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行く先は運次第。森から出るぞー!(28話)
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木が動いたことでできたスペースを走り抜けた。数匹のカエルが追ってきている。それに気づいたオッカが急ブレーキからの方向転換。追手を攻撃。見事な跳び上がり。そこからくるくると全身で回転。カエルへ突っ込み、勢いよく引っ掻いた。1匹を伸してから他のも素早く倒していった。無事撃退成功。こうしてカエルたちから逃れることができた。ひとまず、どうにか対処できたことに安堵しよう。森のどこら辺にいるのかすらわかっていないから気を抜くことはできないけれど。
「現状確認。僕たちはたぶん来た道を戻ってきた。カエルに出会ってしまう道は後ろ。だから進むとしたら右か左かだ。どっちだ?」
どっちかが森から出れる道。フーラさんもいないし、脱出してしまってもバレないはず。あとで「道がわからなくて」と言って誤魔化せば良いだろう。囮としては働いたし。たぶん、大丈夫なはず。
――さて、どちらに進むべきか。ココはアレに全てを託そう。そこら辺に落ちていた良さそうな真っ直ぐな木の棒を拾う。地面に木の棒を立て、倒れないように上を押さえた。
「森を出れるのはどーっちだ?」
木の棒から手を離した。オッカたちは呆れたように僕を見ていたように思う。温度差がありそうだったもの。じーっと見つめていると、木の棒は前に倒れた。そこに道はない。もう1度と思ったが、動く木があるということが判明しているのだ。通れないようにとおせんぼされている可能性がある。第3の道というものがあるかもしれない。
「オッカ! さっきみたいに木をどかすことはできるか?」
「ニャッ!!」
爪を出してアピールしているオッカ。とてもやる気に満ちている感じだ。得意げな表情をしているような気がした。動く木に気づいて運任せなことにつき合ってくれていたなら、「何してるのコイツ」という反応にはなるだろうな。よし、オッカさん。その鋭い爪で行く道を阻む邪魔な木をどかしてくるんだ。
ガリガリ。ガリガリ。そう繰り返し引っ掻いている。……待ち中。結果、先ほどのように木は動かなかった。
「おいっ! もしかしてさっきのは偶然だったのか? 本当は動く木がどれかわからないとか言わないよね!?」
「ニャン?」
首をこてんと傾げたオッカ。知らんぷりをしようとするな、と思う。僕が勝手に勘違いしていたのかもしれないが、1度木をどかした事実があるのだ。君がいれば問題ないと思うよ。
「はぁ、森に出れるのはどっち?」
もう1度、木の棒で道を決めることにした。カランッと倒れて、指しているのは……。
「現状確認。僕たちはたぶん来た道を戻ってきた。カエルに出会ってしまう道は後ろ。だから進むとしたら右か左かだ。どっちだ?」
どっちかが森から出れる道。フーラさんもいないし、脱出してしまってもバレないはず。あとで「道がわからなくて」と言って誤魔化せば良いだろう。囮としては働いたし。たぶん、大丈夫なはず。
――さて、どちらに進むべきか。ココはアレに全てを託そう。そこら辺に落ちていた良さそうな真っ直ぐな木の棒を拾う。地面に木の棒を立て、倒れないように上を押さえた。
「森を出れるのはどーっちだ?」
木の棒から手を離した。オッカたちは呆れたように僕を見ていたように思う。温度差がありそうだったもの。じーっと見つめていると、木の棒は前に倒れた。そこに道はない。もう1度と思ったが、動く木があるということが判明しているのだ。通れないようにとおせんぼされている可能性がある。第3の道というものがあるかもしれない。
「オッカ! さっきみたいに木をどかすことはできるか?」
「ニャッ!!」
爪を出してアピールしているオッカ。とてもやる気に満ちている感じだ。得意げな表情をしているような気がした。動く木に気づいて運任せなことにつき合ってくれていたなら、「何してるのコイツ」という反応にはなるだろうな。よし、オッカさん。その鋭い爪で行く道を阻む邪魔な木をどかしてくるんだ。
ガリガリ。ガリガリ。そう繰り返し引っ掻いている。……待ち中。結果、先ほどのように木は動かなかった。
「おいっ! もしかしてさっきのは偶然だったのか? 本当は動く木がどれかわからないとか言わないよね!?」
「ニャン?」
首をこてんと傾げたオッカ。知らんぷりをしようとするな、と思う。僕が勝手に勘違いしていたのかもしれないが、1度木をどかした事実があるのだ。君がいれば問題ないと思うよ。
「はぁ、森に出れるのはどっち?」
もう1度、木の棒で道を決めることにした。カランッと倒れて、指しているのは……。
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