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しおりを挟むよしっ!
全部思い出すため、龍生は考える人のポーズを取ろうとしたとき…
「んー、んー?……っ!!!!!」
ふと、視界に見慣れない色が写った。龍生のグレーのパーカーに、有り得ない色が付いている。黒のような、茶色のような…
座布団の側に落ちている小皿で龍生は理解した。
「あ、あぁァあぁゥぁぁ!!!」
「つき兄?」
醤油…!!
さっきからなんか腹が冷たいなって思ってたんだぁ……じゃな!く!てっ!
「…つき兄?」
龍生は急いでパーカーを脱ごうと裾に手を掛けた。
良く見ると、パーカーの下に着ていたTシャツにも同じ色が…
「っっっっヴゲッ!!」
「つき兄」
脱ぐか…あ、いや台拭き、あっ、それよりもティッシュのが早いか…う、、ぜってぇぇぇ母さんに怒られる…!
パーカーのどんどん染み込むシミをどうにかすべく、ティッシュに手をのばす龍生。
向い側の渚のことは、龍生の頭からすっかり消えている。
「…つき兄」
あわてふためく龍生は全く気づいていない。まっすぐ龍生を見つめる渚の顔に、怒りが浮かんでいたことを。
ーーーー
「いっっっってぇぇェぇっ!!」
な!?なんだ!?
顔面に走る激痛。よろめく身体。
そして。
身体を支えようとした右手は運悪く、床に落ちていた箸の上へ…
「うっぉオゥぁぁっ!」
龍生は背中から倒れこんだ。
なんなんだよ…踏んだり蹴ったりってこういうことかよ…
半端に捲りあげられたパーカーのまま、天井を見上げる龍生。不運は重なるものだ。実は、左手も倒れた拍子に本棚に打ち付けている。
額は赤く腫れ、背中と手はジンジン痛み、捻った手首は熱を持ち始める。
はぁぁぁ…
もぉぉなんなんだぁぁぁぁぁぉぁ…
不運の連鎖に、悲しい叫びは声にならずどこかへ消えていく。
龍生はしばらく床の模様の一部になった。
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