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第3話 エルフ族!

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 妙な胸騒ぎがした。
 今まで感じたことのない、異様な感覚である。
 胸の中の、大体心臓辺りからだろうか?
 痛くはないが、でも、明らかに何かがおかしい。
 ただ、その異変が何なのか、俺には分からなかった。

◆◇◆◇

 しばらく歩いて、エルフ族の里は見えてきた。
 まるで映画の世界に出てくるような、そんな風景。
 
「ここがエルフ族の里か、凄いな!」

「そうですか?」

「おう、リリーナ、お前はこの里でずっと暮らしているのか?」

「ええ、生まれた時から、ずっとこの里と、先ほど歩いた森が、私の世界の全てです。」

「いいな、それ!超幸せじゃん!」

「……そうでも、ないですよ。」

 いきなり、リリーナの顔が暗くなった。
 ん、俺なんか気に触るような事言ったかな?

「リリーナ?」

「あ、すみません!こ、こちらです!」

「…お、おう。」

 もしかして、エルフ族の里には、何かあるのだろうか?

 とにかく、考えたった仕方ない!行ってみよう!

 俺はリリーナの後に続いて、エルフ族の里を進んでいった。




「よく来ましたね、冒険者、スバルよ。」

 いきなり、エルフ族の族長は言った。
 ここはエルフ族の族長ルバの家で、他の家よりもずっと豪華だ。しかも、凄くいい匂いがする!

 いやいやいや、今はそんな事はどうでもいい!てか何でエルフ族の族長さんは俺のことを知っているんだ!?

「あなたのことは、森の精霊達から聞いています。スライムをやっつけてくれたようですね?」

「ああ、そうだ。って、ん?森の精霊?」

 そんなのいたっけか?

「ふふふ、あなたには見えないようですが、私たちエルフ族には、この森に住む精霊達の姿が見えるです。またその声も、だからスバル、あなたのことはよく知っていますよ。」

「ああ、なるほど。そういうことか。で、どこまで知っている?」

 まさか、俺が異世界転生者である事を知っているとかな?

「…ここより遥か遠い次元の、異次元からやって来たということは、知っています。」

「ふぁ!?驚いた!?そんな事まで分かるのか!?」

「ええ、森の精霊達とは、神に近い存在ですから、森の賢人とも呼ばれているんですよ?」

「へぇ!そりゃあ凄い!だったら、俺がこの世界に何の為にやって来たかも、分かってるんだよな?」

「もちろん、魔王討伐、ですよね?」

 族長ルバは、真剣な顔で言った。

「その通り、話が早くて助かる。じゃあ、単刀直入に言うが、力を貸して欲しい。俺は早く魔王を倒したいんだ。」

 そうだ、俺は早く魔王を倒して、元の世界に帰りたい!
 タケヒコとヒナコが心配しているだろうしな!

「別に構いませんが…スバル、こちらからも一つ、お願いごとを頼んでいいですか?」

「ん?俺に?」

 何だろうか?

「はい。スバル、あなたにしか頼めない事なのです。実は…。」

 ゆっくりと、族長ルバは語り始めた。

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