37 / 119
料理教室
しおりを挟む
「ちょうど料理が出来たようだ。エドガーよ、隣に座れ。食べながらもっといろいろと教えてくれるか?」
「はい、私などでお役に立てれば‥‥‥」
料理がいろいろと運ばれてくる。料理の取り分けもメイドさんのお仕事だ。
並べられた料理を見ると‥‥‥全体的に芋が多い。ポタート、前世で言うところの『じゃがいも』だ。
「すまんな、ポタートばかりが豊作で。オレとしても少々飽き気味で困っとるんだ」
蒸したじゃがいも、前世でもたまに食べててそれなりに美味かったけど。まさかこんなに出てくるとは思わず。
料理の付け合わせと言うよりポタートの付け合わせに肉が申し訳程度に少し載ってるみたいな感じだ。
お貴族様なのにな‥‥‥。
「エドガーよ、このポタートを美味く食えるアイディアは無いか?」
「‥‥‥ございますよ」
「そうだよなぁ‥‥‥って!? 本当か!? 作り方わかるのか?」
「はい、宜しければやってみますか? 料理人の方をお借りしても?」
ゲオルグ様は少し興奮気味だ。
「何人でも連れて行け。是非やって見せてくれ」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「料理長のクロケットです。ポタートの新しい料理法を教えていただけるそうで」
「エドガーです。生のポタートはありますか」
「この通りたくさんありすぎて困っているくらいです」
出てくる出てくる、まさに山のようだ。
先程出ていた付け合わせの肉と蒸しポタートの皿も持ってきてもらった。
「生のポタートはこの様に棒状に切ってください。くし形に切った物と薄く輪切りにした物も作りましょう」
さすがは貴族様お抱え料理人だ。手つきが鮮やかだ。
「そしたら鍋に油を入れてください。揚げ物をします。良い温度になったら刻んだポタートを揚げてください。いい色に揚がったら塩を振って出来上がりです」
「こちらの調理済みのポタートと肉はどうします?」
「ポタートはすべて潰します、その肉も細かく刻んで混ぜましょう。オニオニンもありますか? それも微塵切りにして炒めます」
じゃーじゃー!
「炒めたオニオニンと刻んだ肉と潰したポタートを混ぜてこねます。出来たらこう楕円形になる様に形を作ります」
「卵を割って水と少し小麦粉を混ぜます。さっきのポタートを混ぜたものにこの卵液、パン粉の順で付けて揚げます」
コネコネ‥‥‥ペタペタ‥‥‥ジュー!!
「いい感じの揚げ色になったら引き上げて、油を切ったら出来上がりです」
さすがは貴族様のお抱え料理人。手つきが澱みない。
揚げたてを食べてみて貰った。
サクッとフォークで切って口に入れたクロケットさん。サクッと歯切れの良い音がここまで届く。
「!!!! 美味い!! 熱いけど美味い!! こんなの食べた事ありませんよ!」
こっちの世界では無いのかな? 無いなら名前パクっても平気だろうか。
「こっちの手間がかかった方は名前がありません。クロケットさんの名前をもじって「コロッケ」としてはどうでしょうか?」
「そんな!! 私の名前からなど畏れ多い!! 是非エドガー様の名前を付けるべきかと!!」
言われる気はしたけど。クロケットさんの名前でコロッケを思い出したんだからそうして欲しいんだよな。
「俺の作り出すものはまだまだありますから。これは是非クロケットさんの「コロッケ」でお願いします」
俺は頭を下げて頼み込む。
「そんな‥‥‥わ、わかりました。コレはコロッケと名付けましょう。光栄です、ありがとうございます!!」
良かった。上手くいった。
「で、どうでしょう? 辺境爵様は気に入っていただけますかね?」
「ええ!! これならばゲオルグ様も満足いただけるはずです!! ありがとうございます!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「美味い!! これは良いな!!」
コロッケは思いの外好評だった。
揚げたてなら特に美味しいもんな。
「こっちも手が止まらんぞ」
揚げポタートをひたすら食べているロキソ。居酒屋の定番メニューだからつまみにもなるしな。
イブが食べながら質問。
「いつも思うけど、何故こんな物を思いつくのかしらね?」
そしてティナが立ち上がって場を制す。
「理由は一つ! エドガー様だからです!!」
「坊の思いついた物を作るのは楽しいからのぅ。今後もよろしく頼むぞ」
「ロキソ達がいないと俺だけじゃ何も作れないからな。こちらこそよろしくな!」
「はい、私などでお役に立てれば‥‥‥」
料理がいろいろと運ばれてくる。料理の取り分けもメイドさんのお仕事だ。
並べられた料理を見ると‥‥‥全体的に芋が多い。ポタート、前世で言うところの『じゃがいも』だ。
「すまんな、ポタートばかりが豊作で。オレとしても少々飽き気味で困っとるんだ」
蒸したじゃがいも、前世でもたまに食べててそれなりに美味かったけど。まさかこんなに出てくるとは思わず。
料理の付け合わせと言うよりポタートの付け合わせに肉が申し訳程度に少し載ってるみたいな感じだ。
お貴族様なのにな‥‥‥。
「エドガーよ、このポタートを美味く食えるアイディアは無いか?」
「‥‥‥ございますよ」
「そうだよなぁ‥‥‥って!? 本当か!? 作り方わかるのか?」
「はい、宜しければやってみますか? 料理人の方をお借りしても?」
ゲオルグ様は少し興奮気味だ。
「何人でも連れて行け。是非やって見せてくれ」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「料理長のクロケットです。ポタートの新しい料理法を教えていただけるそうで」
「エドガーです。生のポタートはありますか」
「この通りたくさんありすぎて困っているくらいです」
出てくる出てくる、まさに山のようだ。
先程出ていた付け合わせの肉と蒸しポタートの皿も持ってきてもらった。
「生のポタートはこの様に棒状に切ってください。くし形に切った物と薄く輪切りにした物も作りましょう」
さすがは貴族様お抱え料理人だ。手つきが鮮やかだ。
「そしたら鍋に油を入れてください。揚げ物をします。良い温度になったら刻んだポタートを揚げてください。いい色に揚がったら塩を振って出来上がりです」
「こちらの調理済みのポタートと肉はどうします?」
「ポタートはすべて潰します、その肉も細かく刻んで混ぜましょう。オニオニンもありますか? それも微塵切りにして炒めます」
じゃーじゃー!
「炒めたオニオニンと刻んだ肉と潰したポタートを混ぜてこねます。出来たらこう楕円形になる様に形を作ります」
「卵を割って水と少し小麦粉を混ぜます。さっきのポタートを混ぜたものにこの卵液、パン粉の順で付けて揚げます」
コネコネ‥‥‥ペタペタ‥‥‥ジュー!!
「いい感じの揚げ色になったら引き上げて、油を切ったら出来上がりです」
さすがは貴族様のお抱え料理人。手つきが澱みない。
揚げたてを食べてみて貰った。
サクッとフォークで切って口に入れたクロケットさん。サクッと歯切れの良い音がここまで届く。
「!!!! 美味い!! 熱いけど美味い!! こんなの食べた事ありませんよ!」
こっちの世界では無いのかな? 無いなら名前パクっても平気だろうか。
「こっちの手間がかかった方は名前がありません。クロケットさんの名前をもじって「コロッケ」としてはどうでしょうか?」
「そんな!! 私の名前からなど畏れ多い!! 是非エドガー様の名前を付けるべきかと!!」
言われる気はしたけど。クロケットさんの名前でコロッケを思い出したんだからそうして欲しいんだよな。
「俺の作り出すものはまだまだありますから。これは是非クロケットさんの「コロッケ」でお願いします」
俺は頭を下げて頼み込む。
「そんな‥‥‥わ、わかりました。コレはコロッケと名付けましょう。光栄です、ありがとうございます!!」
良かった。上手くいった。
「で、どうでしょう? 辺境爵様は気に入っていただけますかね?」
「ええ!! これならばゲオルグ様も満足いただけるはずです!! ありがとうございます!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「美味い!! これは良いな!!」
コロッケは思いの外好評だった。
揚げたてなら特に美味しいもんな。
「こっちも手が止まらんぞ」
揚げポタートをひたすら食べているロキソ。居酒屋の定番メニューだからつまみにもなるしな。
イブが食べながら質問。
「いつも思うけど、何故こんな物を思いつくのかしらね?」
そしてティナが立ち上がって場を制す。
「理由は一つ! エドガー様だからです!!」
「坊の思いついた物を作るのは楽しいからのぅ。今後もよろしく頼むぞ」
「ロキソ達がいないと俺だけじゃ何も作れないからな。こちらこそよろしくな!」
52
お気に入りに追加
68
あなたにおすすめの小説
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~
松原 透
ファンタジー
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。
なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。
生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。
しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。
二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。
婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。
カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?
あくの
ファンタジー
15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。
加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。
また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。
長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。
リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!
伝説の魔術師の弟子になれたけど、収納魔法だけで満足です
カタナヅキ
ファンタジー
※弟子「究極魔法とかいいので収納魔法だけ教えて」師匠「Σ(゚Д゚)エー」
数十年前に異世界から召喚された人間が存在した。その人間は世界中のあらゆる魔法を習得し、伝説の魔術師と謳われた。だが、彼は全ての魔法を覚えた途端に人々の前から姿を消す。
ある日に一人の少年が山奥に暮らす老人の元に尋ねた。この老人こそが伝説の魔術師その人であり、少年は彼に弟子入りを志願する。老人は寿命を終える前に自分が覚えた魔法を少年に託し、伝説の魔術師の称号を彼に受け継いでほしいと思った。
「よし、収納魔法はちゃんと覚えたな?では、次の魔法を……」
「あ、そういうのいいんで」
「えっ!?」
異空間に物体を取り込む「収納魔法」を覚えると、魔術師の弟子は師の元から離れて旅立つ――
――後にこの少年は「収納魔導士」なる渾名を付けられることになる。
老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜
二階堂吉乃
ファンタジー
瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。
白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。
後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。
人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話。
大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる