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第四章~新たな門出~
二百三十一話【SIDE:陽平母】
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通された椹木邸のリビングで、私はソファに腰を掛け家の主を待っていた。
椹木は、私を使用人に任せると、先に家の奥へと消えていったの。――その腕に、晶ちゃんを抱えて。
「……遅いわね。何をしてるの?」
呟いた声は、焦燥に揺れていた。
合わせた膝の上、落ち着かない気持ちで手を握り合わせる。
――晶ちゃんの具合が悪いから……寝かせてくるって。本当にそうなの?
私を待たせて、二人で「他のこと」をしていないのかと、邪推してしまう。
だって、門の前で見た、晶ちゃんと椹木の様子が頭から離れないんだもの。
『さわらぎさん……はやくおかして』
熱に浮かされたような、晶ちゃんの囁き。
あんな往来で、椹木の唇を貪って、狂おしくからだを擦り寄せていた。
――あんなの、晶ちゃんらしくないわ。あんな……
愛してもいない男に、あんな淫らな。盛りのついた雌猫のような振る舞い――そこまで思って、ハッとする。いやな考えを振り切るように、頭を振った。
「何考えてるのっ……晶ちゃんは、不幸な体質なのよ。愛してもいない男にあんな真似をするなんて、辛いに決まってる。だから、助けてあげなきゃなんでしょう!」
膝の上に引き寄せたバッグを、決意を込めて握りしめた。
そのとき、リビングのドアが音を立てて開く。――椹木が、一人で姿を現した。
「お待たせして、申し訳ありません」
「……いえ。突然、訪ねたのは私ですもの」
話しながら、椹木の衣服に目を滑らせる。……着衣はさほど乱れていないし、怪しい真似をしたのではなさそうね。
ほっと安堵の息を吐き、私は背筋を伸ばした。
「晶さんはどうですか?」
「起きているのは、辛いようで……ご挨拶できず、申し訳ないと」
でしょうね、と思う。
さっきの晶ちゃんの様子は、発情に違いない。二人が抱き合ったわけじゃないなら、まだ熱は冷めていないはずよ。
それに、母親同然の私にあんな姿を見られて、ばつが悪いでしょうから。
――でも、椹木さん。ヒートに苦しむオメガを放っておくなんて、貴方はアルファとして最低よ。
うちの嫁に手を出されでも困るけれど……椹木の冷淡な態度に怒りが募った。
そうよ……こんなに私は、晶ちゃんを大切に想ってるの。自分の感情に、ようやく自信が湧いてきた。
「構いませんわ。私、あなたにお話がありますの」
口元を押さえ、ゆったりと笑う。
向かいのソファに腰を掛けた椹木を、じっと見据えて――バッグから書類をおさめたファイルを取り出した。
「私に、ですか?」
「ええ。――椹木さん、単刀直入に言います。晶さんを、譲って下さらない? 私の息子の婚約者として」
椹木は、僅かに目を瞠った。それからすぐに、真剣な面持ちになり、首を振った。
「その提案は、冗談でも受け入れられません。彼は私の婚約者ですから」
「あぁら。本当にそうかしら?」
「……?」
「こちらをご覧になって。あなたが、いかに婚約者として不適格かわかりますわ」
私は自信に満ちた笑みを浮かべ、テーブルに大量の書類と写真を広げて見せた。
椹木は身を乗り出して、目を見張った。
「これは……」
「晶ちゃんが、私に相談してくれたあなたへの不満を、文書化したものです。そこにある通り、晶ちゃんはお父様に命じられ、仕方なくあなたと婚約したの。あなたのことなど、ちっとも愛していないのよ。嘘じゃないわ、きちんと音声データもあるんですから」
私は、音声データの入ったレコーダーを作動させる。晶ちゃんの相談を、何かのときに使えると思って、保存していたの。
弱弱しい晶ちゃんの啜り泣きが、リビングに大音量で再生された。
『あの人とは、父に言われてだから……愛なんかない。俺は、親の言いなりになるしかないから……』
『みて、この服……俺の趣味じゃなさすぎ。でも、仕方ないよな……あの人の前で良い子を演じるしか……』
『婚家のパーティには出たくないんだ……あの人のオメガだって、連れ回されんの辛くて……』
音声が流れる程、椹木の表情が曇っていく。
「……晶君が……」
「ねっ、わかっていただけました?」
椹木が、そう簡単に婚約破棄に応じないくらい、わかっていたわ。
だから、色々準備をしていたのよ。生真面目なこの男が、自分から身を引きたくなるようにね。
私は、きっと睨みつける。
「被害者面はしないで下さいね! 晶ちゃんは愛の無い婚約者の元で、健気に耐えていたんですよ。それも、抑制剤が効かない不安を抱えてね。伴侶である貴方は、仕事にかまけて側に居てあげなかった……その間、誰がこの子を守っていたか、もうお解りですわね!」
「……城山さんの、ご子息なんですね」
椹木は、痛みをこらえるような顔で、写真を見た。
その全てには、晶ちゃんと陽平が睦まじく寄り添っている様子が、写し出されてる。我が家の監視カメラの映像を切り取って、二人がどれだけ愛し合っているか、見せつけてやろうと思ったの。
「……」
椹木は無言で、食い入るように写真の束を繰っていた。――並んで眠る二人。仲良くじゃれ合う様が、無骨な手の中で、ぱっぱと入れ替わる。ついに、寝室での様子に差し掛かると……椹木は喉の奥で呻いた。
「……なんてことだ」
写真をテーブルに伏せるように置き、長い息を吐く。
――わかったでしょう。あんたの婚約者は私の息子を愛しているのよ。邪魔ものは、とっとと消えなさい!
あの、成己さんのようにね!
私は勝利を確信し、唇をしならせた。
「椹木さん、今なら間に合います。想いあう二人を、一緒にしてあげたいと思いませんか?」
「……城山さん。ひとつ、お伺いしたいのですが。たしか、城山さんの……陽平さんには、婚約者がいらっしゃいましたよね」
低く、掠れた声で椹木は言う。
「ええ、そうですが……晶さんと一緒になるために、息子は婚約破棄しました。でも、勘違いしないで。その子は浮気をしていたので、息子に責任はありません」
こちらの隙をつくつもりかと、身構えて答えた。
しかし椹木は、何か急いた様子で、さらに問いを重ねてくる。
「その方は、どうなったんですか?」
「しつこい方。……その子は、浮気相手と結婚しました。相手は野江さんの次男と言えば、どういうことかお分かりになるでしょ?」
私は少々興が削がれた気持ちで、言う。
自堕落男の野江宏章の名を出せば、納得するだろう。この男は、野江家と旧知だから、野江宏章の情けなさは知っているはずだもの。
しかし……椹木は真っ青になって額を抑える。
「ああ……そう言う事だったのか。なんてことを」
悲痛な声を上げる男を、私は胡乱な目で眺めた。
「いったい、何なのです。あなた、まさか責任逃れなんて……」
「いいえ……この度の事、私に全ての責任があります」
「えっ……?」
椹木は決然と立ち上がり、床に手をついた。
勢いよく頭を下げる。
「申し訳ありませんでした。私が、晶君の夫としての責務を果たさなかったために……多くの犠牲を生んでしまった。全て、そちらの良い様にいたします」
「それは……別れるという事?」
「……はい。晶君がそれを望むなら」
あまりに潔い引き際に、私は少しあっけに取られる。
――なによ。やっぱり、晶ちゃんのことは義務だったってこと?
肩透かしを食った気分だったけれど、上手く行ったなら良かった。
ともかく、これで……あの人に申し訳がたつ。
私は、あの人への義理を果たせたことに、心から安堵していて。
だから、気が付かなかったの。聞き耳を立てていた、人がいたことに。
「――ああああ!」
突如、リビングのドアが弾けそうに開く。――晶ちゃんが、叫びながら飛びこんできた。
「晶ちゃん……?!」
私は、ぎょっとする。
晶ちゃんが腕を振り上げて。振り下ろされるまでが――スローモーションに見えた。
バシン!
頬の上で、爆弾が弾けたような痛み。
「……え?」
床に倒れ込んだ私は、呆然と目の前の影を見上げる。
……嘘。
殴られたのだとわかったのは、晶ちゃんがもう一度、腕を振り上げたときだった。
椹木は、私を使用人に任せると、先に家の奥へと消えていったの。――その腕に、晶ちゃんを抱えて。
「……遅いわね。何をしてるの?」
呟いた声は、焦燥に揺れていた。
合わせた膝の上、落ち着かない気持ちで手を握り合わせる。
――晶ちゃんの具合が悪いから……寝かせてくるって。本当にそうなの?
私を待たせて、二人で「他のこと」をしていないのかと、邪推してしまう。
だって、門の前で見た、晶ちゃんと椹木の様子が頭から離れないんだもの。
『さわらぎさん……はやくおかして』
熱に浮かされたような、晶ちゃんの囁き。
あんな往来で、椹木の唇を貪って、狂おしくからだを擦り寄せていた。
――あんなの、晶ちゃんらしくないわ。あんな……
愛してもいない男に、あんな淫らな。盛りのついた雌猫のような振る舞い――そこまで思って、ハッとする。いやな考えを振り切るように、頭を振った。
「何考えてるのっ……晶ちゃんは、不幸な体質なのよ。愛してもいない男にあんな真似をするなんて、辛いに決まってる。だから、助けてあげなきゃなんでしょう!」
膝の上に引き寄せたバッグを、決意を込めて握りしめた。
そのとき、リビングのドアが音を立てて開く。――椹木が、一人で姿を現した。
「お待たせして、申し訳ありません」
「……いえ。突然、訪ねたのは私ですもの」
話しながら、椹木の衣服に目を滑らせる。……着衣はさほど乱れていないし、怪しい真似をしたのではなさそうね。
ほっと安堵の息を吐き、私は背筋を伸ばした。
「晶さんはどうですか?」
「起きているのは、辛いようで……ご挨拶できず、申し訳ないと」
でしょうね、と思う。
さっきの晶ちゃんの様子は、発情に違いない。二人が抱き合ったわけじゃないなら、まだ熱は冷めていないはずよ。
それに、母親同然の私にあんな姿を見られて、ばつが悪いでしょうから。
――でも、椹木さん。ヒートに苦しむオメガを放っておくなんて、貴方はアルファとして最低よ。
うちの嫁に手を出されでも困るけれど……椹木の冷淡な態度に怒りが募った。
そうよ……こんなに私は、晶ちゃんを大切に想ってるの。自分の感情に、ようやく自信が湧いてきた。
「構いませんわ。私、あなたにお話がありますの」
口元を押さえ、ゆったりと笑う。
向かいのソファに腰を掛けた椹木を、じっと見据えて――バッグから書類をおさめたファイルを取り出した。
「私に、ですか?」
「ええ。――椹木さん、単刀直入に言います。晶さんを、譲って下さらない? 私の息子の婚約者として」
椹木は、僅かに目を瞠った。それからすぐに、真剣な面持ちになり、首を振った。
「その提案は、冗談でも受け入れられません。彼は私の婚約者ですから」
「あぁら。本当にそうかしら?」
「……?」
「こちらをご覧になって。あなたが、いかに婚約者として不適格かわかりますわ」
私は自信に満ちた笑みを浮かべ、テーブルに大量の書類と写真を広げて見せた。
椹木は身を乗り出して、目を見張った。
「これは……」
「晶ちゃんが、私に相談してくれたあなたへの不満を、文書化したものです。そこにある通り、晶ちゃんはお父様に命じられ、仕方なくあなたと婚約したの。あなたのことなど、ちっとも愛していないのよ。嘘じゃないわ、きちんと音声データもあるんですから」
私は、音声データの入ったレコーダーを作動させる。晶ちゃんの相談を、何かのときに使えると思って、保存していたの。
弱弱しい晶ちゃんの啜り泣きが、リビングに大音量で再生された。
『あの人とは、父に言われてだから……愛なんかない。俺は、親の言いなりになるしかないから……』
『みて、この服……俺の趣味じゃなさすぎ。でも、仕方ないよな……あの人の前で良い子を演じるしか……』
『婚家のパーティには出たくないんだ……あの人のオメガだって、連れ回されんの辛くて……』
音声が流れる程、椹木の表情が曇っていく。
「……晶君が……」
「ねっ、わかっていただけました?」
椹木が、そう簡単に婚約破棄に応じないくらい、わかっていたわ。
だから、色々準備をしていたのよ。生真面目なこの男が、自分から身を引きたくなるようにね。
私は、きっと睨みつける。
「被害者面はしないで下さいね! 晶ちゃんは愛の無い婚約者の元で、健気に耐えていたんですよ。それも、抑制剤が効かない不安を抱えてね。伴侶である貴方は、仕事にかまけて側に居てあげなかった……その間、誰がこの子を守っていたか、もうお解りですわね!」
「……城山さんの、ご子息なんですね」
椹木は、痛みをこらえるような顔で、写真を見た。
その全てには、晶ちゃんと陽平が睦まじく寄り添っている様子が、写し出されてる。我が家の監視カメラの映像を切り取って、二人がどれだけ愛し合っているか、見せつけてやろうと思ったの。
「……」
椹木は無言で、食い入るように写真の束を繰っていた。――並んで眠る二人。仲良くじゃれ合う様が、無骨な手の中で、ぱっぱと入れ替わる。ついに、寝室での様子に差し掛かると……椹木は喉の奥で呻いた。
「……なんてことだ」
写真をテーブルに伏せるように置き、長い息を吐く。
――わかったでしょう。あんたの婚約者は私の息子を愛しているのよ。邪魔ものは、とっとと消えなさい!
あの、成己さんのようにね!
私は勝利を確信し、唇をしならせた。
「椹木さん、今なら間に合います。想いあう二人を、一緒にしてあげたいと思いませんか?」
「……城山さん。ひとつ、お伺いしたいのですが。たしか、城山さんの……陽平さんには、婚約者がいらっしゃいましたよね」
低く、掠れた声で椹木は言う。
「ええ、そうですが……晶さんと一緒になるために、息子は婚約破棄しました。でも、勘違いしないで。その子は浮気をしていたので、息子に責任はありません」
こちらの隙をつくつもりかと、身構えて答えた。
しかし椹木は、何か急いた様子で、さらに問いを重ねてくる。
「その方は、どうなったんですか?」
「しつこい方。……その子は、浮気相手と結婚しました。相手は野江さんの次男と言えば、どういうことかお分かりになるでしょ?」
私は少々興が削がれた気持ちで、言う。
自堕落男の野江宏章の名を出せば、納得するだろう。この男は、野江家と旧知だから、野江宏章の情けなさは知っているはずだもの。
しかし……椹木は真っ青になって額を抑える。
「ああ……そう言う事だったのか。なんてことを」
悲痛な声を上げる男を、私は胡乱な目で眺めた。
「いったい、何なのです。あなた、まさか責任逃れなんて……」
「いいえ……この度の事、私に全ての責任があります」
「えっ……?」
椹木は決然と立ち上がり、床に手をついた。
勢いよく頭を下げる。
「申し訳ありませんでした。私が、晶君の夫としての責務を果たさなかったために……多くの犠牲を生んでしまった。全て、そちらの良い様にいたします」
「それは……別れるという事?」
「……はい。晶君がそれを望むなら」
あまりに潔い引き際に、私は少しあっけに取られる。
――なによ。やっぱり、晶ちゃんのことは義務だったってこと?
肩透かしを食った気分だったけれど、上手く行ったなら良かった。
ともかく、これで……あの人に申し訳がたつ。
私は、あの人への義理を果たせたことに、心から安堵していて。
だから、気が付かなかったの。聞き耳を立てていた、人がいたことに。
「――ああああ!」
突如、リビングのドアが弾けそうに開く。――晶ちゃんが、叫びながら飛びこんできた。
「晶ちゃん……?!」
私は、ぎょっとする。
晶ちゃんが腕を振り上げて。振り下ろされるまでが――スローモーションに見えた。
バシン!
頬の上で、爆弾が弾けたような痛み。
「……え?」
床に倒れ込んだ私は、呆然と目の前の影を見上げる。
……嘘。
殴られたのだとわかったのは、晶ちゃんがもう一度、腕を振り上げたときだった。
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