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第10話 生還

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 そして、俺は偽タケヒコを、小屋のすぐ隣に埋めてやった!
 マジ優しい俺は、敵もちゃんと埋めてやる。ほんと、神ってんな!

「よし、とりあえず、エルフ族の里に戻るか!」

 俺は来た道を、戻り始めた。

 ちょっと、冷えてきた気がする。
 月は、ちょうど雲がかかっていて、辺りは暗い。

 来た時より、森はかなり暗くて、怖かった。

 けど、もう悪い奴もいないし、てか俺が倒したし、何の心配もない♪

「いやぁ、やっぱり、平和が一番だよな。」

 俺は、ほんと言うと争い事は嫌いなんだ。
 空手も黒帯だし、剣道も有段者な俺が言うのもなんだけど、やっぱり、殴ったり、斬ったりすんの、俺は好きじゃない。

 できるなら、みんなが笑って、ニコニコしていられる世界が、一番だと思うんだ。

「チートな能力を持ってる俺なら、それも可能だったりしてな?」

 そうだ、俺が悪い奴を片っ端から倒していけば、この世界は平和になる!

 そしたら、みんな、俺の事を尊敬してくれるだろうしな♪

「よし、なんかヤル気出て来たぞ!」

 今はまず、リリーナに会いたいな。
 あいつ、どんな顔するのかな?

 泣いてくれるのかな?笑ってくれるのかな?

 俺は、生まれてこの方、女とあまり接した事ないから、女の事はよく分からない。

 告られた事は、数え切れないぐらいあるけど、やっぱり、好きな奴じゃないと、付き合いたくない。

 その点、俺は、リリーナの事が気になっている。

 付き合ってみたいって、そんな事を思っている。

 何たって、リリーナはエルフだし、かなり可愛い!
 あと、凄く女の子っぽくて、良い匂いがするんだ!

「ほんと、幼馴染だったヒナコとは大違いだぜ!まぁ、ヒナコはヒナコで、男子から人気だし、実際可愛いとも思うけど…」

 ヒナコは、タケヒコの事が好きらしい。

 何となく、見てたら分かった。

 俺の事は、ただの幼馴染としてか見てないようだけど、タケヒコの事は、好意的には見てる。タケヒコの前だけは、あいつ、すごく嬉しそうに笑うんだ。

「はは、まぁ俺は別に、ヒナコの事なんか好きじゃないし、どうだっていいけど~。」

 それに、今の俺にはリリーナがいる!
 まだ会ったばかりだけど、これから仲良くなって、LINEの連絡先交換して~って、

「ここ、異世界だから、スマホ使えないじゃん!?」

 そうだった!すっかり忘れてた!

 俺は落ち込んだ。

 その時だった。

 カザッ、

 茂みから、音が聞こえた。

 魔物か!?

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