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第二章 淫紋をぼくめつしたい

はじめての……⑤

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 勢いよくカーテンが引かれる。 
 
「大丈夫か、シゲル!」
 
 晴海の声がすぐ近くで聞こえて、熱い涙が顎までこぼれ出た。
 おれは、小さく体を丸めてバスタブに蹲る。
 
「見んといて……!」
「……っ?」
 
 晴海に、こんな状態になっとるおれ、見られたくない……!
 丸くなって、ひぐひぐとしゃくりあげていると、晴海が戸惑っとる気配がした。
 
「シゲル? どうしたんや?」
「ひぅっ」
 
 そっ、と背中を撫でられて、高い声が出た。晴海が「あっ」と息を飲む。――かああっと項まで炙られたように熱くなった。
 
「うう……っ、いややぁ。出てって~……」
「……もしかして、発作がきたんか?」
 
 心配そうに問われて、喉が詰まる。恥ずかしくて、「そうや」とも「違う」とも言えへんくて……おれはただ黙って唇を噛んどった。
 すると。
 
――ジャバッ。
 
 床にうっすら溜まっとった湯を踏んで、晴海がバスタブに入ってくる。
 おれは丸まったまま、息を飲んだ。ふわりとタオルに包まれて、ぎゅっと抱き起される。
 
「あ……!」
「シゲル、大丈夫や。俺がついとるからな」
 
 耳元に、晴海の穏やかな声がする。敏感になったからだは、吐息にさえ震えてしもたけど。
 
「はぅ……」
「泣かんでええ。大丈夫やから……」
 
 恥ずかしいと思う隙間もないほど、晴海の腕が力強くおれを抱いてくれた。
 
――あったかい……
 
 ほろほろと、涙が零れた。
 晴海のべちゃべちゃになった部屋着に、胸がきゅうって、甘く締め付けられる。体の芯からじわじわと熱が溢れて、はふっと息が浅くなっていった。
 
「はるみぃ……おれ、どうしよ……っ!」
「よしよし……とにかく、出よう。冷えてまうからな」
「――わっ?」
 
 ひょいっと横向きに抱え上げられて、バスタブを出た。――凄い力や。おれ一人抱えて、びくともせえへんなんて……。
 晴海は、おれを自分のベッドにゆっくりと下ろす。割れものを運ぶ配達屋さんより、ずっと優しかった。
 
「ちょっと待っとれよ」
 
 ふさ、と裸にお布団をかけられる。慌ただしく暖房の上げる音とか、衣擦れが聞こえてきた。
 
――エッチする準備、してるんや……。
 
 逃げ出したいような、待ち遠しいような……もだもだしながら、シーツにほっぺを埋めると、晴海のにおいがする。じん……とおなかの奥がしびれて、とろりと穴から熱いのがこぼれた。
 あ、布団汚れるっ。
 さあっと青ざめる。慌てて、おけつを片手で押さえて、横向きに転がった。
 と、ギシッ――とベッドが軋んで、びくっとする。ごそごそ、と布団が動いて、後ろから抱きしめられた。
 
「あっ」
「シゲル……」
 
 熱い声が耳に吹きこまれて、目が潤む。――晴海の肌が、背中とか腕とか足にピッタリとひっついてた。
 
「はぁ……っ」
「えーと……ほな、ええか?」
 
 照れたような声で言われて、指先がもっとぬるぬるになってまう。ドキドキしながら頷くと、仰向けに寝かされそうになった。あ、だめ。ふにゃふにゃのちんちん、見られてまう……!
 
「あ……! 待って、晴海っ」
「どうした?」
 
 ぎゅっと体を縮めると、不思議そうに聞かれる。――おれはほっぺが熱々になるのを感じつつ、もじもじと内ももをすり合わせた。
 
「あのー……」
「おう?」
「う、後ろからしてほしいねんけど」
「お?」
「その、恥ずかしいから……」
 
 女の子やあるまいし、何言うてんねん。
 と、思いつつ晴海に頼む。肩越しに振り返ったら、晴海の真黒い目が、明かりの落ちた部屋でちらちらと光って見えた。
 
「わかった。辛かったら、言うんやで」
「うんっ」
 
 ころん、とうつ伏せにされる。マッサージを受けるみたいに体を伸ばされて、晴海が乗ってくる感じがした。腕や背中を熱い手に撫でられて、「はう……」と息が漏れる。耳の後ろに、ふわっとあったかい感触。――唇やと気づいたときには、首筋に同じ感触が降ってきた。
 
「あ……っ」
「シゲル……」
 
 ふわふわと、項や肩のラインに沿ってキスされる。優しい刺激に、目の奥がじんと熱く痛んだ。
 晴海に、キスされてる。ずっと昔から、仲良しで……大好きな友達の晴海に――
 
「ふ……っ、ぁう……」
 
 はずかしくて……逃げ出したい気持ちで、胸がいっぱいで。せやのに、おなかの奥が、溶けそうに潤んでくるのがわかった。
 
「あぁっ」
 
 肩甲骨の真ん中を、ちゅっと強く吸われて肩が跳ねる。
 身を捩ると――おなかの下にある逞しい腕ががっしりとおれを捕えて、よう動かん。
 この腕も、晴海のものなんや。……おれは、ホンマに晴海とエッチするんや。今から……
 ぶわり、と全身が茹で上がる。

――どうしよ。めっちゃ恥ずかしい……

 だって、最初の時はもう、わけわからへんかったから。こんな風に優しくされてたなんて、知らんかったんやもん。

「ふぁぁ……だめぇ……っ」

 ゆっくりわき腹を撫であげた手に、胸を包まれる。手のひらで先っぽを優しく転がされて、甘えた声が出る。

「やぁん……っ晴海っ……」
「シゲル、可愛い……」

 こんな風にされたら――もう治療やなくて、普通にエッチやんか。
 そんなん、怖いよ。 
 おれは、ぎゅっと晴海の腕を掴んだ。
 
「はるみっ……もう、お願い。いれて?」
「えっ……けど、お前……」
「もう、へいきやから。お願い……」
 
 晴海が心配そうに躊躇う。おれは、重ねて「いれて」と頼む。実際、おれの後ろは押さえとる手とくっついちゃいそうなほど、どろどろに濡れてしもてたから。
 晴海は、すこし躊躇ってから――おれのおけつに触れた。ぬちゅ、と音が立って頬が赤らむ。
 むに、むに……と両手で優しく揉んでくる。晴海の固い指先が、おけつの肉に食い込んで、恥ずかしいのにきもちいい。

「んん……っ」

――ぐに……くち……っ

 濡れた谷間の部分を擦り付けるようにされて、甘い声が漏れる。
 穴が擦れて、こそばゆい……っ。
 シーツを握って耐えていると、今度はおけつを割り開かれる。くぷ、と横に広がった穴がまた濡れたのがわかった……

「やっ。そんなん、せんといてっ」
「何で? 綺麗やで」
「あっ!」

 くにくに、とおけつの穴を指でなぞられた。あ……晴海の指に、チュッチュッと穴が吸い付いてる。
 涙目で後ろを睨む。

「あほっ、恥ずかしいんやから……」
「おぉ、すまん。……ちょっと待って」

 一度離れた晴海の手が、しばらくして戻ってくる。ヌチュヌチュしたものに濡れていて、びっくりした。

「わあ、なに?」
「ローションや。舐めても平気なやつやから、安心しい」
「ええ……?!」

 そんな準備、いつしてたん?
 目を白黒させとったら、晴海の指がおけつの穴を擽った。くるくるとマッサージされて、腰が震える。

「ぁ……は……っ」
「よし。いれるで?」
「ん……うんっ」

 頷いたら、ちゅぷ……ておけつに指が差し込まれた。晴海の指がゆっくり進んできて、ナカを優しく触る。

「はぁぁ……っ」

――ぐぷん。

 ねばっこい水音を立てて、穴からたっぷりと熱いのがこぼれ出た。くにくに、とナカを探るように押されて、呼吸がはやくなる。

「あ、あ……はぅ……っ」
「痛ない?」
「んっ。いたくないぃ……っ」

 痛くないなんてもんやなかった。
 くすぐったさに似た感覚がもどかしくて、腰が甘く痺れてく。
 布団の中で、くちゅくちゅとやらしい水音が響いとる。指が増やされて、ゆっくり拡げられて……
 おなかの方をぬるぬる、て押されるとちんちんもびしょびしょになった。

「はるみ……もう……」

 このまましてたら、変になっちゃう。おれは、きゅう……と晴海の指を二本包んだまま、振り返る。

「ええんか……?」
「うん……いれて」

 こくこく頷くと、ゆっくり指が抜かれる。晴海がローションをちんちんにぬりつける音がして、なんの気なしに振り返り息を飲む。

 すごい、でか……っ。

 ち、ちょっとした腕くらいありそうや。こんなん、入るの……? ちょっと怖じ気ついてたら、晴海が体を重ねてくる。

「あっ、晴海」
「ゆっくりするけど……苦しかったら言うて」
「ひゃ……!」

 おけつを割られて、穴に晴海のちんちんがあてがわれる。熱く濡れた感触に、穴がどぽりと液を溢した。

「はぁ……はぁ……」

 確かめるように穴を押されて、どんどん濡れる。――もう、いっそはやく……! そう思ったとき、

――ずぶっ。

「あっ!」

 強く押し付けられたものが、中に入ってきた。入口が、丸く拡げられて、頭が真っ白になる。

「は……あ……っ!」
「……へいきか?」

 熱い声で尋ねられ、必死に頷く。すると、晴海は腰を進めてきた。

――ず、ずぷ……ずぶ……

「あぁっ、あうー……」

 熱い……太い……っ。
 晴海のは、濡れたナカをギチギチに擦りながら、ゆっくり奥に進んでくる。すごい、どんどん奥に来る……っ
 終わりの見えへん挿入に悶えてたら、前に腕が回ってきた。胸を撫でられたかと思うと――乳首をきゅっと摘まれる。

「あぁん……!」

 足がびくん、と跳ね上がる。
 思い切り締め付けて、晴海の形をはっきりと感じた。壁が圧迫されて、腰が溶けそうや。
 やのに、晴海は、乳首を優しく摘み続ける。

「あ……それだめ、晴海っ!」
「そうか……? ここいらったら、穴がやらかなるみたいやぞ」
「うそ……っ」
「ホンマやて。ほら……」
「あぁぁん……!」

 二つの乳首を丸めながら、腰を押し付けてくる。すると――ずぷぷ……とやらしい音をたてて、ちんちんが奥に奥に吸い込まれていった。

「あー……あうう……」
「な? もっと触ったろ」
「いやぁ……ふあぁぁ」

 晴海は嬉しそうに言うと、おれの乳首を攻め続ける。必死に身を捩るのに、おけつが串刺しにされとるせいで、逃げられへん。

「……っあとちょっとやで」
「あ、んあぁ……?!」

 耳にキスされて、ふわんと気が抜けた瞬間――つねった乳首を優しく擦られながら……ついに、一番奥まで晴海を飲み込んだ。

「あんっ!」

 びくん! と腰が跳ねる。
 眼がちかちかして、涙がどっと溢れた。
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