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魅力的なウサギに惹かれたが……(25話)

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 フーラさんが爆笑していて、それがなかなか収まらなかった。そのおかげで、持ち物のチェックをすることができた。恥ずかしくはあったが、ずっと笑っている人がいると、いつまで笑ってるんだろうという気持ちになる。起こってしまったことはかえようがないので、できることをすることにした。笑いが収まった頃に擦り傷を治してくれたし良しとする。その時もふっと小さく笑ってたけどね。

 さて、フーラさんのお手伝いで森に足を踏み入れることになった僕。非常に不本意だが、周りを警戒し、ふよふよと浮かんでいるフーラさんについていく。自然に囲まれているところを歩いていた。

「あ、かわいいウサギ!!」

 1つの切り株の近くに可愛らしいふわふわのウサギがいたのを発見した。僕は休んでいるだろうその対象に近づいた。逃げる様子もなく、じっとしている。怖がらせないようにゆっくりと歩みを進めた。

「チィ、それから早く離れたほうがいいぞ」

 急に道を逸れた僕を追ってきたのだろうか。僕の行いを諌めたことにより、僕の肩付近にいたフーラさんがいることに気づいた。

「え?」

 なぜあんなにくりくりのお目目をした無害なかわいらしいウサギから離れないといけないのだろうと首を傾げてしまう。ふわふわで手触りがよさそうな魅力的なウサギなのに。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 とっさに避けた。大きな口を開けて襲いかかってきたウサギがいたから。あんなにかわいかったのに、ゴツくて硬そうな感じに変化した。切れ味の良さそうな鋭い牙が見えている。もし注意されていなかったら、あの牙で噛まれていただろう。恐ろしいことを想像して顔から血の気が引いた。

「怪我しなくて良かったな。あれはガチフワウサギ。柔らかな体毛と可愛らしい見た目に魅了されたチィのような人間が被害に合うことが多々だ。実際、弱いモンスターではあるが、あれは凶暴。白で獲物を引き寄せ、黒で攻撃する。それを受けたら、人は血だらけになって骨が砕かれるだけですむそうだ」

 攻撃された箇所によって死ぬこともある、ともいうフーラさん。急所やられたとか血を流しすぎたとかになったら、そういうことになるよ。あのウサギ怖い。これが弱めのモンスターとは信じたくない。あとね。

「それ、だけって言いませんからね!? 十分大怪我ですからね!?」
「チィ、うるさい。頭とか首とかを噛まれなければ生きていられるのだから、大声を上げて騒ぐほどでもないと思うぞ」

 いや、痛みで暴れ回る自信しかないよ。ケロッと言うけど、この人の感覚が麻痺しているのではないだろうか。生きていれば怪我は治るとはいえ、僕、囮やめたいな。逃げ道塞がれてるから後ろに引くことはできないや。
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