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守り続けたいのは恋人の笑顔
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「みーなとっ!」
「ん?どうしたの?」
「あのね……水都には、ずっと笑っててほしいんだ」
「えっ、いきなりどうしたの?」
「ふふふ~」
「?」
「水都」
「吹雪くん?」
「みーなとっ!」
ーーーー
ん…
生徒会室にあるソファで一人、オレは考えていた。
資料をパラパラ捲っているが、目は文字を追っていない。
オレの脳内を埋め尽くすのは、水都のことだけだ。
オレの恋人である水都は、校内にある食堂、通称薔薇園カフェで働いている。
楽しそうにカフェのメニューを語る姿に一目惚れしたオレは、水都の出勤日を狙って通い詰めた。そして数ヶ月後、帰り際の水都を待ち伏せして想いを告げた。
びっくりした様子の水都だったけれど、水都は笑顔で頷いてくれた。
オレは、水都の心に雨がふらないよう、水都の笑顔が曇ることのないよう……ずっとこの笑顔を守っていこうと決めた。
あれから数ヶ月。
互いの立場上、この関係を大っぴらすることは避けていた。
でも、カフェで仕事中の水都をこっそり見るのも、仕事が終わるのを待つのも、隠れてデートするのも、水都と一緒なら何だって楽しい。
人目を憚りながらでも充分だった……が!!
もしも。
立場も人目も気にせず二人っきりでいられる、そんな場所があるならば……
そりゃあもちろん、あーんなことやこーんなこと……手っ取り早く言うと、イチャイチャしたい。
けれど、そんな場所がどこに…?
溜息をつきながら視線を落とした瞬間、オレは閃いた。
決まった人間以外ほとんど来ることがなく、誰にも見られず、オマケに鍵がかけられる…
ここ、生徒会室があるじゃないか!!しかもオレは生徒会長である。……いわく付きのソファもあることだし。
なんて完璧な場所を発見してしまったんだあぁぁぁぁああ!こうなったら善は急げだっ!!!と、カフェに向かって華麗なスタートダッシュを決めようとした。
しかし!ドアノブを握ったままオレは停止した。
何が完璧だ……問題大有りだよ。しかも最大級のが!!!
そう。その大問題は……水都を、ここに呼ぶ理由が無いこと。水都は生徒会役員ではない、というか生徒ですらないから。
あぁぁぁぁぁぁ……
オレは文字通り頭を抱え込んだ。
こんな完璧な場所が!こんなにも側に!あるのに!!
オレは燃え尽きて真っ白になりながら、フラフラとソファに戻った。
ああぁぁぁ世界なんかオレと水都を残して爆発してしまえばいいんだ……
魂の抜けた身体でフラフラとソファに横になると、頭上に何かがあることに気づいた。さっき放りだした書類だ。オレは丸めたブランケットを枕代わりに、なんとなく書類を捲る。
えーと、これは正門前の街路樹の工事の件で、こっちは倉庫の不用品処分の件で、こっちは……あっ!!!!!!
ここでオレは、閃いた。
オレの恋人の水都は、控えめでいつも少し距離を取って微笑んでいるタイプだ。
けれどカフェメニューのことになると、頬を上気させ夢中で話し始める。その顔が、たまらなくたまらなくたまらなく愛おしい。
カフェ利用者の間で密かに人気のメニュー、ローズティーセットは水都が担当した。
セットのカラーによってメインが異なり、水都のこだわりが随所に散りばめられている。お客様の笑顔を第一に考えられた気づかいが嬉しい一皿だ。
ちなみにローズティーセットのピンクとブルーは、少し前に、生徒に熱望されてできたメニューらしい。
オレも、いつか、オレだけのメニューを……
水都の笑顔を思い浮かべ、オレは今すぐにでも水都に会いたくなる。
まぁ自分だけのメニューというよりも、オレの為に夢中になる水都が見たい……こっちが本音だ。
オレは生徒会室の机で書類を眺めていた。
そこへ、扉をノックする音が響く。オレは逸る心をなんとか抑え、返事をした。
「失礼します」
ドアの隙間から、水都が遠慮がちに顔を出す。
「どうぞ」
その所在なさ気な顔がたまらなく可愛くて、机を飛び越え抱きしめに行きそうになるのをなんとか我慢した。
扉の狭い隙間から細い身体を滑り込ませ、大きな音を出さないよう丁寧に扉を閉める後ろ姿。オレは、扉が閉まった瞬間、その後ろ姿に駆け寄った。
「みーなとっ!」
「!?」
いつの間に!?と驚き顔でオレを見下ろす水都。それもまた可愛い。
その可愛い顔のままで周りを注意深く見回し、誰もいないことを確認するといつものオレに見せる顔になった。こっちももちろん可愛い。
「水都。今日は休みなのに、ごめんね」
「ううん、大丈夫だよ。仕事に関係することなら仕方ないよ」
そういいつつも、二人きりなのに水都は内緒話のようにオレの耳元で言う。首を曲げ、オレより高い所にある頭をそっと近づけてくる申し訳なさそうな顔もまた、可愛い。
「あ、あのね、吹雪くん、ぼ、僕、生徒でもないのに、生徒会室って……なんか緊張、する………」
「大丈夫だよ!オレ以外はここにいないし。リラックスリラックス」
「ふ、吹雪くん……ありがとね」
今日はいろんな水都が見られて、なんて日だ…と、オレは心のなかで叫ばずにはいられない。
「水都。今日呼んだのは、ちょっと水都に提案があって……この資料見てほしいんだ」
「はい」
大きめのソファのすみっこに座る水都は、クリップでまとめられた資料をめくる。薄着で寒そうな水都にブランケットを渡し、オレはその向かいに座った。
「だいぶ先の話なんだけど。働く人のリアルな話を聞く機会を、2年生向けに作ってはどうかと先生からの要望があったんだ。そこで白羽の矢が立ったのが、水都だよ」
これこそが、水都を生徒会室に呼ぶための理由だ。白羽の矢が立ったというか、オレが先生方に水都を推しまくったのだ。
「え…そんな大層な役、僕でいいのかな……もっと適した人が………」
水都が迷うのは想定済みだ。オレは用意した理由を並べる。
「大丈夫だよ!水都は、生徒に人気……ゲフンゲフンッ……身近な存在だし。カフェメニューに携わっているからね。あと衛生面や食材の流通の話も混ぜてくれると助かるよ」
水都を生徒会室に呼ぶ……その目的は今果たされている。
しかし!水都がこの件を引き受けてくれたら、打ち合わせのために今後何度か来てもらうのが確定する。
もちろん今日だけでも最高に嬉しいのだけど、また次回、そのまた次回があるのならば、そのチャンスを逃してなるものか!
「でも…」
最後の一押しだと、オレは伏し目がちに言う。
「最近は、動画の影響で調べもせずノリで危険なものを食べたり作ったり、なーんて……ちょっと目に余る行動も聞いてしまって」
「わかった、そういうことなら……精一杯、務めさせていただきます」
「ありがとう!!!!」
オレは心の中で花吹雪を撒き散らしバンザイしてガッツポーズを繰り返した。
「で、今後の予定なんだけど………………」
ニヤニヤ顔を表に出さないよう、水都のスケジュールを確認し予定表に記入しながら、オレはふと顔を上げた。
……と、そこには。
カフェでお客様に見せる顔ではなく、社会人として責任を全うする凛々しい水都の顔があって。
生徒会長としての立場でここまでなんとか冷静を保っていたが……初めて見る、普段の可愛さから想像できないそのギャップに、オレの理性は吹っ飛んだ。
「吹雪くん?どうしたの!?」
急に黙ってしまったオレを、水都が心配そうな顔で覗き込む。
「みーーーーなとぉぉぉ!」
オレはその覗き込む水都を、秒で抱きしめた。間にテーブルがあっても構うもんか。
「水都、そんなカッコイイ顔っ!他の人に、絶対に見せちゃだめだからね!ギャップでみんな爆発しちゃうから!!」
「ちょ、ふ、吹雪くん……」
いろんな関節がちょっと文句を言いそうな姿勢……テーブルに腹ばいで腕を伸ばし水都の腹に巻き付けるオレに、水都は困惑した声でオロオロワタワタする。抱きしめている腕から振動が伝わってくる。
水都が、ここにいるんだ…
人目をはばかりながらでも水都といられたら充分だったとは言え、無理を強いていたこともあったと思う。オレはそのぶんも込めて強く抱きしめた。
「本当はね……水都を推薦したのは………こうやって、生徒会室で二人きりになりたかったからなんだ…」
水都の脇に触れている頬から、ヒクッヒクッと小さくしゃくり上げるような振動が伝わってくる。
「水都!?」
オレは何事だと飛び起きた。行儀が悪いのはわかっているけれど、勢いで、テーブルに正座してしまう。
「……っ、やっぱり、僕、申し訳ないけれど、この件……お断り、します」
「水都!?」
今にもこぼれ落ちそうな大粒の涙を、食い止めようと顔を歪める水都。オレはそんな顔を見てられなくて、水都に手を伸ばした。
「っ!」
しかしその手は、バチンと払い除けられた。オレの手の甲に、ジワリと痛みが広がっていく。
「水都…」
「どうせ、僕はっ、仕事もなにもかもできないしっ」
「そ、そんなことないよ!」
嵐の前のように陰っていく水都の顔に、手から広がった痛みが心まで到達する。
「今回の話を受けて、僕、ちょっとは仕事できるようになったのかなって、認められるようになったのかなって……でも結局、吹雪くんは、僕を利用したかっただけなんだね」
「みなっ…」
「学生の君にはわからないよ」
オレはその場で固まるしかなかった。
互いに立場は違えど、そんなことは大した障害ではないと思っていた。むしろ数年しかないこの関係を楽しもうとさえ思っていた。
でもこれは、大人である水都に甘えていただけで…
オレと水都の間に、見えない壁がある気がした。
「ごめんっ!!!!」
オレはテーブルに正座したまま、水都を抱き寄せた。
腕の中で離せと暴れる水都。でもオレは、これ以外、水都に気持ちを伝える方法が思いつかなかった。
「ごめん」
オレは腕の中の水都に必死に謝る。
「もういいよ」
抵抗を止め冷めた水都の声に、それでもオレは腕を離せなかった。
「ごめん……オレ、水都に甘えてた。自分さえ良ければって、思ってた」
自分の欲を満たすため、それだけのために、無責任に水都の立場を利用した……そしてその無責任が、水都を傷つけた。
オレ、大人になったつもりの……自分勝手でワガママなただのガキじゃん。
「本当に、ごめん」
「もう大丈夫だから、吹雪くん、離して」
オレはそっと腕を離す。
チラリと横を見ると、そこには……大人という立場で涙を奥に隠しながら、全てを諦めたような水都の顔。
「水都……」
その顔に、オレの心はギュッと苦しくなる。
…………オレは、水都に、そんな顔をさせたかった訳じゃないんだ。
「やだ!!」
オレはもう一度腕を伸ばし、水都を抱き寄せた。そして、精いっぱい叫んだ。
オレはガキだ。わかってる。
社会的責任も給料も発生しないし学校内だけで優等生をしていれば評価される。どう頑張っても、年上の、社会人の水都にはまだまだ追いつけない。
…………でも、ガキだからこそ、言えることがある。見えない壁なんてぶち壊して、ガキなりに、ワガママを通させてもらう!
「やだやだやだ!!!」
このアイディアを思いついたのは、生徒会室で二人きりになるため…初めはそのつもりだった。
でも、だんだん変わっていった。
「水都は、自分は仕事ができないって言ってるけど…そんなことないから!!」
「もういいよ」
「本当だよ!!先生方に推薦したら、水都なら、って、すぐにokもらえたし!!聞きたがる生徒も多いだろうって……皆が水都を仕事面で信頼してるってことだよ!!」
この件で駆け回っているときの
周囲の人間の反応に、オレまで嬉しくなった。
水都は信頼されている、そのことを、知ってほしい。
「あとねっ、水都が、カフェのこと真剣に考えてて、お客様第一であれこれ工夫してるとことか……水都が人気になるのはちょっとムムって感じだけど……皆に、水都はすごいんだぞ!!って、伝わればいいなって!!!」
水都の、見逃してしまいそうな細やかな気づかい。お客様のことを第一に考えられるそんな水都を、皆に知ってほしい。
「あと、ホントは、もういっこ、ワガママあるんだけど。これは、言わない……ワガママを言わないっていうワガママ」
そしてオレは、一呼吸置いて、言った。
「だからっ!今回の件……水都に断ってほしくないんだ!!」
これは、全部オレのワガママだ。
笑顔……オレが一番好きな笑顔の水都でいてほしいってだけの。
「二人きりになりたいっていうのが、一番の理由だったのは……本当に、本当に、反省してます」
腕の中から、オレを呼ぶ小さな小さな声がする。顔は見えないけれど、その声にもう涙が混じってないことに、オレは安心する。
「水都。ごめん、ね……」
オレはその声を腕の中に閉じ込めたくて、力の限り強く抱きしめた。
「吹雪くんありがと、ね。僕の立場も、そして、僕たちのことも、真剣に考えててくれたんだね……」
腕の中で水都がモゾモゾと動くと、水都の腕がオレの腰にそっと回された。その手のひらから伝わる温かさが、オレの心まで届く。
「吹雪くん。僕やっぱり、やるよ」
小さいけれど、ハッキリと言う水都。オレは、お返しとばかりにもっともっと強く抱きしめた。
「みーなとっ!」
「吹雪くん、ちょっと、今は、恥ずかしいから、顔、見ないで聞いて………あの、ね…」
水都の顔は真っ赤になっているだろう。その可愛い顔をみたくてオレは覗き込もうとすると、水都は自分の顔をオレの胸元にぎゅっと押し付けた。
「ふ、二人っきりになりたいって、思ってたの、は……ふ、吹雪くん……だけじゃない、から…………」
水都のぬくもりから離れたくなくて、でもの真っ赤になっているだろう顔が見たくて、抱きしめていた腕を離した。
オレは机から降りて、水都の隣に腰掛けた。オレとは反対の方を見て照れた顔を隠そうとする水都。オレは素早く顔を滑り込ませる。
「ちょ、ふぶ……」
そして水都の顔を両手で包み込み、頭を浮かせた膝枕の態勢で唇を奪った。
一瞬で真っ赤よりも赤くなる水都。それがたまらなくて、腹筋に力を入れてもう一度唇を重ねた。
「ふ、吹雪くん」
唇の隙間からオレを呼ぶ水都。でもそんな隙間さえもったいなくて、もっと密着したくて……でも可愛い水都の顔も見たくて……両方同時にできないものかと、そんなジレンマで水都を強く抱き寄せた。
「みーなとっ!」
ここは生徒会室で、オレたち以外誰もいなくて、立場を気にする必要はなくて……
あんなにも望んでいた状況にいる。
そして、お互いを求めている。
膝の上から見上げると、水都の照れながら……嬉しそうに笑う顔。
改めて、嬉しさがこみ上げてくる。
「水都がほしい」
「………………う、ん」
頭のてっぺんから煙を出してしまいそうな水都。それがあまりにも可愛くて、オレは再び唇を合わせた。
オレは身につけていた物を全て脱ぎ捨てる。そしてソファに座る水都にまたがった。
熱く硬くなっている水都をつかみ、オレはそっと腰を下ろす。ゆっくりと、水都の先端が、オレの入口に触れた。
水都……
水都に触れているところから、これでもかと嬉しさが広がっていく。自分の心臓の音が自分の耳から聞こえてきそうだ。
「ふ、吹雪くん……大丈夫?」
「うん……はやく、水都がほしい…」
「ゆっくり、ね」
「やだやだやだっ!はやく、ほし、いっ、からっ!!」
オレは一秒も待ちきれなくて、もう一方の手で尻を開きながら腰を落とした。
「んあぁぁんっ!」
狭い入り口が限界まで広がり、先端を飲み込む。そこを抜けると、自分の重さでゆっくりと入っていく。
「吹雪くん、いたくない?」
「んっ、だい、じょ、ぶ」
水都がオレの中に触れていて、オレの中が水都に触れている…
このどこまでも広がる嬉しさが水都にも伝わってほしくて、オレは覗き込む心配顔に口づけた。
「みーなとっ!」
オレは真っ赤になって恥ずかしそうな水都を両手で抱きしめる。そして唇で唇に触れる。オレが触れられるところ全部で、水都に触れる。
「吹雪くん」
今日はいろんな水都を見ることができて嬉しいけど、やっぱり水都の、オレの一番好きな顔……大好きなものを語るときの、あの笑顔が見たい。
「み……なと」
そして、その、大好きなものの中に、オレも入れてほしい。
「ん、あっ、んゃ、み、なとっ……もっと、オレの中、触って!!」
「吹雪くん」
「んっ、あ、ん、んっ!み、なとっ」
「吹雪くん」
だからその時まで、水都に辛い顔なんてさせたくない。水都の笑顔を守っていきたい。
「んっ、あっ、ぁ」
「吹雪くん」
「んっ、んぁ、あぁぁっ、み、な……と………」
水都の心の中を、オレの好きでいっぱいにしながら。
オレを見つめるのは、オレを嬉しくする愛しくてたまらない笑顔。
「吹雪くん…………す、好き、だよ」
その笑顔は、水都が好きなものを語るときの……
オレの、一番好きな笑顔だ。
「オレも!!!!」
ーーーー
「水都。さっき言わなかったワガママ……」
「うん」
「やっぱり……言ってもいい?」
「いいよ」
オレは水都の、嬉しそうな顔を見ながら言う。
オレの大好きな水都の笑顔が、この瞬間だけじゃなくて、これからもずっとずっと続きますように……そう願いを込めて。
「あのね…………………オレだけのローズティーセット、作ってほしいんだ」
「ん?どうしたの?」
「あのね……水都には、ずっと笑っててほしいんだ」
「えっ、いきなりどうしたの?」
「ふふふ~」
「?」
「水都」
「吹雪くん?」
「みーなとっ!」
ーーーー
ん…
生徒会室にあるソファで一人、オレは考えていた。
資料をパラパラ捲っているが、目は文字を追っていない。
オレの脳内を埋め尽くすのは、水都のことだけだ。
オレの恋人である水都は、校内にある食堂、通称薔薇園カフェで働いている。
楽しそうにカフェのメニューを語る姿に一目惚れしたオレは、水都の出勤日を狙って通い詰めた。そして数ヶ月後、帰り際の水都を待ち伏せして想いを告げた。
びっくりした様子の水都だったけれど、水都は笑顔で頷いてくれた。
オレは、水都の心に雨がふらないよう、水都の笑顔が曇ることのないよう……ずっとこの笑顔を守っていこうと決めた。
あれから数ヶ月。
互いの立場上、この関係を大っぴらすることは避けていた。
でも、カフェで仕事中の水都をこっそり見るのも、仕事が終わるのを待つのも、隠れてデートするのも、水都と一緒なら何だって楽しい。
人目を憚りながらでも充分だった……が!!
もしも。
立場も人目も気にせず二人っきりでいられる、そんな場所があるならば……
そりゃあもちろん、あーんなことやこーんなこと……手っ取り早く言うと、イチャイチャしたい。
けれど、そんな場所がどこに…?
溜息をつきながら視線を落とした瞬間、オレは閃いた。
決まった人間以外ほとんど来ることがなく、誰にも見られず、オマケに鍵がかけられる…
ここ、生徒会室があるじゃないか!!しかもオレは生徒会長である。……いわく付きのソファもあることだし。
なんて完璧な場所を発見してしまったんだあぁぁぁぁああ!こうなったら善は急げだっ!!!と、カフェに向かって華麗なスタートダッシュを決めようとした。
しかし!ドアノブを握ったままオレは停止した。
何が完璧だ……問題大有りだよ。しかも最大級のが!!!
そう。その大問題は……水都を、ここに呼ぶ理由が無いこと。水都は生徒会役員ではない、というか生徒ですらないから。
あぁぁぁぁぁぁ……
オレは文字通り頭を抱え込んだ。
こんな完璧な場所が!こんなにも側に!あるのに!!
オレは燃え尽きて真っ白になりながら、フラフラとソファに戻った。
ああぁぁぁ世界なんかオレと水都を残して爆発してしまえばいいんだ……
魂の抜けた身体でフラフラとソファに横になると、頭上に何かがあることに気づいた。さっき放りだした書類だ。オレは丸めたブランケットを枕代わりに、なんとなく書類を捲る。
えーと、これは正門前の街路樹の工事の件で、こっちは倉庫の不用品処分の件で、こっちは……あっ!!!!!!
ここでオレは、閃いた。
オレの恋人の水都は、控えめでいつも少し距離を取って微笑んでいるタイプだ。
けれどカフェメニューのことになると、頬を上気させ夢中で話し始める。その顔が、たまらなくたまらなくたまらなく愛おしい。
カフェ利用者の間で密かに人気のメニュー、ローズティーセットは水都が担当した。
セットのカラーによってメインが異なり、水都のこだわりが随所に散りばめられている。お客様の笑顔を第一に考えられた気づかいが嬉しい一皿だ。
ちなみにローズティーセットのピンクとブルーは、少し前に、生徒に熱望されてできたメニューらしい。
オレも、いつか、オレだけのメニューを……
水都の笑顔を思い浮かべ、オレは今すぐにでも水都に会いたくなる。
まぁ自分だけのメニューというよりも、オレの為に夢中になる水都が見たい……こっちが本音だ。
オレは生徒会室の机で書類を眺めていた。
そこへ、扉をノックする音が響く。オレは逸る心をなんとか抑え、返事をした。
「失礼します」
ドアの隙間から、水都が遠慮がちに顔を出す。
「どうぞ」
その所在なさ気な顔がたまらなく可愛くて、机を飛び越え抱きしめに行きそうになるのをなんとか我慢した。
扉の狭い隙間から細い身体を滑り込ませ、大きな音を出さないよう丁寧に扉を閉める後ろ姿。オレは、扉が閉まった瞬間、その後ろ姿に駆け寄った。
「みーなとっ!」
「!?」
いつの間に!?と驚き顔でオレを見下ろす水都。それもまた可愛い。
その可愛い顔のままで周りを注意深く見回し、誰もいないことを確認するといつものオレに見せる顔になった。こっちももちろん可愛い。
「水都。今日は休みなのに、ごめんね」
「ううん、大丈夫だよ。仕事に関係することなら仕方ないよ」
そういいつつも、二人きりなのに水都は内緒話のようにオレの耳元で言う。首を曲げ、オレより高い所にある頭をそっと近づけてくる申し訳なさそうな顔もまた、可愛い。
「あ、あのね、吹雪くん、ぼ、僕、生徒でもないのに、生徒会室って……なんか緊張、する………」
「大丈夫だよ!オレ以外はここにいないし。リラックスリラックス」
「ふ、吹雪くん……ありがとね」
今日はいろんな水都が見られて、なんて日だ…と、オレは心のなかで叫ばずにはいられない。
「水都。今日呼んだのは、ちょっと水都に提案があって……この資料見てほしいんだ」
「はい」
大きめのソファのすみっこに座る水都は、クリップでまとめられた資料をめくる。薄着で寒そうな水都にブランケットを渡し、オレはその向かいに座った。
「だいぶ先の話なんだけど。働く人のリアルな話を聞く機会を、2年生向けに作ってはどうかと先生からの要望があったんだ。そこで白羽の矢が立ったのが、水都だよ」
これこそが、水都を生徒会室に呼ぶための理由だ。白羽の矢が立ったというか、オレが先生方に水都を推しまくったのだ。
「え…そんな大層な役、僕でいいのかな……もっと適した人が………」
水都が迷うのは想定済みだ。オレは用意した理由を並べる。
「大丈夫だよ!水都は、生徒に人気……ゲフンゲフンッ……身近な存在だし。カフェメニューに携わっているからね。あと衛生面や食材の流通の話も混ぜてくれると助かるよ」
水都を生徒会室に呼ぶ……その目的は今果たされている。
しかし!水都がこの件を引き受けてくれたら、打ち合わせのために今後何度か来てもらうのが確定する。
もちろん今日だけでも最高に嬉しいのだけど、また次回、そのまた次回があるのならば、そのチャンスを逃してなるものか!
「でも…」
最後の一押しだと、オレは伏し目がちに言う。
「最近は、動画の影響で調べもせずノリで危険なものを食べたり作ったり、なーんて……ちょっと目に余る行動も聞いてしまって」
「わかった、そういうことなら……精一杯、務めさせていただきます」
「ありがとう!!!!」
オレは心の中で花吹雪を撒き散らしバンザイしてガッツポーズを繰り返した。
「で、今後の予定なんだけど………………」
ニヤニヤ顔を表に出さないよう、水都のスケジュールを確認し予定表に記入しながら、オレはふと顔を上げた。
……と、そこには。
カフェでお客様に見せる顔ではなく、社会人として責任を全うする凛々しい水都の顔があって。
生徒会長としての立場でここまでなんとか冷静を保っていたが……初めて見る、普段の可愛さから想像できないそのギャップに、オレの理性は吹っ飛んだ。
「吹雪くん?どうしたの!?」
急に黙ってしまったオレを、水都が心配そうな顔で覗き込む。
「みーーーーなとぉぉぉ!」
オレはその覗き込む水都を、秒で抱きしめた。間にテーブルがあっても構うもんか。
「水都、そんなカッコイイ顔っ!他の人に、絶対に見せちゃだめだからね!ギャップでみんな爆発しちゃうから!!」
「ちょ、ふ、吹雪くん……」
いろんな関節がちょっと文句を言いそうな姿勢……テーブルに腹ばいで腕を伸ばし水都の腹に巻き付けるオレに、水都は困惑した声でオロオロワタワタする。抱きしめている腕から振動が伝わってくる。
水都が、ここにいるんだ…
人目をはばかりながらでも水都といられたら充分だったとは言え、無理を強いていたこともあったと思う。オレはそのぶんも込めて強く抱きしめた。
「本当はね……水都を推薦したのは………こうやって、生徒会室で二人きりになりたかったからなんだ…」
水都の脇に触れている頬から、ヒクッヒクッと小さくしゃくり上げるような振動が伝わってくる。
「水都!?」
オレは何事だと飛び起きた。行儀が悪いのはわかっているけれど、勢いで、テーブルに正座してしまう。
「……っ、やっぱり、僕、申し訳ないけれど、この件……お断り、します」
「水都!?」
今にもこぼれ落ちそうな大粒の涙を、食い止めようと顔を歪める水都。オレはそんな顔を見てられなくて、水都に手を伸ばした。
「っ!」
しかしその手は、バチンと払い除けられた。オレの手の甲に、ジワリと痛みが広がっていく。
「水都…」
「どうせ、僕はっ、仕事もなにもかもできないしっ」
「そ、そんなことないよ!」
嵐の前のように陰っていく水都の顔に、手から広がった痛みが心まで到達する。
「今回の話を受けて、僕、ちょっとは仕事できるようになったのかなって、認められるようになったのかなって……でも結局、吹雪くんは、僕を利用したかっただけなんだね」
「みなっ…」
「学生の君にはわからないよ」
オレはその場で固まるしかなかった。
互いに立場は違えど、そんなことは大した障害ではないと思っていた。むしろ数年しかないこの関係を楽しもうとさえ思っていた。
でもこれは、大人である水都に甘えていただけで…
オレと水都の間に、見えない壁がある気がした。
「ごめんっ!!!!」
オレはテーブルに正座したまま、水都を抱き寄せた。
腕の中で離せと暴れる水都。でもオレは、これ以外、水都に気持ちを伝える方法が思いつかなかった。
「ごめん」
オレは腕の中の水都に必死に謝る。
「もういいよ」
抵抗を止め冷めた水都の声に、それでもオレは腕を離せなかった。
「ごめん……オレ、水都に甘えてた。自分さえ良ければって、思ってた」
自分の欲を満たすため、それだけのために、無責任に水都の立場を利用した……そしてその無責任が、水都を傷つけた。
オレ、大人になったつもりの……自分勝手でワガママなただのガキじゃん。
「本当に、ごめん」
「もう大丈夫だから、吹雪くん、離して」
オレはそっと腕を離す。
チラリと横を見ると、そこには……大人という立場で涙を奥に隠しながら、全てを諦めたような水都の顔。
「水都……」
その顔に、オレの心はギュッと苦しくなる。
…………オレは、水都に、そんな顔をさせたかった訳じゃないんだ。
「やだ!!」
オレはもう一度腕を伸ばし、水都を抱き寄せた。そして、精いっぱい叫んだ。
オレはガキだ。わかってる。
社会的責任も給料も発生しないし学校内だけで優等生をしていれば評価される。どう頑張っても、年上の、社会人の水都にはまだまだ追いつけない。
…………でも、ガキだからこそ、言えることがある。見えない壁なんてぶち壊して、ガキなりに、ワガママを通させてもらう!
「やだやだやだ!!!」
このアイディアを思いついたのは、生徒会室で二人きりになるため…初めはそのつもりだった。
でも、だんだん変わっていった。
「水都は、自分は仕事ができないって言ってるけど…そんなことないから!!」
「もういいよ」
「本当だよ!!先生方に推薦したら、水都なら、って、すぐにokもらえたし!!聞きたがる生徒も多いだろうって……皆が水都を仕事面で信頼してるってことだよ!!」
この件で駆け回っているときの
周囲の人間の反応に、オレまで嬉しくなった。
水都は信頼されている、そのことを、知ってほしい。
「あとねっ、水都が、カフェのこと真剣に考えてて、お客様第一であれこれ工夫してるとことか……水都が人気になるのはちょっとムムって感じだけど……皆に、水都はすごいんだぞ!!って、伝わればいいなって!!!」
水都の、見逃してしまいそうな細やかな気づかい。お客様のことを第一に考えられるそんな水都を、皆に知ってほしい。
「あと、ホントは、もういっこ、ワガママあるんだけど。これは、言わない……ワガママを言わないっていうワガママ」
そしてオレは、一呼吸置いて、言った。
「だからっ!今回の件……水都に断ってほしくないんだ!!」
これは、全部オレのワガママだ。
笑顔……オレが一番好きな笑顔の水都でいてほしいってだけの。
「二人きりになりたいっていうのが、一番の理由だったのは……本当に、本当に、反省してます」
腕の中から、オレを呼ぶ小さな小さな声がする。顔は見えないけれど、その声にもう涙が混じってないことに、オレは安心する。
「水都。ごめん、ね……」
オレはその声を腕の中に閉じ込めたくて、力の限り強く抱きしめた。
「吹雪くんありがと、ね。僕の立場も、そして、僕たちのことも、真剣に考えててくれたんだね……」
腕の中で水都がモゾモゾと動くと、水都の腕がオレの腰にそっと回された。その手のひらから伝わる温かさが、オレの心まで届く。
「吹雪くん。僕やっぱり、やるよ」
小さいけれど、ハッキリと言う水都。オレは、お返しとばかりにもっともっと強く抱きしめた。
「みーなとっ!」
「吹雪くん、ちょっと、今は、恥ずかしいから、顔、見ないで聞いて………あの、ね…」
水都の顔は真っ赤になっているだろう。その可愛い顔をみたくてオレは覗き込もうとすると、水都は自分の顔をオレの胸元にぎゅっと押し付けた。
「ふ、二人っきりになりたいって、思ってたの、は……ふ、吹雪くん……だけじゃない、から…………」
水都のぬくもりから離れたくなくて、でもの真っ赤になっているだろう顔が見たくて、抱きしめていた腕を離した。
オレは机から降りて、水都の隣に腰掛けた。オレとは反対の方を見て照れた顔を隠そうとする水都。オレは素早く顔を滑り込ませる。
「ちょ、ふぶ……」
そして水都の顔を両手で包み込み、頭を浮かせた膝枕の態勢で唇を奪った。
一瞬で真っ赤よりも赤くなる水都。それがたまらなくて、腹筋に力を入れてもう一度唇を重ねた。
「ふ、吹雪くん」
唇の隙間からオレを呼ぶ水都。でもそんな隙間さえもったいなくて、もっと密着したくて……でも可愛い水都の顔も見たくて……両方同時にできないものかと、そんなジレンマで水都を強く抱き寄せた。
「みーなとっ!」
ここは生徒会室で、オレたち以外誰もいなくて、立場を気にする必要はなくて……
あんなにも望んでいた状況にいる。
そして、お互いを求めている。
膝の上から見上げると、水都の照れながら……嬉しそうに笑う顔。
改めて、嬉しさがこみ上げてくる。
「水都がほしい」
「………………う、ん」
頭のてっぺんから煙を出してしまいそうな水都。それがあまりにも可愛くて、オレは再び唇を合わせた。
オレは身につけていた物を全て脱ぎ捨てる。そしてソファに座る水都にまたがった。
熱く硬くなっている水都をつかみ、オレはそっと腰を下ろす。ゆっくりと、水都の先端が、オレの入口に触れた。
水都……
水都に触れているところから、これでもかと嬉しさが広がっていく。自分の心臓の音が自分の耳から聞こえてきそうだ。
「ふ、吹雪くん……大丈夫?」
「うん……はやく、水都がほしい…」
「ゆっくり、ね」
「やだやだやだっ!はやく、ほし、いっ、からっ!!」
オレは一秒も待ちきれなくて、もう一方の手で尻を開きながら腰を落とした。
「んあぁぁんっ!」
狭い入り口が限界まで広がり、先端を飲み込む。そこを抜けると、自分の重さでゆっくりと入っていく。
「吹雪くん、いたくない?」
「んっ、だい、じょ、ぶ」
水都がオレの中に触れていて、オレの中が水都に触れている…
このどこまでも広がる嬉しさが水都にも伝わってほしくて、オレは覗き込む心配顔に口づけた。
「みーなとっ!」
オレは真っ赤になって恥ずかしそうな水都を両手で抱きしめる。そして唇で唇に触れる。オレが触れられるところ全部で、水都に触れる。
「吹雪くん」
今日はいろんな水都を見ることができて嬉しいけど、やっぱり水都の、オレの一番好きな顔……大好きなものを語るときの、あの笑顔が見たい。
「み……なと」
そして、その、大好きなものの中に、オレも入れてほしい。
「ん、あっ、んゃ、み、なとっ……もっと、オレの中、触って!!」
「吹雪くん」
「んっ、あ、ん、んっ!み、なとっ」
「吹雪くん」
だからその時まで、水都に辛い顔なんてさせたくない。水都の笑顔を守っていきたい。
「んっ、あっ、ぁ」
「吹雪くん」
「んっ、んぁ、あぁぁっ、み、な……と………」
水都の心の中を、オレの好きでいっぱいにしながら。
オレを見つめるのは、オレを嬉しくする愛しくてたまらない笑顔。
「吹雪くん…………す、好き、だよ」
その笑顔は、水都が好きなものを語るときの……
オレの、一番好きな笑顔だ。
「オレも!!!!」
ーーーー
「水都。さっき言わなかったワガママ……」
「うん」
「やっぱり……言ってもいい?」
「いいよ」
オレは水都の、嬉しそうな顔を見ながら言う。
オレの大好きな水都の笑顔が、この瞬間だけじゃなくて、これからもずっとずっと続きますように……そう願いを込めて。
「あのね…………………オレだけのローズティーセット、作ってほしいんだ」
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