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「吉実…も、う」


 僕は唇でも正の身体を堪能する。
お預けを食らって敏感になっている正の身体は、少し触れただけでもびくっとする。それが嬉しくて。綺麗に割れた腹筋、細い腰、しゅっとしてて野性味あふれるご立派なチンコ、小さいけど欲張りなお尻…と、一つ一つ味わっていく。


 僕の好きなもの全部持ってる正の全部が堪らなく好きだ。大好きだぁぁ!


「クソがっ、んっ…しつこいっつってんだろっ!テメェいい加減…」


 待ちきれない雛鳥のように、ぱくぱく、ぱくぱくと可愛らしく僕を呼ぶ下のクチ。それに反するように上のクチはどんどん悪くなっていく。


「ンっ、これ以上もう…チンタラやってねぇで、さっさ、と、しろ、よ…」

「待たせちゃってごめんね」


 熟れすぎてぽってりとした入口に、同じくお預けを食らってた僕の先端で、どっかのオモチャと違って…優しく優しくキスをする。


「でも」


 僕は腰を、上にスライドさせた。


「やぁんっ!!……………テメェ!!」


 今日初めて知った甘くて可愛らしい声の後に、半分起き上がった正が怒りを飛ばしてくる。
 でも、僕だって…


「だって…正の気持ちいいところは僕が全部見つけたかったのに!!しかもそれ見つけたのは浮気相手なんだよっ!?!?正の初めてを奪ったにっくきヤツめ!!」


 僕は、ベッドから遠ーーーくの床に落ちてるピンクのヤツを、チラッと睨む。


「いまさらマトモに嫉妬しやがって、クソが…」


 そんな僕を見て正はますますクチが悪くなる。けど…すかさず腕で隠した正の顔は、だいぶ赤い。


「オ……オレの身体、の中!きっ、気持ちいいとこっ…最初に、見、つけた…のは、吉実、だからなっ!」


 顔を隠す腕の間から、今すぐ地中深くに埋めてくれ!って言いそうな声が聞こえてくる。


「正!!!!!!!!」


 僕は光の速さで抱きしめた。
 腕の中でぶわわわっと茹だっていく正の身体。顔だけじゃなくて爪の先まで真っ赤だ。


「正!正!しょうぅぅぅぅ!!!!」


 僕は摩擦で焦げるんじゃないかってくらい頬擦りする。
 とっても可愛い声を出す正。
 爪の先まで真っ赤になる正。
 今日は大好きな正の大好きなところを2つも知っちゃって、これはもう興奮しない方がおかしい。


「きっ、気色ワリィことしてねぇで、はやくしろよクソがっ!!」








 でもねでもね。
 今日の僕は、燻り始めた嫉妬の炎がゆらゆらしてて、ちょっといじわるだから…


「ねぇ♪ねぇ♪」

「なん、だよ…気色悪い顔しやがって」

「正がさ………自分で入れてよ!」

「ハァァァ!?」

「だって…あの時の正、が」

「だあァぁぁぁぁァァァ言うんじゃねぇ!!」


 土の中で5万年くらい化石になってたいって顔で、正は僕の言葉を遮る。


「ね、お願い!」


 あの時のあの正の顔があんまりにも可愛くて。その顔を僕の上でしてくれたらなぁって。
 まぁ半分は…あのオモチャの記憶を上書きしたいからだけど。


 真っ赤を通り越して最早何色かわからない顔で正は言う。


「チッ、そのアホみてぇな顔してねぇで、さっさと寝転べよ」


 正は僕の肩を勢いよく押すと、僕の腰に跨った。
 僕は大好きな細い腰に手を添える。


「んっ」


 片手で握り、正は待ちきれない下のクチに優しく優しくキスをさせる。触れる瞬間、正はぴくんと身体を震わせる。
 オモチャのときみたいに乱暴じゃないその触れるようなキスに、それだけで僕の心はウッヒョァァ!だ。


「よ、吉実」


 天井のライトのせいで顔は見えないけど、正がどんな顔してるかわかる。


「い、いくぞ」


 正は大きく息を吸うと、入口へのキスからもっと深いところへのキスに変えるために、腰を落とした。


「んぁっ」

「正」


 待ちきれなかったと言わんばかりにギュギュッと絡みついてくる熱い肉を感じながら、僕は少しずつ正の中に入っていく。
 毎回苦しそうな正に心が痛くなるけど、今日は、柔らかくなった肉が歓迎するようにスムーズに進んでいく。いつも唇を結んで耐えているのに、今は甘い吐息が漏れててそれが僕を更に興奮させる。もちろん眉間にシワを寄せてるのも超良いんだけどね!

 そんな状態に正も気づいたのか、驚きつつも、身体の中で僕の形をじっくり味わっているみたいだ。


「んっ」


 僕の先端が奥にキスするのと同時に、あのオモチャが見つけた正のイイトコロが、僕の肌に触れた。

 触れるようなキスで大切にしてくれること、苦しくても受け入れてくれること、弱いところも正の方から触れてくるところ…それらを遠ーーーくのオモチャに見せつけることで、僕の嫉妬は消えていった。


「正」


 正の身体の中、僕が見つけた気持ちいいところに内側からキスをする。


「っ、ンッ」


 この低く唸るような声が、僕はたまらなく好きだ。


「んっ、ん!!」


 僕に絡みつきながら揺れる細い腰が、僕は堪らなく好きだ。


「んっ」


 びくんびくんと揺れる身体に合わせて、天を向きながら揺れる野性味あふれるチンコ。言葉は無いけれど、気持ちいいよって、勢いよく吹き出しながら教えてくれる。
 そんなとこも僕は堪らなく好きだ。
 まだまだまだまだまだまだあるけど…文字数の関係で、全部は挙げられそうにない。

 僕は、僕が好きな正を、僕の全身を全部使って触れる。前から知ってたところも、今日知ったところも。そして、これから見つけていくところも。そこも大好きになることは確定してますからご安心を!!


 正が持ってるものが全部大好きで。僕が大好きなところを全部持ってるそんな正が大好きなんだ。

 だから。
 大好きな正じゃなきゃ、だめなんだ。



















「正。…………あの…」

「ん」

「あの、ね…」

「なんだよ吉実」

「…」

「チッ、黙ってちゃわかんねーよ」

「あの、え、と…………つかぬことをお伺いしますが…」

「………テメェが遠慮するなんて珍しいな」

「えと…」

「もう怒ったりしねぇから、言ってみろ」

「あの、ね……その………………………あの大っきな浮気相手って、気持ちよかった?」

「……………ハァ!?」

「ぼ、僕だって、それなりにソレナリだと思うよ?でもさ、アレがさ?正にあんな可愛い声をさせちゃうし?しかもそんな声を聞いたの僕初めてだし!そりゃいつもの低くて奥から絞り出すような吐息混じりの声も宇宙一カッコいいとは思うよ?でもさでもさ?正の初めては全部僕じゃなきゃ嫌だし!!ってか結構気持ち良さそうな顔してたし…………僕じゃ、今まで、満足させてあげられてなかったのかなって…ちょっと、思って……」

「テメェ、ンなこと考えてたのかよっ!!」

「だって!!あんな可愛い顔見せられちゃったらさ!!」

「あんなに毎日毎日24時間365日好き好き言っときながら、今更なに自信無くしてんだよ」

「しょぅぅぅ…」

「もう……………」

「え?なになに何て言ったの!?」

「……………………」

「正?」

「も……も、もう、充分過ぎるくらいだっつってんだろ!!!」

「!!!!」

「あの、な…いつもオレばっかりが…もらってっから…」

「そんなことないよ!!」

「ウッセェ!!…………今度は、オレ…が、ちゃんと返す…か、ら……」

「正…」

「だから…そんな、心配することはねぇし、その…あれ、だ」

「正!!」

「…ちゃんと、受け取れ、よ、な」

「うんっ!!!!」

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