁ。
『居酒屋アドベント』

「遅いぞ、イーリエ! ん? 隣にいるのは‥‥‥? !!!! アウルムか!?」
「コパーさん、ご無沙汰してます」

「おぉ、戻ってきたのか? よし、飲もう!」

「「「乾杯!!!」」」

 しばらくは積もる話をしていたがようやく俺の本題に入った。

「コパーさん。廃坑を紹介して欲しいんです」
「廃坑? そんなところで何をするんじゃ? 周りに人もおらんし、何もないじゃないか」

「その条件がおあつらえ向きなんですよ」
「ほぅ、なんだか知らないが構わんぞ。どの辺りがいいんだ?」

「なんだか面白そうな話になってきたじゃねぇか」
 その後は二人はああでもないこうでもないと俺の家について意見を出してくれた。飲みながらだったから、後で見たら八割がた使えなかったが。酔っ払いのアイディアなんかそんなものだ。

ーーーーーーーーーーーー

 シルヴィアは例の魔道具屋の主人に挨拶が出来たようだ。やはりシルヴィアがエルフだということに気づいていたようだ。
 普通の人は特別エルフだからといって警戒する事もないし、普通の人と同じように扱うのが当たり前なんだけど、あのユピテル教とやらは何故エルフをあれほど敵視しているのかさっぱりわからない。

ーーーーーーーーーーーー

(翌日)
 今日からコパーさんの案内で何ヶ所か廃坑を案内してもらう予定だ。

「山師をやっとるコパーじゃ。よろしくの」
「はじめまして。シルヴィアです」

「なるほど、これはべっぴんじゃ。アウルムが惚れるのも無理は無いな」
「「‥‥‥‥‥‥」」

「? なんじゃ、二人とも赤くなって‥‥‥。結婚するんじゃろうが?」
「まぁ‥‥‥、そうなんだけどさ」
「! ‥‥‥」

「なんじゃ? もしかしてお前達まだなのか?」
「いや、コパーさん! もうその話はいいよ!!」
「‥‥‥もう」



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