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第2章 生活
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しおりを挟む目が覚める。
先程までの眠たさが嘘かのようにパッチリと目が開いた。
体を起こす。窓に目を向けると太陽が沈む頃で夕日がとても綺麗だった。
視界の端で何かが動く気配がする。そこにはソファに座ったアランさんが本を読んでいた。
アランさんが横目でこちらを見る。
「お、はようございます。」
今朝のように挨拶はしたが、また無視をされるかと思う。だが、アランさんの意識は私からすぐに本に戻る。
少し重たいようなため息をついてから返事が返ってきた。
「…………よく眠れましたか」
「はい。」
それで会話は途切れた。
どうしようか…
アランさんは本に集中しているし、邪魔しない方がいいですよね?
でも、ここにアランさんがいるってことはまだアルフレッドさん達も帰ってきてないし…
だからといってもう一度寝ようとは思えないし…
ひとまずベットに降りようと足を下ろす。
すると、私が思っていたよりベットが高く、私が思っていたよりベットには反発力があった。
沈んだ体に対し反発力で体がぼふんっと跳ね返る。気づいた時には自分の顔は地面に直面していた。
とっさに受け身を取り顔を守る。
顔は無事だが左肩をぶつけた。
「…………っ!!」
痛みが左肩を走る。しばらく動けなかった。
すると、アランさんがいつの間にか近くにいて抱き起こしてくれる。
「な、何をしているのですか!!」
「えっと……痛っ」
説明しようと思うが左肩が結構痛い。
アランさんは私をソファに座らせるとすぐに廊下へ行き、構成員に頼んで濡れタオルと氷のうを持ってきてくれた。
すぐにあててくれる。
「肩以外に痛みはありますか?どこか捻ったとか、動かせないとか」
「大丈夫だと思います……」
「なぜベットから落ちたんですか」
「えっと、ベットから降りようとしたんですが、思っていたより高くて…あと反発性みたいで体が飛ばされたというか……」
「はぁ……そんなの私を呼べばいいでしょう。」
「ごめんなさい、アランさんの読書の邪魔をしたくなくて…結局邪魔になってしまいました。本当にごめんなさい」
不快な思いをさせないようにと思っていたのに、失敗してしまった。
「あ、いや、……こちらこそすいませんでした。少し嫌な言い方をしました。」
「い、いえっ、そんなことは…っん!」
少し体を揺らしただけで左肩がツキンっと痛みが走る。変な打ち方をしたかもしれない。
「あぁ、動かないでください。打撲などは冷やしてあまり動かさないべきです。」
アランさんは自分の両足の間に私を入れて固定する。そうして後ろから左肩を冷やしてくれた。
あててくれる氷のうにそっと触れる。
「私、自分で当てれます。アランさんは読書に戻ってください…」
「いや、別にこれくらいは…」
「大丈夫です、」
「……わかりました。私がやると貴方が気を抜けないでしょう。私は読書に戻ります。
また、痛かったり何かしたいなら言ってください。」
そうして、アランさんは読書に戻る。
もっとも膝に私が居るので本は私の目の前にあるのだが。
本を覗いてみるとどうやら歴史書のようだった。隣のセントグリア王国の歴史書で、セントグリア語で書かれている。
たまに本を置き、ペラペラと自分の胸元から出した小さい本をめくっては本を読み始めるの繰り返しだった。
しばらくして、また本を置こうとする。
「革命…です」
「………ん?」
「今の、12行目の8文字目の言葉は革命と読みます。」
「……君は、セントグリア語が読めるのですか?」
「…困らないくらいには」
セントグリア語というのはニール君が話す言葉だ。隣のセントグリア王国が公用語にしていて、歴史深い言葉でもある。
「………これは?」
「皇太子」
「………これは?」
「紛争」
それからアランさんが読み、分からない言葉を私が訳する。というのを繰り返した。
いつの間にか外は日が落ちて夜になっていた。
・気がついたら30話まで書けました!
奇跡ですね笑
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