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第2章 生活
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しおりを挟む「アルフレッドさん、ニール君を助けてくださってありがとうございました。」
モービルに乗りながらはお礼を告げる。
もうモービルにはエンジンがかかりブォンブォンと音を立てて動き出すところだった。なのでお礼のキスはできないわけだが簡易的でもお礼する。
だが、アルフレッドさんは心ここに在らずという感じで何か考え事をしているみたいだ。
「あぁ…」
生返事が帰ってくる。
「エレナ、フィルス地区に入りますよ。」
イヴァンさんに言われあたりを見る。
門を潜り隠れていた太陽が出てくる。すると、光に当てられた街並みは涼しささえ感じる水色の景観。
アズーロとは違う意味での圧倒的な景色に思わず息を飲んだ。
「フィルス地区は海沿いで貿易が盛んなんだ。他国のものがたくさん揃ってるからどの店も面白いぞ」
アルフレッドさんに言われて見ると、たしかに見たことのない異国の衣装を来た人や食べ物が多かった。
モービルはそのまま奥へ進み、アズーロとは違う様式で建てられた大きなお屋敷に止まった。
どうやら、ここがフィルス・ファミリーのお屋敷だそうだ。
アズーロは4階建てのドドーンとしたお屋敷だが、フィルスは2階建ての横に長いお屋敷だった。所々で長い廊下が
見え、水色と白の装飾が美しい。
先に降りたアルフレッドに手を貸してもらいモービルから降りる。
私の足の短さでは足りないのだ、手を貸してもらわないと転げ落ちる。
そのまま軽やかにアルフレッドさんは私を抱っこする。
はい、いつものお決まりですね。
アルフレッドさんに続くように皆さんが歩き出す。ちょうど、アルフレッドさんの後ろを歩くアランさんと目が合った。
また睨まれる。
「ーーーおい、アラン」
アルフレッドさんの急な呼びかけにアランさんは思わずといったようにピシッと背を伸ばし返事をする。
「はい」
「そんなにガンつけてもエレナは抱っこさせねぇからな。諦めろ」
いや、アルフレッドさん。それは違いますよ。絶対、違いますよ。
ほら、言われた本人は顔を赤くしてわなわな震えていらっしゃる。
「そんな!ち、違いますっ!そんなつもりで…」
「ダメだからな!お前は第二回エレナ抱っこ選手権に出てねぇからダメだ。
抱っこしたかったら第三回を待てよ」
ニヤァと嫌な笑顔で笑うアルフレッドさん。
いや、だから違いますって。アランさんは私が嫌いなんですよ!!
そうして、またアルフレッドさんが前を向くとアランさんがすごい形相でこちらを睨む。
…………あぁ、どんどん溝が深まる。
「うっわ!本当にアルフレッド来てんじゃん。しかもクラウスにイヴァンも…。
なんでアズーロのトップ3が揃ってる来るんだよ」
声のした方を見てみると、お屋敷の玄関から顔だけ出してる少年。
「そんな…ボス。さっきまであんなにアルフレッドさん達が来るのを楽しみにしてたじゃないですか。」
「べ、別に楽しみにしてねぇーよ!!」
もう1人。次は玄関のドアをしっかり開き、さっきの人の隣にいつの間にか立っている。
あれ?さっきまでいなかったような…
「ほら、ボス!こういう時はいらっしゃいと言わないとダメですよ!もう二度と来なくなっちゃいますよ!」
「え!!そうなのか!!
アズーロ・ファミリーのやつら!いらっしゃい!!」
満面の笑みで手を振ってくる少年。
その隣を顔を抑えて笑いこらえる男性。
フィルス・ファミリーのお屋敷について5分程度。
もう、だいぶ疲れてきました。
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