親友がどーしてもって言うから渋々引き受けたけど後でとんでもないことになった話。

曲がる定規

文字の大きさ
7 / 10

☆親友にどうしてもって頼まれたから渋々貸したけどその後大変なことになった利幸の話

しおりを挟む
☆親友にどうしてもって頼まれたから渋々貸したけどその後大変なことになった利幸の話☆





  …!?
  ……っ!?


(っん…え、、、ぇぇえぇェえぇ!?)





  放課後の空き教室。オレは、机の下に潜り、親友に貸したシャーペンを探していた。それだけだ。

  なのに…










  時は遡る。

「おーーーーぉい!」

「ん?」


  昼休憩が始まって2分後。オレは、呼び止める声に振り返った。
  そこには、パンとミルクティー片手に今にも走り出そうに足踏みをしている親友。そいつが言うには、今から空き教室で部活のミーティングがあるのを忘れてたとかで…


「とーしぃぃゆぅきぃぃぃぃ!利幸利幸とっしーとしちゃぁぁぁん!」

「なんだよ、正人うっさいな」

「大親友の利幸様一生のお願いですシャーペン貸してください!!」

「は?」

「今からミーティングなんだよぉはやく行かなきゃなんだよぉぉぉぉ」


  一生のお願いがソレかよ…もう何度目かわからない一生のお願いに、呆れつつもオレはしぶしぶシャーペンに手を伸ばす。(胸元にいつも差してるやつだ。ここにあると結構便利。)

  手渡した瞬間、さっきまで半泣きだった情けない顔がパッと笑顔に変わり、「ありがとう」の「と」辺りで正人は走り去っていった。


  しかし。
  午後イチの授業が始まっても、オレの元には帰ってこなかった。


  ちなみに本人はすぐに返すつもりだったらしい。





  ミーティングが長引いたらしく、正人が教室に帰ってきたのは授業が始まるギリギリ。
  本日全ての授業が終わった放課後の現在は、職員室に呼び出し。また足踏みが止まる暇も無く飛び出して行った。その親友が数秒前に言い残していったのが「本当にごめん!ミーティングで使った教室にシャーペン忘れてきた!!」だ。


  んっとに…忙しい奴だ。


  半分呆れつつも、まぁいつものことだ、と、オレは廊下を走る親友の、既に米粒大の後ろ姿を見送る。≡Зのマークが見えそうだ。


  オレが使うためであって、正人に貸すために差してるわけじゃ…

  ってまぁ…
  役に立ってよかった、ということにしよう。


  今度昼飯奢ってもらおうかな。教頭激押し裏メニュー、1日5食限定ステーキトンカツエビタルタル盛セット1200円!!…迷惑料としては少々高いか。





「ふぅ、ついでだし取りに行くか」

  小さめのため息をつきながらオレは立ち上がった。
  空き教室は校舎から出るときに通る廊下から少し奥まった所にある。シャーペン1本、そのままにしたって…と思ったが、どうせ通り道だし、大した手間でもないし…
そんなことを考えながら、オレは鞄を手にした。





  ガラッと扉を開ける。西日が差す誰もいない空き教室には、放課後特有の空気が漂っている。
  真ん中にはミーティングをしてたっぽい机の並び。そして隅には机やその他が乱雑につまれている。

  オレはざっと見回した。しかし、シャーペンは見つからない。
  
 ふと、教室の隅の、机が積まれている場所に目が止まった。その瞬間、オレの頭にパっと浮かんだある光景。

  滑り込みセーフ!!と言いたくなるような体勢で扉を開け→すみません遅れましたぁーって言いながら席に→パンを齧りながらプリントを急いで記入し→立ち上がり際にゴミとプリントに気を取られ→何かにつまづいて転び→その拍子にシャーペンはコロコロと教室の端の方へ…


  …おそらくこうだろう。


  親友の行動は簡単に想像できる。正人の制服の膝がホコリで汚れてたのをオレは見逃さなかったし。


「正人め…」


  半分呆れ半分いつものことか、と親友の名前を口にした。





  机がいくつも並べられているのをみると、小学生の頃にトンネルって言ってくぐって遊んだのを思い出す。正人と、どっちが早いか競争していたのだ。(後で先生にめちゃくちゃ怒られるからやめような)


  正人、こういうのは得意だったんだよなあ…


  親友の、あるはずのないあの日の後ろ姿が見えた気がした。

  懐かしさに浸りながら、オレは当時と同じ様に机をくぐった。





  あったあった…!


  机の影に隠れたシャーペンを見て、自分の読みは間違ってなかった、そう確信した。

   机のトンネル内で、見つけたシャーペンを手にしたそのとき。
  教室の扉が開く音とともに、誰かが入ってきた。足音がいくつかあるから3人くらいだろう。


  …!
  びっくりした…でもまぁ、今からこの教室を使うんだな。よし、さっさと帰ろう。


  シャーペン片手にバックしようとした瞬間、また扉が開く音がした。足音からするに今度は一人だろう。


  やっぱりミーティングとかあるんだろうな。邪魔しちゃ悪いし、部外者はさっさと出ないと…


「…んぁっ、ぁ、んっ!あぁぁぁ!」


  …?


「順…」

「んっ…せ、せんぱ…ん、ぁあぁぁん!」


  !?!!!?!???
  な?なんだ?!?????


  何かを無理やり動かすギシギシ音、粘度のある水分の音、そして狭まった喉の奥から出るような高い声…

  気になったオレは、四つん這いの姿勢のまま、首をぐっと音の方へ向けた。





  この時…
  机の隙間から見てしまったんだ。





  っん…え、、、ぇぇえぇェえぇ!?




  親友がどーしてもって言うから、しぶしぶシャーペンを貸しただけなのに…


  なんでこんな目にあうんだよ!!





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

国民的アイドルの元ライバルが、俺の底辺配信をなぜか認知している

逢 舞夏
BL
「高校に行っても、お前には負けないからな!」 「……もう、俺を追いかけるな」  中三の卒業式。幼馴染であり、唯一無二のライバルだった蓮田深月(はすだ みつき)にそう突き放されたあの日から、俺の時間は止まったままだ。  あれから15年。深月は国民的アイドルグループのセンターとして芸能界の頂点に立ち、俺、梅本陸(うめもと りく)は、アパートでコンビニのサラミを齧る、しがない30歳の社畜になった。  誰にも祝われない30歳の誕生日。孤独と酒に酔った勢いで、俺は『おでん』という名の猫耳アバターを被り、VTuberとして配信を始めた。  どうせ誰も来ない。チラ裏の愚痴配信だ。  そう思っていた俺の画面を、見たことのない金額の赤スパ(投げ銭)が埋め尽くした。 『K:¥50,000 誕生日おめでとう。いい声だ、もっと話して』  『K』と名乗る謎の太客。  【執着強めの国民的アイドル】×【酒飲みツンデレおじさんV】

自己肯定感低めの不幸な義弟が完璧な義兄と大揉めに揉める話

あと
BL
「こんな僕をお兄ちゃんは嫌ってるだろうな」 トップ俳優な完璧超人の義理の兄×不幸な自己肯定感低めのネガティブ義理の弟です。 お金ない受けが追い詰められて変なアルバイトしようとしたら、攻めと再会して……?みたいな話です。 攻めがヤンデレ気味で、受けがマジで卑屈なので苦手な人はブラウザバックで。 兄弟は親が離婚してるため、苗字が違います。 攻め:水瀬真広 受け:神崎彼方 ⚠️作者は芸能界にもお葬式ににもエアプなので、気にしないでください。 途中でモブおじが出てきます。 義理とはいえ兄弟なので、地雷の人はブラウザバックで。 初投稿です。 初投稿がちょっと人を選ぶ作品なので不安です。 ひよったら消します。 誤字脱字はサイレント修正します。 内容も時々サイレント修正するかもです。 定期的にタグ整理します。 批判・中傷コメントはお控えください。 見つけ次第削除いたします。

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

王道学園に通っています。

オトバタケ
BL
人里離れた山の中にある城のような建物。そこは、選ばれし者だけが入学を許される全寮制の男子校だった。 全寮制男子校を舞台に繰り広げられる様々な恋愛模様を描いた短編集。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

双子のスパダリ旦那が今日も甘い

ユーリ
BL
「いつになったらお前は学校を辞めるんだ?」「いつになったら俺らの仕事の邪魔をする仕事をするんだ?」ーー高校二年生の柚月は幼馴染の双子と一緒に暮らしているが、毎日のように甘やかされるも意味のわからないことを言ってきて…「仕事の邪魔をする仕事って何!?」ーー双子のスパダリ旦那は今日も甘いのです。

愛おしい、君との週末配信☆。.:*・゜

立坂雪花
BL
羽月優心(はづきゆうしん)が ビーズで妹のヘアゴムを作っていた時 いつの間にかクラスメイトたちの 配信する動画に映りこんでいて 「誰このエンジェル?」と周りで 話題になっていた。 そして優心は 一方的に嫌っている 永瀬翔(ながせかける)を 含むグループとなぜか一緒に 動画配信をすることに。 ✩.*˚ 「だって、ほんの一瞬映っただけなのに優心様のことが話題になったんだぜ」 「そうそう、それに今年中に『チャンネル登録一万いかないと解散します』ってこないだ勢いで言っちゃったし……だからお願いします!」  そんな事情は僕には関係ないし、知らない。なんて思っていたのに――。 見た目エンジェル 強気受け 羽月優心(はづきゆうしん) 高校二年生。見た目ふわふわエンジェルでとても可愛らしい。だけど口が悪い。溺愛している妹たちに対しては信じられないほどに優しい。手芸大好き。大好きな妹たちの推しが永瀬なので、嫉妬して永瀬のことを嫌いだと思っていた。だけどやがて――。 × イケメンスパダリ地方アイドル 溺愛攻め 永瀬翔(ながせかける) 優心のクラスメイト。地方在住しながらモデルや俳優、動画配信もしている完璧イケメン。優心に想いをひっそり寄せている。優心と一緒にいる時間が好き。前向きな言動多いけれど実は内気な一面も。 恋をして、ありがとうが溢れてくるお話です🌸 *** お読みくださりありがとうございます 可愛い両片思いのお話です✨ 表紙イラストは ミカスケさまのフリーイラストを お借りいたしました ✨更新追ってくださりありがとうございました クリスマス完結間に合いました🎅🎄

【完】君に届かない声

未希かずは(Miki)
BL
 内気で友達の少ない高校生・花森眞琴は、優しくて完璧な幼なじみの長谷川匠海に密かな恋心を抱いていた。  ある日、匠海が誰かを「そばで守りたい」と話すのを耳にした眞琴。匠海の幸せのために身を引こうと、クラスの人気者・和馬に偽の恋人役を頼むが…。 すれ違う高校生二人の不器用な恋のお話です。 執着囲い込み☓健気。ハピエンです。

処理中です...