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ドリドリモグラを踏んだら(16話)
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あんなことを言っておいて、現状。僕はボロボロだ。服は土だらけ。体は傷だらけだ。トリドリモグラに邪魔され、転ぶのは何回目だろうか。もう数えるのはやめた。地面とこんにちはしても体力は減るのだから、チョーカーがなかったらと思うと冷や汗ものだ。本当に恐ろしい。転んだ時に僕の顔に潰されて目を回すウゴキソウを1本入手できたのは奇跡だった。これを1本採取するのに、1時間ほどかかっていらように感じる。たった1本だけでも苦労の末で入手できたことは普通なら泣きながら喜んでいる出来事であるが、あと4本も捕まえる必要がある。落ち込むし、別の意味で泣きたくなった。
「はぁ、朝早くに起こされて、夕方までは時間があるとはいえ、ウゴキソウだけに集中してたらすぐに夕方になっちゃうよ。ねぇ、オッカとタルトも手伝ってよ。ごはん食べられなくなってもいいの?」
先程まで、上手くいっていない現状にいる僕を見ながら高い鳴き声を上げていたオッカ。その様子はまるで嘲笑っているかのようだった。それが飽きたのか今はぐっすり眠っている。オッカの頭の上にはタルトが休んでいた。協力する気がゼロな2匹。僕の視線に気づいたのか薄く目を開けて、僕を見るオッカ。「にゃっ」と小さく鳴いてそっぽを向かれた。どうやら見捨てられたようだ。
このままいけば合格なんて不可能だ。借金まみれの人生が待っている。ケッ。僕は覚悟を決めた。今の僕に怖いものなどない。休んでいる君たちも土まみれになるといいさ。さんざん邪魔してきたモグラどもは踏んでやる。嫌なことをしてきたのだから、仕返しされても文句は言えないよな。前進あるのみ。僕は穴から顔を出しているモグラに向かって走る。5体ほどいたので、手前から順にリズムよく踏んだ。
ちらりっとモグラどもを見ると、目をつりあげて真っ赤になる姿があった。ギロっと睨み、勢いよく僕に向かってくる。僕は安全な場所で休んでいる2匹のところへ。突然、騒がしくなったことが気になったのだろう。薄く目を開いたオッカ。
「フシャーーーー!!!!」
大きく目を開き、体を起こし、毛を逆立てて走り出した。あるともオッカの声でよからぬことが起きたことに気づいたようだ。パタパタと翅を動かし、宙を飛ぶ。タルトはオッカの後を追いかけていた。僕は土を掘り、前進してくるモグラから逃げながら、2匹を見失うことがないように走る。そうして、僕たちは必死に逃げてたどり着いた場所は森らしかった。
奥に行かないように注意されていたのに、いつのまにか入っていたようだ。ぜえぜえ、と息を吐きながら切り株に背を預ける僕。ぐったりと寝転ぶオッカの上に留まっているタルト。それと、なぜか引き返していったモグラたち。その様子にもう追われることはないと安心して、一休みしていた。しかし、僕たちは身の危険が迫っていることに気づいていなかった。たぶん、モグラたちはその存在を恐れて引き返していったのだろう。2対の赤い目が光る。その不気味な様子に気づくことはできるのだろうか。
「はぁ、朝早くに起こされて、夕方までは時間があるとはいえ、ウゴキソウだけに集中してたらすぐに夕方になっちゃうよ。ねぇ、オッカとタルトも手伝ってよ。ごはん食べられなくなってもいいの?」
先程まで、上手くいっていない現状にいる僕を見ながら高い鳴き声を上げていたオッカ。その様子はまるで嘲笑っているかのようだった。それが飽きたのか今はぐっすり眠っている。オッカの頭の上にはタルトが休んでいた。協力する気がゼロな2匹。僕の視線に気づいたのか薄く目を開けて、僕を見るオッカ。「にゃっ」と小さく鳴いてそっぽを向かれた。どうやら見捨てられたようだ。
このままいけば合格なんて不可能だ。借金まみれの人生が待っている。ケッ。僕は覚悟を決めた。今の僕に怖いものなどない。休んでいる君たちも土まみれになるといいさ。さんざん邪魔してきたモグラどもは踏んでやる。嫌なことをしてきたのだから、仕返しされても文句は言えないよな。前進あるのみ。僕は穴から顔を出しているモグラに向かって走る。5体ほどいたので、手前から順にリズムよく踏んだ。
ちらりっとモグラどもを見ると、目をつりあげて真っ赤になる姿があった。ギロっと睨み、勢いよく僕に向かってくる。僕は安全な場所で休んでいる2匹のところへ。突然、騒がしくなったことが気になったのだろう。薄く目を開いたオッカ。
「フシャーーーー!!!!」
大きく目を開き、体を起こし、毛を逆立てて走り出した。あるともオッカの声でよからぬことが起きたことに気づいたようだ。パタパタと翅を動かし、宙を飛ぶ。タルトはオッカの後を追いかけていた。僕は土を掘り、前進してくるモグラから逃げながら、2匹を見失うことがないように走る。そうして、僕たちは必死に逃げてたどり着いた場所は森らしかった。
奥に行かないように注意されていたのに、いつのまにか入っていたようだ。ぜえぜえ、と息を吐きながら切り株に背を預ける僕。ぐったりと寝転ぶオッカの上に留まっているタルト。それと、なぜか引き返していったモグラたち。その様子にもう追われることはないと安心して、一休みしていた。しかし、僕たちは身の危険が迫っていることに気づいていなかった。たぶん、モグラたちはその存在を恐れて引き返していったのだろう。2対の赤い目が光る。その不気味な様子に気づくことはできるのだろうか。
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