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祝福の儀

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「次、アウルムくん!」
「はいっ!」

 今日は教会で祝福の儀が行われている。
 今年は三人。
 ボクと幼馴染のスズとディーンだ。
 スズとディーンは家が隣同士でお互い好きみたいだ、見た目も似合ってると思う。

「身体を楽にして、目を閉じて神々に祈りを‥‥‥」
「はい」

 両手を組んで一心に祈る。
(神様、どうか良い加護をお与えください)



「アウルム‥‥‥『ストレージ』!」

 周りの大人たちからどよめきが起こる。

「アウルム! 良かった、良い加護じゃないか!」
「父さん‥‥‥、父さんと同じ加護が良かったよ‥‥‥」

「そんな事言うな。ストレージは便利だぞ。商人なら喉から手が出る程欲しいスキルだ」
「でも‥‥‥父さんの畑‥‥‥」

「アウルム、お前は優しいな。お前は若いんだ。いろんな経験をしてから農業をしても良いじゃないか」
「うん‥‥‥わかったよ」

「アウルム、『ストレージ』なんだって?」
「やぁ、ディーン。そうなんだよ。二人はなんだった?」
「俺は『剣王』だ!! 最高だぜ!」
「私は『癒しの手』回復魔法が使えるみたい」

「二人とも冒険者向けだなぁ。二人とも冒険者志望だから良かったじゃないか」
「アウルムの『ストレージ』も沢山の荷物を持てるし冒険者としても便利よ」
「そうだ! 三人でパーティーを組まないか?」

「そうだなぁ、ボクは農業志望だったからなぁ。それも良いかもしれないけど、もう少し考えてみるよ」
「わかった、待ってるよ」
「待ってるからね!!」

ーーーーーーーーーーーー

 教会を後にして家路に向かう。我が家は村の外れにあるから少し遠いんだ。
 夕方に村の広場でお披露目会が開かれるから一度解散し、準備してからもう一度来るんだ。  
 往復で一時間くらいだからそこまで遠くはないけど。

ーーーーーーーーーーーー

 準備を整えて広場に向かう。
「ご馳走も出るんだよね? 楽しみだなぁ‥‥‥」
「あぁ、今日はお祝いだからたくさん食べて良いんだぞ!!」
「もう。貴方ったら!」

 村の広場が見えてきた。
「なんだか騒がしいなぁ?」
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