友達に戻れない僕達は

4章

受験と旅行

僕の高校は文化祭も終わり、もう受験1本になっていた。
ひたすらに勉強し続け、ひたすらに志望校の合格を目指した。
受験1本になると、ほとんど連絡は取り合わなくなっていた。
ただひたすらに勉強していた。

告白のことすっかり忘れてしまうくらいに。

受験結果から言ってしまえば、
第1志望の北海道大学は数学の易化により自分の得意な教科で差がつかず、あえなく撃沈。

第2志望の東京理科大学には受かった。

正直な話、北海道大学でも東京理科大学でもどちらでも良かったので、東京理科大学でも相当嬉しかった。

やっとの思いで受験が終わり、バレーボール部の3年生で旅行に行くことになった。
2泊3日の箱根旅行だ。

旅行中、とてもテンションの高かった僕はなんの考えもせず、侑に肩をくんだ。
その瞬間、侑は僕の腕と体を突き飛ばした。
侑の頬は少し赤くなっていた。

そして僕は思い出したのだ。
侑が僕に告白したことを

僕はとんでもなく失礼なことをしたと気づくがもう遅かった。

他の3年生の前では平然を装い石川と話していたが、1度も目が合うことはなく、避けるような動作も見えた。

そして気まずいながら旅行が終了した。