猫は恋したので、カフェに行く(仮)

月詠世理

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カフェでトラブル発生(12話)

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 営業時間になり、順調に接客をしていたところ。問題が発生する。店内が一瞬暗くなり、すぐさま明かりがついた。突然のことで店内が騒然としていたが、数秒のことであったため混乱は少なそうだ。

 私はパニックになりそうだったので、深呼吸をして気持ちを落ち着かせようとする。きっと電気が落ちただけだろう。レジの画面が暗くなっていた。使えるように電源を入れる。なかなか立ち上がらない。少し時間がかかりそうだ。先輩に助けを求めようとお客様に一声かけて呼びにいこうとする。

「猫宮さん、――レジが使えないようね。この調子だとすぐに使用できるようにはならなさそうだし、他にも問題もあるかもしれない。先生にアナウンスを入れてもらえるように言ってくるわ。猫宮さんはお客様の対応をお願い」
「は、はい」

 椿先生の用事が終わっているといいけど。
 山城先輩は電子決算について話すと急ぎスタッフルームに向かった。可能であればアプリから精算を行なってもらい、無理そうなら予備の電子決算用の機器で精算してもらう。精算に関してはこのように言われた。私は大丈夫かなと不安を押し殺して、お客様に向き直る。

「お待たせして申し訳ございません。コードの提示をお願いいたします」

 レジ付近にある機械での読み取りはできなさそうだ。予備の端末を取り出してカメラを起動させてコードを読み取る。どうやら上手くいったらしい。

「ありがとうございます。店内ご利用でしょうか? お持ち帰りでしょうか?」
「持ち帰りで」
「承知いたしました。お手数おかけしますが、アプリから精算は可能でしょうか?」
「やってみるわ」

 すんなりとこちらの要望を受け入れてくれた。お客様自身の電子端末を操作している。決済画面に進むことができただろうか。

「何回やってもエラーになる。画像で保存したあるコードは使えると思うけど、アプリ自体は使えなさそうね」
「情報提供ならびにご協力ありがとうございます。では、こちらで精算をお願いいたします」

 保存してあるコードがあるかを聞くのはよさそうだが、アプリが開けないようなので精算はこちらで行うしかなさそうだ。お客様は指し示した機器にカードをかざした。ピコンッと電子音鳴る。精算は終わりだ。

「ありがとうございます。右側こちらでお待ちくださいませ」

 お客様は隣の閉まっているレジのところに移動した。まだ持ち帰りであることを伝えていないのに、いつのまにか奥村先輩は受け渡しをしようとしていた。カップは持ち帰り用ものだった。なぜわかったのかと疑問に思うと同時に先輩は優秀だとも思う。

「お待たせしました。冷たいアップルティです。袋はご入用ですか?」
「このままでいいわ。ありがとう」

 隣の会話が耳に入ってきた。その間にも次のお客様の対応へと移る。読み取って店内か持ち帰りかを聞いて、精算を行う。今までその流れができていたが、アプリが使えないので不便だ。コードの提示が不可能なこともあり、この場合は口頭での注文をお願いしている。

 山城先輩が先生のところへ行っているのもあり、表一人、裏一人で対応している状態のため大変だ。予期せぬトラブルもあるし。

 新しく注文していたコードではなく、古いコードを保存していた人がいて、提供時に注文ミスであると気づいた。一つのミスがタイムロスを生むし、本来注文しようと思ったものと違う注文になっていて欲しかったものが届かなかったし、本当に申し訳なかった。作り直すと言ったら、自分のミスでもあるから今回はこれでいい、みたいな感じのことをおっしゃった。とても申し訳なかった。このようなことがあり、コードがあっても注文の確認を行うことにした。

 いつもと勝手が違うから大変だ。アプリなどのものに頼っているのに慣れているので尚更そう感じる。アプリが落ちてしまったトラブルについて説明することもあり、手間が増えている。起こったトラブルはお客様からしたらこちらの問題であるため関係ない。管理ができていない、などの厳しい声をいただくこともあった。
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