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第2章

部屋の中の象を指摘しない夕日新聞

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 今回は、「日本人の敵」こと夕日新聞について書こうと思う。

 夕日新聞は戦前から日本に存在するメジャー新聞で、「日本の良識」とか「日本を代表するクオリティペーパー」などと自称していたが、その実は他国の工作員の工作員による工作員のための情報操作会社であった。

 この動きは戦前から既に活発に行われていて、戦前は主に戦争を煽りに煽ることで日本を軍国主義の道に突き進む後押しを続け、戦後は一転して不戦主義や平和主義などの名の元に日本を骨抜きにして他国からの侵略を受けやすくするための報道を続けていた典型的というか日本を代表する「売国組織」であった。

 同様の新聞社には「侮日(ぶにち)新聞社」なども存在していたのだが、その発行部数、影響力、歴史の長さ、トータルとして日本に対して損害を及ぼし続けた罪の深さなどで考えると、夕日新聞に敵う存在は日本では存在していなかった。

 特に戦後彼らがやった情報工作で最も日本に対して大きな被害を及ぼしたのが、戦前と戦中に旧日本軍が使用していた慰安婦に対する、強制連行だの強姦、暴行、虐殺などありもしない嘘を捏造し、海外に向けてまで拡散し続けた報道だった。

 この報道を受けた、当時まだ朝鮮半島に存在していた反日国家は国を挙げてこの報道に乗っかり、日本に対してありもしない損害賠償を請求したり、海外の政府要人に向けてそのようなことを吹き込んで日本を孤立させようとしたり、散々、日本の名誉を傷つける行動を繰り返した。

 結局、彼らはそのような行き過ぎた反日プロパガンダが原因で日米から離反し、2012年の龍国の革命による内戦に巻き込まれて国は滅亡、自治区にされてしまい現在に至るのであるが、

 夕日新聞社はこの「当時の慰安婦に関する証言」が完全に嘘だと証明されたことでこの報道が嘘だったと謝罪したにも関わらず、主に海外向けのサイトで旧日本軍による慰安婦の強制徴用と虐待を報道し続けていた。


 実はこれにいち早く気がついたのは当時、まだスマホユーザー向けに特化したネットビジネスを展開していた日海軍大佐の明石元史たちネットユーザーで、彼はSNSで「あれ?夕日新聞社の海外向けサイトのメタタグがおかしいぞ?」という書き込みを見かけ、直ちに中身を確認したところ、検索エンジンの検索結果に反映しないよう細工がされていたことに気がついた。

 彼は彼の仲間たちと一気にその事実をSNSで拡散し、その結果、夕日新聞はその企業姿勢を糾弾されることになるわけだが、なぜ彼がすぐその事に気がついたのかというと、彼も「同様のことをやっていたから」である。


 と言っても悪いことに使っていたわけではなく、彼が携帯電話(ガラケー)ユーザー向けに送っていたメルマガは当時、サイトでメルマガの内容を公開していたわけだが、

 その「メルマガの内容をそのまま書き込んだサイト」が検索結果に表示されてしまうと何かとマズいので、メタタグをイジってグーグルボットという検索エンジンが情報を自動で収集するロボットを拒否したり、検索結果にこのサイトを上げないように命令するメタタグを書き込みしていたので、すぐ分かったのだ。

 なんせ有料メルマガの内容そのものが検索した結果のサイトだと誰でもたどり着けるので具合が悪いですからね。

 またなぜメルマガを文章だけメールの本文にして送らなかったのか?というと当時まだ残っていたガラケーはメールの本文はわずか数千文字程度しか受信できなかったり、多くの画像を入れたり、文字を飾ったり強調したりできなかったので、メルマガそのものをサイトにして読者にはそのサイトのURLを送って見てもらっていたわけだ。


 ま、余談はこのくらいにして、夕日新聞はその発行部数を落としながらも、現在も日本の世論に対して悪影響を及ぼし続けていた。

 最も多い時期で200万部と言われていた読者数は、2020年頃に100万部を切り、2030年頃には40万部を切る処まで減少した。

 しかし、彼らは龍国企業か、もしくは龍国での経済的な恩恵を多く受けている日本企業から多くの広告費に名前を変えた資金援助を受けることで倒産もせずに生き延びていたのだ。

 通常、ここまで部数を落とすと世論に対する影響力は落ちるものなのだが、夕日新聞はテレビ局も所有し、更に海外の報道局などとも多数提携していたので、力を持ち続けていたのだ。

 例えばアメリカなどは、新聞社がテレビ局を所有することは法律に違反する。

 一つの会社や勢力が強力な世論誘導をしてしまうことを避けるための施策なのだが、日本にはそういう法律は一切ないので、夕日新聞はやりたい放題していたわけだ。

 もちろん、日本でもアメリカと同等の規制を導入しようと動く政治家もいたのだが、ほとんどはマスコミによる妨害によって潰されてきた。

 また、大衆はその様な問題があることをそもそも知らないので、政治家がマスコミ解体を目指して活動しても票にならないので誰もしないという問題もあった。


 新聞は人気が無くなれば部数を落とし影響力も落ちるが、テレビ局は免許制なので多少、視聴率が落ちたとしても膨大な影響力を維持することが出来る。

 日本ではテレビ局は免許制で極々限られた業者のみ参入が許されている極めて閉鎖された特権階級として「第四の勢力」として大きな利権をむさぼり、影響力という権力を奮い続けていた。

 2020年頃には、日本のほぼ全てのマスコミやテレビ局は龍国の影響下に置かれてしまい、龍国にとって不利な事実は一切、報道されなかった。

 2012年に勃発した「龍共内戦」は支那各地で壮絶な味方同士の殺し合いが起こったし、朝鮮半島で大変悲惨な国家消滅と民族浄化が起こったが、この大変な事態を現地で取材した情報やあらゆるチャンネルから漏れてくる情報は殆ど夕日新聞は報道しなかった。

 他の新聞社、テレビ局等マスコミも夕日新聞に右に倣えで同様に報道しなかったので、テレビや新聞しか見ていない多くの日本人は、隣の国でとんでもないことが起こっているという事実を知らなかったのだ。

 内乱というかクーデターとそれに伴う混乱により、指揮命令系が一時的に麻痺した各国に展開していた統一戦線工作部は混乱期こそ大人しくしていたが、

 新たに龍国政府が起こり、命令系統が復活したら以前にも増して他国に対しての影響力工作を活発化させた。

  それまでは影響力工作のみに力を入れてきた統一戦線工作部だが、龍国政府成立後からテロ活動も本格的に支援するようになる。

 具体的にいうと、移民として入国していた龍国人をあらゆる手段を使い取り込み、日本国内でデモ活動をさせたり、保守派を対して暴力を振ったり、酷い場合は爆発物を送りつけて死傷者を出させたり、摘発しようとした警官を逆に脅して家族や仲間などに危害を加えたりと、暴威を振るう様になっていった。

 以前は沖縄での反基地闘争や、古くは成田闘争などで見られた極左による暴力を伴う治安の悪化や言論弾圧が今や日本全土で行われるようになっていったのだった。

 もちろん、これら極左テロリスト(統一戦線工作部の実働部隊)による日本国内でのテロ活動は夕日新聞を筆頭にした国内のマスコミは「一切」報道しなかった。

 例えば、2020年の東京オリンピックで日本国内で居住している龍国人が大量動員され、聖火リレーが各地で妨害されまくったという事件が起こったが、各地で起こった大規模デモを鎮圧しようとした警官隊が逆に包囲され、暴行を受けると共に警官の家族も脅されるなどの深刻な事件が起きた。

 だが、夕日新聞を始めとした国内マスコミは徹底して報道しない自由を行使しただけでなく、その「暴動」の主犯を日本国内の極右勢力と断じて逆に非難し始めるという蛮行に出た。

 海外メディアもそれらの報道をそのまま報じ、日本は対外的にも非常に野蛮な国というイメージを流布されたのであったが、これなどはまだ序の口で、龍国にとって都合の悪い情報は一切、伏せられるか捏造され、他に責任を転化する報道が堂々となされるようになってしまっていた。

 この動きに対して「これはおかしいぞ!」と声を上げる日本人はもちろん大勢いたのだが、SNSに書き込みすると圧力がかけられアカウント自体が抹消される事態が多発した。

 場合によっては身元が特定され、家族や本人に対する暴力を振るうなどの脅迫を受けるだけでなく、身に覚えのない名誉毀損などで多額の損害賠償金を請求されるスラップ訴訟を起こされるなど、都合の悪い情報は徹底的に統一戦線工作部の実働隊や龍国本国に多数存在する「五毛党」というネット書き込み部隊やネット監視部隊によって徹底的に保守的な動きは封じられてしまうのであった。


 川北重工やその関連会社など日本の国防に古くから携わっていた企業の多くはこれらの動きが顕在化する以前から、「こうなること」を想定し、日本の南洋に巨大メガフロートの南海新都市を建造し、他国の工作員が物理的に侵入出来ない環境を全力で作り上げていたわけだ。


 くどいようだが、情報操作を行い、国民の「知る権利を妨害する」という行為はれっきとした「テロ行為」だ。

 民主主義というものは「国民の高い知性と情報リテラシー(情報を正しく理解する能力)」の二つに依存する制度だ。

 いくら正しい情報と知識が目の前にあっても理解出来なければ何の意味もないし、

 そもそも正しい情報が得られない、情報そのものが無いという状態ではいくら知性が高くても全く意味がない。

  「正しい情報」がないと「正しい判断」ができるわけないし、「正しい判断」が出来なければ最悪、自らの身を滅ぼすことになったり、自分が住む地域、国までもを滅ぼすことにもつながりかねない。

 民主主義というものは、民衆の多数決によって政治の流れが決まる制度だ。

 だからこそ、「正しい情報を知る権利」というものは何よりも大事にしないといけないものなのだ。

 彼らがやろうとしているのは、日本文化の破壊であり、日本の国体の破壊であるのだ。


 夕日新聞社が「日本人の敵」と言われる最大の理由はこういうことなのだ。
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