マフィアと幼女

ててて

文字の大きさ
上 下
17 / 40
第2章 生活

17

しおりを挟む
イヴァンさんが運転するオートモービルに乗って4人で買い物をしに街に来た。
お店が並ぶ道を歩いた瞬間、人々はこちらに注目する。

「え!うそ!!アルフレッド様だわ~!」
「イヴァン様もいる!!」
「あらやだ、クラウス様もよ!!」
「え?今日なんかお祭りだっけ!?」

振り向くほとんどの人が女性。そして黄色い声をあげる。
…人気なんだなぁ。
こんなに人に注目されたのも初めてなので緊張して身体が強ばった。

「おー今日も人が多いなぁ。これははぐれたら大変だ。よし、」

アルフレッドさんは意を決したようにしゃがみこんで私を抱き上げる。ここはもうお決まり、抱いたまま歩くみたいです。

恥ずかしさは拭えないが、こんな人混みの中を歩いたこともないので甘えることにした。

人をかきわけられないから即迷子なのが目に見える。

「さて、まずはいつものレッティの所ね。行くわよー!」

たくさんの人の視線を集めながらズンズン進んでいく。もう慣れているようですね。

しばらくすると黄色の外観にショーウィンドウからは綺麗な内装をのぞかせるお店に来た。ドアを開けるとチリンチリンとベルが鳴る。

「レッティ~?いるかしら」

「あらあら、はーい」

レッティと呼ばれたその人は金髪青目の白いフリルのあしらったワンピースを着る可愛らしい人だった。

「あら~クラウス様!しかも、抱かれたい男性ベスト3が勢揃いで!!」

「よぉ、レッティ久しぶりだな」

皆さん知り合いらしく親しそうだ。

「今日はどうかいたしました?ってあらら?そのお嬢さんはどなた?」

「この子はエレナちゃん。いま、うちで預かってるのよー、それでね、この子に似合う服50着くらい欲しいの。あと、ドレスも10着は欲しいわ。」

「わかりましたわ!任せて下さいませ!」

そうしてレッティさんはパタパタと店の中に戻っていく。

「あの…そんなに服いりますか…?」

私は思わずクラウスさんに聞く。
クラウスさんはは溜息をついて私をみた。
そして、指を指す。

「アンタにもう1つ仕事をあげるわ!!
毎日着飾られなさい!私がやってあげるから!むしろやらせなさい!!」

「えっ!」

「それはいくらなんでも…」
「そーだぞー!エレナだって楽な服が着たい時くらい…」

クラウスさんに対してイヴァンさんとアルフレッドさんも講義する。

いや、別に私は着飾りたくないわけではないのだ。ただ、その分もお金がかかるため遠慮してしまうのは仕方がない。

「あら、そぅ。じゃあアンタ達はエレナちゃんのかっわいい服を着たかっわいいエレナちゃんを見なくてもいいわけね。ふーん、あっそ。こっちは男所帯の唯一の華とやらを尊重してあげようとしてるのに!」

しばらくの間。そのあとアルフレッドさんとイヴァンさんは覚醒したように店内の服を見る。

「よし、なんか選ぼう!エレナはかわいいからなんでも似合うなー!」

「エレナは白色でも似合いそうですね。」

「さて、コイツらも真剣になったことだし服を選びましょうか。エレナちゃん♡」

ゾワッと鳥肌が立つ。
私は覚悟を決めることになった。








しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界転生したら幼女でした!?

@ナタデココ
恋愛
これは異世界に転生した幼女の話・・・

『番外編』イケメン彼氏は警察官!初めてのお酒に私の記憶はどこに!?

すずなり。
恋愛
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の身は持たない!?の番外編です。 ある日、美都の元に届いた『同窓会』のご案内。もう目が治ってる美都は参加することに決めた。 要「これ・・・酒が出ると思うけど飲むなよ?」 そう要に言われてたけど、渡されたグラスに口をつける美都。それが『酒』だと気づいたころにはもうだいぶ廻っていて・・・。 要「今日はやたら素直だな・・・。」 美都「早くっ・・入れて欲しいっ・・!あぁっ・・!」 いつもとは違う、乱れた夜に・・・・・。 ※お話は全て想像の世界です。現実世界とはなんら関係ありません。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

【完結】何故こうなったのでしょう? きれいな姉を押しのけブスな私が王子様の婚約者!!!

りまり
恋愛
きれいなお姉さまが最優先される実家で、ひっそりと別宅で生活していた。 食事も自分で用意しなければならないぐらい私は差別されていたのだ。 だから毎日アルバイトしてお金を稼いだ。 食べるものや着る物を買うために……パン屋さんで働かせてもらった。 パン屋さんは家の事情を知っていて、毎日余ったパンをくれたのでそれは感謝している。 そんな時お姉さまはこの国の第一王子さまに恋をしてしまった。 王子さまに自分を売り込むために、私は王子付きの侍女にされてしまったのだ。 そんなの自分でしろ!!!!!

美人すぎる姉ばかりの姉妹のモブ末っ子ですが、イケメン公爵令息は、私がお気に入りのようで。

天災
恋愛
 美人な姉ばかりの姉妹の末っ子である私、イラノは、モブな性格である。  とある日、公爵令息の誕生日パーティーにて、私はとある事件に遭う!?

至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます

下菊みこと
恋愛
至って普通の女子高生でありながら事故に巻き込まれ(というか自分から首を突っ込み)転生した天宮めぐ。転生した先はよく知った大好きな恋愛小説の世界。でも主人公ではなくほぼ登場しない脇役姫に転生してしまった。姉姫は優しくて朗らかで誰からも愛されて、両親である国王、王妃に愛され貴公子達からもモテモテ。一方自分は妾の子で陰鬱で誰からも愛されておらず王位継承権もあってないに等しいお姫様になる予定。こんな待遇満足できるか!羨ましさこそあれど恨みはない姉姫さまを守りつつ、目指せ隣国の王太子ルート!小説家になろう様でも「主人公気質なわけでもなく恋愛フラグもなければ死亡フラグに満ち溢れているわけでもない至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます」というタイトルで掲載しています。

男女比がおかしい世界にオタクが放り込まれました

かたつむり
恋愛
主人公の本条 まつりはある日目覚めたら男女比が40:1の世界に転生してしまっていた。 「日本」とは似てるようで違う世界。なんてったって私の推しキャラが存在してない。生きていけるのか????私。無理じゃね? 周りの溺愛具合にちょっぴり引きつつ、なんだかんだで楽しく過ごしたが、高校に入学するとそこには前世の推しキャラそっくりの男の子。まじかよやったぜ。 ※この作品の人物および設定は完全フィクションです ※特に内容に影響が無ければサイレント編集しています。 ※一応短編にはしていますがノープランなのでどうなるかわかりません。(2021/8/16 長編に変更しました。) ※処女作ですのでご指摘等頂けると幸いです。 ※作者の好みで出来ておりますのでご都合展開しかないと思われます。ご了承下さい。

美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました

市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。 私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?! しかも婚約者達との関係も最悪で…… まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!

女官になるはずだった妃

夜空 筒
恋愛
女官になる。 そう聞いていたはずなのに。 あれよあれよという間に、着飾られた私は自国の皇帝の妃の一人になっていた。 しかし、皇帝のお迎えもなく 「忙しいから、もう後宮に入っていいよ」 そんなノリの言葉を彼の側近から賜って後宮入りした私。 秘書省監のならびに本の虫である父を持つ、そんな私も無類の読書好き。 朝議が始まる早朝に、私は父が働く文徳楼に通っている。 そこで好きな著者の本を借りては、殿舎に籠る毎日。 皇帝のお渡りもないし、既に皇后に一番近い妃もいる。 縁付くには程遠い私が、ある日を境に平穏だった日常を壊される羽目になる。 誰とも褥を共にしない皇帝と、女官になるつもりで入ってきた本の虫妃の話。 更新はまばらですが、完結させたいとは思っています。 多分…

処理中です...