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最終章〜唯一の未来Ⅱ〜
三百二十六話
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浴室は、湯気と石鹸の匂いに満ちている。
「~♪」
ぼくは風呂椅子に座って、丁寧に体を洗ってた。
――宏ちゃんも、今夜はもう休むって。一緒にゆっくりできるかな……
鼻歌を歌いながら、泡々のタオルで肌を磨いていると――ふと、体に散った唇の痕が目に入る。
「……あっ」
宏ちゃんは、見えるところに痕をつけない。けど、その分「見えなきゃいいだろ」って感じに、すごい所につけられちゃったりするんよ。
それは、胸とか腰はいいほうで。到底口に出せないところにも、あったりして。
「わあ、宏ちゃんてば。こんなに……!」
振り返って、鏡に背中を映しながら、頬を赤らめる。
痣をみるとね――こんなトコロまで愛されたんだって、凄く照れちゃう。それから、宏ちゃんのことを思い出して、切なくなって……
――『成、綺麗だよ』
とくん、と鼓動が跳ねる。ぎゅってわが身を抱いて、熱い息を吐いた。
最近ね……なんだか、体が変わった気がするん。宏ちゃんと、本当に繋がってから、すぐに熱くなってしまうっていうか。
――って、お風呂で何考えてるんやろっ。
猛然と体を洗ってたら、「成ー」と脱衣所から声がかかる。
「は、はいっ! 何ですか?」
「俺も入っていいか?」
「あ……はい。どうぞっ」
ぼくは慌てて、シャワーで泡を流し、湯船に身を沈めた。
ほぼ同時に戸が開き、宏ちゃんが入ってきた。
「……!」
「よっ。よく洗えたか?」
堂々とした体躯に、目を奪われる。
「成?」
「あ――な、何でもないよっ。あはは……」
笑って誤魔化して、じんじんと熱る頬を伏せる。
――ひええ。宏ちゃん、色っぽすぎです……!
何度見ても慣れない、宏ちゃんのヌード。すごいセクシーで、目がちかちかする気がするっ。
不思議そうに首を傾げていた宏ちゃんが、「ふむ」と笑った。
「そんなに照れて貰うと、見せがいがあるな」
「もう! 宏ちゃんのばかっ」
恥ずかしくて、頬を膨らませる。ざぶんと湯船に潜ると、宏ちゃんが、ますます上機嫌に笑った。
「可愛いな、俺の奥さんは」
風呂椅子に座って、体を洗い始めた宏ちゃんを、浴槽のヘリにもたれながら……そっとうかがう。
――やっぱり、綺麗……
ほう、とため息が出ちゃう。
あちこち、がっしりと逞しくて……浅黒い肌も、ワイルドで素敵。でもね、粗野とかじゃなくて、野生の獣みたいに生まれたままで完璧ってかんじなん。
――心なしか……前よりも、もっと素敵になってへん?
友菜さんは、ああ言ってくれたけれど、綺麗になったのは宏ちゃんやと思う。道を歩くときだって、彼を追う視線が増えてる気がするし。
「……むう」
もんもんとしていると、ちゃぷんとお湯が揺れる。
はっと目を上げたら――宏ちゃんが、いつの間に体を洗い終えたんやろ? 差し向かいに、湯船に浸かってた。
「どうしたんだ? しかめっ面して」
「えっ。な、なんでもないよ」
「……そうかあ?」
伸びてきた手に、濡れた前髪を撫で上げられた。きょとんとしてたら、切れ長の目が優しく細まる。
「ふふ。目に入りそうだぞ」
「ありが……んっ?」
いきなり唇にキスされて、目を瞠る。
びっくりしたんやけど、顔中を優しく啄まれていると……体の芯に火が灯りはじめた。
――宏ちゃん……っ
すごく欲しいって、衝動が込み上げる。
「宏ちゃん、好きっ」
ぼくは、ざばりとお湯を揺らし、宏ちゃんに抱きつく。
「ん。俺も好きだよ……」
逞しい腕が、優しく受け止めてくれる。「口を開けて?」って甘く囁かれて……ドキドキしながら、ぼくは言う通りにする。
「んんっ……」
ふたつの舌が絡み合い、激しい水音が響く。夢中でしているうちに……次が"始まって"しまう。大きな手に、体のあちこちを愛撫されると、もう何も考えられへん。
「……あっ」
顎を甘噛みされ、ぴくんとのけぞった。
無防備な喉に、つー……って優しく舌を這わされ、甘い息が止まらない。
「あぁ……だめぇ」
がっしりと抱き寄せられて、ウナギみたいに体をくねらせる。宏ちゃんはくすりと喉を鳴らし……ぼくのお尻の谷間に、指を潜らせた。
「あっ!」
指先が、つぷりと内側に軽く沈んできて――思わず、逞しい首に強くしがみついた。お湯が、ちゃぷちゃぷと激しく揺れる。
「宏ちゃん、宏ちゃん……」
「成……」
浅く出し入れされているだけで、腰を震わせてしまう。――前よりも、ずっと敏感で……感じてる。宏ちゃんに触れられると、お腹が期待で、疼いてしまうほど。
「だめえ、もう……のぼせちゃう」
宏ちゃんが「出ようか」って囁いたのに、ぼくは、夢見心地に何度も頷いた。
「~♪」
ぼくは風呂椅子に座って、丁寧に体を洗ってた。
――宏ちゃんも、今夜はもう休むって。一緒にゆっくりできるかな……
鼻歌を歌いながら、泡々のタオルで肌を磨いていると――ふと、体に散った唇の痕が目に入る。
「……あっ」
宏ちゃんは、見えるところに痕をつけない。けど、その分「見えなきゃいいだろ」って感じに、すごい所につけられちゃったりするんよ。
それは、胸とか腰はいいほうで。到底口に出せないところにも、あったりして。
「わあ、宏ちゃんてば。こんなに……!」
振り返って、鏡に背中を映しながら、頬を赤らめる。
痣をみるとね――こんなトコロまで愛されたんだって、凄く照れちゃう。それから、宏ちゃんのことを思い出して、切なくなって……
――『成、綺麗だよ』
とくん、と鼓動が跳ねる。ぎゅってわが身を抱いて、熱い息を吐いた。
最近ね……なんだか、体が変わった気がするん。宏ちゃんと、本当に繋がってから、すぐに熱くなってしまうっていうか。
――って、お風呂で何考えてるんやろっ。
猛然と体を洗ってたら、「成ー」と脱衣所から声がかかる。
「は、はいっ! 何ですか?」
「俺も入っていいか?」
「あ……はい。どうぞっ」
ぼくは慌てて、シャワーで泡を流し、湯船に身を沈めた。
ほぼ同時に戸が開き、宏ちゃんが入ってきた。
「……!」
「よっ。よく洗えたか?」
堂々とした体躯に、目を奪われる。
「成?」
「あ――な、何でもないよっ。あはは……」
笑って誤魔化して、じんじんと熱る頬を伏せる。
――ひええ。宏ちゃん、色っぽすぎです……!
何度見ても慣れない、宏ちゃんのヌード。すごいセクシーで、目がちかちかする気がするっ。
不思議そうに首を傾げていた宏ちゃんが、「ふむ」と笑った。
「そんなに照れて貰うと、見せがいがあるな」
「もう! 宏ちゃんのばかっ」
恥ずかしくて、頬を膨らませる。ざぶんと湯船に潜ると、宏ちゃんが、ますます上機嫌に笑った。
「可愛いな、俺の奥さんは」
風呂椅子に座って、体を洗い始めた宏ちゃんを、浴槽のヘリにもたれながら……そっとうかがう。
――やっぱり、綺麗……
ほう、とため息が出ちゃう。
あちこち、がっしりと逞しくて……浅黒い肌も、ワイルドで素敵。でもね、粗野とかじゃなくて、野生の獣みたいに生まれたままで完璧ってかんじなん。
――心なしか……前よりも、もっと素敵になってへん?
友菜さんは、ああ言ってくれたけれど、綺麗になったのは宏ちゃんやと思う。道を歩くときだって、彼を追う視線が増えてる気がするし。
「……むう」
もんもんとしていると、ちゃぷんとお湯が揺れる。
はっと目を上げたら――宏ちゃんが、いつの間に体を洗い終えたんやろ? 差し向かいに、湯船に浸かってた。
「どうしたんだ? しかめっ面して」
「えっ。な、なんでもないよ」
「……そうかあ?」
伸びてきた手に、濡れた前髪を撫で上げられた。きょとんとしてたら、切れ長の目が優しく細まる。
「ふふ。目に入りそうだぞ」
「ありが……んっ?」
いきなり唇にキスされて、目を瞠る。
びっくりしたんやけど、顔中を優しく啄まれていると……体の芯に火が灯りはじめた。
――宏ちゃん……っ
すごく欲しいって、衝動が込み上げる。
「宏ちゃん、好きっ」
ぼくは、ざばりとお湯を揺らし、宏ちゃんに抱きつく。
「ん。俺も好きだよ……」
逞しい腕が、優しく受け止めてくれる。「口を開けて?」って甘く囁かれて……ドキドキしながら、ぼくは言う通りにする。
「んんっ……」
ふたつの舌が絡み合い、激しい水音が響く。夢中でしているうちに……次が"始まって"しまう。大きな手に、体のあちこちを愛撫されると、もう何も考えられへん。
「……あっ」
顎を甘噛みされ、ぴくんとのけぞった。
無防備な喉に、つー……って優しく舌を這わされ、甘い息が止まらない。
「あぁ……だめぇ」
がっしりと抱き寄せられて、ウナギみたいに体をくねらせる。宏ちゃんはくすりと喉を鳴らし……ぼくのお尻の谷間に、指を潜らせた。
「あっ!」
指先が、つぷりと内側に軽く沈んできて――思わず、逞しい首に強くしがみついた。お湯が、ちゃぷちゃぷと激しく揺れる。
「宏ちゃん、宏ちゃん……」
「成……」
浅く出し入れされているだけで、腰を震わせてしまう。――前よりも、ずっと敏感で……感じてる。宏ちゃんに触れられると、お腹が期待で、疼いてしまうほど。
「だめえ、もう……のぼせちゃう」
宏ちゃんが「出ようか」って囁いたのに、ぼくは、夢見心地に何度も頷いた。
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