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彼の気持ちと私の気持ち〜第6話〜
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めずらしくすぐに既読がつき、メッセージがきた。
「特に意味はない~なんとなくしただけ」
期待してた返事とは真逆で
私は、なにそれ、、と複雑な気持ちになり
「私のことは恋愛対象としてみてないの?」
泣きそうになりながらそうメッセージを送った。
「恋愛対象としてみてないわけではないけど恋愛感情がよく分からないんだよね、由奈ちゃんはいい子だと思うけどそれ以上の気持ちは今はない」
と彼からメッセージが届いた。
じゃあなんであんな優しい笑顔で可愛いなんて言ったの、キスなんかしたの、なんでそんな思わせぶりな態度するの、と苦しくなって頭も心もぐちゃぐちゃだった。
それでも嫌いになれないのは何故なんだろう。
きっと彼からしたら私はたくさんいる女の子の中の1人なのに。
その日は、もう連絡を返さなかった。
その日の夜、ゴロゴロしていると携帯が鳴った。
「涼太(りょうた)くんからだ」
通話ボタンを押して電話に出た。
「こんな夜にどうしたの?」
そう聞くと
「今、仕事帰りで由奈ちゃんの声が聞きたくなって電話した!」
彼は、バーテンダーをやっていて今、仕事が終わって帰宅途中らしい。
他愛もない話をしてて、本当に私のこと好きだよねって冗談まじりに言うと嬉しいそうに、そしていつも通り(どおり)ストレートに、うん好きだよ!大好き!と言って私は、ふふふ、ありがとうと笑って返した。
涼太(りょうた)くんは初めて遊んだカラオケの日に、私は半袖だったので左の腕(うで)のリストカットには気づいていたらしい。
うつ病だと打ち明けてもそれでも好きと言ってくれる。嬉しい反面、付き合ってもないのに簡単に私の病気も全て受け止めるとか言わないでほしい、なんて少しひねくれたことを思っていたのだ。4年半付き合った元カレも同じことを言っていたのだが結局ふられたから|涼太(りょうた)くんもきっと私のことを受け止めきれないと思っている。私はいつの日からか、人間不信になっていた。
私は裕太(ゆうた)くんの件もあって気分が良くなかったので電話切るね、その代わりメッセージでやりとりしようといって強引に電話を切った。
裕太(ゆうた)くんのことでずっと悩んでたから涼太(りょうた)くんに相談してみようかなと思って今までのことをメッセージで話してみた。
私を好きと言ってくれている相手に好きな人の相談をするなんておかしな話だと思うけどこんな気持ち誰にも言えないことが苦しくて頼れるのが涼太(りょうた)くんしかいなかったからだ。
「私、好きな人がいるの。」
そう言いはじめ、あったことを長文でメッセージを送った。
そしたらまさかの返事が送られてきた。
「そんなに苦しいなら当たって砕けろ(くだけろ)精神で好きってことを伝えてみたら?成功したら成功したで応援するし、だめでもそれで諦めが、つくんじゃないかな」
少女漫画だったら、そんなやつやめて俺のところに来いよって言うのになんて思ったけど彼は私の幸せを願ってくれてた。毎日私に好きと伝えてくるのに、私はいつもありがとうって流してたけど
「由奈ちゃんが辛いのは嫌だよ、由奈ちゃんのことが本当に好きだから幸せになってほしい」
彼はそう言ってくれた。
彼なりに背中を押してくれたのかな、なんて思いながら私は、ちゃんと|裕太(ゆうた)くんに気持ちを伝えることを決意した。
涼太(りょうた)くんに今から伝えてくると言って裕太(ゆうた)くんのトーク画面を開いて文字を打った。
「裕太(ゆうた)くん突然ごめんね、聞いてほしいことがあるの。」
そのメッセージを一旦送り、長文で私が心の中で思ってること、そして好きだということをメッセージで送った。
数分たって、彼から返信がきた。
何度も深呼吸して指を震わせながらメッセージをひらいた。
「由奈ちゃんを恋愛対象で見た事ない、そこまで深く知らないからなにもわからない女性には好意よせれないかな、ごめんね」
知ってた。私のこと好きじゃないことくらい。でも期待させといてずるいよ、恋愛対象にみてないわけではないって言ってたのに、散々(さんざん)私の心を掻き乱して(かきみだして)、と大粒(おおつぶ)の涙がぽろぽろ溢れて(あふれて)きた。とまらなかった。それでもまだ嫌いになれなかった、彼の笑顔や匂いや話し方や私に言った言葉が勝手に頭に浮かんで好きという気持ちが心の中から消えてくれなかった。まだ好きだ、大好きだ。でもきっと叶わない恋。
私はしばらくして落ち着いてから涼太(りょうた)くんに連絡をした。
結果を報告したら、そっか、でもその人のこと忘れさせてくれる人が絶対現れるからそういう人が現れたら絶対離しちゃだめだよ、と返信がきた。
私は涼太(りょうた)くんの優しさと、ふられたのに忘れられないバカな私への辛さで、また涙がとまらなくなった。
だが、彼のその言葉で私はあることを決意した。
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いつもより少し長くなってしまいましたが今回も読んでくださってありがとうございます。
うつ病持ちなので投稿頻度はバラバラですがこれからも暖かい目で見守ってくださると幸いです。
「特に意味はない~なんとなくしただけ」
期待してた返事とは真逆で
私は、なにそれ、、と複雑な気持ちになり
「私のことは恋愛対象としてみてないの?」
泣きそうになりながらそうメッセージを送った。
「恋愛対象としてみてないわけではないけど恋愛感情がよく分からないんだよね、由奈ちゃんはいい子だと思うけどそれ以上の気持ちは今はない」
と彼からメッセージが届いた。
じゃあなんであんな優しい笑顔で可愛いなんて言ったの、キスなんかしたの、なんでそんな思わせぶりな態度するの、と苦しくなって頭も心もぐちゃぐちゃだった。
それでも嫌いになれないのは何故なんだろう。
きっと彼からしたら私はたくさんいる女の子の中の1人なのに。
その日は、もう連絡を返さなかった。
その日の夜、ゴロゴロしていると携帯が鳴った。
「涼太(りょうた)くんからだ」
通話ボタンを押して電話に出た。
「こんな夜にどうしたの?」
そう聞くと
「今、仕事帰りで由奈ちゃんの声が聞きたくなって電話した!」
彼は、バーテンダーをやっていて今、仕事が終わって帰宅途中らしい。
他愛もない話をしてて、本当に私のこと好きだよねって冗談まじりに言うと嬉しいそうに、そしていつも通り(どおり)ストレートに、うん好きだよ!大好き!と言って私は、ふふふ、ありがとうと笑って返した。
涼太(りょうた)くんは初めて遊んだカラオケの日に、私は半袖だったので左の腕(うで)のリストカットには気づいていたらしい。
うつ病だと打ち明けてもそれでも好きと言ってくれる。嬉しい反面、付き合ってもないのに簡単に私の病気も全て受け止めるとか言わないでほしい、なんて少しひねくれたことを思っていたのだ。4年半付き合った元カレも同じことを言っていたのだが結局ふられたから|涼太(りょうた)くんもきっと私のことを受け止めきれないと思っている。私はいつの日からか、人間不信になっていた。
私は裕太(ゆうた)くんの件もあって気分が良くなかったので電話切るね、その代わりメッセージでやりとりしようといって強引に電話を切った。
裕太(ゆうた)くんのことでずっと悩んでたから涼太(りょうた)くんに相談してみようかなと思って今までのことをメッセージで話してみた。
私を好きと言ってくれている相手に好きな人の相談をするなんておかしな話だと思うけどこんな気持ち誰にも言えないことが苦しくて頼れるのが涼太(りょうた)くんしかいなかったからだ。
「私、好きな人がいるの。」
そう言いはじめ、あったことを長文でメッセージを送った。
そしたらまさかの返事が送られてきた。
「そんなに苦しいなら当たって砕けろ(くだけろ)精神で好きってことを伝えてみたら?成功したら成功したで応援するし、だめでもそれで諦めが、つくんじゃないかな」
少女漫画だったら、そんなやつやめて俺のところに来いよって言うのになんて思ったけど彼は私の幸せを願ってくれてた。毎日私に好きと伝えてくるのに、私はいつもありがとうって流してたけど
「由奈ちゃんが辛いのは嫌だよ、由奈ちゃんのことが本当に好きだから幸せになってほしい」
彼はそう言ってくれた。
彼なりに背中を押してくれたのかな、なんて思いながら私は、ちゃんと|裕太(ゆうた)くんに気持ちを伝えることを決意した。
涼太(りょうた)くんに今から伝えてくると言って裕太(ゆうた)くんのトーク画面を開いて文字を打った。
「裕太(ゆうた)くん突然ごめんね、聞いてほしいことがあるの。」
そのメッセージを一旦送り、長文で私が心の中で思ってること、そして好きだということをメッセージで送った。
数分たって、彼から返信がきた。
何度も深呼吸して指を震わせながらメッセージをひらいた。
「由奈ちゃんを恋愛対象で見た事ない、そこまで深く知らないからなにもわからない女性には好意よせれないかな、ごめんね」
知ってた。私のこと好きじゃないことくらい。でも期待させといてずるいよ、恋愛対象にみてないわけではないって言ってたのに、散々(さんざん)私の心を掻き乱して(かきみだして)、と大粒(おおつぶ)の涙がぽろぽろ溢れて(あふれて)きた。とまらなかった。それでもまだ嫌いになれなかった、彼の笑顔や匂いや話し方や私に言った言葉が勝手に頭に浮かんで好きという気持ちが心の中から消えてくれなかった。まだ好きだ、大好きだ。でもきっと叶わない恋。
私はしばらくして落ち着いてから涼太(りょうた)くんに連絡をした。
結果を報告したら、そっか、でもその人のこと忘れさせてくれる人が絶対現れるからそういう人が現れたら絶対離しちゃだめだよ、と返信がきた。
私は涼太(りょうた)くんの優しさと、ふられたのに忘れられないバカな私への辛さで、また涙がとまらなくなった。
だが、彼のその言葉で私はあることを決意した。
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いつもより少し長くなってしまいましたが今回も読んでくださってありがとうございます。
うつ病持ちなので投稿頻度はバラバラですがこれからも暖かい目で見守ってくださると幸いです。
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