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第1章 家族
お茶会②
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「へっ、シルフィオーネ様関連なら動きやがって……お、シルフィオーネ様このクッキー美味しそうですね!私も1枚頂いても?」
了承など聞かず、陛下の座っていたイスに座るとクッキーに手を伸ばし早速1枚食べ始める。
「…ニクロス、そちらに座っているのを見られると、怒られてしまうかもしれないですよ」
「あぁ、大丈夫ですよ!!…バレなきゃ」
……そうですか。私は一応忠告しましたよ
「いやぁ~、さっきはシルフィオーネ様が食べてくださってよかったよかった!ありがとうございます!あそこで食べてなかったどうなっていたことか………にしても、アイツが……」
最後は独り言のようにポツリと言う。
「あいつが…?」
「…あ、いやぁ、魔王とまで呼ばれたアイツがあんな父親の顔をするようになったのが些か意外でして…」
「……ち、父親の顔ですか?」
「ええ。ほら、先程のクッキーを食べたあとの顔ですよ。あんなに慈愛満ちたように我が子を見つめるなんて…今まででは考えられないものです。これもシルフィオーネ様のお陰ですね。」
私のお陰…?私は別に何もしてないけれど。むしろこちらが助けて貰ってばかりだ。
父親の顔?…そういえばさっきもーー俺の娘に何をしているーーって
え、もしかして陛下は…え、本当に?え?
困惑したのが表情に出ていたのだろう。
ニクロスが私の顔を覗きこんできた。
「シルフィオーネ様?どうかなさったのですか?」
ニクロス…なら知ってるのかな?分かるのかな?ニクロスだって大人だし(失礼)
頭もいいはず(?)だから聞いてみたら分かるかもしれないけれど……
「あ、あの…陛下は、私のことを…む、娘だと思ってくださるのでしょうか?」
虫が飛ぶような小さな声で、勇気をだして聞いてみる。けれど、否定されるのが怖いから両手を強く握りしめ、両目をギュッとつぶってしまったのは仕方がない。
ニクロスの息を飲んだ音だけが聞こえる。次の瞬間、ガっと強めに掴まれ目を開ける。ニクロスはわなわなと震えながらも私を一心に見つめてきた。
「……娘と思っているに、決まっているじゃ、ないですか…むしろ、シルフィオーネ様の方が、陛下を父親として見れないのでは、ないのですか……」
大の大人の男性が、声を震わせながらも聞いてくるのがとても迫力があってそんな圧に押されてしまう。
「……陛下は、不安で、ずっと悩んでおいでです。貴方様を…あの忌まわしい後宮に取り残し、残酷な思い出を造らせてしまった原因であるのですから。例え、今、それを汲み取り、助け出し、幸せな場所を与えたとしても貴方様に恨まれているのではないかと。恐れ多くも貴方様に父親なんぞと見てもらえないだろうと。」
知りもしない真実を教えられ、目の集点が合わなくなった。
確かに、私が何故あの後宮に居て、何故助けられず虐められていたのかはもう知っている。でも、その話は終わったことだと思っていた。
私は辛い思い出があれど、今の空間の幸福感がそれを忘れさせてくれて、辛い時は誰かが寄り添ってくれる場所がある。
だから、そんなかけがえのない場所を与えてくださった陛下にもましてやお兄様にも恨みなんて抱かない。謝ってくださった。あんなにも重く受け止め、身分も考えず謝ってくださったのだ。
私はそれで十分だった。
悲痛な面持ちのある表情を見ている方が辛かった。あんな思いは私だけでいい。だから、だからそんな悲しい顔をしないでほしい、と。
「わ、私は陛下を恨んでません。…陛下が私の事を娘だと思ってくださるなら、私はどうやって陛下を父親と思い、伝えれば良いのでしょうか?」
「……はぁ…よかった。
そう、ですね。陛下を父親と…あぁ、それなら手っ取り早く呼び方を変えてみては?」
「呼び方ですか?」
「はい。レオン様のことを最近、『お兄様』とお呼びになるでしょう?それと同じように陛下を『お父様』と。あ、パパでもいいかもしれませんね」
「ぱっ!?」
パパはさすがに…でも、お父様。
うっ、呼びなれない…なんだか恥ずかしいし……
「きっとシルフィオーネ様に『お父様』なんて呼ばれれば嬉しすぎて…(今よりも溺愛が酷くなりそうだな…っていうかティアラの形選ぶだけでどれだけ時間がかかってんだよ…)」
「失礼になりませんか?」
「失礼なんてとんでもない!陛下を『お父様』と呼べるのはシルフィオーネ様とレオン様の特権ですよ!是非。
呼ばれたら……へへへへへへへへ」
そう言ってこちらが引くような笑みを浮かべた時、彼の頭はボールのように鷲掴みにされた。
「あだだだだだだだ、待って、こめかみ!こめかみに入って…いぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「誰の了承を得てここに座っているんだからお前は…」
「陛下っ!へいかぁ!!頭が割れます…!この国の宰相の頭がぁぁぁ壊れるぅぅ」
「お前の頭はもう手遅れだ。ついでだ、壊してやる」
綺麗に整えられた花畑に悲痛な程の叫びが広がる。誰かニクロスを助ける従者は居ないのかと辺りを見渡しても、皆何事もないように空を見上げたり、花を見たりと遠い目をしていた。
「……お、…おと、陛下。お茶会の続きを致しませんか?」
「あぁ。悪いな、戻ろう。」
陛下はポイッとニクロスを投げると、席につき手を濡れタオルで綺麗に拭いた。
『お父様』、『お父様』、
頭の中で何度も繰り返す。自然に、緊張しないように。大丈夫、怖くない、怖くない。言える、頑張れ私…
陛下は新しくいれられた紅茶を一口飲むとまたバスケットに手を伸ばし、次はフィナンシェを掴むと私の口元に運んで下さる。
食べてみれば、口の水分は取られるけど濃厚なバターが広がり美味しいに満たされる。
そういえば、陛下はまだ1度も食べられていないな…と気づき、陛下でも食べられそうであるプレーンのクッキーに手を伸ばした。
ちらっと陛下を見てみれば、陛下は私の髪を見つめブツブツと何かを考えている様子だった。
「髪が銀色なのだから、プラチナでも…光が指すと透ける青紫の石で…でもゴールドでも似合う…あぁ、淡い緑でも…」
考え中だからやめた方がいいだろうか…いや、ここでやめたらもうやれない。
今、言うんだ、声を出して、言うんだ。
「…っ……ぉとう、さま……」
本当に消えかけた声だ。
拒否が、怖い、でもニクロスはさっき…いや、怖いものは怖い。だって呼び方を変えたのだから。本人を目の前にして呼ぶのだから。
陛下は顎から手を外し、存在なさげな手は空に残る。
首だけで顔を動かし、目を見開いて私を見つめた。
青い瞳と視線が会う。
空気を痛いほど吸って、震える口にもう一度力を入れる。
「…お父様」
言えた、言えた!それだけで心はいっぱいだ。ざわめいた従者たちの声は届かなかった。
近づいた大柄な体にすっぽりと体は包まれる。大きな手は私の肩をしっかり抱き、顔は私の頭に擦り寄るように合わさった。
抱きしめられている、と気づくのが遅れる。片手に持っていたクッキーは下に落ちてしまった。
私しか分からないであろう、少し震えた大きな手。
黒い髪は私の頬に触れた。
「…っぁ、あぁ。シルフィ……シルフィオーネ…」
そろっと両手を伸ばし、お父様の背中に回した。横にある頭に恐る恐る擦り寄ってみる。伝わってくる体温が熱い。
返すようにグリグリと擦り寄られ、顔が離れたと思えば見たことがない、くしゃりとした表情をして私の頭を優しく撫でてくださった。
そのまま手が降りてきて、頬を一撫でするとこめかみにキスをされる。
驚いて顔を見上げれば、慈愛が満ち溢れた目で。口元は笑みが堪えられないと言うように微笑んでいる。
「どうした、シルフィ?」
そう問われてやっと惚けていた頭が覚醒し、もう一度プレーンのクッキーに手を伸ばす。
落としてしまったクッキーを心でシェフに詫びながら、新しいクッキーを取るとお父様の口元にそれを運んだ。
お父様はまた驚いた顔をなさったけれど、たまらないと小さく呟く。
「…私に食べさせてくれるのか」
そう艶然に微笑むとクッキーを口に運んだ。
「…うまいな」
……作ったシェフが喜びます。
そこからのお父様はすこぶるご機嫌だった。目元がずっと優しくて、頬をあげ笑みを浮かべる。穏やかな声で名前を呼んでくださる。
「シルフィ、またお茶会をしよう」
「…はい、お父様」
見つめ合い微笑めば、もしかしたら親子に見えるのかもしれない。
いや、
『やっと』親子になれたのかもしれない。
了承など聞かず、陛下の座っていたイスに座るとクッキーに手を伸ばし早速1枚食べ始める。
「…ニクロス、そちらに座っているのを見られると、怒られてしまうかもしれないですよ」
「あぁ、大丈夫ですよ!!…バレなきゃ」
……そうですか。私は一応忠告しましたよ
「いやぁ~、さっきはシルフィオーネ様が食べてくださってよかったよかった!ありがとうございます!あそこで食べてなかったどうなっていたことか………にしても、アイツが……」
最後は独り言のようにポツリと言う。
「あいつが…?」
「…あ、いやぁ、魔王とまで呼ばれたアイツがあんな父親の顔をするようになったのが些か意外でして…」
「……ち、父親の顔ですか?」
「ええ。ほら、先程のクッキーを食べたあとの顔ですよ。あんなに慈愛満ちたように我が子を見つめるなんて…今まででは考えられないものです。これもシルフィオーネ様のお陰ですね。」
私のお陰…?私は別に何もしてないけれど。むしろこちらが助けて貰ってばかりだ。
父親の顔?…そういえばさっきもーー俺の娘に何をしているーーって
え、もしかして陛下は…え、本当に?え?
困惑したのが表情に出ていたのだろう。
ニクロスが私の顔を覗きこんできた。
「シルフィオーネ様?どうかなさったのですか?」
ニクロス…なら知ってるのかな?分かるのかな?ニクロスだって大人だし(失礼)
頭もいいはず(?)だから聞いてみたら分かるかもしれないけれど……
「あ、あの…陛下は、私のことを…む、娘だと思ってくださるのでしょうか?」
虫が飛ぶような小さな声で、勇気をだして聞いてみる。けれど、否定されるのが怖いから両手を強く握りしめ、両目をギュッとつぶってしまったのは仕方がない。
ニクロスの息を飲んだ音だけが聞こえる。次の瞬間、ガっと強めに掴まれ目を開ける。ニクロスはわなわなと震えながらも私を一心に見つめてきた。
「……娘と思っているに、決まっているじゃ、ないですか…むしろ、シルフィオーネ様の方が、陛下を父親として見れないのでは、ないのですか……」
大の大人の男性が、声を震わせながらも聞いてくるのがとても迫力があってそんな圧に押されてしまう。
「……陛下は、不安で、ずっと悩んでおいでです。貴方様を…あの忌まわしい後宮に取り残し、残酷な思い出を造らせてしまった原因であるのですから。例え、今、それを汲み取り、助け出し、幸せな場所を与えたとしても貴方様に恨まれているのではないかと。恐れ多くも貴方様に父親なんぞと見てもらえないだろうと。」
知りもしない真実を教えられ、目の集点が合わなくなった。
確かに、私が何故あの後宮に居て、何故助けられず虐められていたのかはもう知っている。でも、その話は終わったことだと思っていた。
私は辛い思い出があれど、今の空間の幸福感がそれを忘れさせてくれて、辛い時は誰かが寄り添ってくれる場所がある。
だから、そんなかけがえのない場所を与えてくださった陛下にもましてやお兄様にも恨みなんて抱かない。謝ってくださった。あんなにも重く受け止め、身分も考えず謝ってくださったのだ。
私はそれで十分だった。
悲痛な面持ちのある表情を見ている方が辛かった。あんな思いは私だけでいい。だから、だからそんな悲しい顔をしないでほしい、と。
「わ、私は陛下を恨んでません。…陛下が私の事を娘だと思ってくださるなら、私はどうやって陛下を父親と思い、伝えれば良いのでしょうか?」
「……はぁ…よかった。
そう、ですね。陛下を父親と…あぁ、それなら手っ取り早く呼び方を変えてみては?」
「呼び方ですか?」
「はい。レオン様のことを最近、『お兄様』とお呼びになるでしょう?それと同じように陛下を『お父様』と。あ、パパでもいいかもしれませんね」
「ぱっ!?」
パパはさすがに…でも、お父様。
うっ、呼びなれない…なんだか恥ずかしいし……
「きっとシルフィオーネ様に『お父様』なんて呼ばれれば嬉しすぎて…(今よりも溺愛が酷くなりそうだな…っていうかティアラの形選ぶだけでどれだけ時間がかかってんだよ…)」
「失礼になりませんか?」
「失礼なんてとんでもない!陛下を『お父様』と呼べるのはシルフィオーネ様とレオン様の特権ですよ!是非。
呼ばれたら……へへへへへへへへ」
そう言ってこちらが引くような笑みを浮かべた時、彼の頭はボールのように鷲掴みにされた。
「あだだだだだだだ、待って、こめかみ!こめかみに入って…いぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「誰の了承を得てここに座っているんだからお前は…」
「陛下っ!へいかぁ!!頭が割れます…!この国の宰相の頭がぁぁぁ壊れるぅぅ」
「お前の頭はもう手遅れだ。ついでだ、壊してやる」
綺麗に整えられた花畑に悲痛な程の叫びが広がる。誰かニクロスを助ける従者は居ないのかと辺りを見渡しても、皆何事もないように空を見上げたり、花を見たりと遠い目をしていた。
「……お、…おと、陛下。お茶会の続きを致しませんか?」
「あぁ。悪いな、戻ろう。」
陛下はポイッとニクロスを投げると、席につき手を濡れタオルで綺麗に拭いた。
『お父様』、『お父様』、
頭の中で何度も繰り返す。自然に、緊張しないように。大丈夫、怖くない、怖くない。言える、頑張れ私…
陛下は新しくいれられた紅茶を一口飲むとまたバスケットに手を伸ばし、次はフィナンシェを掴むと私の口元に運んで下さる。
食べてみれば、口の水分は取られるけど濃厚なバターが広がり美味しいに満たされる。
そういえば、陛下はまだ1度も食べられていないな…と気づき、陛下でも食べられそうであるプレーンのクッキーに手を伸ばした。
ちらっと陛下を見てみれば、陛下は私の髪を見つめブツブツと何かを考えている様子だった。
「髪が銀色なのだから、プラチナでも…光が指すと透ける青紫の石で…でもゴールドでも似合う…あぁ、淡い緑でも…」
考え中だからやめた方がいいだろうか…いや、ここでやめたらもうやれない。
今、言うんだ、声を出して、言うんだ。
「…っ……ぉとう、さま……」
本当に消えかけた声だ。
拒否が、怖い、でもニクロスはさっき…いや、怖いものは怖い。だって呼び方を変えたのだから。本人を目の前にして呼ぶのだから。
陛下は顎から手を外し、存在なさげな手は空に残る。
首だけで顔を動かし、目を見開いて私を見つめた。
青い瞳と視線が会う。
空気を痛いほど吸って、震える口にもう一度力を入れる。
「…お父様」
言えた、言えた!それだけで心はいっぱいだ。ざわめいた従者たちの声は届かなかった。
近づいた大柄な体にすっぽりと体は包まれる。大きな手は私の肩をしっかり抱き、顔は私の頭に擦り寄るように合わさった。
抱きしめられている、と気づくのが遅れる。片手に持っていたクッキーは下に落ちてしまった。
私しか分からないであろう、少し震えた大きな手。
黒い髪は私の頬に触れた。
「…っぁ、あぁ。シルフィ……シルフィオーネ…」
そろっと両手を伸ばし、お父様の背中に回した。横にある頭に恐る恐る擦り寄ってみる。伝わってくる体温が熱い。
返すようにグリグリと擦り寄られ、顔が離れたと思えば見たことがない、くしゃりとした表情をして私の頭を優しく撫でてくださった。
そのまま手が降りてきて、頬を一撫でするとこめかみにキスをされる。
驚いて顔を見上げれば、慈愛が満ち溢れた目で。口元は笑みが堪えられないと言うように微笑んでいる。
「どうした、シルフィ?」
そう問われてやっと惚けていた頭が覚醒し、もう一度プレーンのクッキーに手を伸ばす。
落としてしまったクッキーを心でシェフに詫びながら、新しいクッキーを取るとお父様の口元にそれを運んだ。
お父様はまた驚いた顔をなさったけれど、たまらないと小さく呟く。
「…私に食べさせてくれるのか」
そう艶然に微笑むとクッキーを口に運んだ。
「…うまいな」
……作ったシェフが喜びます。
そこからのお父様はすこぶるご機嫌だった。目元がずっと優しくて、頬をあげ笑みを浮かべる。穏やかな声で名前を呼んでくださる。
「シルフィ、またお茶会をしよう」
「…はい、お父様」
見つめ合い微笑めば、もしかしたら親子に見えるのかもしれない。
いや、
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