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ある物を拾ったおかけでパパッと解決(20話)
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蜘蛛がいなくなったことで他のモンスターが現れる可能性があった。また襲われることがないように急ぎ来た道を戻る。僕もオッカも道を覚えていなかったため、途方に暮れていたが、タルトは覚えていたらしい。蜘蛛を引き寄せたのに疲れたのだろう。オッカの頭の上に乗って休みながら案内していた。テレパシーでも持っているのか、オッカはタルトの伝えたいことがわかっているようだ。先を進むオッカを追って森を抜けた。ドリドリモグラが掘ったであろう土を発見してようやく安堵することができた。
「モグラを踏んだから意図せず蜘蛛に遭遇することになったとはいえ、あれを退治するのは無理だろ。今回のは運が良かっただけの話で……フーラさん何考えてるんだろ。あの蜘蛛がクエストに適した対象であるかは知らない。ただ出会ったら逃げろという存在だったよ」
クエスト内容に不満があるが、まだウゴキソウの採取が残っている。完了までもうひと頑張りしないとね。――案外楽に集められるとは思っていない。
サラッと、サラサラッと終わった。あんなに苦戦していたのに、ぐるぐる巻きになったウゴキソウが6本。粘着性の糸が洗って落ちるか知らないから、集めたそれが使えるのかは微妙だ。捕まえるのに罠を設置した。蜘蛛の糸の。それがある場所にウゴキソウを誘導。今回はオッカとタルトも手伝ってくれた。
蜘蛛糸の束を拾っておいて正解だった。おかげで手はベトベトになったけど、素早く逃げる草を捕獲できたのだから。地面に根を張って、抜かれないようにするのも、下に蜘蛛の糸があったら不可能だし。動きたくないくらいには疲れているけど、今の僕たちに野宿は難しいし、早く門へ向かおう。蜘蛛を相手するのに時間はかかったし、門まで距離もあるし、着くのはギリギリかもしれない。
なんとか門の近くに。そこには金髪で大きめの服を着ている小柄な体型の人が立っていた。ロルルさんだ。僕は走る。オッカとタルトはスマホに吸い込まれてしまった。つまり、現在は1人である。ロルルさんは僕に気付いたようだ。
「あ、遅かったね。クエストクリアできているのか確認するよ。クエストの内容、見せてくれる?」
僕はフーラさんから渡された紙を差し出した。ロルルさんはそれを見て、目を見開く。何かおかしなところでも見つかったのだろうか。
「君、このクエスト本当にやったの? 試験を受けに来た子がやるクエストじゃないよ?」
一体どういうことなのか。意味がわからない。
「モグラを踏んだから意図せず蜘蛛に遭遇することになったとはいえ、あれを退治するのは無理だろ。今回のは運が良かっただけの話で……フーラさん何考えてるんだろ。あの蜘蛛がクエストに適した対象であるかは知らない。ただ出会ったら逃げろという存在だったよ」
クエスト内容に不満があるが、まだウゴキソウの採取が残っている。完了までもうひと頑張りしないとね。――案外楽に集められるとは思っていない。
サラッと、サラサラッと終わった。あんなに苦戦していたのに、ぐるぐる巻きになったウゴキソウが6本。粘着性の糸が洗って落ちるか知らないから、集めたそれが使えるのかは微妙だ。捕まえるのに罠を設置した。蜘蛛の糸の。それがある場所にウゴキソウを誘導。今回はオッカとタルトも手伝ってくれた。
蜘蛛糸の束を拾っておいて正解だった。おかげで手はベトベトになったけど、素早く逃げる草を捕獲できたのだから。地面に根を張って、抜かれないようにするのも、下に蜘蛛の糸があったら不可能だし。動きたくないくらいには疲れているけど、今の僕たちに野宿は難しいし、早く門へ向かおう。蜘蛛を相手するのに時間はかかったし、門まで距離もあるし、着くのはギリギリかもしれない。
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