猫系男子の優雅な生活

ててて

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なんか、子供扱いされてる

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この世界に来て1週間がたった。

いくつか分かったことがある。1つ目に、やたらこの世界に来てから寝てる気がしていたけど、勘違いではないらしい。明らかに寝すぎだ。

朝ごはんを食べたら寝て、昼ごはんを食べたら昼寝、ギルバート達に起こされてギルバートとアルベルトとお茶をしたあとにも寝たり、夕ご飯を食べる前に寝てしまうこともある。


流石に寝すぎだとギルバート達も感じたようで、医官さんに診てもらったけど、少し食が細いけど至って健康らしい。

ちなみに、一緒に呼ばれた『渡辺凛』にはそんな症状は出ておらず、毎日豪遊しているそうだ。

医官が言うには、【もしかしたら、異世界から来て体を作り直しているのかもしれません。調子が悪くなったら直ぐに連絡ください】とのことだ。

とりあえずはよく寝るだけで、健康なのであまり気にしないことにした。寝ても寝ても腰が痛くなるとか頭が痛くなるとか今のところはないし、今まで休めなかった分を休んでいるのかなとか思っている。

ただ、喋ってる途中に眠くなってしまうのは困るけど。起きたらギルバートの肩に持たれていたり、アルベルトに膝枕されてて、心臓に悪い。


それでも幾分かこの世界の生活にも慣れてきた。
例えば、イケメンに朝を起こされることとか。

「……おはようございます、マオ。そろそろ起きましょうね」

ギルバートは既に着替えが終わっていて、いつもの軍服をシワなくピシッと着こなしている。

最初はかなり戸惑ったけど、やっと慣れてきた。
この世界に馴染んだ証拠かな。


「ん~……」


グイっと伸びをしながら起き上がる。顔を洗って今日は何を着ようかクローゼットの前で悩む。ギルバートは、そんな僕の後ろにたって腰まである髪を梳かしてくれる。


結局僕はこの世界に来てから、まだ1度も。というか人生でまだ1度も男の格好をしていない。

変に緊張してしまうし、なんだか似合わない気がして出来ないのだ。あれだけ待ち望んだもの本来の服装のはずなのに、実際いつでも出来るようになった瞬間、怖くて出来ないのだ。

今日も結局、ワンピースばかりを見てしまう。
そんな僕に対して、アルベルトもギルバートも何も言わない。『男の服装しないのか?』とは言ってこない。

いつも、『その服装も似合う』『マオは寒色系の色がよく似合いますね』とか言って褒めてくれるのだ。


僕は2人に甘やかされてる自覚がある。
今までこんな経験はないから、最初はどうしたらいいか分からなかったけど、とりあえず受け入れることをしていると、2人はすごく嬉しそうだった。

だから、恥ずかしいしどこかまだ落ち着かないけど、僕も甘えてる、、と思う。いや、かなり甘えてると思う。たぶん。



「今日はどのような服装にしましょうか。たまには黄色のワンピースなんてどうでしょうか?」

そういってギルバートが取ったのは、陽だまり色のワンピース。腰の部分は絞られ、細い茶色のベルトが回っている。襟は白のレースで、小さなくるみボタンが可愛らしい。

僕はそれを受け取ると、脱衣所でパパっと着替えてついでに髪も編み込みツインテールにした。

白いレースの靴下に、ベルトの色に合わせたブラウンのローファーも履く。


姿見で見ると、自分でも言うのがなんだか可愛い。

……というか、クローゼットに入っていたワンピースの数が増えてる気がする。こんなワンピースあっただろうか?こんなに何着も服はなかったと思うが気がついたら、増えている、と思う。


脱衣所から出ると、ギルバートが待っていた。

「大変良くお似合いです。マオは肌が白いですからなんでも似合うとは思っていますが、たまにはパステルカラーのような明るい色もいいですね。可愛いですよ。」

「……ありがと。これ、ギルバートが選んだの?」

「ふふ、バレてしまいましたか。つい、マオに似合うと思って何着か買ってしまいました。良ければ着てくださいね。」

うん、と頷いた。


やっぱりギルバートが買ってくれたんだ。
もしギルバートが良ければ、今度から服を選んでもらおう。せっかく買ってくれたなら、着てるとこも見て欲しい、し。


「今日は、午前中に急ぎの仕事がないので、兵舎を案内しますね。」


「お願い、します。」



朝食を軽く食べ、眠くなる前に部屋を出た。
この兵舎はコの字型の三階建ての建物で、かなり広い。1階、2階は第一騎士団所属で独身の騎士達の寮になっている。そして、3階は会議室やアルベルト、ギルバートの執務室と私室がそれぞれあった。

食堂は1階にあり、騎士は主にそこで食事を済ませるらしい。一応、部屋に備え付けの簡易キッチンがあるが、自炊してる騎士は極小数なのだそう。

そして、ギルバートやアルベルトはほとんど私室で食事らしい。

外には、学校の運動場のような広さの鍛錬場と、小さな中庭があった。中には色とりどりの花が咲きており、四阿やベンチなども備え付けられている。


結構広いなと感じながら、歩いているとすれ違う騎士たちからは視線を感じた。

女の服装で男ばかりの騎士団の兵舎を歩いてるんだ。それはもう見てくれと言っているようなものだろうな、と思う。

きっとみんな見慣れてくれるだろう。きっと。



あらかた説明されたあと、ギルバートの執務室へ帰ってきた。ちなみに、アルベルトの執務室と私室は廊下を出て向かい合っている部屋にあり、近い。

さっき隙間から覗いて見たが、顔も見えないほどに書類が積まれていたため、ソッと扉を閉めた。





「今日マオに案内した部屋や場所は自由に行き来して頂いて問題ありませんので、好きに歩いてくださいね。そろそろお昼にしますか?」


「…少なめでもいい?」


なんかあまりお腹が空いてなかった。

「いいですよ。」


運ばれてきたのは、こんがり焼いたパンにシチュー、サラダだった。

シチューは見るからに、煮だっておりギルバートに寒してもらう。

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みんなの感想(1件)

pocky
2023.01.13 pocky

先生の作品がどれも好きでいつも楽しみに読んでいます

特に双子が奴隷を溺愛する作品とか、この作品とか、マフィアと幼女の作品とか、魔法の生徒ふたりがイチャつく話とか、魔道士団長の話とかもう色んな作品が好きです!!!

どの作品も溺愛が入っているので見ていてすごく心が安らいでほっこりした感じで読めるのでちょっとした時に急に読みたくなって全作品読んでみたり、続きを想像したりして楽しんだりしてます🎶

いつも更新ありがとうございます😊
もうずっと読み続けていきます
大好きです♡

のんびり更新でもいいのでずっと楽しみに待っています

返事は大丈夫です

解除
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