目が覚めたらゲームの世界にいるようです―帰るためにゲームクリアを目指す!!―

月詠世理

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叶えられる願いは1つだけ(4話)

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 ピコンッピコンッ。テイム成功。名前ネコを変更しますか?

「テイム?……テイム!? もしかして、僕、ゲームの世界に来ちゃったの? え? 寝たらゲームの世界に来れるもの?」

 寝れば夢の世界にいてもおかしくはない。そうであればゲームの世界が広がっていても起きれば何事もなく終わる。これが本当に現実ではなければの話だが。

「あはははは、夢だよね。寝る前にゲームやってたし。それが夢になるのはよくあることだよ。うんうん。よし! 目を覚ませ自分。目覚まし時計よ、早く鳴ってくれ。僕を起こして!」

 ピコンッピコンッ。ここは現実。それゆえに体力がゼロになれば死ぬ。ゲームをクリアすれば1つの願いを叶えよう。ただし、不可能な願いもあるため、その場合は拒否する。
 右から左に流れていく文字。言いたいことは大いにある。とりあえず、思いついたことから口に出しておこう。

「ふざけんな! 勝手にへんなことに巻き込んでおいて願いは1つしか叶えられないってどういうことだよ。もっと叶えろよ。願い事を1億個にしろって願うぞ?」

 無理な願い。数の増加は認められない。他、この件に関して説明なし。質問されても意見されても黙秘。以上が返答の内容であった。

 ***
 ~おまけ~

『猫の名前はネコでいいか?』
「メス? オス?」
『メス』
「じゃあ、キョウボウで」
「シャー!!」

 飛びかかってきた猫に顔や首等を引っ掻かれた。傷だらけだ。この傷はすぐに治るし、味方からの攻撃だからか体力減少もなかった。

「気に食わないのね。じゃあ、ジョネコで」

 まあ引っ掻かれた。何がダメなんだろうか。難しい。

「クロ」
「にゃ!」
「シロ」
「にゃ!」
「ネコ」
「にゃーー!!!!」

 鳴き声とともにそっぽを向かれた。思いつかず諦めてネコそのままの名前を言ったら、毛を逆立てて大きな鳴き声で嫌という態度をされた。

「もう、わかったよ。オッカでどう?」
「にゃ~ぁん」
「じゃあ、オッカで決まりだ! これからよろしくね!!」
「にゃぁん」

 オッカも「よろしく」と返事をしたのだろう。何度も何度も提案しては嫌という態度を示すから、投げやりになった部分もあるけど、なんとかなって良かったよ。ダメ出しですぐに爪が出るし、引っ掻くし、おっかない猫だと思いついた。それで出た言葉はまた否定されるだろうと思っていたが、気に入ってくれたようで何よりだ。
 もし今後人に、何でその名前になったのかを聞かれたら、ノーコメントと答えるしかない。
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