マフィアと幼女

ててて

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第2章 生活

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「んじゃ、お疲れ。エレナまた来いよ。次はフィルスを案内してやるから!」

カロさんに頭を撫でられる。

「はい、楽しみです」

水色の街並みには興味があったのでワクワクする。

「左肩、この軟膏をぬるといいかもしれません。昨夜私が作ったので是非、使ってみてください。」

キースさんに瓶を渡される。

「いいですか?あと2日は湯船に入ってはダメですよ。なるべく左肩を温めないようにして、寝る時にこれをぬってください。」

「はい!ありがとうございます!」

まさか軟膏を下さるとは思っておらずびっくりしたけれどとても有難い。
キースさんの優しさが嬉しくて頬が緩む。

「ふふ、頬にキスはして頂けないのでしょうか?」

キースさんはクスっと笑いながら自分の頬に指を指す。カーッと顔に熱が集まり赤くなるのを感じた。

袖を引っ張ってしゃがんでもらいキスをする。

「……ありがとうございます」

「はい」

本人はとても満足そうだ。
皆さん、お礼されるの好きなんですね…

「おい、キース!エレナで遊ぶなっ!殺されるぞ!俺が」

カロさんに軽々と抱っこされる。
アルフレッドさん達よりは幼く見えるのに力はあるようだ。やはり男性だからか

「あ、ボス。それの方が…」

「カルロス?お前、何してる?」

キースさんの言葉を遮りアルフレッドさんが来た。

アルフレッドさん達はモービルを取りに行っているイヴァンさんとリックさんを待つ間、3人でなにやら大事そうなお話をされていたので離れていた。

「い、いや!ただ抱っこしただけだって!!」

「へぇー。誰が許したんだ?」

「え……」

アルフレッドさんがカロさんの肩を掴む。そこはかとなく重たい威圧を感じた。

「…私です。」

右手をスっとあげ注目してもらう。

「えっと、アルフレッドさん達がお話してたので…さ、寂しくて?カロさんに抱っこして下さいってお願いしました。」

「エレナ…!!」

カロさんが助かったと顔に表し肩の力が抜ける。

「エレナ!寂しいなら来てもいいんだ!カルロスに頼むぐらいなら俺のところに来いよ!」

アルフレッドさんはカロさんから私を奪い抱っこして頬ずりしてくる。

「…いい子ですね、エレナさん」

「本当にいい子だ…」

なにやらしみじみとカロさんとキースさんに言われた。

「やらねぇからな。」

牽制というように2人を睨む。

「ボス、モービルの準備できました。」

イヴァンさんに呼ばれ玄関に向かう。
この美しいお屋敷から暖かいお屋敷に戻るのだ。モービルに乗り込む。

窓から外を見るとカロさんと目が合ったので軽い会釈をする。

「じゃあね、エレナ。また今度!」

ニコッと笑いかけられたのでつられて自分の顔もゆるむ。

そうして、私たちはフィルスからアズーロに帰還したのだった。


おまけ

「………やば」


モービルからひょこっと出した可愛い女の子。エレナは俺の言葉に対して、まるで花がほころぶような笑顔をくれた。

初めて会った時からあまり笑わない綺麗な子だと思っていたが、ふわっと笑うその笑顔は年相応で可愛い印象だった。

そんな笑顔を不意打ちでくらったら衝撃が凄い…

「エレナさん、可愛いですね…」

「ほんとにな。絶対にくれないわ…。ていうかまだ4歳であの可愛さなら数年後なんて…」 

「恐ろしいですね。というか、アズーロにお礼は頬にキスという習慣なんてありましたか?」

「あるわけねぇだろ、あんなのアイツらの趣味だぞ。ただ、エレナにキスされたくて教えたんだろ…変態だな」

「とか言って、本当はキスされたいんでしょう?」

「はぁ!?アホか!!あんな心臓に悪いのは1回でいいんだよ!」

「…そうですか。私は2回もされましたがね。」

そう言って言い逃げするようにキースは屋敷に入る。

「はぁ!?」

俺の叫びだけが取り残されたのだった。




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