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ドワーフと酒
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ザルトの建築魔法は別のところでいろいろ試してからに使ってくれる事になった。村長宅に限り無料でやってくれるらしい。
「ところでエドガーよ、ワシらドワーフは酒がないといかん。この村に酒はあるか?」
「もちろんあるさ。ただあまり量は無いけどな」
この村の産業という程のものでは無いけど少し酒を作って飲んではいる。酒場と村長に前もって言ってあったので少しの量(ドワーフにとってはだが)用意してある。
用意してあった蜂蜜酒、葡萄酒、エールを見せる。さっそくありつくドワーフ達。
「この蜂蜜酒は思ったよりも美味いな」
「このワインもかなりイケるわよ」
「‥‥‥うんうん」
思ったより評判が良かった。
「坊よ、『火酒』は無いのか? ははっ、さすがにないか」
ロキソから質問が飛んでくる。
「火酒か‥‥‥あれは特別な施設がないと作れないからな」
「ん? ちょっと待て。‥‥‥逆に施設が有れば作れるという事か?」
火酒‥‥‥いわゆる焼酎やウィスキー、ブランデーのような蒸留酒の事だ。
蒸留酒を作るには蒸留するための窯、ポットスチルが必要だ。
地面に絵に描いて説明してみる。
それを見たロキソ。
「ふむ、大きいのは今は無理じゃが見本サイズの小さいのなら今すぐ作れるぞ。素材の金属は鉄でいいのか?」
「いや、銅で作ってくれ」
確か銅製だったはず。熱伝導性や余計な硫黄化合物の除去とかにも有効だった気がする。
銅のインゴットがウニョウニョと動いて形を変えて、あっという間にテーブルに載るサイズのポットスチルが出来上がった。ドワーフの酒欲はすごいな。
「じゃあここにそのワインを入れて。ティナ温めてくれるか? アルコールが沸騰して水が沸騰しない温度で」
「難しい事言いますね‥‥‥やってみますけど」
ティナが手を翳してしばらくすると温まってきたらしくポタポタとパイプから出てきた。それをコップで受け取る。少し溜まったものをロキソに嗅がせてみる。
「ムアッ! この強い酒精の香りじゃ!! 飲んでもええかの?」
「どうせダメって言っても飲むんだろ?」
ロキソがグイッと杯を煽る。
「‥‥‥っかぁぁぁぁ!!!! これじゃ! この酒精の強さじゃ、求めていたものは!!」
「ほんとならこれを何年も寝かせて熟成しておくんだ」
今出てきたものはほぼ無色透明だ。樽やタンクに詰めて年単位で寝かせる事であの琥珀色になるはずだからな。
「‥‥‥これを本格的に作ってこの村の名物にしたらいいんじゃない?」
イブの呟きに二人が反応した。
「それは良い考えじゃ!! エドガー、是非やろう!!」
「‥‥‥うんうん!!」
ザルトの頷きが少しうわずっとる。ザルトも好きなんだな。でも残念。
「すまんがまだそいつを作れる余剰の麦も葡萄もないし、人もいないからそれは無理だぞ」
ドワーフ三人は膝から崩れ落ちた。
「ところでエドガーよ、ワシらドワーフは酒がないといかん。この村に酒はあるか?」
「もちろんあるさ。ただあまり量は無いけどな」
この村の産業という程のものでは無いけど少し酒を作って飲んではいる。酒場と村長に前もって言ってあったので少しの量(ドワーフにとってはだが)用意してある。
用意してあった蜂蜜酒、葡萄酒、エールを見せる。さっそくありつくドワーフ達。
「この蜂蜜酒は思ったよりも美味いな」
「このワインもかなりイケるわよ」
「‥‥‥うんうん」
思ったより評判が良かった。
「坊よ、『火酒』は無いのか? ははっ、さすがにないか」
ロキソから質問が飛んでくる。
「火酒か‥‥‥あれは特別な施設がないと作れないからな」
「ん? ちょっと待て。‥‥‥逆に施設が有れば作れるという事か?」
火酒‥‥‥いわゆる焼酎やウィスキー、ブランデーのような蒸留酒の事だ。
蒸留酒を作るには蒸留するための窯、ポットスチルが必要だ。
地面に絵に描いて説明してみる。
それを見たロキソ。
「ふむ、大きいのは今は無理じゃが見本サイズの小さいのなら今すぐ作れるぞ。素材の金属は鉄でいいのか?」
「いや、銅で作ってくれ」
確か銅製だったはず。熱伝導性や余計な硫黄化合物の除去とかにも有効だった気がする。
銅のインゴットがウニョウニョと動いて形を変えて、あっという間にテーブルに載るサイズのポットスチルが出来上がった。ドワーフの酒欲はすごいな。
「じゃあここにそのワインを入れて。ティナ温めてくれるか? アルコールが沸騰して水が沸騰しない温度で」
「難しい事言いますね‥‥‥やってみますけど」
ティナが手を翳してしばらくすると温まってきたらしくポタポタとパイプから出てきた。それをコップで受け取る。少し溜まったものをロキソに嗅がせてみる。
「ムアッ! この強い酒精の香りじゃ!! 飲んでもええかの?」
「どうせダメって言っても飲むんだろ?」
ロキソがグイッと杯を煽る。
「‥‥‥っかぁぁぁぁ!!!! これじゃ! この酒精の強さじゃ、求めていたものは!!」
「ほんとならこれを何年も寝かせて熟成しておくんだ」
今出てきたものはほぼ無色透明だ。樽やタンクに詰めて年単位で寝かせる事であの琥珀色になるはずだからな。
「‥‥‥これを本格的に作ってこの村の名物にしたらいいんじゃない?」
イブの呟きに二人が反応した。
「それは良い考えじゃ!! エドガー、是非やろう!!」
「‥‥‥うんうん!!」
ザルトの頷きが少しうわずっとる。ザルトも好きなんだな。でも残念。
「すまんがまだそいつを作れる余剰の麦も葡萄もないし、人もいないからそれは無理だぞ」
ドワーフ三人は膝から崩れ落ちた。
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