4 / 6
♡宏ちゃん、お背中流します!【後編】
しおりを挟む
「や……あぁっ」
宏ちゃんのお膝の上に座って、ぼくは裸身を捩った。
「ほら、動くな。洗えないだろ?」
「あっ!」
注意するみたいに、後ろからきゅっと胸を揉まれる。
「だって……そこばっかり恥ずかしい」
「駄目。胸が凝ってると、リラックスできないぞ」
何処かで聞いた台詞を囁かれ、涙目になる。
――わーん! 宏ちゃんにリラックスしてもらうはずやったのに……!
服をぽんって脱がされたと思うと、「お返しに洗ってやる」って言われて。
でも、これ洗うって言うより揉んでるよね!!?
「あ……っ、くぅ」
両脇から寄せるように、ぎゅっと揉みあげられる。こんな貧相で、触ってて楽しくないと思うんやけど……宏ちゃんはせっせと薄っぺらいお肉をほぐしてくれる。
――でも……恥ずかしいのにっ……ぬるぬるで、きもちいい……
大きな手に包まれてると、体がポカポカしてくる。ハアハアって、短い息を吐いていると、
「ひゃんっ!」
胸の真ん中を、揃えた指がにゅるにゅると通り過ぎる。……撫でられてるだけなのに、気持ちいい。胸が内側から、ふわふわしてくるみたい。
厚い胸に凭れると、宏ちゃんは嬉しそうに言う。
「うん。成の胸、やわらかくなってきた……けっこう、凝ってるなあ」
「あ……! んん、そう……? 自分じゃあんまり……」
「いつも、頑張ってくれてるもんなー。よく揉んどかなくちゃ」
「ふあっ」
大きな手できゅ、きゅって揉まれる。最初より柔らかくなったからなのか……宏ちゃんの指の間で、ふんわりとお肉が盛り上がってる。
――あ……胸が熱い……っ。じんじんして……
頭がぽうっとする……
気持ち良くて、体から力が抜けちゃう。耳元で、低く笑う声がした。
「可愛い。ここ、凄く尖ってる」
「いや……言わんといてぇ……」
かあ、と頬が火照る。胸のてっぺんの……二つの粒が真っ赤になって、ふくらんでる。
――やだ……触って、って言うてるみたい。
恥ずかしい。
見てらんなくて、きつく目をつぶると、かしゅってポンプを押す音がした。宏ちゃんが、ボディソープをたっぷりと泡立てて……ぼくの胸を泡で覆いはじめる。
「あ……あぁんっ」
ふわふわの泡が先端をすべるたび……大げさなほど、震えてしまう。
二本の指で、脇の下をぬるぬるなぞりあげられて、恥ずかしい声が止まらない。
――はぐらかしてる? そこっ……触ってほしいのに……
もどかしいよぅ。
思わず、宏ちゃんを振り返ると、くすりと笑われた。ぬるぬるって、あばらの上を撫でられて――ぴん、と二つの尖りを弾かれた。
「ひぁんっ……!」
ぼくの声が、エコーする。
――お、お風呂場~っ……!!
ぼふ、と耳まで燃え上がった。
恥ずかしすぎて涙目になっていると、宏ちゃんがぎゅうと抱きついてきた。
「かーわいい。もっと聞かして」
「あ……ゃんっ。だめーっ」
くねくね身を捩って、いたずらな指から逃げようとする。でも、宏ちゃんは笑いながら、羽交いに抱いてきて。長い腕の余りで届いた指先が、ぼくの胸の先をきゅうと摘まんで、放してって弄ぶ。
「ひあっっ……やん!」
おっきい声が、何度も出ちゃう。
いやいやって頭を振るのに、宏ちゃんは全然やめてくれない。
「もおっ! 宏ちゃんの、いじわる……ぅ!?」
じたばたと、前のめりになった拍子に、お尻を後ろに突き出してしまった。ぎゅむ、ってお尻の狭間に凄いものが食い込んで、ぼくはピタリと動きを止める。
「んっ……」
宏ちゃんが、低く息を詰めた。熱い息が耳をくすぐって、唇が震える。
「ひぇ……」
ぼくは止せばいいのに、おずおずとお尻を揺する。
火のついたこん棒みたいに熱くって、お尻を押し返す程、たくましい。……その正体に感づいて、これ以上できないほど真っ赤になってしまう。
「あーあ。悪戯っ子だなぁ」
「ご、ごご、ごめんなさ」
おろおろと謝ると、奇麗な顔が近づいて来て――ちゅっとキスされる。軽く啄まれた後、緩んだ唇の中に、舌が潜り込んできた。
「ん……ふっ」
やさしく舌を吸われて、とろけていると……グイと腰を抱かれる。
「あふっ?」
すり、と熱いものがお尻の谷間を擦り、目を見開く。
宏ちゃんは、ぎゅっとぼくを抱いて、言った。
「じゃあ、そろそろ良いか?」
熱っぽい声に、お腹の奥がきゅんと痺れたのが、わかった。
□□
「あ……あぅ」
浴槽のヘリに上体を預け、四つん這いになった成は、甘い呻き声を漏らす。
俺は、細い腰を掴み、太ももの間に自身を擦り付けていた。成の太ももに残った泡のおかげで、ぬるぬると滑りが良い。
「成の肌、やわらかいな。気持ちいい……」
「んっ……うれしい」
ちょっと振り返った成が、恥ずかしそうに笑む。俺に向かってお尻を突き出す姿のせいか、白磁の肌が桃色に上気している。
――エロい。エロすぎるぞ、成。
採光の良い風呂場では、綺麗な体の全てが見えた。
華奢な背から、細い腰に向けての美しいウェーブ。いたずら心で、逆ハート形のお尻を左右に開くと、成は甘い声を上げた。
「あぁっ……」
「成。綺麗だ……」
桃色のアヌスに、ふっくらと盛り上がった生殖弁。花の蕾のように品の良い性器にいたるまで、丸見えだ。
成はお尻の頬まで真っ赤にして、いやいやと頭を振った。
「だめっ。そんなとこ見ないで」
「嫌だ」
「いや!?」
「がーん」って顔をした成に、にやりと笑いかける。
「成。男ってのは、駄目って言われるとしたくなるんだよ」
「そんなの初めて聞いたもん~!」
成の抗議をいなし、俺は両手に握った柔肉を揉む。ぬるぬると腰を送ると、成は「ああ」と切なそうに喘いだ。
「あ……ぁんっ。ふぅ……!」
良い眺めな上、しなやかな太ももにきつく挟まれて、気持ちいい。
「……成のここ、凄く熱い」
「あぅ!」
股の間、ぷるぷる揺れていた花蕾を、俺のもので擦り上げた。
「そこ、擦っちゃやだ。いっちゃう……」
「なら、もっとしなきゃな~」
「やあぁ」
逃げようと揺れる尻を押さえ、腰を打ち付けてやると、ぐちゅぐちゅと粘着質な音が響く。成は浴槽にしがみついて、甘い声で悶えた。
「ふあっ、あぁんっ……宏ちゃんの、あつい……」
華奢な股の間で、俺のグロテスクなものと成の可愛らしいものが、白い雫を泡立たせ、縺れあう。時折、生殖弁を先端で捏ねてやると、ふっくらと赤みを増した其処が、甘い香りを放つ。まるで、熟する前の木の実が、鳥を誘うような……とんでもなくエロくて、背筋がぞくりと慄えた。
――可愛いなあ、成の体。どこもかしこも……
興奮に乾いた唇を、ぺろりと舐める。
前に手を回して、性器を包み込む。「ひ、」と小さく悲鳴を上げる妻を宥め、蜜を零す鈴口を、指先でくるくると撫でれば……びくんと華奢な体が硬直した。
「やぁあん……っ」
甘い声を響かせて、成は何度もお尻を震わせた。無意識にか、ぎゅうぎゅうと太ももを引き締めて、俺のを道連れにしようとする。
「ああっ、うぅ……」
「……くっ」
奥歯を噛みしめて、快楽に耐えながら――性器に、とろとろと熱いものが滴るのを感じていた。
成は、よほど深く感じ入ったのか、床にぺたんと座り込んでしまう。
「ああ……ぼく、先に……」
「可愛いかったよ」
俺は、浴槽のヘリに突っ伏した成の、頬にキスを落とす。鼻や、唇にも……慰めるようにたくさん。
「んっ、宏ちゃ……」
慎み深い成は、果てやすい体を恥ずかしがるが、俺はとてもかわいいと思う。そもそも、オメガの体は数多の子孫を残すという宿命に耐えるため、とても感じやすく出来ているので、自然の摂理だ。
よしよしと頭を撫でてやると、可愛い笑顔が戻った。
「宏ちゃん、大好き」
「俺も」
振り返った成が、両腕を伸ばし、抱きついてくる。膝の上に乗せて、抱きしめると……ふわり、と和やかな甘い香りが漂う。俺の肩口に頬を寄せ、成がくすくす笑った。
「えへへ……いい匂い」
安心しきった声音に、胸がきゅんと疼く。
――なんで、こんなに可愛いんだ……?
小さい頭を抱き寄せて、ぐうと唸る。
押し倒して、めちゃくちゃにヤりたい衝動がこみ上げてくるが……愛情で、きちんと歯止めをかける。俺は、可愛い成に、無体はせん。官能小説じゃあるまいしな。
牙が伸びて、うるさい口の中をもごもごしていると、成がはっと目を上げる。
「あのね、宏ちゃん」
「ん?」
「えと……続き、して欲しい……」
耳元に、恥ずかしそうに囁かれた。
思いかけない成からの誘いに、頭がカッと熱くなる。
「……えッ?」
「だって。宏ちゃんの、まだやろ? ……ぼく、まだ出来る」
ぎゅっと身を寄せて、成はおずおずとお尻を揺らす。――滾ったままの俺のものが、やわらかい双丘に触れ、勢いを増した。
「ちょ……無理するな。直に治まるから!」
「だめっ。ぼく、今日はいっぱい、リラックスさせてあげたいねんっ。宏ちゃんの奥さんとして……!」
成は、真っ赤な顔に決意を漲らせている。その背後に炎の幻が見えた。
「こら、まずいって! 俺がどれだけ我慢してると……!」
焦る俺に、成は顔を寄せ――ちゅっと可愛らしいキスをした。
「我慢しないで。いっぱいして……」
成は、キスを深くする。尖った牙が、ふにりと柔らかな唇に沈んだ瞬間……理性がドカンと噴火した。
□□
「ぁう……」
ベッドに横たわり、ぼくは呻く。
傍らの宏ちゃんが、ぱたぱたと団扇で扇いでくれた。
「ごめんな。やりすぎちまって……」
「ううん……いいの。ぼくがお願いしたんやし」
にっこりするぼくに、宏ちゃんがしゅんと眉を下げる。”さっき”までの激しさと打って変わった様子に、きゅんとしちゃう。
――……宏ちゃん、凄くエッチやった……
二回目をお願いしてからの行為を思い出し、頬が赤らむ。
お尻はおモチになっちゃったかってくらい、大きな手で捏ねられて、宏ちゃんので色々されちゃったん。それに……後ろにぴったりと押し付けて、たくさん出されて。中に貰ったみたいに、どきどきして……すごく感じちゃった。
「……っ」
思い出しただけで腰が甘くざわめいて、恥ずかしくなる。「もう無理」って泣くくらいしたのに、いやらしい。
「ね、宏ちゃん……リラックスできた?」
ぼくは、おほんと咳払いし、宏ちゃんに尋ねる。今回の、「目的」が果たせたか、確かめたくて。
「ああ。すごく」
「良かったぁ」
ホッと息を吐く。宏ちゃんの顔は、たしかにスッキリして見えるかもしれない。
「お前のおかげだよ。うだうだ悩むよりぶつけろ、だと解った」
「ほんとう?」
良くわからへんけど、ちょっとお役に立てたのかなって、嬉しくなる。ぼくは、ころんと寝返りをうち、大きな手を握った。
「小説、書けそう?」
「ああ。凄いのを書く」
「楽しみ!」
心にぱっと花が咲いた。
自信のある宏章先生の笑みが、何よりの報酬やなあって、ぼくもにっこりした。
◆おまけ
「先生、お疲れさまです! 相変わらずエロエロで最高でしたよ」
「ははは、良かったです。久々だったんで、牙が抜けてないかと心配だったんですが」
「いえいえ。新婚おさな妻を眠らせて調教、ぐっときました。でも、珍しくハッピーエンドでしたね。いつも病み系快楽堕ちなのに」
「そりゃ――僕も、結婚しましたからね。幸せなんですよ、最高に」
(完)
宏ちゃんのお膝の上に座って、ぼくは裸身を捩った。
「ほら、動くな。洗えないだろ?」
「あっ!」
注意するみたいに、後ろからきゅっと胸を揉まれる。
「だって……そこばっかり恥ずかしい」
「駄目。胸が凝ってると、リラックスできないぞ」
何処かで聞いた台詞を囁かれ、涙目になる。
――わーん! 宏ちゃんにリラックスしてもらうはずやったのに……!
服をぽんって脱がされたと思うと、「お返しに洗ってやる」って言われて。
でも、これ洗うって言うより揉んでるよね!!?
「あ……っ、くぅ」
両脇から寄せるように、ぎゅっと揉みあげられる。こんな貧相で、触ってて楽しくないと思うんやけど……宏ちゃんはせっせと薄っぺらいお肉をほぐしてくれる。
――でも……恥ずかしいのにっ……ぬるぬるで、きもちいい……
大きな手に包まれてると、体がポカポカしてくる。ハアハアって、短い息を吐いていると、
「ひゃんっ!」
胸の真ん中を、揃えた指がにゅるにゅると通り過ぎる。……撫でられてるだけなのに、気持ちいい。胸が内側から、ふわふわしてくるみたい。
厚い胸に凭れると、宏ちゃんは嬉しそうに言う。
「うん。成の胸、やわらかくなってきた……けっこう、凝ってるなあ」
「あ……! んん、そう……? 自分じゃあんまり……」
「いつも、頑張ってくれてるもんなー。よく揉んどかなくちゃ」
「ふあっ」
大きな手できゅ、きゅって揉まれる。最初より柔らかくなったからなのか……宏ちゃんの指の間で、ふんわりとお肉が盛り上がってる。
――あ……胸が熱い……っ。じんじんして……
頭がぽうっとする……
気持ち良くて、体から力が抜けちゃう。耳元で、低く笑う声がした。
「可愛い。ここ、凄く尖ってる」
「いや……言わんといてぇ……」
かあ、と頬が火照る。胸のてっぺんの……二つの粒が真っ赤になって、ふくらんでる。
――やだ……触って、って言うてるみたい。
恥ずかしい。
見てらんなくて、きつく目をつぶると、かしゅってポンプを押す音がした。宏ちゃんが、ボディソープをたっぷりと泡立てて……ぼくの胸を泡で覆いはじめる。
「あ……あぁんっ」
ふわふわの泡が先端をすべるたび……大げさなほど、震えてしまう。
二本の指で、脇の下をぬるぬるなぞりあげられて、恥ずかしい声が止まらない。
――はぐらかしてる? そこっ……触ってほしいのに……
もどかしいよぅ。
思わず、宏ちゃんを振り返ると、くすりと笑われた。ぬるぬるって、あばらの上を撫でられて――ぴん、と二つの尖りを弾かれた。
「ひぁんっ……!」
ぼくの声が、エコーする。
――お、お風呂場~っ……!!
ぼふ、と耳まで燃え上がった。
恥ずかしすぎて涙目になっていると、宏ちゃんがぎゅうと抱きついてきた。
「かーわいい。もっと聞かして」
「あ……ゃんっ。だめーっ」
くねくね身を捩って、いたずらな指から逃げようとする。でも、宏ちゃんは笑いながら、羽交いに抱いてきて。長い腕の余りで届いた指先が、ぼくの胸の先をきゅうと摘まんで、放してって弄ぶ。
「ひあっっ……やん!」
おっきい声が、何度も出ちゃう。
いやいやって頭を振るのに、宏ちゃんは全然やめてくれない。
「もおっ! 宏ちゃんの、いじわる……ぅ!?」
じたばたと、前のめりになった拍子に、お尻を後ろに突き出してしまった。ぎゅむ、ってお尻の狭間に凄いものが食い込んで、ぼくはピタリと動きを止める。
「んっ……」
宏ちゃんが、低く息を詰めた。熱い息が耳をくすぐって、唇が震える。
「ひぇ……」
ぼくは止せばいいのに、おずおずとお尻を揺する。
火のついたこん棒みたいに熱くって、お尻を押し返す程、たくましい。……その正体に感づいて、これ以上できないほど真っ赤になってしまう。
「あーあ。悪戯っ子だなぁ」
「ご、ごご、ごめんなさ」
おろおろと謝ると、奇麗な顔が近づいて来て――ちゅっとキスされる。軽く啄まれた後、緩んだ唇の中に、舌が潜り込んできた。
「ん……ふっ」
やさしく舌を吸われて、とろけていると……グイと腰を抱かれる。
「あふっ?」
すり、と熱いものがお尻の谷間を擦り、目を見開く。
宏ちゃんは、ぎゅっとぼくを抱いて、言った。
「じゃあ、そろそろ良いか?」
熱っぽい声に、お腹の奥がきゅんと痺れたのが、わかった。
□□
「あ……あぅ」
浴槽のヘリに上体を預け、四つん這いになった成は、甘い呻き声を漏らす。
俺は、細い腰を掴み、太ももの間に自身を擦り付けていた。成の太ももに残った泡のおかげで、ぬるぬると滑りが良い。
「成の肌、やわらかいな。気持ちいい……」
「んっ……うれしい」
ちょっと振り返った成が、恥ずかしそうに笑む。俺に向かってお尻を突き出す姿のせいか、白磁の肌が桃色に上気している。
――エロい。エロすぎるぞ、成。
採光の良い風呂場では、綺麗な体の全てが見えた。
華奢な背から、細い腰に向けての美しいウェーブ。いたずら心で、逆ハート形のお尻を左右に開くと、成は甘い声を上げた。
「あぁっ……」
「成。綺麗だ……」
桃色のアヌスに、ふっくらと盛り上がった生殖弁。花の蕾のように品の良い性器にいたるまで、丸見えだ。
成はお尻の頬まで真っ赤にして、いやいやと頭を振った。
「だめっ。そんなとこ見ないで」
「嫌だ」
「いや!?」
「がーん」って顔をした成に、にやりと笑いかける。
「成。男ってのは、駄目って言われるとしたくなるんだよ」
「そんなの初めて聞いたもん~!」
成の抗議をいなし、俺は両手に握った柔肉を揉む。ぬるぬると腰を送ると、成は「ああ」と切なそうに喘いだ。
「あ……ぁんっ。ふぅ……!」
良い眺めな上、しなやかな太ももにきつく挟まれて、気持ちいい。
「……成のここ、凄く熱い」
「あぅ!」
股の間、ぷるぷる揺れていた花蕾を、俺のもので擦り上げた。
「そこ、擦っちゃやだ。いっちゃう……」
「なら、もっとしなきゃな~」
「やあぁ」
逃げようと揺れる尻を押さえ、腰を打ち付けてやると、ぐちゅぐちゅと粘着質な音が響く。成は浴槽にしがみついて、甘い声で悶えた。
「ふあっ、あぁんっ……宏ちゃんの、あつい……」
華奢な股の間で、俺のグロテスクなものと成の可愛らしいものが、白い雫を泡立たせ、縺れあう。時折、生殖弁を先端で捏ねてやると、ふっくらと赤みを増した其処が、甘い香りを放つ。まるで、熟する前の木の実が、鳥を誘うような……とんでもなくエロくて、背筋がぞくりと慄えた。
――可愛いなあ、成の体。どこもかしこも……
興奮に乾いた唇を、ぺろりと舐める。
前に手を回して、性器を包み込む。「ひ、」と小さく悲鳴を上げる妻を宥め、蜜を零す鈴口を、指先でくるくると撫でれば……びくんと華奢な体が硬直した。
「やぁあん……っ」
甘い声を響かせて、成は何度もお尻を震わせた。無意識にか、ぎゅうぎゅうと太ももを引き締めて、俺のを道連れにしようとする。
「ああっ、うぅ……」
「……くっ」
奥歯を噛みしめて、快楽に耐えながら――性器に、とろとろと熱いものが滴るのを感じていた。
成は、よほど深く感じ入ったのか、床にぺたんと座り込んでしまう。
「ああ……ぼく、先に……」
「可愛いかったよ」
俺は、浴槽のヘリに突っ伏した成の、頬にキスを落とす。鼻や、唇にも……慰めるようにたくさん。
「んっ、宏ちゃ……」
慎み深い成は、果てやすい体を恥ずかしがるが、俺はとてもかわいいと思う。そもそも、オメガの体は数多の子孫を残すという宿命に耐えるため、とても感じやすく出来ているので、自然の摂理だ。
よしよしと頭を撫でてやると、可愛い笑顔が戻った。
「宏ちゃん、大好き」
「俺も」
振り返った成が、両腕を伸ばし、抱きついてくる。膝の上に乗せて、抱きしめると……ふわり、と和やかな甘い香りが漂う。俺の肩口に頬を寄せ、成がくすくす笑った。
「えへへ……いい匂い」
安心しきった声音に、胸がきゅんと疼く。
――なんで、こんなに可愛いんだ……?
小さい頭を抱き寄せて、ぐうと唸る。
押し倒して、めちゃくちゃにヤりたい衝動がこみ上げてくるが……愛情で、きちんと歯止めをかける。俺は、可愛い成に、無体はせん。官能小説じゃあるまいしな。
牙が伸びて、うるさい口の中をもごもごしていると、成がはっと目を上げる。
「あのね、宏ちゃん」
「ん?」
「えと……続き、して欲しい……」
耳元に、恥ずかしそうに囁かれた。
思いかけない成からの誘いに、頭がカッと熱くなる。
「……えッ?」
「だって。宏ちゃんの、まだやろ? ……ぼく、まだ出来る」
ぎゅっと身を寄せて、成はおずおずとお尻を揺らす。――滾ったままの俺のものが、やわらかい双丘に触れ、勢いを増した。
「ちょ……無理するな。直に治まるから!」
「だめっ。ぼく、今日はいっぱい、リラックスさせてあげたいねんっ。宏ちゃんの奥さんとして……!」
成は、真っ赤な顔に決意を漲らせている。その背後に炎の幻が見えた。
「こら、まずいって! 俺がどれだけ我慢してると……!」
焦る俺に、成は顔を寄せ――ちゅっと可愛らしいキスをした。
「我慢しないで。いっぱいして……」
成は、キスを深くする。尖った牙が、ふにりと柔らかな唇に沈んだ瞬間……理性がドカンと噴火した。
□□
「ぁう……」
ベッドに横たわり、ぼくは呻く。
傍らの宏ちゃんが、ぱたぱたと団扇で扇いでくれた。
「ごめんな。やりすぎちまって……」
「ううん……いいの。ぼくがお願いしたんやし」
にっこりするぼくに、宏ちゃんがしゅんと眉を下げる。”さっき”までの激しさと打って変わった様子に、きゅんとしちゃう。
――……宏ちゃん、凄くエッチやった……
二回目をお願いしてからの行為を思い出し、頬が赤らむ。
お尻はおモチになっちゃったかってくらい、大きな手で捏ねられて、宏ちゃんので色々されちゃったん。それに……後ろにぴったりと押し付けて、たくさん出されて。中に貰ったみたいに、どきどきして……すごく感じちゃった。
「……っ」
思い出しただけで腰が甘くざわめいて、恥ずかしくなる。「もう無理」って泣くくらいしたのに、いやらしい。
「ね、宏ちゃん……リラックスできた?」
ぼくは、おほんと咳払いし、宏ちゃんに尋ねる。今回の、「目的」が果たせたか、確かめたくて。
「ああ。すごく」
「良かったぁ」
ホッと息を吐く。宏ちゃんの顔は、たしかにスッキリして見えるかもしれない。
「お前のおかげだよ。うだうだ悩むよりぶつけろ、だと解った」
「ほんとう?」
良くわからへんけど、ちょっとお役に立てたのかなって、嬉しくなる。ぼくは、ころんと寝返りをうち、大きな手を握った。
「小説、書けそう?」
「ああ。凄いのを書く」
「楽しみ!」
心にぱっと花が咲いた。
自信のある宏章先生の笑みが、何よりの報酬やなあって、ぼくもにっこりした。
◆おまけ
「先生、お疲れさまです! 相変わらずエロエロで最高でしたよ」
「ははは、良かったです。久々だったんで、牙が抜けてないかと心配だったんですが」
「いえいえ。新婚おさな妻を眠らせて調教、ぐっときました。でも、珍しくハッピーエンドでしたね。いつも病み系快楽堕ちなのに」
「そりゃ――僕も、結婚しましたからね。幸せなんですよ、最高に」
(完)
220
関連作品
いつでも僕の帰る場所
いつでも僕の帰る場所
お気に入りに追加
111
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
春を拒む【完結】
璃々丸
BL
日本有数の財閥三男でΩの北條院環(ほうじょういん たまき)の目の前には見るからに可憐で儚げなΩの女子大生、桜雛子(さくら ひなこ)が座っていた。
「ケイト君を解放してあげてください!」
大きなおめめをうるうるさせながらそう訴えかけてきた。
ケイト君────諏訪恵都(すわ けいと)は環の婚約者であるαだった。
環とはひとまわり歳の差がある。この女はそんな環の負い目を突いてきたつもりだろうが、『こちとらお前等より人生経験それなりに積んどんねん────!』
そう簡単に譲って堪るか、と大人げない反撃を開始するのであった。
オメガバな設定ですが設定は緩めで独自設定があります、ご注意。
不定期更新になります。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
成り行き番の溺愛生活
アオ
BL
タイトルそのままです
成り行きで番になってしまったら溺愛生活が待っていたというありきたりな話です
始めて投稿するので変なところが多々あると思いますがそこは勘弁してください
オメガバースで独自の設定があるかもです
27歳×16歳のカップルです
この小説の世界では法律上大丈夫です オメガバの世界だからね
それでもよければ読んでくださるとうれしいです
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
上手に啼いて
紺色橙
BL
■聡は10歳の初めての発情期の際、大輝に噛まれ番となった。それ以来関係を継続しているが、愛ではなく都合と情で続いている現状はそろそろ終わりが見えていた。
■注意*独自オメガバース設定。■『それは愛か本能か』と同じ世界設定です。関係は一切なし。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
孕めないオメガでもいいですか?
月夜野レオン
BL
病院で子供を孕めない体といきなり診断された俺は、どうして良いのか判らず大好きな幼馴染の前から消える選択をした。不完全なオメガはお前に相応しくないから……
オメガバース作品です。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】記憶を失くした旦那さま
山葵
恋愛
副騎士団長として働く旦那さまが部下を庇い頭を打ってしまう。
目が覚めた時には、私との結婚生活も全て忘れていた。
彼は愛しているのはリターナだと言った。
そんな時、離縁したリターナさんが戻って来たと知らせが来る…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる