魔法学院のチート生徒2人がいちゃつく話

ててて

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第1章

第4話

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「へー、これが王都か」

馬車のおじさんにお礼を言い、2人は人生で初めて王都の地を踏みしめた。

人々が生きかう大通り
人族だけでなく中には獣人や亜人なども混ざっている。

これから私達は魔法学院へ向かう。
よくわからないけど、王都に着いたら直ぐにそこへ迎えと院長が言っていた。

「きっとここはこの辺だから、あっちに行けばいいのか…よし、行くぞミア」

地図をもつアルが先頭で、歩き始める。

でも、私もアルもこんな人混みで歩くことなんて当然初めてだから少し目を離すとはぐれるだろうと思った。

なので、空いている方の手でアルの手を握る。

「っ!…………ん?……あぁ、迷子防止か」

「うん、アルが迷子になりそうだから」

「なんで俺なんだよ。あ、後はここを真っ直ぐだって」

進んでいくと前方にとっても大きな建物が見えてくる。塔が3本たち横には大きな建物。周りにもチラホラと建物が並ぶ。

「…え、これ学校?」

「みたいだな」

…え、無駄に広いし無駄に大きいし無駄に高そう


学院の本館らしき所に行くと同じくらいの年頃の子達が集まっていた。
そこで受付をするようで皆並んでいる。
皆、女子はフリフリのドレスを着ていて、男子は気苦しそうな服を着ていた。
きっと貴族の子息子女だろう。

できるだけ遠のいて通り過ぎると隣の受付で誰も並んでいない所があった。

そこには大きな字で『平民』と書かれた紙がテーブルに貼ってあり、受付の人はとても暇そうだった。

アルと2人でそこに向かう。
隣列の貴族の少女らはアルを見て「あら…」だとか「見て、あの殿方」と熱のこもった視線を送っていた。

ん?と疑問に思いアルの顔を見る。

「なんだ?」

「いや…別に?」

「なんだよ…」

皆、アルの何をそんなに見つめていたのか。早くもダサい人認定でもされたのかな……平民だから質素な服装だし。(私もだけど)
まぁ、動きやすいからいいけど。

「お、やっと来た。君たち、ラルスの孤児院のミアとアルフレートかな?」

「え、はい。」

ラルスってのは村の名前

でも、なんで私達のことが分かったのかな。そんなにみすぼらしい格好してるかな…

「僕は3年のウェル、よろしくね。
案内するからついてきて。」

そういって私達は茶髪でおっとりしてるウェル先輩について校内に入った。

石畳の床に高い天井、コツコツと靴の音が響く。

「今から寮に向かうよ。少し歩くから何か聞きたいことがあったらなんでも聞いてね。」

優しげに笑うウェル先輩に、早速アルが質問した。

「あの、ウェル先輩。なんで俺たちのことがわかったんですか?」

「あぁ、それはとても簡単な話だよ。今年は平民の新入生が君たちだけなんだ。」

「「え?」」

「めずらしいよね。平民の魔力持ちは年々減少していて去年は0。一昨年も0人。でも、今年は君たち2人。…逆に貴族は多いし王族の方がいらっしゃるし、珍しく竜族の留学生も今年はいるし…本当、今年は不思議な年だね。」

え、もう面倒……私達しか平民がいないってもう目の敵にされそう

「あ、2人ともそんな不安そうな顔をしないで。一応、この学校は平民と貴族を対等に扱っているよ。流石に王族になると話は別だけど、出来るだけ贔屓がないようになってるからね。」

へー、いや別になんの安心にもならないのだけれど。だって、学校で対等にされても人間関係が対等じゃなけれは割と意味無いのでは…?

そんな私の不安は大きすぎる寮を見てさらに膨張するのだった。

「はい、ここが君たちの寮だよ」






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