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第1章
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千聖side
執事さんに案内されて馬車に乗り込む。
お兄ちゃんとは手を繋いだままだ。前までは人前で離してたのに離さなくてよくなった。
ずっとぎゅっと握っててくれる。
それだけで不安が少し和らいだ。
馬車に乗り込み走り出したところで向かい席に座る執事さんが話はじめる。
「はじめまして、ミカエルと申します。何卒よろしくお願いします。」
ピシッとしてる人、それが第一印象だった。
「ヒビキです、こっちがチセ」
お兄ちゃんが自己紹介してくれる。ペコッと頭を下げる。
「はい、ヒビキ様、チセ様ですね。」
「様はいいですよ、堅苦しくなってしまいます。」
「いえ、これは業務上そういう立場でございますので。」
ミカエルさん自身が堅い人みたいだ。
「屋敷に着くまでの間何か質問がございましたら何なりと。」
「では、この世界…国はなんと言いますか」
「世界は世界です。それ以外の名前はありません。国はセリュール王国です。」
「私たちが巻き添えをくらったあの召喚とはなんなんですか?」
「もうすぐ魔王が復活すると言われています。魔物が増え、勝手に遺跡が立ち、作物が育ちにくくなってきました。そんななか古より伝える言葉より勇者を召喚することになったのです。」
魔王なんているのかな…?でもいるって言われてて実際私たちの召喚も成功しちゃってるってことは居るのか。魔王に殺されちゃうのかな…
少し不安と両親の死の悲しみがこみ上げてくる。すると、それに気づいたようにお兄ちゃんが膝に私を乗せて安心させるように頭を撫でた。
私は身を委ねお兄ちゃんの胸に耳を当てて鼓動を聞く。昔からこうやって安心させてくれた。
「ごほんっ!…他に質問はございますでしょうか?」
「そうだな…俺らが通う学院って何を学べるところですか?」
「はい、ヴィルシーナ学院では騎士コース、魔導師コース、教師コースに別れております。お2人にこのままなんの変化もなければそのまま教師コースで勉学に励んでいただきます。そのまらま何事もなく卒業すれば教師になれますし、他の職業にしてもらっても構いません。」
「それって、教師と騎士コース両方受けることは出来るんですか?」
「はい、可能でございます。ただし、魔導師コースは魔力と属性を持つものしか入れません。」
「魔法か…想像つかないな。魔法って普通は何歳くらいで使えるようになるんですか?」
「だいたいの平均は15歳~18歳ですね。才能のある子ほど若い時に目覚めます。魔力量もS_A_B_C_Dとなってます。だいたい王宮魔導師がAなので学生は優れていてBになります。 属性は1人にひとつが普通ですが希にふたつ持つものもいます。まぁ、そういうものは特別待遇になりますが。」
「なるほど、では私たちにも目覚める可能性があるかもと。だいたいわかりました。ありがとうございます。」
「いえ、ちょうど屋敷に着きましたよ。」
響がミカエルさんにたくさん質問している間に屋敷に着いてしまったらしい。
外国で目にするような大きなお屋敷の前に馬車は止まる。
「この屋敷は昔、貴族が住んでいたものです。度々管理はしてますので何も不調はないかと。掃除も完了しており今日からでも問題なく住めます。それでは食料はこれから屋敷内に運びますね。家事や清掃などは大丈夫でしょうか?」
「はい、大丈夫です。」
「わかりました。では、屋敷内を案内します。」
「いえ、もう結構ですよ。使用人は短時間借りるということですし、もう聞きたいことは聞きました。屋敷は私たちで見るのでお気になさらず。」
私が想像とかけ離れた大きな屋敷を眺めている間に話がどんどん進んでいく。
「……左様ですか。では、学院が始まるのは3日後でごさいます。準備はこちらで済ませますのでその日は学園長の部屋へ来てください。それと、これ今月分のお金になります。
………この国から出ない限り自由に生きていただいて構いません。どうぞ、この国をご堪能ください。」
そうして、ミカエルさんはお城の方へ帰っていった。
「さて、ちー!」
「ん?」
「ご飯を食べようか!」
お兄ちゃんは前の世界でも変わらない笑顔で言った。
執事さんに案内されて馬車に乗り込む。
お兄ちゃんとは手を繋いだままだ。前までは人前で離してたのに離さなくてよくなった。
ずっとぎゅっと握っててくれる。
それだけで不安が少し和らいだ。
馬車に乗り込み走り出したところで向かい席に座る執事さんが話はじめる。
「はじめまして、ミカエルと申します。何卒よろしくお願いします。」
ピシッとしてる人、それが第一印象だった。
「ヒビキです、こっちがチセ」
お兄ちゃんが自己紹介してくれる。ペコッと頭を下げる。
「はい、ヒビキ様、チセ様ですね。」
「様はいいですよ、堅苦しくなってしまいます。」
「いえ、これは業務上そういう立場でございますので。」
ミカエルさん自身が堅い人みたいだ。
「屋敷に着くまでの間何か質問がございましたら何なりと。」
「では、この世界…国はなんと言いますか」
「世界は世界です。それ以外の名前はありません。国はセリュール王国です。」
「私たちが巻き添えをくらったあの召喚とはなんなんですか?」
「もうすぐ魔王が復活すると言われています。魔物が増え、勝手に遺跡が立ち、作物が育ちにくくなってきました。そんななか古より伝える言葉より勇者を召喚することになったのです。」
魔王なんているのかな…?でもいるって言われてて実際私たちの召喚も成功しちゃってるってことは居るのか。魔王に殺されちゃうのかな…
少し不安と両親の死の悲しみがこみ上げてくる。すると、それに気づいたようにお兄ちゃんが膝に私を乗せて安心させるように頭を撫でた。
私は身を委ねお兄ちゃんの胸に耳を当てて鼓動を聞く。昔からこうやって安心させてくれた。
「ごほんっ!…他に質問はございますでしょうか?」
「そうだな…俺らが通う学院って何を学べるところですか?」
「はい、ヴィルシーナ学院では騎士コース、魔導師コース、教師コースに別れております。お2人にこのままなんの変化もなければそのまま教師コースで勉学に励んでいただきます。そのまらま何事もなく卒業すれば教師になれますし、他の職業にしてもらっても構いません。」
「それって、教師と騎士コース両方受けることは出来るんですか?」
「はい、可能でございます。ただし、魔導師コースは魔力と属性を持つものしか入れません。」
「魔法か…想像つかないな。魔法って普通は何歳くらいで使えるようになるんですか?」
「だいたいの平均は15歳~18歳ですね。才能のある子ほど若い時に目覚めます。魔力量もS_A_B_C_Dとなってます。だいたい王宮魔導師がAなので学生は優れていてBになります。 属性は1人にひとつが普通ですが希にふたつ持つものもいます。まぁ、そういうものは特別待遇になりますが。」
「なるほど、では私たちにも目覚める可能性があるかもと。だいたいわかりました。ありがとうございます。」
「いえ、ちょうど屋敷に着きましたよ。」
響がミカエルさんにたくさん質問している間に屋敷に着いてしまったらしい。
外国で目にするような大きなお屋敷の前に馬車は止まる。
「この屋敷は昔、貴族が住んでいたものです。度々管理はしてますので何も不調はないかと。掃除も完了しており今日からでも問題なく住めます。それでは食料はこれから屋敷内に運びますね。家事や清掃などは大丈夫でしょうか?」
「はい、大丈夫です。」
「わかりました。では、屋敷内を案内します。」
「いえ、もう結構ですよ。使用人は短時間借りるということですし、もう聞きたいことは聞きました。屋敷は私たちで見るのでお気になさらず。」
私が想像とかけ離れた大きな屋敷を眺めている間に話がどんどん進んでいく。
「……左様ですか。では、学院が始まるのは3日後でごさいます。準備はこちらで済ませますのでその日は学園長の部屋へ来てください。それと、これ今月分のお金になります。
………この国から出ない限り自由に生きていただいて構いません。どうぞ、この国をご堪能ください。」
そうして、ミカエルさんはお城の方へ帰っていった。
「さて、ちー!」
「ん?」
「ご飯を食べようか!」
お兄ちゃんは前の世界でも変わらない笑顔で言った。
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