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最終章〜唯一の未来〜
二百六十七話
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久しぶりの行為は、優しいキスから始まった。
ベッドの上で重なって、抱き合いながら……お互いの唇に触れる。
「……宏ちゃんっ」
「成……」
宏ちゃんは、ぼくが痛みを感じていないか、探るように慎重だった。――その優しさが、嬉しい。全部を差し出すように力を抜いていると、やわらかな舌がそっと滑り込んでくる。
「ふ……っ」
ぴくん、と跳ねた肩を抱かれる。ぼくの言葉をさらうように、甘く舌を絡められ……深く交わった唇から、水音が響き始める。
ぼくは、宏ちゃんの肩にしがみついて、懸命に応えた。
――もっと……
甘い苦しさの中、ぼうっとする頭が乞う。
こうして、言葉を奪っていて欲しい。――今は、なにかを話してしまうのが怖い。
「……ひゃっ」
パジャマの中に、熱い手が潜り込んでくる。肌を撫でられて、ぞくぞくと甘い刺激が走った。久しぶりの感覚に震えていると……宏ちゃんが、低く囁いた。
「大丈夫だよ……」
「……んっ、ひろちゃ」
上ってきた爪先が、あばらをくすぐる。ぞくぞくが止まんなくて、うなぎみたいに身を捩ると、宏ちゃんは笑う。
「ふふ。可愛い」
「やっ、くすぐったいよぅ」
宏ちゃんは、ぼくの輪郭を愛でるように肌に触れてくれる。触れるか触れないか……焦れったい刺激がたまらなくて、からだが逃げてしまう。
「だめ、もう……」
枕を握りしめて、震えていたら――やんわりとマットに押さえこまれ、胸を突き出す姿になる。……と、二つの尖りが、柔らかな布につんと浮かんでいて、顔から火を噴きそうになった。
「いやぁ……見ないで」
「なんで? 嬉しいよ。俺に感じてくれて……」
「ゃんっ」
つん、と尖りを指でつつかれて、肩が跳ねる。宏ちゃんは二本の指で、ぼくのそこを優しく撫でて、転がす。そうすると、もっと触れてって言うみたいに敏感になって……胸が反った。
「んっ、う……」
布越しにかりかりとかかれると、たまらない。ぼくは指を噛んで、懸命にはしたない声を堪えた。
宏ちゃんはくすりと笑って、ぼくの膝を抱えあげる。
「あ……!」
ぼくの下腹は、胸への刺激ですっかり兆していた。あさましい反応を示すそこに、宏ちゃんの熱い眼差しが降り注ぐ。
――恥ずかしい……!
シャツを引っ張って隠すと、くすりと笑われる。がっしりと太ももを掴んだ手に、逞しい腰を挟むよう促された。
「!」
そこに――熱く兆した宏ちゃんを感じて、全身が茹で上がった。敏感な部分が重なり合って、お互いの熱や興奮が伝わって……きゅうと下腹が甘く痺れる。
そのまま、腰を揺らされると、息が弾んだ。――恥ずかしいのに、たまらなく期待してる。ぼくは、太ももにぎゅうと力を込めて、宏ちゃんの背にしがみつく。
「ああ……宏ちゃんっ」
「なあ。もっと、見せて……」
熱く囁かれ、わけもわからず頷く。
宏ちゃんは、ぼくを抱きかかえて、服を脱がせた。
下着ごとズボンを下ろされて、上のシャツが肩を滑り落ちていく。生まれたままの姿で横たわると、宏ちゃんは覆いかぶさってくる。ぼくの胸に頭をかがめて――ちゅ、と心臓の上に唇が触れる。
どきどきと、壊れそうに脈打つ鼓動を、知られてしまう。
「ん……」
十指が、汗ばんだ肌を滑り、確かめるように沈んだ。大きくなった尖りを優しく撫でられて、唇に挟まれる。――ぱっ、ぱっとまぶたの裏に赤い火花が散り、はしたない声が漏れた。
「ぁっ、ぁ……」
「成……綺麗だ。どこもかしこも……」
宏ちゃんはぼくを抱きしめて、体のあちこちを、手で舌で、丹念に愛してくれた。背を舌で味わわれ……尖りを優しく摘まれて。蕾を手のひらに包まれると、泣きながら達してしまった。
――だめ……おかしくなっちゃう……
うつ伏せで余韻に震えていると、太ももをじっくりなだめていた指が、お尻を持ち上げた。
「あっ、待って……!」
お尻だけを高く上げた姿に、頬が赤らんだ。……宏ちゃんはときどき、ぼくに恥ずかしい格好をさせる。ダメっていっても、楽しそうにして、止めてくれない。
――ちょっと、意地悪……
「久しぶりだからな。優しくする……」
「あん……っ、ふぁ……」
宏ちゃんは、ぼくの緊張を解くように、甘やかしてくれた。やわらかな舌先でぼくのそこをくすぐって、蕾を愛撫する。前と後ろから、淫らな水音が響き、ぼくは悶えた。
――芳しい木々の香りと、熱気に浮かされる。
「もう……」
「うん」
優しく聞き返されて、ぼくは唇を震わせる。
あやすように愛され続けて……躊躇は消えてしまった。自ら両ひざを抱えて、お尻を突き出すと――宏ちゃんに、訴える。
「おねがい……もっと」
「もっと?」
やわらかくお尻を揉まれ、声が震える。
「もっと、きて……奥に、さわってぇ」
はしたないおねだりを、ついに口にする。かああ、と全身が火照った。恥ずかしさに、ぶるぶる震えていると……お尻に、ちゅっとキスされる。
「可愛い。たまんないな……」
「宏ちゃん……」
熱い声に、きゅうんと胸が痛くなる。――宏ちゃんの眼差しは、燃えるようで。はむ、とお尻に軽く牙が食い込んで、怖いほど感じてしまう。
――ぼくに、感じてくれてる……うれしい。
陶然と息を吐いた瞬間……窄まりに、そっと指が沈み込んだ。
「あっ」
「ゆっくり、息を吐いて……」
「ふ、ああぁ……」
長い、熱い指が――ゆっくりと、差し込まれる。少し、入れて。引いて――気が遠くなるほどゆっくりと、深くに押し開かれてく。
――きもちいい、もどかしい……
お尻にしとどの汗が浮かんで、お腹まで伝ってくる。宏ちゃんは、お腹の奥までそうっと撫でて……壊れ物のように扱われることが、こんなに切ないなんて。
ぼくはきつく自分の膝を握りしめて、耐えた。
「く、ぅ……っ」
ついに、奥まで入って来たとき……ぼくは大きな声をあげて、のけ反った。
「あぁっ」
でも、恥ずかしいって、感じる余裕がない。ずっと焦らされていたところに、甘い甘い刺激が与えられて、腰がとろけそう。
お尻が鞠みたいにぽんぽん弾んで、爪先が空を蹴る。目の奥に真っ赤な火花が散って、気が遠くなった。
「――成……苦しくないか?」
「うう……へい、き……」
息も絶え絶えに訴えると、宏ちゃんは息を吐く。それから、ぼくの頬や、首筋にキスをした。汗でびっしょりの肌に、優しい唇が落ちる。――なんだか、とても許されている気がして、涙が溢れた。
きゅう、と奥に含んだ指を締めつけると、宏ちゃんは嬉しそうに言う。
「成のなか、あったかい」
「……っ、そんな、言わんといてぇ」
ぷいと顔を背けると、宏ちゃんは笑った。
「久しぶりだから、つい。浮かれちまって」
「や、優しくしてくれるって、言うたよっ……」
上擦りそうな声で、抗議する。ほんまは、嘘。これ以上なく、優しくしてもらってるけど……恥ずかしくて。
「ごめん、ごめん」
「……んっ」
頭を抱え込まれて、濡れた肌に頬が触れた。――芳しい、魅惑的な森の香りが脳を揺らす。全身から力が抜けて、甘い陶酔感に満たされる。
「あ……ぅ……」
宏ちゃんの指を握りしめて、何度も息を吐いた。今夜だけで、何回目の頂きに達したのか――頭がじんじんと熱を持って、お腹に火が燃えているみたいに、宏ちゃんを求めてる……
怖くなって、太い首に縋りついた。自分のからだが――貪欲なことが怖い。
「宏ちゃん……ぼく」
「いいんだよ。何も考えないで……」
低い声が、甘く誘惑する。こんなに滅茶苦茶なのに、それでいいんだよって……肯定してくれる。
ぼくは、くしゃりと顔を歪めて……宏ちゃんに身を寄せる。
「もっと、して……」
答えは、言葉じゃなかった。
宏ちゃんの香りに抱かれて、ぼくは何度も気持ちよくなった。
ベッドの上で重なって、抱き合いながら……お互いの唇に触れる。
「……宏ちゃんっ」
「成……」
宏ちゃんは、ぼくが痛みを感じていないか、探るように慎重だった。――その優しさが、嬉しい。全部を差し出すように力を抜いていると、やわらかな舌がそっと滑り込んでくる。
「ふ……っ」
ぴくん、と跳ねた肩を抱かれる。ぼくの言葉をさらうように、甘く舌を絡められ……深く交わった唇から、水音が響き始める。
ぼくは、宏ちゃんの肩にしがみついて、懸命に応えた。
――もっと……
甘い苦しさの中、ぼうっとする頭が乞う。
こうして、言葉を奪っていて欲しい。――今は、なにかを話してしまうのが怖い。
「……ひゃっ」
パジャマの中に、熱い手が潜り込んでくる。肌を撫でられて、ぞくぞくと甘い刺激が走った。久しぶりの感覚に震えていると……宏ちゃんが、低く囁いた。
「大丈夫だよ……」
「……んっ、ひろちゃ」
上ってきた爪先が、あばらをくすぐる。ぞくぞくが止まんなくて、うなぎみたいに身を捩ると、宏ちゃんは笑う。
「ふふ。可愛い」
「やっ、くすぐったいよぅ」
宏ちゃんは、ぼくの輪郭を愛でるように肌に触れてくれる。触れるか触れないか……焦れったい刺激がたまらなくて、からだが逃げてしまう。
「だめ、もう……」
枕を握りしめて、震えていたら――やんわりとマットに押さえこまれ、胸を突き出す姿になる。……と、二つの尖りが、柔らかな布につんと浮かんでいて、顔から火を噴きそうになった。
「いやぁ……見ないで」
「なんで? 嬉しいよ。俺に感じてくれて……」
「ゃんっ」
つん、と尖りを指でつつかれて、肩が跳ねる。宏ちゃんは二本の指で、ぼくのそこを優しく撫でて、転がす。そうすると、もっと触れてって言うみたいに敏感になって……胸が反った。
「んっ、う……」
布越しにかりかりとかかれると、たまらない。ぼくは指を噛んで、懸命にはしたない声を堪えた。
宏ちゃんはくすりと笑って、ぼくの膝を抱えあげる。
「あ……!」
ぼくの下腹は、胸への刺激ですっかり兆していた。あさましい反応を示すそこに、宏ちゃんの熱い眼差しが降り注ぐ。
――恥ずかしい……!
シャツを引っ張って隠すと、くすりと笑われる。がっしりと太ももを掴んだ手に、逞しい腰を挟むよう促された。
「!」
そこに――熱く兆した宏ちゃんを感じて、全身が茹で上がった。敏感な部分が重なり合って、お互いの熱や興奮が伝わって……きゅうと下腹が甘く痺れる。
そのまま、腰を揺らされると、息が弾んだ。――恥ずかしいのに、たまらなく期待してる。ぼくは、太ももにぎゅうと力を込めて、宏ちゃんの背にしがみつく。
「ああ……宏ちゃんっ」
「なあ。もっと、見せて……」
熱く囁かれ、わけもわからず頷く。
宏ちゃんは、ぼくを抱きかかえて、服を脱がせた。
下着ごとズボンを下ろされて、上のシャツが肩を滑り落ちていく。生まれたままの姿で横たわると、宏ちゃんは覆いかぶさってくる。ぼくの胸に頭をかがめて――ちゅ、と心臓の上に唇が触れる。
どきどきと、壊れそうに脈打つ鼓動を、知られてしまう。
「ん……」
十指が、汗ばんだ肌を滑り、確かめるように沈んだ。大きくなった尖りを優しく撫でられて、唇に挟まれる。――ぱっ、ぱっとまぶたの裏に赤い火花が散り、はしたない声が漏れた。
「ぁっ、ぁ……」
「成……綺麗だ。どこもかしこも……」
宏ちゃんはぼくを抱きしめて、体のあちこちを、手で舌で、丹念に愛してくれた。背を舌で味わわれ……尖りを優しく摘まれて。蕾を手のひらに包まれると、泣きながら達してしまった。
――だめ……おかしくなっちゃう……
うつ伏せで余韻に震えていると、太ももをじっくりなだめていた指が、お尻を持ち上げた。
「あっ、待って……!」
お尻だけを高く上げた姿に、頬が赤らんだ。……宏ちゃんはときどき、ぼくに恥ずかしい格好をさせる。ダメっていっても、楽しそうにして、止めてくれない。
――ちょっと、意地悪……
「久しぶりだからな。優しくする……」
「あん……っ、ふぁ……」
宏ちゃんは、ぼくの緊張を解くように、甘やかしてくれた。やわらかな舌先でぼくのそこをくすぐって、蕾を愛撫する。前と後ろから、淫らな水音が響き、ぼくは悶えた。
――芳しい木々の香りと、熱気に浮かされる。
「もう……」
「うん」
優しく聞き返されて、ぼくは唇を震わせる。
あやすように愛され続けて……躊躇は消えてしまった。自ら両ひざを抱えて、お尻を突き出すと――宏ちゃんに、訴える。
「おねがい……もっと」
「もっと?」
やわらかくお尻を揉まれ、声が震える。
「もっと、きて……奥に、さわってぇ」
はしたないおねだりを、ついに口にする。かああ、と全身が火照った。恥ずかしさに、ぶるぶる震えていると……お尻に、ちゅっとキスされる。
「可愛い。たまんないな……」
「宏ちゃん……」
熱い声に、きゅうんと胸が痛くなる。――宏ちゃんの眼差しは、燃えるようで。はむ、とお尻に軽く牙が食い込んで、怖いほど感じてしまう。
――ぼくに、感じてくれてる……うれしい。
陶然と息を吐いた瞬間……窄まりに、そっと指が沈み込んだ。
「あっ」
「ゆっくり、息を吐いて……」
「ふ、ああぁ……」
長い、熱い指が――ゆっくりと、差し込まれる。少し、入れて。引いて――気が遠くなるほどゆっくりと、深くに押し開かれてく。
――きもちいい、もどかしい……
お尻にしとどの汗が浮かんで、お腹まで伝ってくる。宏ちゃんは、お腹の奥までそうっと撫でて……壊れ物のように扱われることが、こんなに切ないなんて。
ぼくはきつく自分の膝を握りしめて、耐えた。
「く、ぅ……っ」
ついに、奥まで入って来たとき……ぼくは大きな声をあげて、のけ反った。
「あぁっ」
でも、恥ずかしいって、感じる余裕がない。ずっと焦らされていたところに、甘い甘い刺激が与えられて、腰がとろけそう。
お尻が鞠みたいにぽんぽん弾んで、爪先が空を蹴る。目の奥に真っ赤な火花が散って、気が遠くなった。
「――成……苦しくないか?」
「うう……へい、き……」
息も絶え絶えに訴えると、宏ちゃんは息を吐く。それから、ぼくの頬や、首筋にキスをした。汗でびっしょりの肌に、優しい唇が落ちる。――なんだか、とても許されている気がして、涙が溢れた。
きゅう、と奥に含んだ指を締めつけると、宏ちゃんは嬉しそうに言う。
「成のなか、あったかい」
「……っ、そんな、言わんといてぇ」
ぷいと顔を背けると、宏ちゃんは笑った。
「久しぶりだから、つい。浮かれちまって」
「や、優しくしてくれるって、言うたよっ……」
上擦りそうな声で、抗議する。ほんまは、嘘。これ以上なく、優しくしてもらってるけど……恥ずかしくて。
「ごめん、ごめん」
「……んっ」
頭を抱え込まれて、濡れた肌に頬が触れた。――芳しい、魅惑的な森の香りが脳を揺らす。全身から力が抜けて、甘い陶酔感に満たされる。
「あ……ぅ……」
宏ちゃんの指を握りしめて、何度も息を吐いた。今夜だけで、何回目の頂きに達したのか――頭がじんじんと熱を持って、お腹に火が燃えているみたいに、宏ちゃんを求めてる……
怖くなって、太い首に縋りついた。自分のからだが――貪欲なことが怖い。
「宏ちゃん……ぼく」
「いいんだよ。何も考えないで……」
低い声が、甘く誘惑する。こんなに滅茶苦茶なのに、それでいいんだよって……肯定してくれる。
ぼくは、くしゃりと顔を歪めて……宏ちゃんに身を寄せる。
「もっと、して……」
答えは、言葉じゃなかった。
宏ちゃんの香りに抱かれて、ぼくは何度も気持ちよくなった。
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