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第2話 いらっしゃいませ、異世界!
しおりを挟む何かがおかしいって、そう思った。
ただその違和感が一体なんなのか、その時の俺にはわからなかった。
◆◇◆◇◆
次に目を開けた時、そこは異世界だった。
見知らぬ森の中で、目の前には一体の魔物がいた。見た目からして、あれはスライム、というやつに違いない!
早速俺は戦おうとして、武器がないことに気付いた!
「これじゃあ、スライムを倒せねーじゃねーか!?」
次の瞬間、スライムが俺の存在に気が付いたようだ!
スライムがポヨポヨと、跳ねながら近づいてくる。
やばい、これはやばいぞ俺…
辺りを見回して、武器になりそうなものを探した。
そしたら、手頃な木の棒を発見!
「お、これならいけるんじゃないか!?」
握ってみた。
うん、悪くない♪
「よし!行くぜ魔物!覚悟しろよ!」
「※※※※※※※※※※!?」
スライムが何やら鳴き声を上げて、驚いている。
知るか!魔物は冒険者の敵だ!
俺は木の棒を振り上げた。
そしてスライムを叩きつけた。
「※※※※※※※※※…。」
スライムは呆気なく、動かなくなった。
「なんだよ、案外楽じゃねーか?」
といっても、俺はチート能力を持っているから、それも当たり前か!
俺の初戦闘は、華々しくも勝利!
異世界でも、難なくはやっていけるらしい!
「よし、どんどん倒していくぞ!」
俺は叫んで言った。
その時だった。
ガサッ…
木の茂みから、何やら物音が聞こえた。
もしかして、新手の魔物か!?
「隠れてないで、出てこい!」
俺は茂みに向かって叫んだ。
すると、
「た、食べないでくださいッ!」
茂みから、女の子が出てきた!
しかも驚いた事に、女の子は耳の長い、金髪の女の子。年は俺と同じぐらい、何より、すごい可愛かった!
酷く怯えているが、もしかしたら俺が怒鳴り声を上げたせい!?いや、間違いなくそうだ!
「ご、ごめん!別に驚かすつもりはなかったんだ!君は…ここの人かい?」
「はい、私はこの森に住む、エルフ族の者です。リリーナと、申します」
「な、何だって!?エルフだって!?」
「え、ええ…。」
驚いた!
エルフって、あのエルフ!?
でも確かに、外見はそれっぽいし、でもそうか、ここは異世界だし、エルフがいたって何も不思議じゃない。
「あ、すまない。自己紹介がまだだったな。俺はスバル、異世界者…って、分かるわけないか。俺は冒険者のスバル、魔王を倒すためにやってきた者だ。」
「ぼ、冒険者様でしたか!いや、そんな気はしていたのですが…でも、もしかしたら、あなたが例の…。」
「ん、例の?」
「はい。私たちエルフ族の言い伝えに、いつか、この森に、冒険者を名乗る人が現れると…だから、もしかしたらあなたが、その冒険者かと。」
「ああ、なるほどね。」
「スバル様、よかったら私たち、エルフ族の里に立ち寄りませんか?族長も、快く迎えいれてくれると思います!」
「そういうことなら、お言葉に甘えさせてもらおうかな?」
何だかよく分からないが、今はこの世界について、知らないといけないからな。そのエルフ族の里やらに行ったら、少しは情報収集が捗るだろうし。
「よし、じゃあリリーナ、よろしく頼む!」
「はい!」
俺とリリーナは、並んで歩き出した。
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