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「…は?今から?」
「あぁ。たった今、王家の文官が届けてくれたんだ。ジェイドとディルクに登城命令が出されてる。直ぐにらしい。」
そう片手に持っている丸まった書簡を差し出し、困ったように眉を下げるのはエルゼお兄様だ。
ディルク様がいらっしゃる方向から盛大な舌打ちが聞こえた。ジェイド様も眉間にシワは寄せないものの機嫌が悪くなったように感じる。
「…どっちかじゃダメなの?ルナを一人にしていくなんて嫌なんだけど。ていうか、ルナと離れるのがもう嫌なんだけど。」
「うーん、2人の名前がしっかり書かれているからね…王命に背けるわけがないし、名前が記入されていないルナは一緒に登城する訳に行かないし…こればかりは仕方がないね…用件に心当たりは?」
「「ない」」
なるほど。どうやら御二人は王家の方に呼び出され、お城に行かなきゃ行けないらしい。
私は御二人と会ってからトイレ以外はほとんど一緒に過ごしている。御二人もバラバラになる事は滅多にないし、ましてや私を一人にしたことが無い。
御二人がいない
脳内でこだましても中々理解ができないみたいだ。それは、つまり、この後御二人はこの部屋を出ていって、しばらくの間、数分、数時間、帰ってこないという現実。
両手からむず痒く力が抜ける。
そこにくる、不安、恐怖…寂しさ
思わず下にふいた。
すると、力が入らない手をギュッと握りしめられる。その手を辿ればディルク様が私の前にしゃがんで私の顔を覗き込んでいた。
「…おいで」
何故か深く考えず、その言葉のまま広げられた両手の中に入った。いつものディルク様の匂いに包まれて、安心する。
ディルク様は私の頭を撫でながら、私の不安を払拭するように言った。
「パパッと終わらせて帰ってくるから。いい子で待っててな?……これでクソどうでもいい用件だったら張り倒してやる」
最後のは聞かなかったことにしよう。
ちょっとだけ…とディルク様に擦り寄る。すると、後ろからジェイド様に抱きしめられサンドウィッチされる。
「…できるだけ早く戻ってくるからね。本当はとても行きたくないし、離れたくないし、正直無視したいけれど、それをしたらもっと面倒になるから行ってくるね。…僕も充電しとこ」
そうして御二人にギューギューと抱きしめられていたが、「迎えが来たからその辺で止めなさい!」とのエルゼお兄様のお声にやっと開放された。
「早く帰ってくるからね。」
「…いい子に留守番してろよ」
御二人はそれぞれに私の頬にキスを落とし、体を離した。
御二人はエルゼお兄様を睨みながら「「…じゃあ、行ってくる」」と大変ご機嫌ナナメで登城された。
「…やっと行った……。」
がっくりと肩を落とし、後ろからは疲れが漂う。エルゼお兄様は一つため息をつくと、私の手を引き連れ部屋を出た。
「…エルゼお兄様?どちらへ行かれるのですか?」
「ちょうどいい機会だからね。あの2人が居ないなんて滅多にないから今のうちに会っておこう。」
誰に?なんて首を傾げながらお兄様について行く。すれ違うメイドさんや執事さんは頭を下げる。
この数日で最初はメイドさん達も戸惑った表情をしていたが、今は慣れたのか微笑んでくれたり、偶になんとも言えないような表情をしてくれる人もいる。
親切な人が多すぎて不思議な感じだ。
しばらく進めばどこかの扉の前に着く。お兄様がノックをすれば、中から男性の声が聞こえた。
「エルゼです。ルナを連れてきました。入室してもよろしいですか?」
そうすれば、中からガタンガタンっと大きな音が聞こえ、女性の声も聞こえてくる。
『あ、貴方大丈夫てすかっ?』
『…あぁ、大丈夫だ、決して取り乱した訳では無い…入りなさい』
返事を聞けばエルゼお兄様が扉を開いて入室する。私も続いて小さく「失礼します…」と言って入った。
部屋の中は本棚に囲まれていて、奥には大きな机を前に腰をかける男性とその傍らに経つ女性がいた。
男性は紺色の髪に緑色の瞳、エルゼお兄様はこの方とお顔立ちが似ていらっしゃるみたいだ。女性は黒髪に真ん丸な金色の瞳で、とても綺麗な方だった。
「ルナ、紹介するね。こちらは僕達の両親でクラリネス伯爵とその夫人だよ。」
「…はじめまして、ルナです。」
正しい礼儀作法など知りもしないので、一先ず頭を下げてしっかりと自己紹介だけしておく。
パタパタと音が聞こえて顔をあげれば、目の前に伯爵夫人が立っていてキラキラと目を瞬かせていた。
「あらあら!なんて可愛いの!!
ルナちゃんと言うのね、はじめまして。ディルクとジェイドの母のマリアです。なかなか2人が合わせてくれないから、いない間に絶対会おうって思っていたのだけれどこんなに早く会えるなんて…!嬉しいわ、2人は迷惑かけてない?大丈夫?いじめられてない?あの子達はちょっといたずらっ子だけれど根はいい子なの、大変だと思うけど仲良くしてちょうだいね。それに…」
「母上、どうかその辺で!!ルナが困っております!!」
私の手をギュッと掴んで話し始めるマリア様はとても迫力があったけど、よかった…歓迎されてないわけではないみたい。
出ていけなんて言われたらどうしようかと思っていた。
マリア様は「あら、ごめんなさいね」と一言言うと、手を離してくださる。
「やっぱ女の子は可愛いわねぇ~、ね?貴方」
「………」
マリア様が振り向けば、伯爵は両手を組んで眉間に皺を寄せながらこちらを見ていた。
あぁ、何か無作法を働いただろうか…どれが悪いのかさえ検討もつかないのでとても怖くなる。
「もー!そんなに緊張しなくても良いではないですか!ごめんね、ルナちゃん。あの人はね、貴方を嫌ってる訳では無いのよ。ただほら、私たちは子ども達は皆男の子だから女の子の扱いが分からないみたいなのよ。だから緊張してあんな怖い顔になってるけれど、気を悪くしないでちょうだいね。」
「こらっ、マリア!」
「なんですか、挨拶ぐらいしてくださいませ!」
「む…アイザック・クラリネスだ。その…息子たちは君に意地悪とかしないかね?」
「い、いえ、そんな…御二人はとてもお優しいです。良くして頂いてます。…私なんて何も出来ず穀潰しで…」
本来ならば奴隷だ。御二人がどう言おうと周りからはそう思われる。
そっと優しく手が包まれる。
見てみれば夫人がにこやかに微笑んでくださった。
そのまま導かれるようにソファに座らされる。
「そんな事ないのよ。ルナちゃんが来てくれて、私も主人もこの屋敷の者は皆助かっているわ。」
なんの事か検討つかず、きっと私の顔は困惑していただろう。夫人は私に紅茶をいれてくださる。
「甘いものはお好き?」
「…はい。」
進められたお菓子を頂くと、甘さがホロホロと口の中に溶けてなくなってしまった。暖かい紅茶もいただき、体の緊張が少しほぐれる。
すると、クラリネス伯爵様が向かい側に座った。
「…君が来てからディルクとジェイドは悪戯をしなくなったんだ。君が来る前まではそれはそれは酷かった。泣かした令嬢は数しれず、時には執事やメイドまで。本当に酷かったんだよ。」
思わず出てしまったというため息は重くて、その頃の苦労を感じさせられた。
私には御二人が人に迷惑をかけるような方だとは思えないけれど、伯爵様のため息と隣で苦笑なさる夫人とエルゼお兄様から事実なのだと知った。
「でも、ルナちゃんが来てからピタッと止んだのよ。学院からの連絡も来ないし、侍従達も活き活きしてる。…貴方のおかげね」
そう微笑まれても、私は何もしていない。
「い、いえっ…私は何も……」
「何も、なんてことは無いさ。ルナがいてくれるからアイツらは悪さをやめたのだろうし、むしろルナを構うのが忙しいらしい。…ルナは穀潰しなんかじゃないさ。居てくれるだけで屋敷は平和だ。だからそんな事言わないでくれ、な?」
「……はい」
頷けば褒めるようにエルゼお兄様は私の頭を撫でた。
束の間、夫人がバッと立ち上がる。
「そうだわ!せっかく女の子がいるだもの!!ドレス!着せなきゃ!!」
満開の笑顔に連れられ、そのまま部屋を出る。
「…あー、母上!程々にしてあげてくださいよー!」
という、エルゼお兄様の声が聞こえるが夫人は鼻歌を歌い聞こえていないようだ。
「私ね、ずっーと女の子欲しかったの!結局男の子ばかりだけどね、どうしても諦められなくてドレス揃えちゃってるのよ~!可愛い新作が出るとどうしても買ってしまってね…あぁ!よかった!無駄にならなくて!!ルナちゃんいっぱい着ましょうね!」
その無邪気な笑顔が少し怖かった。
「あぁ。たった今、王家の文官が届けてくれたんだ。ジェイドとディルクに登城命令が出されてる。直ぐにらしい。」
そう片手に持っている丸まった書簡を差し出し、困ったように眉を下げるのはエルゼお兄様だ。
ディルク様がいらっしゃる方向から盛大な舌打ちが聞こえた。ジェイド様も眉間にシワは寄せないものの機嫌が悪くなったように感じる。
「…どっちかじゃダメなの?ルナを一人にしていくなんて嫌なんだけど。ていうか、ルナと離れるのがもう嫌なんだけど。」
「うーん、2人の名前がしっかり書かれているからね…王命に背けるわけがないし、名前が記入されていないルナは一緒に登城する訳に行かないし…こればかりは仕方がないね…用件に心当たりは?」
「「ない」」
なるほど。どうやら御二人は王家の方に呼び出され、お城に行かなきゃ行けないらしい。
私は御二人と会ってからトイレ以外はほとんど一緒に過ごしている。御二人もバラバラになる事は滅多にないし、ましてや私を一人にしたことが無い。
御二人がいない
脳内でこだましても中々理解ができないみたいだ。それは、つまり、この後御二人はこの部屋を出ていって、しばらくの間、数分、数時間、帰ってこないという現実。
両手からむず痒く力が抜ける。
そこにくる、不安、恐怖…寂しさ
思わず下にふいた。
すると、力が入らない手をギュッと握りしめられる。その手を辿ればディルク様が私の前にしゃがんで私の顔を覗き込んでいた。
「…おいで」
何故か深く考えず、その言葉のまま広げられた両手の中に入った。いつものディルク様の匂いに包まれて、安心する。
ディルク様は私の頭を撫でながら、私の不安を払拭するように言った。
「パパッと終わらせて帰ってくるから。いい子で待っててな?……これでクソどうでもいい用件だったら張り倒してやる」
最後のは聞かなかったことにしよう。
ちょっとだけ…とディルク様に擦り寄る。すると、後ろからジェイド様に抱きしめられサンドウィッチされる。
「…できるだけ早く戻ってくるからね。本当はとても行きたくないし、離れたくないし、正直無視したいけれど、それをしたらもっと面倒になるから行ってくるね。…僕も充電しとこ」
そうして御二人にギューギューと抱きしめられていたが、「迎えが来たからその辺で止めなさい!」とのエルゼお兄様のお声にやっと開放された。
「早く帰ってくるからね。」
「…いい子に留守番してろよ」
御二人はそれぞれに私の頬にキスを落とし、体を離した。
御二人はエルゼお兄様を睨みながら「「…じゃあ、行ってくる」」と大変ご機嫌ナナメで登城された。
「…やっと行った……。」
がっくりと肩を落とし、後ろからは疲れが漂う。エルゼお兄様は一つため息をつくと、私の手を引き連れ部屋を出た。
「…エルゼお兄様?どちらへ行かれるのですか?」
「ちょうどいい機会だからね。あの2人が居ないなんて滅多にないから今のうちに会っておこう。」
誰に?なんて首を傾げながらお兄様について行く。すれ違うメイドさんや執事さんは頭を下げる。
この数日で最初はメイドさん達も戸惑った表情をしていたが、今は慣れたのか微笑んでくれたり、偶になんとも言えないような表情をしてくれる人もいる。
親切な人が多すぎて不思議な感じだ。
しばらく進めばどこかの扉の前に着く。お兄様がノックをすれば、中から男性の声が聞こえた。
「エルゼです。ルナを連れてきました。入室してもよろしいですか?」
そうすれば、中からガタンガタンっと大きな音が聞こえ、女性の声も聞こえてくる。
『あ、貴方大丈夫てすかっ?』
『…あぁ、大丈夫だ、決して取り乱した訳では無い…入りなさい』
返事を聞けばエルゼお兄様が扉を開いて入室する。私も続いて小さく「失礼します…」と言って入った。
部屋の中は本棚に囲まれていて、奥には大きな机を前に腰をかける男性とその傍らに経つ女性がいた。
男性は紺色の髪に緑色の瞳、エルゼお兄様はこの方とお顔立ちが似ていらっしゃるみたいだ。女性は黒髪に真ん丸な金色の瞳で、とても綺麗な方だった。
「ルナ、紹介するね。こちらは僕達の両親でクラリネス伯爵とその夫人だよ。」
「…はじめまして、ルナです。」
正しい礼儀作法など知りもしないので、一先ず頭を下げてしっかりと自己紹介だけしておく。
パタパタと音が聞こえて顔をあげれば、目の前に伯爵夫人が立っていてキラキラと目を瞬かせていた。
「あらあら!なんて可愛いの!!
ルナちゃんと言うのね、はじめまして。ディルクとジェイドの母のマリアです。なかなか2人が合わせてくれないから、いない間に絶対会おうって思っていたのだけれどこんなに早く会えるなんて…!嬉しいわ、2人は迷惑かけてない?大丈夫?いじめられてない?あの子達はちょっといたずらっ子だけれど根はいい子なの、大変だと思うけど仲良くしてちょうだいね。それに…」
「母上、どうかその辺で!!ルナが困っております!!」
私の手をギュッと掴んで話し始めるマリア様はとても迫力があったけど、よかった…歓迎されてないわけではないみたい。
出ていけなんて言われたらどうしようかと思っていた。
マリア様は「あら、ごめんなさいね」と一言言うと、手を離してくださる。
「やっぱ女の子は可愛いわねぇ~、ね?貴方」
「………」
マリア様が振り向けば、伯爵は両手を組んで眉間に皺を寄せながらこちらを見ていた。
あぁ、何か無作法を働いただろうか…どれが悪いのかさえ検討もつかないのでとても怖くなる。
「もー!そんなに緊張しなくても良いではないですか!ごめんね、ルナちゃん。あの人はね、貴方を嫌ってる訳では無いのよ。ただほら、私たちは子ども達は皆男の子だから女の子の扱いが分からないみたいなのよ。だから緊張してあんな怖い顔になってるけれど、気を悪くしないでちょうだいね。」
「こらっ、マリア!」
「なんですか、挨拶ぐらいしてくださいませ!」
「む…アイザック・クラリネスだ。その…息子たちは君に意地悪とかしないかね?」
「い、いえ、そんな…御二人はとてもお優しいです。良くして頂いてます。…私なんて何も出来ず穀潰しで…」
本来ならば奴隷だ。御二人がどう言おうと周りからはそう思われる。
そっと優しく手が包まれる。
見てみれば夫人がにこやかに微笑んでくださった。
そのまま導かれるようにソファに座らされる。
「そんな事ないのよ。ルナちゃんが来てくれて、私も主人もこの屋敷の者は皆助かっているわ。」
なんの事か検討つかず、きっと私の顔は困惑していただろう。夫人は私に紅茶をいれてくださる。
「甘いものはお好き?」
「…はい。」
進められたお菓子を頂くと、甘さがホロホロと口の中に溶けてなくなってしまった。暖かい紅茶もいただき、体の緊張が少しほぐれる。
すると、クラリネス伯爵様が向かい側に座った。
「…君が来てからディルクとジェイドは悪戯をしなくなったんだ。君が来る前まではそれはそれは酷かった。泣かした令嬢は数しれず、時には執事やメイドまで。本当に酷かったんだよ。」
思わず出てしまったというため息は重くて、その頃の苦労を感じさせられた。
私には御二人が人に迷惑をかけるような方だとは思えないけれど、伯爵様のため息と隣で苦笑なさる夫人とエルゼお兄様から事実なのだと知った。
「でも、ルナちゃんが来てからピタッと止んだのよ。学院からの連絡も来ないし、侍従達も活き活きしてる。…貴方のおかげね」
そう微笑まれても、私は何もしていない。
「い、いえっ…私は何も……」
「何も、なんてことは無いさ。ルナがいてくれるからアイツらは悪さをやめたのだろうし、むしろルナを構うのが忙しいらしい。…ルナは穀潰しなんかじゃないさ。居てくれるだけで屋敷は平和だ。だからそんな事言わないでくれ、な?」
「……はい」
頷けば褒めるようにエルゼお兄様は私の頭を撫でた。
束の間、夫人がバッと立ち上がる。
「そうだわ!せっかく女の子がいるだもの!!ドレス!着せなきゃ!!」
満開の笑顔に連れられ、そのまま部屋を出る。
「…あー、母上!程々にしてあげてくださいよー!」
という、エルゼお兄様の声が聞こえるが夫人は鼻歌を歌い聞こえていないようだ。
「私ね、ずっーと女の子欲しかったの!結局男の子ばかりだけどね、どうしても諦められなくてドレス揃えちゃってるのよ~!可愛い新作が出るとどうしても買ってしまってね…あぁ!よかった!無駄にならなくて!!ルナちゃんいっぱい着ましょうね!」
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