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熊獣人ブラン
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翌日。馬車が到着した。
降りてくる熊獣人の男性。この人がブランさんに違いない。
馬車の前に立って出迎える。
「ようこそテオドール村へ、ブランさん」
「‥‥‥なんだか貴族にでもなった気分ですよ。オレはここで何をやらされるんでしょうか?」
「辺境爵領の一大名物を新しく作る仕事をお任せしたいのです。具体的には酒作りですね」
「‥‥‥オレ酒なんか作った事ないぜ? 肉体労働以外した事が‥‥‥」
「大丈夫です。この国では作った人はまだ居ませんから。貴方はこの酒作りで重要な部分におけるスキルをお持ちなので。身体も大きいし、力も強そうだし。ブランさんは鼻も効くでしょう?」
「まぁ、見ての通りの熊獣人だから。おっしゃる通りで」
全て蒸留酒造りに必要な才能だ。
「貴方はこの酒作りの為に生まれてきたと言っても過言ではありません。俺はそう思っています。是非力を貸してください」
俺は頭を下げる。
「ずいぶんと腰の低い貴族様だなぁ‥‥‥。わかったよ、やらせてもらうよ」
「よろしくお願いします」
俺が手を差し出すと背が高いブランさんは屈んで握手してくれた。言葉は雑だけど優しい人だと思った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ブランさんを連れて蒸留所を案内する。
「大きな釜だなぁ‥‥‥、こんなに大きいのが必要なのかい?」
「王国中に販売するとなったら多分これくらいでも足りませんよ」
一階で釜を炊き、二階の床よりも背の高いスチルポットが二つ。
蒸留の仕組み、蒸留酒の作り方を説明する。
「うーん、なんとなくわかったぜ。酒を煮詰めて飛ばした酒精を集める訳だな」
「簡単に言えばそうです。ブランさんにはその辺の加減がスキル『蒸留』によって掴めるはずです」
「まさかこのスキルが活かせる時がくるとは思って無かったよ。ありがとな」
頭をくしゃくしゃ撫でられた。力が強いから少し痛い。
案内していたらイブが訪ねてきた。
「イブ。どうした、こんなところで」
「エドガーこそ。アタイはここを定期的に掃除しに来てんのさ。おや? 誰だい、その熊ちゃんは?」
「熊ちゃん‥‥‥、オレはブラン。辺境爵様からここで仕事するように頼まれた」
「えっ!? じゃあここがようやく稼働するのかい? エドガー」
「あぁ、待たせて済まなかったな。ようやく蒸留酒作りが始まるぞ」
「あぁ、こうしちゃいられない。ロキソ達に知らせて来なくちゃ。今日はお祝いだね。酒場を押さえとくよ!」
話が早すぎるよ。ウイスキーならちゃんとしたのが飲めるのは早くても3年後だぞ。
「ありゃドワーフだな? ずいぶんと騒がしい姐さんだ」
「まぁドワーフに酒の話をしたらあんなもんでしょう?」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「坊! 聞いたぞ、いよいよ始まるんだってな!?」
「うんうん!!」
ドワーフ達は目を輝かせている。現実を伝えるのが怖いなぁ。でもいずれバレるしちゃんと言わなくちゃ‥‥‥。
「あー、盛り上がってるところ悪いんだけど蒸留酒は作ってすぐには飲めないからな」
「‥‥‥っ!? な、なんじゃと!?」
「蒸留して樽に詰めて熟成させる為に三年から十年は置かないといけない。いけない事もないのかもしれないけど多分美味しくない。前にも軽く言った気がするけど」
ドワーフ達は両手両膝を床につけて失望してた。前にもコレ見た事あるなぁ。
降りてくる熊獣人の男性。この人がブランさんに違いない。
馬車の前に立って出迎える。
「ようこそテオドール村へ、ブランさん」
「‥‥‥なんだか貴族にでもなった気分ですよ。オレはここで何をやらされるんでしょうか?」
「辺境爵領の一大名物を新しく作る仕事をお任せしたいのです。具体的には酒作りですね」
「‥‥‥オレ酒なんか作った事ないぜ? 肉体労働以外した事が‥‥‥」
「大丈夫です。この国では作った人はまだ居ませんから。貴方はこの酒作りで重要な部分におけるスキルをお持ちなので。身体も大きいし、力も強そうだし。ブランさんは鼻も効くでしょう?」
「まぁ、見ての通りの熊獣人だから。おっしゃる通りで」
全て蒸留酒造りに必要な才能だ。
「貴方はこの酒作りの為に生まれてきたと言っても過言ではありません。俺はそう思っています。是非力を貸してください」
俺は頭を下げる。
「ずいぶんと腰の低い貴族様だなぁ‥‥‥。わかったよ、やらせてもらうよ」
「よろしくお願いします」
俺が手を差し出すと背が高いブランさんは屈んで握手してくれた。言葉は雑だけど優しい人だと思った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ブランさんを連れて蒸留所を案内する。
「大きな釜だなぁ‥‥‥、こんなに大きいのが必要なのかい?」
「王国中に販売するとなったら多分これくらいでも足りませんよ」
一階で釜を炊き、二階の床よりも背の高いスチルポットが二つ。
蒸留の仕組み、蒸留酒の作り方を説明する。
「うーん、なんとなくわかったぜ。酒を煮詰めて飛ばした酒精を集める訳だな」
「簡単に言えばそうです。ブランさんにはその辺の加減がスキル『蒸留』によって掴めるはずです」
「まさかこのスキルが活かせる時がくるとは思って無かったよ。ありがとな」
頭をくしゃくしゃ撫でられた。力が強いから少し痛い。
案内していたらイブが訪ねてきた。
「イブ。どうした、こんなところで」
「エドガーこそ。アタイはここを定期的に掃除しに来てんのさ。おや? 誰だい、その熊ちゃんは?」
「熊ちゃん‥‥‥、オレはブラン。辺境爵様からここで仕事するように頼まれた」
「えっ!? じゃあここがようやく稼働するのかい? エドガー」
「あぁ、待たせて済まなかったな。ようやく蒸留酒作りが始まるぞ」
「あぁ、こうしちゃいられない。ロキソ達に知らせて来なくちゃ。今日はお祝いだね。酒場を押さえとくよ!」
話が早すぎるよ。ウイスキーならちゃんとしたのが飲めるのは早くても3年後だぞ。
「ありゃドワーフだな? ずいぶんと騒がしい姐さんだ」
「まぁドワーフに酒の話をしたらあんなもんでしょう?」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「坊! 聞いたぞ、いよいよ始まるんだってな!?」
「うんうん!!」
ドワーフ達は目を輝かせている。現実を伝えるのが怖いなぁ。でもいずれバレるしちゃんと言わなくちゃ‥‥‥。
「あー、盛り上がってるところ悪いんだけど蒸留酒は作ってすぐには飲めないからな」
「‥‥‥っ!? な、なんじゃと!?」
「蒸留して樽に詰めて熟成させる為に三年から十年は置かないといけない。いけない事もないのかもしれないけど多分美味しくない。前にも軽く言った気がするけど」
ドワーフ達は両手両膝を床につけて失望してた。前にもコレ見た事あるなぁ。
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