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「オイ、寝てんじゃねぇぞコラ!」


 耳に響く声と肌寒さに、僕は目を開けた。


「ったく、目を離した隙に…話はまだ終わってねぇんだよ!!」

「ぅへっ!?」


 僕は目をしぱしぱさせ、なんとか視界をクリアにする。


「あぁぁぁぁ寝ちゃってごめ…ん、…痛っ!?」


 起き上がろうとすると、肩にビキッと痛みが走った。それもそのはず。僕の両手は、ヘッドボードにくくりつけられているから。


 この縛り…さすがだ正、びくともしないよ。
 って、……なにこれどういう状況!?


 肌寒さを感じたのは…前が全開(インナーはたくし上げられ)のパーカー、&すっぽんぽんの下半身。
 そして、パカーっと開かれた僕の股の間から、絶対零度の目で見下ろす正。


「正ぅ…?」

「ボケてんじゃねぇよ!!…で?さっきの言い訳、ちったぁ思いついたのか?」


 えと、先に、僕のこの4分の3裸と手首縛られてるのの説明は…ってかもう!!いい加減しつこいって!!!!


「だーーかーーらーーっ、知らないってば!!」

「………チッ…まだ言うか」


 そう言いながら、なぜか正は自身のパーカーのファスナーを下ろした。

「!?!?」


 そのまま脱いでベッド下に投げると、インナーも脱ぎ始めた。


 裾をつかみ上げるクロスした腕とウエストからだんだんと晒されてくる素肌と腹筋と数センチ見えるボクサーパンツがたまらないんですが…


「ってぇぇ!!正なにやってんの!?!?」

「ウルセェ」


 僕を一瞥すると、正は履いていたジャージにも手をかけた。


 両親指をウエストに掛ける姿もたまらないんですが…


「オイ」


 その、いつも下着に隠れてるご立派なそれも、たまらないんですが…


「オイ!目ン玉かっ開いてよく見とけよ」


 一糸まとわぬ姿になった正は、そう言いながら、僕の股の間に座った。


 既に目玉は全開1200%ですが!?







 正はあぐらをかき………正自身のチンコを扱き始めた。


「ちょ…ぉぉおぉぉおぉぉぉおろろろろ!?!?!?」

「ウルセェ、妙な声出すんじゃねぇよ!気が散るだろうが」


 たっぷりのローションが、手の動きに合わせてグチュグチュと音を立てる。


 さっき寝室から出ていったのは、ローションを持ちに行くためだったのかぁ。
 って!!


「正なに!してんの!!!!!」

「ハァ?」

「『ハァ?』じゃな、く、てっ!」


 いきなりキレられてしつこく責められてベッドに縛りつけられて下半身ひん剥かれて目の前で恋人があられもない姿をさらして…
 って、最後のだけならご褒美ですが!


「もぉぉう、なんなんだよ一体ぃぃぃぃぃぃ!」


 僕は叫んだ。腕をギッシギッシと鳴らしながら。
 だけど正はそんな僕を見て、呆れたように口を開いた。


「……………テメェが浮気なんかしてっからだろうが!!!!」

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