転生した令嬢は、悪役フラグを叩き折ることにしましたが
前世から引きずっていた想いを伝えて、大好きな彼と結ばれました。
結婚式まであと一ヶ月。これから忙しくなるわ!
「そうそう、来月には王家主催の夜会がありますけど、お二人共参加なさいますよね?」
お義母様が笑顔で問いかけてくる。……あれ? お義母様ってこういう笑顔もできるんだ。かなり怖いぞ……。
「……そうだな」
「そうね」
……お父様もお母様も、返事にちょっと間があったような……? 何かあるのか? お義母様が笑顔のまま二人に問いかけた。
「もちろん、わたくしにも招待状は届いていますわよね?」
「……届いているよ」
……嘘だ。そんなはずない。お義母様宛の招待状なんて見ていないし、届いたなら絶対に私に言うはずだもの。というか、多分来ないように脅される! お義母様の笑顔が怖いから。絶対怒っているわ!
「……ねえ、セレナ。私には招待状が届いていない気がするのですけど、気のせいかしら?」
「……来ないように脅したからなぁ」
お義父様……。私に直接言えばいいのに、何故お母様に言ったのかしら……。
お父様もお義母様も笑顔なのに怖い……! お義母様が二人に詰め寄った。
「あらぁ? わたくしがこの家に帰ってきたのは半年ぶりなんですのよ? それなのに招待状は送らない、だなんて……随分と失礼ですわよねぇ? それともわたくしのことなんか、どうでもいいってことかしら?」
お義母様、笑顔が怖いです。
というか、お義母様がこの家に帰ってきたのは半年ぶりだったのね! でもその半年の間にこんな雰囲気になるなんて……。きっと二人には色々あったんでしょう。
「そんなわけあるか! ただ……」
「ただ……何かしら?」
お義母様の圧力にお父様が負けてる……。昔もこうだったのかしら? お義母様が怒っているところなんて見たことがないから分からないわ。
「母上が戻ってきたら、母上ばかりに構ってしまうからな」
「あら、お父様。そんなにもセレナのことを可愛がって下さってたのね?」
「……まあな」
お義父様。お義母様の笑顔が怖いからって、私に助けを求めるのはやめてください。私にはどうしようもできませんわ! あと、お母様とイチャイチャするのはいいですけど、お父様。早くお義母様の怒りを収めて下さいまし!
「お二人共いい加減にしてちょうだい!」
私が困っていると、お母様が席を立ちお義母様とお父様に怒鳴った。
「セ、セレナ? 急にどうしたんだい?」
お義父様がお母様に声をかけた。若干声が震えているような……。
「私が夜会に出ようが、出まいが私の勝手でしょ!? そんなことよりも……」
彼との結婚を急ぎたかった私は、お父様とお母様に報告をした。
しかし、これからあんなにもハチャメチャなことが起こるとは思いもしなかった。
結婚式まであと一ヶ月。これから忙しくなるわ!
「そうそう、来月には王家主催の夜会がありますけど、お二人共参加なさいますよね?」
お義母様が笑顔で問いかけてくる。……あれ? お義母様ってこういう笑顔もできるんだ。かなり怖いぞ……。
「……そうだな」
「そうね」
……お父様もお母様も、返事にちょっと間があったような……? 何かあるのか? お義母様が笑顔のまま二人に問いかけた。
「もちろん、わたくしにも招待状は届いていますわよね?」
「……届いているよ」
……嘘だ。そんなはずない。お義母様宛の招待状なんて見ていないし、届いたなら絶対に私に言うはずだもの。というか、多分来ないように脅される! お義母様の笑顔が怖いから。絶対怒っているわ!
「……ねえ、セレナ。私には招待状が届いていない気がするのですけど、気のせいかしら?」
「……来ないように脅したからなぁ」
お義父様……。私に直接言えばいいのに、何故お母様に言ったのかしら……。
お父様もお義母様も笑顔なのに怖い……! お義母様が二人に詰め寄った。
「あらぁ? わたくしがこの家に帰ってきたのは半年ぶりなんですのよ? それなのに招待状は送らない、だなんて……随分と失礼ですわよねぇ? それともわたくしのことなんか、どうでもいいってことかしら?」
お義母様、笑顔が怖いです。
というか、お義母様がこの家に帰ってきたのは半年ぶりだったのね! でもその半年の間にこんな雰囲気になるなんて……。きっと二人には色々あったんでしょう。
「そんなわけあるか! ただ……」
「ただ……何かしら?」
お義母様の圧力にお父様が負けてる……。昔もこうだったのかしら? お義母様が怒っているところなんて見たことがないから分からないわ。
「母上が戻ってきたら、母上ばかりに構ってしまうからな」
「あら、お父様。そんなにもセレナのことを可愛がって下さってたのね?」
「……まあな」
お義父様。お義母様の笑顔が怖いからって、私に助けを求めるのはやめてください。私にはどうしようもできませんわ! あと、お母様とイチャイチャするのはいいですけど、お父様。早くお義母様の怒りを収めて下さいまし!
「お二人共いい加減にしてちょうだい!」
私が困っていると、お母様が席を立ちお義母様とお父様に怒鳴った。
「セ、セレナ? 急にどうしたんだい?」
お義父様がお母様に声をかけた。若干声が震えているような……。
「私が夜会に出ようが、出まいが私の勝手でしょ!? そんなことよりも……」
彼との結婚を急ぎたかった私は、お父様とお母様に報告をした。
しかし、これからあんなにもハチャメチャなことが起こるとは思いもしなかった。
あなたにおすすめの小説
こわいかおの獣人騎士が、仕事大好きトリマーに秒で堕とされた結果
てへぺろ
恋愛
仕事大好きトリマーである黒木優子(クロキ)が召喚されたのは、毛並みの手入れが行き届いていない、犬系獣人たちの国だった。
とりあえず、護衛兼監視役として来たのは、ハスキー系獣人であるルーサー。不機嫌そうににらんでくるものの、ハスキー大好きなクロキにはそんなの関係なかった。
「とりあえずブラッシングさせてくれません?」
毎日、獣人たちのお手入れに精を出しては、ルーサーを(犬的に)愛でる日々。
そのうち、ルーサーはクロキを女性として意識するようになるものの、クロキは彼を犬としかみていなくて……。
※獣人のケモ度が高い世界での恋愛話ですが、ケモナー向けではないです。ズーフィリア向けでもないです。
【完結】王太子妃の初恋
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
カテリーナは王太子妃。しかし、政略のための結婚でアレクサンドル王太子からは嫌われている。
王太子が側妃を娶ったため、カテリーナはお役御免とばかりに王宮の外れにある森の中の宮殿に追いやられてしまう。
しかし、カテリーナはちょうど良かったと思っていた。婚約者時代からの激務で目が悪くなっていて、これ以上は公務も社交も難しいと考えていたからだ。
そんなカテリーナが湖畔で一人の男に出会い、恋をするまでとその後。
★ざまぁはありません。
全話予約投稿済。
携帯投稿のため誤字脱字多くて申し訳ありません。
報告ありがとうございます。
「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
【完結】夜会で借り物競争をしたら、イケメン王子に借りられました。
櫻野くるみ
恋愛
公爵令嬢のセラフィーナには生まれつき前世の記憶があったが、覚えているのはくだらないことばかり。
そのどうでもいい知識が一番重宝されるのが、余興好きの国王が主催する夜会だった。
毎年余興の企画を頼まれるセラフィーナが今回提案したのは、なんと「借り物競争」。
もちろん生まれて初めての借り物競争に参加をする貴族たちだったが、夜会は大いに盛り上がり……。
気付けばセラフィーナはイケメン王太子、アレクシスに借りられて、共にゴールにたどり着いていた。
果たしてアレクシスの引いたカードに書かれていた内容とは?
意味もなく異世界転生したセラフィーナが、特に使命や運命に翻弄されることもなく、王太子と結ばれるお話。
とにかくツッコミどころ満載のゆるい、ハッピーエンドの短編なので、気軽に読んでいただければ嬉しいです。
完結しました。
小説家になろう様にも投稿しています。
小説家になろう様への投稿時から、タイトルを『借り物(人)競争』からただの『借り物競争』へ変更いたしました。
王子好きすぎ拗らせ転生悪役令嬢は、王子の溺愛に気づかない
エヌ
恋愛
私の前世の記憶によると、どうやら私は悪役令嬢ポジションにいるらしい
最後はもしかしたら全財産を失ってどこかに飛ばされるかもしれない。
でも大好きな王子には、幸せになってほしいと思う。
美形王子様が私を離してくれません!?虐げられた伯爵令嬢が前世の知識を使ってみんなを幸せにしようとしたら、溺愛の沼に嵌りました
葵 遥菜
恋愛
道端で急に前世を思い出した私はアイリーン・グレン。
前世は両親を亡くして児童養護施設で育った。だから、今世はたとえ伯爵家の本邸から距離のある「離れ」に住んでいても、両親が揃っていて、綺麗なお姉様もいてとっても幸せ!
だけど……そのぬりかべ、もとい厚化粧はなんですか? せっかくの美貌が台無しです。前世美容部員の名にかけて、そのぬりかべ、破壊させていただきます!
「女の子たちが幸せに笑ってくれるのが私の一番の幸せなの!」
ーーすると、家族が円満になっちゃった!? 美形王子様が迫ってきた!?
私はただ、この世界のすべての女性を幸せにしたかっただけなのにーー!
※約六万字で完結するので、長編というより中編です。
※他サイトにも投稿しています。
【完結】いてもいなくてもいい妻のようですので 妻の座を返上いたします!
ユユ
恋愛
夫とは卒業と同時に婚姻、
1年以内に妊娠そして出産。
跡継ぎを産んで女主人以上の
役割を果たしていたし、
円満だと思っていた。
夫の本音を聞くまでは。
そして息子が他人に思えた。
いてもいなくてもいい存在?萎んだ花?
分かりました。どうぞ若い妻をお迎えください。
* 作り話です
* 完結保証付き
* 暇つぶしにどうぞ
婚姻初日、「好きになることはない」と宣言された公爵家の姫は、英雄騎士の夫を翻弄する~夫は家庭内で私を見つめていますが~
扇 レンナ
恋愛
公爵令嬢のローゼリーンは1年前の戦にて、英雄となった騎士バーグフリートの元に嫁ぐこととなる。それは、彼が褒賞としてローゼリーンを望んだからだ。
公爵令嬢である以上に国王の姪っ子という立場を持つローゼリーンは、母譲りの美貌から『宝石姫』と呼ばれている。
はっきりと言って、全く釣り合わない結婚だ。それでも、王家の血を引く者として、ローゼリーンはバーグフリートの元に嫁ぐことに。
しかし、婚姻初日。晩餐の際に彼が告げたのは、予想もしていない言葉だった。
拗らせストーカータイプの英雄騎士(26)×『宝石姫』と名高い公爵令嬢(21)のすれ違いラブコメ。
▼掲載先→アルファポリス、小説家になろう、エブリスタ
この作品は感想を受け付けておりません。