308 / 377
最終章〜唯一の未来〜
三百七話
しおりを挟む
「あああ……っ!」
貫かれる衝撃に、ぼくは悲鳴を上げた。
――入ってくる……!?
狭い場所を押し拡げられ、すさまじい圧迫感が襲ってきた。宏ちゃんのが、ゆっくりと奥に沈んでくる。
「あ、あうぅ……!」
「成、凄く狭い……」
ぼくの腰を抱え、宏ちゃんが熱い息を吐く。
カーペットに投げ出した四肢が、ひとりでにぶるぶる震えてた。……”おまじない”の効果なのか、からだに力が入らへん。そのぶん、余計な抵抗も出来なくて、宏ちゃんのなすがまま貫かれちゃう。
「や、あああ……こわい……」
お腹の中に、火があるみたいだ。
熱くて、逞しくて……ぎちぎちに広げながら、宏ちゃんは悠々とぼくの中を占拠してく。……どれほど、宏ちゃんが手加減してくれていたか、思い知る。
――苦しいぃ……息が出来ないよぉ……!
開きっぱなしの唇が、ひっひっ、と空を噛む。
「成、怖がるな……ゆっくり息をして……」
「あっ……ふぐぅ……」
「ほら、俺に合わせて。吸って、吐いて……な?」
宏ちゃんが、汗と涙でぐしょぐしょの頬を包む。優しい声に導かれるよう、ぼくは必死に呼吸を繰り返した。はふはふと息を吐いているうちに……圧迫感に慣れて、腰がずんと甘く痺れてくる。
「ふああ……」
本当にゆっくり、ゆっくりと腰が進んできて……ついに、最奥に高ぶりを感じた。
「あっ、あぁん……ひろちゃ……っ」
「ああ……こんなに奥まで、俺を受け入れてる……凄いよ、成」
心から嬉しそうに、宏ちゃんが言う。
――ぼく、ちゃんと出来たんだ……
胸のうちに、爆発的な安堵と喜びが溢れる。笑った拍子に、目尻から涙が伝い落ちた。
「嬉しいよう……だいすき、宏ちゃんっ」
「俺も、成を愛してるよ」
涙に濡れた頬を、ちゅっちゅっと啄むようにキスされる。ぼく達はくすくす笑い合って、しばらくじっと抱きしめ合った。
「苦しくないか?」
「あっ……は、い……」
宏ちゃんは、ぼくが落ち着くまで抱きしめて、髪を撫でてくれていた。
――あったかい……
広い背に手を回し、深いため息を吐く。
抱きしめられて、密着する肌も。受け入れている場所も……隙間なくぴったりと寄り添ってる。こんなに近くに、宏ちゃんを感じたことない。
「んん……っ」
それに……お腹の奥にある宏ちゃんの、火のような感触。奥まで貫かれる苦しさも、じんじんした熱が浸透してきて……そこから、甘い疼きが広がり始めた。
じっとしているだけで、息が上がってしまう。
「ひろちゃ……もう、動いてぇ」
未知の感覚が怖くて、宏ちゃんに乞う。
「いいの?」
「うんっ……宏ちゃんも、気持ち良くなってほしい……」
背にまわした手に力を込めると、宏ちゃんが息を詰めた。圧迫感が強くなり、「あっ」と呻いた瞬間……ゆっくりと、腰が引かれ始める。
「ああっ」
「お前は……っ。何で、そんなに可愛いんだ……?」
くちゅくちゅと、淫らな水音を立てながら、中が擦られる。甘い快感が腰骨を震わせて、ぼくはのけ反った。
「や、あっ、ああ……!」
「……痛くないな?」
「うん、うんっ……」
セクシーな声に尋ねられ、夢中で頷く。
痛くない。むしろ、圧迫感さえ心地好くて……ぼくは、どうかしちゃったのかなって、怖くなる。
狭い内側をかき乱すように、宏ちゃんが動くたび、汗が噴き出した。
「あっ……あぁっ!」
初めてなのに、あんなに痛かったのに。
はしたない声が、とめどなく部屋中に響いてしまう。宏ちゃんが覆いかぶさってきて、身体を折りたたまれると……ますます深くまで受け入れてしまう。
「ひろちゃ、あっ……あああっ……!」
喜びが全身を駆け抜けて、蕾から蜜が噴き出した。
「可愛い……いっちゃったな」
嬉しそうに囁かれ、恥ずかしさに頭を振る。
と……白く汚れた胸に、大きな手が這う。つんと尖った先端を優しく摘まれて、涙が溢れた。ぬるぬると転がされて、激しく悶えてしまう。
「やああっ、そこはだめぇ……」
「どうして? 良さそうだけどな」
「ああ……っ」
宏ちゃんは、とても楽しそうにぼくを奏でる。
深くつながったまま、体のあちこちを愛撫されて……宏ちゃんのための楽器になったみたい。
今まで、ふたりで重ねた夜のうち……今が一番、遠慮がない。
――あ。なにか、はじけちゃう……
熱く堅いものが最奥を穿つたびに、お腹の奥に熱いうねりが起きる。目の前が真っ白になりそうで、怖くて……ふらふらと頭を振ると、宏ちゃんに抱きしめられた。
「成、愛してる……」
「……っ」
「側に居るから」
熱い吐息が、唇に触れる。
優しいキスに、恐怖が遠のいていく。
――一緒なら、だいじょうぶ……
ぼくは、宏ちゃんに縋りついて、安堵の涙をこぼした。
「ひろにいちゃん、すき……もう、はなさないで……!」
ゆらゆらと揺さぶられているうちに、熱い波に思考をさらわれて……もう自分が何を言っているのかわからない。やがて、幾度目かの、快楽の高みに追いやられたとき――
「……成!」
宏ちゃんが低く呻いて、ぼくをきつく抱きしめた。
体の奥で、熱い迸りを受けて――目の前が、真っ白になる。
「あああ……っ!」
がくがくと震える体さえ檻のような腕に抱き留められ、叫びながら達してしまう。魂ごと放り出されるような感覚。噎せるほどの森の香りが、ぼくを繋ぎとめる。
「――もう離さない……お前は、俺のものだ」
熱い、焦がれるような声を最後に、ぼくの意識は途切れた。
貫かれる衝撃に、ぼくは悲鳴を上げた。
――入ってくる……!?
狭い場所を押し拡げられ、すさまじい圧迫感が襲ってきた。宏ちゃんのが、ゆっくりと奥に沈んでくる。
「あ、あうぅ……!」
「成、凄く狭い……」
ぼくの腰を抱え、宏ちゃんが熱い息を吐く。
カーペットに投げ出した四肢が、ひとりでにぶるぶる震えてた。……”おまじない”の効果なのか、からだに力が入らへん。そのぶん、余計な抵抗も出来なくて、宏ちゃんのなすがまま貫かれちゃう。
「や、あああ……こわい……」
お腹の中に、火があるみたいだ。
熱くて、逞しくて……ぎちぎちに広げながら、宏ちゃんは悠々とぼくの中を占拠してく。……どれほど、宏ちゃんが手加減してくれていたか、思い知る。
――苦しいぃ……息が出来ないよぉ……!
開きっぱなしの唇が、ひっひっ、と空を噛む。
「成、怖がるな……ゆっくり息をして……」
「あっ……ふぐぅ……」
「ほら、俺に合わせて。吸って、吐いて……な?」
宏ちゃんが、汗と涙でぐしょぐしょの頬を包む。優しい声に導かれるよう、ぼくは必死に呼吸を繰り返した。はふはふと息を吐いているうちに……圧迫感に慣れて、腰がずんと甘く痺れてくる。
「ふああ……」
本当にゆっくり、ゆっくりと腰が進んできて……ついに、最奥に高ぶりを感じた。
「あっ、あぁん……ひろちゃ……っ」
「ああ……こんなに奥まで、俺を受け入れてる……凄いよ、成」
心から嬉しそうに、宏ちゃんが言う。
――ぼく、ちゃんと出来たんだ……
胸のうちに、爆発的な安堵と喜びが溢れる。笑った拍子に、目尻から涙が伝い落ちた。
「嬉しいよう……だいすき、宏ちゃんっ」
「俺も、成を愛してるよ」
涙に濡れた頬を、ちゅっちゅっと啄むようにキスされる。ぼく達はくすくす笑い合って、しばらくじっと抱きしめ合った。
「苦しくないか?」
「あっ……は、い……」
宏ちゃんは、ぼくが落ち着くまで抱きしめて、髪を撫でてくれていた。
――あったかい……
広い背に手を回し、深いため息を吐く。
抱きしめられて、密着する肌も。受け入れている場所も……隙間なくぴったりと寄り添ってる。こんなに近くに、宏ちゃんを感じたことない。
「んん……っ」
それに……お腹の奥にある宏ちゃんの、火のような感触。奥まで貫かれる苦しさも、じんじんした熱が浸透してきて……そこから、甘い疼きが広がり始めた。
じっとしているだけで、息が上がってしまう。
「ひろちゃ……もう、動いてぇ」
未知の感覚が怖くて、宏ちゃんに乞う。
「いいの?」
「うんっ……宏ちゃんも、気持ち良くなってほしい……」
背にまわした手に力を込めると、宏ちゃんが息を詰めた。圧迫感が強くなり、「あっ」と呻いた瞬間……ゆっくりと、腰が引かれ始める。
「ああっ」
「お前は……っ。何で、そんなに可愛いんだ……?」
くちゅくちゅと、淫らな水音を立てながら、中が擦られる。甘い快感が腰骨を震わせて、ぼくはのけ反った。
「や、あっ、ああ……!」
「……痛くないな?」
「うん、うんっ……」
セクシーな声に尋ねられ、夢中で頷く。
痛くない。むしろ、圧迫感さえ心地好くて……ぼくは、どうかしちゃったのかなって、怖くなる。
狭い内側をかき乱すように、宏ちゃんが動くたび、汗が噴き出した。
「あっ……あぁっ!」
初めてなのに、あんなに痛かったのに。
はしたない声が、とめどなく部屋中に響いてしまう。宏ちゃんが覆いかぶさってきて、身体を折りたたまれると……ますます深くまで受け入れてしまう。
「ひろちゃ、あっ……あああっ……!」
喜びが全身を駆け抜けて、蕾から蜜が噴き出した。
「可愛い……いっちゃったな」
嬉しそうに囁かれ、恥ずかしさに頭を振る。
と……白く汚れた胸に、大きな手が這う。つんと尖った先端を優しく摘まれて、涙が溢れた。ぬるぬると転がされて、激しく悶えてしまう。
「やああっ、そこはだめぇ……」
「どうして? 良さそうだけどな」
「ああ……っ」
宏ちゃんは、とても楽しそうにぼくを奏でる。
深くつながったまま、体のあちこちを愛撫されて……宏ちゃんのための楽器になったみたい。
今まで、ふたりで重ねた夜のうち……今が一番、遠慮がない。
――あ。なにか、はじけちゃう……
熱く堅いものが最奥を穿つたびに、お腹の奥に熱いうねりが起きる。目の前が真っ白になりそうで、怖くて……ふらふらと頭を振ると、宏ちゃんに抱きしめられた。
「成、愛してる……」
「……っ」
「側に居るから」
熱い吐息が、唇に触れる。
優しいキスに、恐怖が遠のいていく。
――一緒なら、だいじょうぶ……
ぼくは、宏ちゃんに縋りついて、安堵の涙をこぼした。
「ひろにいちゃん、すき……もう、はなさないで……!」
ゆらゆらと揺さぶられているうちに、熱い波に思考をさらわれて……もう自分が何を言っているのかわからない。やがて、幾度目かの、快楽の高みに追いやられたとき――
「……成!」
宏ちゃんが低く呻いて、ぼくをきつく抱きしめた。
体の奥で、熱い迸りを受けて――目の前が、真っ白になる。
「あああ……っ!」
がくがくと震える体さえ檻のような腕に抱き留められ、叫びながら達してしまう。魂ごと放り出されるような感覚。噎せるほどの森の香りが、ぼくを繋ぎとめる。
「――もう離さない……お前は、俺のものだ」
熱い、焦がれるような声を最後に、ぼくの意識は途切れた。
431
関連作品
「いつでも僕の帰る場所」短編集
「いつでも僕の帰る場所」短編集
お気に入りに追加
1,464
あなたにおすすめの小説
僕はお別れしたつもりでした
まと
BL
遠距離恋愛中だった恋人との関係が自然消滅した。どこか心にぽっかりと穴が空いたまま毎日を過ごしていた藍(あい)。大晦日の夜、寂しがり屋の親友と二人で年越しを楽しむことになり、ハメを外して酔いつぶれてしまう。目が覚めたら「ここどこ」状態!!
親友と仲良すぎな主人公と、別れたはずの恋人とのお話。
⚠️趣味で書いておりますので、誤字脱字のご報告や、世界観に対する批判コメントはご遠慮します。そういったコメントにはお返しできませんので宜しくお願いします。
大晦日あたりに出そうと思ったお話です。
戦いに行ったはずの騎士様は、女騎士を連れて帰ってきました。
新野乃花(大舟)
恋愛
健気にカサルの帰りを待ち続けていた、彼の婚約者のルミア。しかし帰還の日にカサルの隣にいたのは、同じ騎士であるミーナだった。親し気な様子をアピールしてくるミーナに加え、カサルもまた満更でもないような様子を見せ、ついにカサルはルミアに婚約破棄を告げてしまう。これで騎士としての真実の愛を手にすることができたと豪語するカサルであったものの、彼はその後すぐにあるきっかけから今夜破棄を大きく後悔することとなり…。
地味で器量の悪い公爵令嬢は政略結婚を拒んでいたのだが
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
心優しいエヴァンズ公爵家の長女アマーリエは自ら王太子との婚約を辞退した。幼馴染でもある王太子の「ブスの癖に図々しく何時までも婚約者の座にいるんじゃない、絶世の美女である妹に婚約者の座を譲れ」という雄弁な視線に耐えられなかったのだ。それにアマーリエにも自覚があった。自分が社交界で悪口陰口を言われるほどブスであることを。だから王太子との婚約を辞退してからは、壁の花に徹していた。エヴァンズ公爵家てもつながりが欲しい貴族家からの政略結婚の申し込みも断り続けていた。このまま静かに領地に籠って暮らしていこうと思っていた。それなのに、常勝無敗、騎士の中の騎士と称えられる王弟で大将軍でもあるアラステアから結婚を申し込まれたのだ。
幼馴染が熱を出した? どうせいつもの仮病でしょう?【完結】
小平ニコ
恋愛
「パメラが熱を出したから、今日は約束の場所に行けなくなった。今度埋め合わせするから許してくれ」
ジョセフはそう言って、婚約者である私とのデートをキャンセルした。……いったいこれで、何度目のドタキャンだろう。彼はいつも、体の弱い幼馴染――パメラを優先し、私をないがしろにする。『埋め合わせするから』というのも、口だけだ。
きっと私のことを、適当に謝っておけば何でも許してくれる、甘い女だと思っているのだろう。
いい加減うんざりした私は、ジョセフとの婚約関係を終わらせることにした。パメラは嬉しそうに笑っていたが、ジョセフは大いにショックを受けている。……それはそうでしょうね。私のお父様からの援助がなければ、ジョセフの家は、貴族らしい、ぜいたくな暮らしを続けることはできないのだから。
妹を溺愛したい旦那様は婚約者の私に出ていってほしそうなので、本当に出ていってあげます
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族令嬢であったアリアに幸せにすると声をかけ、婚約関係を結んだグレゴリー第一王子。しかしその後、グレゴリーはアリアの妹との関係を深めていく…。ある日、彼はアリアに出ていってほしいと独り言をつぶやいてしまう。それを耳にしたアリアは、その言葉の通りに家出することを決意するのだった…。
春を拒む【完結】
璃々丸
BL
日本有数の財閥三男でΩの北條院環(ほうじょういん たまき)の目の前には見るからに可憐で儚げなΩの女子大生、桜雛子(さくら ひなこ)が座っていた。
「ケイト君を解放してあげてください!」
大きなおめめをうるうるさせながらそう訴えかけてきた。
ケイト君────諏訪恵都(すわ けいと)は環の婚約者であるαだった。
環とはひとまわり歳の差がある。この女はそんな環の負い目を突いてきたつもりだろうが、『こちとらお前等より人生経験それなりに積んどんねん────!』
そう簡単に譲って堪るか、と大人げない反撃を開始するのであった。
オメガバな設定ですが設定は緩めで独自設定があります、ご注意。
不定期更新になります。
もう人気者とは付き合っていられません
花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。
モテるのは当然だ。でも――。
『たまには二人だけで過ごしたい』
そう願うのは、贅沢なのだろうか。
いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。
「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。
ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。
生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。
※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中
彼を追いかける事に疲れたので、諦める事にしました
Karamimi
恋愛
貴族学院2年、伯爵令嬢のアンリには、大好きな人がいる。それは1学年上の侯爵令息、エディソン様だ。そんな彼に振り向いて欲しくて、必死に努力してきたけれど、一向に振り向いてくれない。
どれどころか、最近では迷惑そうにあしらわれる始末。さらに同じ侯爵令嬢、ネリア様との婚約も、近々結ぶとの噂も…
これはもうダメね、ここらが潮時なのかもしれない…
そんな思いから彼を諦める事を決意したのだが…
5万文字ちょっとの短めのお話で、テンポも早めです。
よろしくお願いしますm(__)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる