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第二章 淫紋をぼくめつしたい
お隣さんとの攻防⑪
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「ひっく、うぇぇ」
お布団に籠城して、えぐえぐと泣き続ける。と、晴海の心配そうな声が、外から聞こえた。
「シゲル、ごめんて。苦しいから、出といで?」
「うう~っ」
おれはもぞもぞと体を丸めて、その声から逃れた。
――ひどい、神様。こんなん、あんまりや~!
ただでさえ、べちょべちょに濡れるなんて恥ずかしいのに。あんな紙挟んだパンツまで、晴海に見られてまうなんて……!
恥ずかしい、情けない……もう、ここから一生出たくないっ。
――ぎゅっ。
「!」
お布団の上から、晴海の腕が抱きしめてくる。全身を包むように圧迫されて、おれはハッとびしょ濡れの目を見開いた。
「ごめんなあ、恥ずかしい思いさせてもて……大丈夫やからなっ……」
「うぐっ……」
優しい声で言われて、涙が詰まる。頭の上の布団を、すっすっ……と手が滑ってく感覚があった。撫でてくれてるんやって気づいて、胸のつっかえがほろほろと溶けていく。
「俺がおる。なっ、シゲル……一人で泣かんといて」
「……ううう」
ベッドに乗り上げた晴海に、全身を抱きしめられる。優しい圧迫感に、かああっとおなかの奥が熱くなった。さっきみたいに恥ずかしさだけやなくて……心地よくて、せつない。
「う~っ。ずるいわ、こんなん……」
寂しくって、ぜったい顔見たくなるやん。
おれは、ずびっと鼻を啜り――お布団からもぞもぞと目を出した。すぐに、心配そうに見下ろす、晴海の目とかちあう。
「シゲル! 良かった」
「晴海ぃ」
ホッと緩んだ顔に、胸がきゅんと苦しくなる。すがるように両腕を伸ばすと、すぐにぎゅっと抱きしめられた。晴海の匂いに包まれて、安堵でじわりと涙が滲む。
「晴海っ……はるみ~……!」
「うん……辛かったなっ」
ギューされたまま、よしよしって頭を撫でられる。晴海の腕の中におったら、なんも怖くない。がっしりした肩にしがみついて、うっとりと目を閉じた。
「かわいそうに、こんな泣いて……」
「ぁっ……」
晴海が涙を拭うように、ほっぺにキスしてくれた。キスを求めて唇を尖らせると、ちゅってやわらかい感触が落ちてくる。
もっとしてほしくて、おれからも晴海の唇を欲しがった。
「ふっ……んむ」
「!」
……晴海の唇、やわらかい。あったかいおモチみたいで、触れてるだけでめっちゃ気持ちいい。夢中になって唇をくっつけてたら、晴海が喉の奥で低く唸った。
「……シゲルッ!」
「んむっ」
唇が深く重なって、吐息が混ざった。
いつもせえへんやり方で、晴海がおれの唇を触る。食べるみたいにふにふに挟まれたり、音を立てて吸われたり。恥ずかしいけど、ちっとも嫌やなくて、それどころか……興奮でおなかの奥がじーんとする。
足の間がずきずきと熱く疼いて、穴からじゅわりと熱いのが溢れだした。
「あっ、やぁ」
慌てておけつを浮かすと、間近にある黒い目が揺れる。
「ど、どうした?」
「また、濡れてきてっ……ああっ」
恥を忍んで伝える。晴海は、ハッとした顔になり――突然腰に手を回してきた。すりすりとおけつを撫でられて、恥ずかしい声を出してまう。
「何すんねん、すけべっ!」
半泣きで、ぽかりと肩を叩く。
「いてっ。いや、違うって! ちょっと気になることが――」
「なに……あんっ!」
ぽかぽかと胸を叩くんをものともせず、晴海がおけつを揉んでくる。両手に包まれたとこから、じわーっと気持ちよさが広がって、口がとろんと開いた。
「あ、ああっ……あかんってばぁ」
おけつをきゅっきゅって優しく揉まれてるだけやのに、眼の奥がちかちかするくらい気持ちいい。擦り合される谷間がどんどん滑って、履き替えたばっかのパンツが、台無しになってく。
「……でも、気持ちええん?」
「あほうっ……」
確かめるように聞くなや!
火を噴きそうな気持で睨むと、晴海は意外にも真剣な顔しとる。
「やっぱり、いつもより感じやすい……なあ、シゲル。これ、やっぱり発情とちゃうか?」
「へっ」
晴海の問いに、おれはきょとんとする。
「だって……わーって感じやないもん」
「うん。けど、お姉さんの薬が効いてて、ゆるく来とる可能性もあると思うねん」
「ええっ! そ、そんなまさか……?」
おれはぎょっとする。晴海は、「もうちょっと聞いてええ?」と言葉を続けた。――その話の流れで、おれのお腹が昨夜からうずうずしとることも、何もせんでも濡れ続けとることも、白状してしもたん。
聞き終わった晴海は、ぎゅって抱いてくれた。
「……俺、気づかんでごめんなあ。苦しかったやろ?」
「ううん! おれのほうこそっ……!」
晴海は深く、ながーい息を吐いた。
どうしよう。
そういえば、何でも言うて言われてたのに、黙ってたんあかんかったよな。落ち込ませてしもたんかなあ。おろおろと様子を窺ってたら、晴海が「よし」とでっかい気合声を上げる。
がばぁと体を離し、真正面から熱い目で見つめてきて、晴海は言う。
「シゲル……俺と今からセックスしてくれ!」
「――ほああ!?」
なに言うてんねん、この人~!?
お布団に籠城して、えぐえぐと泣き続ける。と、晴海の心配そうな声が、外から聞こえた。
「シゲル、ごめんて。苦しいから、出といで?」
「うう~っ」
おれはもぞもぞと体を丸めて、その声から逃れた。
――ひどい、神様。こんなん、あんまりや~!
ただでさえ、べちょべちょに濡れるなんて恥ずかしいのに。あんな紙挟んだパンツまで、晴海に見られてまうなんて……!
恥ずかしい、情けない……もう、ここから一生出たくないっ。
――ぎゅっ。
「!」
お布団の上から、晴海の腕が抱きしめてくる。全身を包むように圧迫されて、おれはハッとびしょ濡れの目を見開いた。
「ごめんなあ、恥ずかしい思いさせてもて……大丈夫やからなっ……」
「うぐっ……」
優しい声で言われて、涙が詰まる。頭の上の布団を、すっすっ……と手が滑ってく感覚があった。撫でてくれてるんやって気づいて、胸のつっかえがほろほろと溶けていく。
「俺がおる。なっ、シゲル……一人で泣かんといて」
「……ううう」
ベッドに乗り上げた晴海に、全身を抱きしめられる。優しい圧迫感に、かああっとおなかの奥が熱くなった。さっきみたいに恥ずかしさだけやなくて……心地よくて、せつない。
「う~っ。ずるいわ、こんなん……」
寂しくって、ぜったい顔見たくなるやん。
おれは、ずびっと鼻を啜り――お布団からもぞもぞと目を出した。すぐに、心配そうに見下ろす、晴海の目とかちあう。
「シゲル! 良かった」
「晴海ぃ」
ホッと緩んだ顔に、胸がきゅんと苦しくなる。すがるように両腕を伸ばすと、すぐにぎゅっと抱きしめられた。晴海の匂いに包まれて、安堵でじわりと涙が滲む。
「晴海っ……はるみ~……!」
「うん……辛かったなっ」
ギューされたまま、よしよしって頭を撫でられる。晴海の腕の中におったら、なんも怖くない。がっしりした肩にしがみついて、うっとりと目を閉じた。
「かわいそうに、こんな泣いて……」
「ぁっ……」
晴海が涙を拭うように、ほっぺにキスしてくれた。キスを求めて唇を尖らせると、ちゅってやわらかい感触が落ちてくる。
もっとしてほしくて、おれからも晴海の唇を欲しがった。
「ふっ……んむ」
「!」
……晴海の唇、やわらかい。あったかいおモチみたいで、触れてるだけでめっちゃ気持ちいい。夢中になって唇をくっつけてたら、晴海が喉の奥で低く唸った。
「……シゲルッ!」
「んむっ」
唇が深く重なって、吐息が混ざった。
いつもせえへんやり方で、晴海がおれの唇を触る。食べるみたいにふにふに挟まれたり、音を立てて吸われたり。恥ずかしいけど、ちっとも嫌やなくて、それどころか……興奮でおなかの奥がじーんとする。
足の間がずきずきと熱く疼いて、穴からじゅわりと熱いのが溢れだした。
「あっ、やぁ」
慌てておけつを浮かすと、間近にある黒い目が揺れる。
「ど、どうした?」
「また、濡れてきてっ……ああっ」
恥を忍んで伝える。晴海は、ハッとした顔になり――突然腰に手を回してきた。すりすりとおけつを撫でられて、恥ずかしい声を出してまう。
「何すんねん、すけべっ!」
半泣きで、ぽかりと肩を叩く。
「いてっ。いや、違うって! ちょっと気になることが――」
「なに……あんっ!」
ぽかぽかと胸を叩くんをものともせず、晴海がおけつを揉んでくる。両手に包まれたとこから、じわーっと気持ちよさが広がって、口がとろんと開いた。
「あ、ああっ……あかんってばぁ」
おけつをきゅっきゅって優しく揉まれてるだけやのに、眼の奥がちかちかするくらい気持ちいい。擦り合される谷間がどんどん滑って、履き替えたばっかのパンツが、台無しになってく。
「……でも、気持ちええん?」
「あほうっ……」
確かめるように聞くなや!
火を噴きそうな気持で睨むと、晴海は意外にも真剣な顔しとる。
「やっぱり、いつもより感じやすい……なあ、シゲル。これ、やっぱり発情とちゃうか?」
「へっ」
晴海の問いに、おれはきょとんとする。
「だって……わーって感じやないもん」
「うん。けど、お姉さんの薬が効いてて、ゆるく来とる可能性もあると思うねん」
「ええっ! そ、そんなまさか……?」
おれはぎょっとする。晴海は、「もうちょっと聞いてええ?」と言葉を続けた。――その話の流れで、おれのお腹が昨夜からうずうずしとることも、何もせんでも濡れ続けとることも、白状してしもたん。
聞き終わった晴海は、ぎゅって抱いてくれた。
「……俺、気づかんでごめんなあ。苦しかったやろ?」
「ううん! おれのほうこそっ……!」
晴海は深く、ながーい息を吐いた。
どうしよう。
そういえば、何でも言うて言われてたのに、黙ってたんあかんかったよな。落ち込ませてしもたんかなあ。おろおろと様子を窺ってたら、晴海が「よし」とでっかい気合声を上げる。
がばぁと体を離し、真正面から熱い目で見つめてきて、晴海は言う。
「シゲル……俺と今からセックスしてくれ!」
「――ほああ!?」
なに言うてんねん、この人~!?
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