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第一章 おけつの危機を回避したい
七十話
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俺と会計は、爆走していた。
入り組んだ地下通路を、一つずつ部屋を改めながら進む。
「天ちゃん!」
「シゲル!」
ドアを開け放つ。――また、空振りや!
戦前から増築され続けているという地下は、やたらと部屋が多い。
シゲル、どこや。
焦れながら、走り続ける。十字路に差し掛かり、どっちに進むべきか思わず足が止まった。
「クソッ、何なんだよ! 急いでんのに……!」
「落ち着け! ここは二手に分かれて――」
苛立たし気に壁を殴る会計に、そう言いかけたときやった。
――ゃ……っ!
かすかに聞こえてきた悲鳴に、胸を掴まれる。
「シゲル……!?」
右側の通路の奥。たしかに、シゲルの声が聞こえた。
刹那、迷うことなく俺は右の通路に突っ込んだ。
「来い! こっちや!」
「おい!?」
会計の声が背中に当たる。
しかし俺が、シゲルの声を聞き間違うはずがない。泣きそうに切羽詰まって、俺に助けを求めていた。
通路を全力疾走する。進むごとに、声が近くなった。
さらに奥へ進み、もう一度左に曲がって――争うような物音のする部屋に突き当たる。
「シゲルッ!」
ブチ破る勢いでドアを開いた。
次の瞬間、目に飛び込んできた光景に頭が真っ白になった。
「――!」
一糸まとわないシゲルに馬乗りになった榊原が、驚愕の面持ちで振り返る。
ドガッ!
気がつけば、その顔面に蹴りを食らわしていた。吹っ飛んだ榊原は机をなぎ倒し、棚に頭から突っ込んだ。
「うぐッ!?」
呻く男の胸倉を掴み上げて、頬桁をぶん殴る。辺りに鮮血が飛び散った。顔を庇うように上がった腕を抑え込み、何度も拳を振り下ろした。
――殺す!
胸の内が憎悪に黒く染まる。よくもシゲルを、あんな目に……!
ぐったりし始めた榊原に、なおも拳を振り上げたとき――
「……ぅ……っ」
小さな呻き声が聞こえて、動きが止まる。
勢いよく振り返ると――シゲルが微かに身じろいでいた。苦し気な吐息に、一気に我に返る。
「シゲルッ!」
榊原を振り捨て、シゲルを抱き起す。
全身が真っ赤に上気して、かたかたと小刻みに震えていた。後頭部を手のひらで支えると、薄く開いた唇からコポリ、とピンク色の液体が溢れだす。
「……媚薬か!」
尻からも、同色の液体が伝っていた。どれだけの量を盛られたのかと、ぞっとする。
俺は、シゲルを腕に抱えると、何度か背中を叩いた。「こほこほ」と小さく噎せ込んで、シゲルは口内の媚薬を吐き出す。――あらかた吐き出したと見ると、解毒剤を取り出し口に含ませた。
「……ふ……」
「かわいそうに、辛かったなぁ……もう大丈夫やで」
涙の残る頬が痛々しい。
薬を飲みこんだのを確認すると、シゲルの身体を床に横たえる。
「解毒剤が足りん。被服室に行かんと……!」
包むものを探し部屋を見回すと、愛野がベッドの上で眠っとった。こいつは会計に任すことにして、布団を被せる。
テーブルクロスを引き抜いて、シゲルの身体をすっぽり包んで抱えあげた。部屋を飛び出したところで、会計と行き会う。
「天ちゃんは!?」
「そこの部屋におる! 変な薬使われとるから、セックスして中に射精してくれ!」
「はあ!?」
驚愕する会計を置き去りに、俺は走った。腕の中で苦し気に息を吐くシゲルに、焦燥が煽られる。
――急げ。もっと早く……!
来た道を猛スピードで駆け戻り、被服室に入る。鍵をかけて、シゲルを教壇におろした。
「う……あ……」
裸の胸を忙しなく上下させ――虚ろな目からとめどなく涙が零れている。
「シゲル、待っとれよ!」
棚に突進して、薬を止めたテープを剥がす。――くそ、焦って手が震える。ようやく剥がしたとき、「あぁっ」と小さな叫びが聞こえた。
「シゲル?!」
慌てて振り返り、瞠目する。
――ぐちゅっ、ぐちゅ……
「ふっ……あうぅっ……ああー……!」
シゲルは、甘い声を漏らし体を捩っとった。しどけなく開いた足の間で、激しく手が動いとる。ぐちゅぐちゅと響く水音に――くらりと眩暈を覚えて、喉がカラカラになる。
「あつい、あついぃ……! うあぁぁ!」
シゲルは泣きながら、激しく頭を振る。横ざまに倒れて、こっちを向いた尻の狭間を指が掻きまわしとった。忌々しい部分を抉りとろうとするような激しさに、我に返る。
「シゲル、乱暴にしたらあかん! 傷つく……!」
「うあああっ、はなしてえぇ……!」
手首を押さえつけると、シゲルは悲痛な声で絶叫した。
必死に逃れようと暴れ出す。いやいやするように頭を振るたびに、大粒の涙があちこちに散った。
「あつい! しんじゃうっ……あたまこわれるぅ……!」
「シゲル、しっかりするんや!」
「やああぁ」
「シゲル……!」
呼びかけても、目が焦点を結ばん。――もう、正気を失いかけとるんやと悟り、全身の力が抜けそうになる。
『意識が混濁する前でなければ、解毒は不可能』――お姉さんの解毒剤には、そんな制約があった。では、今から投与しても……シゲルは助からへんのか?
ぎゅうっと熱い体を抱きしめる。汗にぐっしょり濡れた頭を抱え込むと、胸が苦しくなった。
――なんで、シゲルが苦しまなあかんのや……!
奥歯をぎりりと噛み締める。
なにが悪役モブや。なにが、ゲームや。
「俺の宝物を、めちゃくちゃにしやがって……!」
壊れたように泣き続けるシゲルを抱きながら、喉の奥から呻き声が漏れる。
嫌や、頼むから――俺を置いてかんといてくれ。
「シゲル……ッ」
もう、ずっと大好きなんや。
お人よしで、ぶきっちょで、可愛いお前のことが……!
――このこ、えんぷくにひっついて、はっぱにようかえれへんねん。
虫をかえしてやろうと、花壇でずっと途方に暮れてた横顔も。
――姉やんがなー、なかなおりにってりんご飴買ってくれてん!
こわいお姉さんに優しくされて、はにかんどった真っ赤な頬も。
――おばあさん、お孫さんに会いに行くんやってんて。嬉しいなあ。
何べんしくじっても、懲りずに人に優しくしようとするところも……
「畜生……」
ず、と鼻を啜る。
要領が悪いせいで、いつも誤解されて泣いてばっかりで……俺が側にいて、必ず守ろうと決めてたのに。
己の無力さが呪わしかった。
シゲル、守れんくてごめん。
俺は、惨めに嗚咽を漏らした。
そのとき。
「ひっ……ぐすっ……はるみ、たすけて……」
「――!」
悲しい声が、俺に助けを求める。
驚いて見下ろした目は、虚ろなままで。シゲルは――自分を抱えるのが俺やと、わからんようになってまで……。
震える背中を、強く抱いた。
――晴海~!
シゲルの明るい笑顔が、甦る。
いつも、綺麗な顔をくしゃくしゃにして笑うんや。日に透ける、あめ色のふわふわした髪を揺らして。
「絶対に失ってたまるか……!」
シゲルを床に横たえると、細い指を俺のそれで絡めとった。暴れる体を、しっかりと押さえ込む。
「や……っ、うううー……」
涙でぐちゃぐちゃの頬を、手のひらで包んだ。
ごめんな、シゲル。
たとえ、お前に恨まれても……俺はもう決めたから。
「お前は俺が繋ぎとめる。誰にも壊させへん……!」
そう叫んで、涙に濡れた唇にキスをした。
入り組んだ地下通路を、一つずつ部屋を改めながら進む。
「天ちゃん!」
「シゲル!」
ドアを開け放つ。――また、空振りや!
戦前から増築され続けているという地下は、やたらと部屋が多い。
シゲル、どこや。
焦れながら、走り続ける。十字路に差し掛かり、どっちに進むべきか思わず足が止まった。
「クソッ、何なんだよ! 急いでんのに……!」
「落ち着け! ここは二手に分かれて――」
苛立たし気に壁を殴る会計に、そう言いかけたときやった。
――ゃ……っ!
かすかに聞こえてきた悲鳴に、胸を掴まれる。
「シゲル……!?」
右側の通路の奥。たしかに、シゲルの声が聞こえた。
刹那、迷うことなく俺は右の通路に突っ込んだ。
「来い! こっちや!」
「おい!?」
会計の声が背中に当たる。
しかし俺が、シゲルの声を聞き間違うはずがない。泣きそうに切羽詰まって、俺に助けを求めていた。
通路を全力疾走する。進むごとに、声が近くなった。
さらに奥へ進み、もう一度左に曲がって――争うような物音のする部屋に突き当たる。
「シゲルッ!」
ブチ破る勢いでドアを開いた。
次の瞬間、目に飛び込んできた光景に頭が真っ白になった。
「――!」
一糸まとわないシゲルに馬乗りになった榊原が、驚愕の面持ちで振り返る。
ドガッ!
気がつけば、その顔面に蹴りを食らわしていた。吹っ飛んだ榊原は机をなぎ倒し、棚に頭から突っ込んだ。
「うぐッ!?」
呻く男の胸倉を掴み上げて、頬桁をぶん殴る。辺りに鮮血が飛び散った。顔を庇うように上がった腕を抑え込み、何度も拳を振り下ろした。
――殺す!
胸の内が憎悪に黒く染まる。よくもシゲルを、あんな目に……!
ぐったりし始めた榊原に、なおも拳を振り上げたとき――
「……ぅ……っ」
小さな呻き声が聞こえて、動きが止まる。
勢いよく振り返ると――シゲルが微かに身じろいでいた。苦し気な吐息に、一気に我に返る。
「シゲルッ!」
榊原を振り捨て、シゲルを抱き起す。
全身が真っ赤に上気して、かたかたと小刻みに震えていた。後頭部を手のひらで支えると、薄く開いた唇からコポリ、とピンク色の液体が溢れだす。
「……媚薬か!」
尻からも、同色の液体が伝っていた。どれだけの量を盛られたのかと、ぞっとする。
俺は、シゲルを腕に抱えると、何度か背中を叩いた。「こほこほ」と小さく噎せ込んで、シゲルは口内の媚薬を吐き出す。――あらかた吐き出したと見ると、解毒剤を取り出し口に含ませた。
「……ふ……」
「かわいそうに、辛かったなぁ……もう大丈夫やで」
涙の残る頬が痛々しい。
薬を飲みこんだのを確認すると、シゲルの身体を床に横たえる。
「解毒剤が足りん。被服室に行かんと……!」
包むものを探し部屋を見回すと、愛野がベッドの上で眠っとった。こいつは会計に任すことにして、布団を被せる。
テーブルクロスを引き抜いて、シゲルの身体をすっぽり包んで抱えあげた。部屋を飛び出したところで、会計と行き会う。
「天ちゃんは!?」
「そこの部屋におる! 変な薬使われとるから、セックスして中に射精してくれ!」
「はあ!?」
驚愕する会計を置き去りに、俺は走った。腕の中で苦し気に息を吐くシゲルに、焦燥が煽られる。
――急げ。もっと早く……!
来た道を猛スピードで駆け戻り、被服室に入る。鍵をかけて、シゲルを教壇におろした。
「う……あ……」
裸の胸を忙しなく上下させ――虚ろな目からとめどなく涙が零れている。
「シゲル、待っとれよ!」
棚に突進して、薬を止めたテープを剥がす。――くそ、焦って手が震える。ようやく剥がしたとき、「あぁっ」と小さな叫びが聞こえた。
「シゲル?!」
慌てて振り返り、瞠目する。
――ぐちゅっ、ぐちゅ……
「ふっ……あうぅっ……ああー……!」
シゲルは、甘い声を漏らし体を捩っとった。しどけなく開いた足の間で、激しく手が動いとる。ぐちゅぐちゅと響く水音に――くらりと眩暈を覚えて、喉がカラカラになる。
「あつい、あついぃ……! うあぁぁ!」
シゲルは泣きながら、激しく頭を振る。横ざまに倒れて、こっちを向いた尻の狭間を指が掻きまわしとった。忌々しい部分を抉りとろうとするような激しさに、我に返る。
「シゲル、乱暴にしたらあかん! 傷つく……!」
「うあああっ、はなしてえぇ……!」
手首を押さえつけると、シゲルは悲痛な声で絶叫した。
必死に逃れようと暴れ出す。いやいやするように頭を振るたびに、大粒の涙があちこちに散った。
「あつい! しんじゃうっ……あたまこわれるぅ……!」
「シゲル、しっかりするんや!」
「やああぁ」
「シゲル……!」
呼びかけても、目が焦点を結ばん。――もう、正気を失いかけとるんやと悟り、全身の力が抜けそうになる。
『意識が混濁する前でなければ、解毒は不可能』――お姉さんの解毒剤には、そんな制約があった。では、今から投与しても……シゲルは助からへんのか?
ぎゅうっと熱い体を抱きしめる。汗にぐっしょり濡れた頭を抱え込むと、胸が苦しくなった。
――なんで、シゲルが苦しまなあかんのや……!
奥歯をぎりりと噛み締める。
なにが悪役モブや。なにが、ゲームや。
「俺の宝物を、めちゃくちゃにしやがって……!」
壊れたように泣き続けるシゲルを抱きながら、喉の奥から呻き声が漏れる。
嫌や、頼むから――俺を置いてかんといてくれ。
「シゲル……ッ」
もう、ずっと大好きなんや。
お人よしで、ぶきっちょで、可愛いお前のことが……!
――このこ、えんぷくにひっついて、はっぱにようかえれへんねん。
虫をかえしてやろうと、花壇でずっと途方に暮れてた横顔も。
――姉やんがなー、なかなおりにってりんご飴買ってくれてん!
こわいお姉さんに優しくされて、はにかんどった真っ赤な頬も。
――おばあさん、お孫さんに会いに行くんやってんて。嬉しいなあ。
何べんしくじっても、懲りずに人に優しくしようとするところも……
「畜生……」
ず、と鼻を啜る。
要領が悪いせいで、いつも誤解されて泣いてばっかりで……俺が側にいて、必ず守ろうと決めてたのに。
己の無力さが呪わしかった。
シゲル、守れんくてごめん。
俺は、惨めに嗚咽を漏らした。
そのとき。
「ひっ……ぐすっ……はるみ、たすけて……」
「――!」
悲しい声が、俺に助けを求める。
驚いて見下ろした目は、虚ろなままで。シゲルは――自分を抱えるのが俺やと、わからんようになってまで……。
震える背中を、強く抱いた。
――晴海~!
シゲルの明るい笑顔が、甦る。
いつも、綺麗な顔をくしゃくしゃにして笑うんや。日に透ける、あめ色のふわふわした髪を揺らして。
「絶対に失ってたまるか……!」
シゲルを床に横たえると、細い指を俺のそれで絡めとった。暴れる体を、しっかりと押さえ込む。
「や……っ、うううー……」
涙でぐちゃぐちゃの頬を、手のひらで包んだ。
ごめんな、シゲル。
たとえ、お前に恨まれても……俺はもう決めたから。
「お前は俺が繋ぎとめる。誰にも壊させへん……!」
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