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妖精のお手伝い(18話)
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神様の御使いと呼ばれる存在がいる。これを見ることができる者もいれば、見ることができない者もいる。御使いは自らの意思で人に姿を見せることも可能らしいが、それでも視認できる者は限られるそうだ。
ふよふよと浮かぶ小さい光の玉の数々。彼らはこのカフェにいる御使いといわれている存在だ。その正体は妖精。僕は代々妖精を見ることができる一族に生まれた子。そのためか、妖精の意思に関係なく、そこにいることがわかる。
実際、人間の言葉を理解している妖精が注文内容を伝えてくれたり、簡単に用意できるものは準備をしたりと手伝ってくれたので、先回りできたこともある。
かえでちゃんは僕が用意したものだと思っていただろう。気づかないように見られないようにやっていたから当たり前だけど。妖精がナデナデしていたのもあって気づいてもらえない彼らのために僕が頭を撫でたものある。突然触れてしまったのは申し訳なかった。それでも、妖精の気持ちを伝えたかったから後悔はない。
「今日もありがとう。いろいろ手伝ってくれて助かったよ。今回は片付けをお願いしてもいいかな?」
「りょ」
「いいよ」
ふよふよと近寄って来た子たちが短い返事をした。僕のお願いを聞き入れた彼らはお店の掃除をしたり、棚に食器をしまったりしている。ふわふわと器具が浮かび上がって、決められた場所に置かれた。食器やカトラリーはピカピカに磨かれたように輝いている。それが引き出しの中へと入っていく。乱雑に置かれたものは整理され、使用していた機器の清掃もされた。誰も持っていない動くホウキが床のほこりを集めて、ちりとりに。ほこりのみゴミ袋に入れられた。下先端に雑市がくっついている棒を動かして床拭きもしていた。妖精たちのおかげで掃除や片づけは楽々と終わる。
人間の手で行っていないようにするなら、もっと時間をかけずに終えることができるだろう。妖精がいることがバレてしまってはまずいので、たまに頼むくらいだが。僕も自分でできることはなるべく自分でやりたいから何度も頼むことはない。
「おわり」
「ピカピカにした」
「りっくん、ほめる」
集まってくる妖精たち。しがみつかれたり、頭の上にのっかられたり、髪の毛を引っ張られたり、肩に座られたりなどされている。
「みんな、ありがとう。よくできました」
この言葉に喜びの声を上げ、それが態度に表れる妖精たち。そんな嬉しそうな様子の彼らを僕は見ていた。
妖精の栄養が充実している国は豊かであり、逆に妖精の栄養が不足している国は衰えるとされている。そんな彼らの栄養源は幸せの気持ち、喜びや楽しさなどの正の感情。これを集めるのにこのカフェがある。僕は妖精が見えるため、理事長に妖精の隠れ家を任されたのだ。この学園に入ることもこのカフェのスタッフになることもあらかじめ決まっていたこと。椿先生もこのカフェの責任者になることを理事長から任命された人。僕の親戚で僕が妖精使いであることを知っているからだろう。
妖精使いは妖精の意思に関係なく、妖精を見ることができる人のことをそう呼ぶらしい。僕のような存在は彼らの力を借りることができる。ただ、妖精を視認できる者は少ない。そのため、貴重な存在といわれており、隠されている。知っている者は家族や信頼できる極わずかな人。悪用されるのも困るし、いろんな人に知られたら担ぎ上げられそうだし、この平穏で過ごせるままが良い。僕は妖精と仲良しでいたいだけだし、他の誰かに使われるのなんてごめんだよ。
軽く持ち帰り用のコップやストローなどを補充して、明かりを消す。ゴミ袋は指定されている収集場所に持っていくため、袋を閉じて持った。そして、外側から魔法の鍵でお店を閉じる。再び、外側から魔法の鍵を使用しなければこのカフェの空間は現れない。僕が所持しているのは、失くしてはいけないこのカフェのためのただ一本の鍵だ。
「今回は度が過ぎてる。また同じようなことされても困るし、新たに契約を追加するのありかもしれない。やってること悪質だし、何かしらのペナルティがあの人には必要だろう。このカフェの害になるような行為は許さないよ」
それは誰に聞かれることもなく、暗闇の中に消えていった。
ふよふよと浮かぶ小さい光の玉の数々。彼らはこのカフェにいる御使いといわれている存在だ。その正体は妖精。僕は代々妖精を見ることができる一族に生まれた子。そのためか、妖精の意思に関係なく、そこにいることがわかる。
実際、人間の言葉を理解している妖精が注文内容を伝えてくれたり、簡単に用意できるものは準備をしたりと手伝ってくれたので、先回りできたこともある。
かえでちゃんは僕が用意したものだと思っていただろう。気づかないように見られないようにやっていたから当たり前だけど。妖精がナデナデしていたのもあって気づいてもらえない彼らのために僕が頭を撫でたものある。突然触れてしまったのは申し訳なかった。それでも、妖精の気持ちを伝えたかったから後悔はない。
「今日もありがとう。いろいろ手伝ってくれて助かったよ。今回は片付けをお願いしてもいいかな?」
「りょ」
「いいよ」
ふよふよと近寄って来た子たちが短い返事をした。僕のお願いを聞き入れた彼らはお店の掃除をしたり、棚に食器をしまったりしている。ふわふわと器具が浮かび上がって、決められた場所に置かれた。食器やカトラリーはピカピカに磨かれたように輝いている。それが引き出しの中へと入っていく。乱雑に置かれたものは整理され、使用していた機器の清掃もされた。誰も持っていない動くホウキが床のほこりを集めて、ちりとりに。ほこりのみゴミ袋に入れられた。下先端に雑市がくっついている棒を動かして床拭きもしていた。妖精たちのおかげで掃除や片づけは楽々と終わる。
人間の手で行っていないようにするなら、もっと時間をかけずに終えることができるだろう。妖精がいることがバレてしまってはまずいので、たまに頼むくらいだが。僕も自分でできることはなるべく自分でやりたいから何度も頼むことはない。
「おわり」
「ピカピカにした」
「りっくん、ほめる」
集まってくる妖精たち。しがみつかれたり、頭の上にのっかられたり、髪の毛を引っ張られたり、肩に座られたりなどされている。
「みんな、ありがとう。よくできました」
この言葉に喜びの声を上げ、それが態度に表れる妖精たち。そんな嬉しそうな様子の彼らを僕は見ていた。
妖精の栄養が充実している国は豊かであり、逆に妖精の栄養が不足している国は衰えるとされている。そんな彼らの栄養源は幸せの気持ち、喜びや楽しさなどの正の感情。これを集めるのにこのカフェがある。僕は妖精が見えるため、理事長に妖精の隠れ家を任されたのだ。この学園に入ることもこのカフェのスタッフになることもあらかじめ決まっていたこと。椿先生もこのカフェの責任者になることを理事長から任命された人。僕の親戚で僕が妖精使いであることを知っているからだろう。
妖精使いは妖精の意思に関係なく、妖精を見ることができる人のことをそう呼ぶらしい。僕のような存在は彼らの力を借りることができる。ただ、妖精を視認できる者は少ない。そのため、貴重な存在といわれており、隠されている。知っている者は家族や信頼できる極わずかな人。悪用されるのも困るし、いろんな人に知られたら担ぎ上げられそうだし、この平穏で過ごせるままが良い。僕は妖精と仲良しでいたいだけだし、他の誰かに使われるのなんてごめんだよ。
軽く持ち帰り用のコップやストローなどを補充して、明かりを消す。ゴミ袋は指定されている収集場所に持っていくため、袋を閉じて持った。そして、外側から魔法の鍵でお店を閉じる。再び、外側から魔法の鍵を使用しなければこのカフェの空間は現れない。僕が所持しているのは、失くしてはいけないこのカフェのためのただ一本の鍵だ。
「今回は度が過ぎてる。また同じようなことされても困るし、新たに契約を追加するのありかもしれない。やってること悪質だし、何かしらのペナルティがあの人には必要だろう。このカフェの害になるような行為は許さないよ」
それは誰に聞かれることもなく、暗闇の中に消えていった。
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