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余談
友達(7)
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伊月社長のおかげで、年末年始の大型音楽番組にグループで何回も出演できた。
一つの番組に同じ事務所から出演できるグループの数は決まっているので、マネージャーや社長は俺たちよりももとから事務所にいたグループを出演させたいんだろうけど……
「……スポンサーの新商品を衣装に取り入れて出演ということになったから」
少しだけ悔しそうな笑顔でそんなことを言われた。
秘書さんの頑張りか、伊月社長の力か……両方か。
ありがたいことに、俺たちが着用したアクセサリーは再販分も完売するほどファンが買ってくれているらしいので……コネではあるけど、きちんと俺たちを使う意味があってほっとしている。
そして、大型の番組に呼ばれて、それなりに結果が出れば他の番組にもグループで呼ばれやすくなって……最近、伊月社長の伝手ではなさそうなグループの仕事も増えてきた。
伊月社長には感謝するしかない。
ただ、俺がしている「仕事」に対してこれは……もらいすぎな気がする。
いつか伊月社長からとんでもない頼みごとをされたらどうしよう。
グループが順調すぎて不安な日々を過ごしていたある日の夜。
自宅でくつろいでいると伊月社長からメッセージではなく着信があった。
『フユキくん、写真週刊誌の記者の伝手、ない?』
「週刊誌? ……動画チャンネルじゃダメなんですか?」
そんな伝手を求められるのは絶対にヤバイ事案だと思って、今までのことに対してカマをかける意味でも「動画」なんて言ってみたけど……伊月社長は悪びれもせずに答えた。
『あぁ、いつものチャンネルを使うと、いかにも俺が手をまわしたってバレバレだから。今回は俺の計画だと思われないようにしたいんだよね。それと、ネタを提供する代わりにできるだけ炎上……記者の方が悪者になってくれるような、融通の利く週刊誌に頼みたいんだ』
「なるほど……」
認めるのかよ!?
今までの……枕営業パーティーも、嶋北さんのセクハラパワハラ告発も、やはりこの人の……って、この言い方、波崎くんにもバレている……つまり、波崎くんも知っていて付き合っているってことだよな?
うわー……やっぱりあれか? 脅して付き合っている感じ?
「伝手は……なくはないですが……どう使うんですか?」
こんなの絶対にヤバイ使い方だろ。
聞いても答えてくれないかもしれないけど、なにも聞かずに協力するのはさすがに怖い。
誰かを陥れたいか、もしくは、より自分から波崎くんが離れないように外堀を埋めるか……
『ん? 俺とアオくんの交際を報道してもらおうと思って』
「……」
そっちか。
報道が出てしまうと別れにくいとか、俳優としての商品価値が下がって、仕事が減って、伊月社長が独占しやすいとか? 俺たちみたいに伊月社長に依存するようになるとか?
「それは、波崎くんは……」
『知らない。俺が勝手にすることだよ』
「……」
やっべぇ……さすがにこれはヤバイ。
この社長、もともと怖かったけど、怖すぎだったけど……怖い以上に理解できない。
「……」
断りたい。
波崎くんとは、伊月社長の指示で仲良くなっただけだし、「普通に友達」という程度ではあるけど、もう友達だ。
あんないい子が……俳優という仕事にまっすぐな子が、ここで道を断たれることがあってはいけない。
というか、俺の倫理観では芸能人の交際を暴露することも、ゲイであることを勝手に暴露することもありえない。無理。最低。
でも……
これ、断ったら俺やグループはどうなる?
仕事をもらえないだけで済めばまだいいけど……伊月社長なら……俺たちをつぶすのも簡単だ。
『フユキくん?』
伊月社長はいつも通り、穏やかな笑顔が見えるような口調で話しかけてくる。
こんなテンションでこんな怖いことを頼める人だ。
マジで逃げだしそうに怖い。
怖いけど……
「俺、友達が困りそうなことは……ちょっと……」
『ん? あぁ、結果的には絶対にアオくんは幸せになるから大丈夫だよ』
「いや、でも……」
『俳優業にはなるべく影響が出ないようにする。そのために週刊誌に頼むんだよ』
さっき言っていた、記者に悪役になってもらうとかそういうやつ?
確かに、熱愛報道が出て、報じた側を悪く言う場合もあるけど……かなり悪い報じ方の場合だよな?
そのために自分の恋人のことをいやらしく記事にさせる?
怖っ。
『これくらいしないと、アオくんが逃げられないヤバイ人がいてね。強引な手ではあるけど、男の恋人がいるとわかれば向こうから離れてくれるだろうし、そうなればアオくんも気持ちの整理がつくと思うんだよね』
逃げられないヤバイ人ってあなたでは? と言いたいけど……は? 波崎くん、この社長以外にもヤバいのに絡まれているのか?
しかも、波崎くんの気持ちの整理?
やっぱり外堀埋めて自分に依存させる方に気持ちを持っていくつもりなんじゃ……?
「……」
たとえ、事情があって波崎くんにプラスになることだったとしても、「波崎くんは知らない」「芸能人の秘密を勝手に公にする」がどうしても納得できない。
だから、本当に護りたいなら……
「波崎くんにそれを説明して、同意を得てすることなら……いくらでも協力します」
俺の落としどころとしてはこれか。
これなら俺の倫理観的にはオッケーだ。
でも……
『うーん……アオくんはまだ、あの人たちへの未練があって、俺を選んでくれないだろうから難しいな。アオくんのそういう一途なところが大好きなんだけどね』
「……?」
未練? 一途?
よくわからないけど、元カレとかそういうことか?
でも、「あの人たち」だから複数?
「……」
伊月社長の言葉がすべて本当だとしても……それ、本当に波崎くんの幸せか?
波崎くんが未練のある誰かとの仲を完全に引き離そうとしているんだよな?
これ、やっぱり俺……
でも、断ると……
『……まぁ、フユキくんには信じてもらえないか。いいよ。忘れて』
「あ、えっと……」
あれ? 意外とアッサリ引いてくれる……けど、これ、俺、切られる……?
やばい。
でも……
えっと……
言葉に詰まっているうちに、電話の向こうで伊月社長がなぜか嬉しそうに笑った。
『ふふっ、フユキくんがここで簡単に頷くような子じゃないってわかったのも、ある意味嬉しいよ』
「嬉しい、ですか?」
『俺と違ってまともで常識のある子が、アオくんの友達でいてくれるのは安心だな』
「え、あ、はぁ……?」
自分がまともじゃなくて非常識という認識はあるんだな、この人……
『でも、そんなフユキくんなら友達が困ったときはフォローしてあげるよね?』
「え、えぇ……」
『それはよろしくね』
「……はい」
俺が返事をすると、通話は終了した。
これ……
記事が出ることは止められないんだろうな。
伊月社長ほどの人なら、ほかの伝手を探すのは簡単だと思う。
俺の力でそれを止めることは……できる気がしないし、なんとかできたとしても俺への影響は?
俺の、大事な仲間への影響は?
「ごめん、波崎くん……俺、中途半端だ。ごめん」
自分の手を汚せない、自分の大事なものを差し出せない、中途半端な友達で、ごめん。
どういう策略かわからないけど、波崎くんに恋人がいること、ゲイであることは報道されてしまう。
せめて……せめて、報道が出たときには全力でフォローしよう。
それが伊月社長の策略だとしても。
一つの番組に同じ事務所から出演できるグループの数は決まっているので、マネージャーや社長は俺たちよりももとから事務所にいたグループを出演させたいんだろうけど……
「……スポンサーの新商品を衣装に取り入れて出演ということになったから」
少しだけ悔しそうな笑顔でそんなことを言われた。
秘書さんの頑張りか、伊月社長の力か……両方か。
ありがたいことに、俺たちが着用したアクセサリーは再販分も完売するほどファンが買ってくれているらしいので……コネではあるけど、きちんと俺たちを使う意味があってほっとしている。
そして、大型の番組に呼ばれて、それなりに結果が出れば他の番組にもグループで呼ばれやすくなって……最近、伊月社長の伝手ではなさそうなグループの仕事も増えてきた。
伊月社長には感謝するしかない。
ただ、俺がしている「仕事」に対してこれは……もらいすぎな気がする。
いつか伊月社長からとんでもない頼みごとをされたらどうしよう。
グループが順調すぎて不安な日々を過ごしていたある日の夜。
自宅でくつろいでいると伊月社長からメッセージではなく着信があった。
『フユキくん、写真週刊誌の記者の伝手、ない?』
「週刊誌? ……動画チャンネルじゃダメなんですか?」
そんな伝手を求められるのは絶対にヤバイ事案だと思って、今までのことに対してカマをかける意味でも「動画」なんて言ってみたけど……伊月社長は悪びれもせずに答えた。
『あぁ、いつものチャンネルを使うと、いかにも俺が手をまわしたってバレバレだから。今回は俺の計画だと思われないようにしたいんだよね。それと、ネタを提供する代わりにできるだけ炎上……記者の方が悪者になってくれるような、融通の利く週刊誌に頼みたいんだ』
「なるほど……」
認めるのかよ!?
今までの……枕営業パーティーも、嶋北さんのセクハラパワハラ告発も、やはりこの人の……って、この言い方、波崎くんにもバレている……つまり、波崎くんも知っていて付き合っているってことだよな?
うわー……やっぱりあれか? 脅して付き合っている感じ?
「伝手は……なくはないですが……どう使うんですか?」
こんなの絶対にヤバイ使い方だろ。
聞いても答えてくれないかもしれないけど、なにも聞かずに協力するのはさすがに怖い。
誰かを陥れたいか、もしくは、より自分から波崎くんが離れないように外堀を埋めるか……
『ん? 俺とアオくんの交際を報道してもらおうと思って』
「……」
そっちか。
報道が出てしまうと別れにくいとか、俳優としての商品価値が下がって、仕事が減って、伊月社長が独占しやすいとか? 俺たちみたいに伊月社長に依存するようになるとか?
「それは、波崎くんは……」
『知らない。俺が勝手にすることだよ』
「……」
やっべぇ……さすがにこれはヤバイ。
この社長、もともと怖かったけど、怖すぎだったけど……怖い以上に理解できない。
「……」
断りたい。
波崎くんとは、伊月社長の指示で仲良くなっただけだし、「普通に友達」という程度ではあるけど、もう友達だ。
あんないい子が……俳優という仕事にまっすぐな子が、ここで道を断たれることがあってはいけない。
というか、俺の倫理観では芸能人の交際を暴露することも、ゲイであることを勝手に暴露することもありえない。無理。最低。
でも……
これ、断ったら俺やグループはどうなる?
仕事をもらえないだけで済めばまだいいけど……伊月社長なら……俺たちをつぶすのも簡単だ。
『フユキくん?』
伊月社長はいつも通り、穏やかな笑顔が見えるような口調で話しかけてくる。
こんなテンションでこんな怖いことを頼める人だ。
マジで逃げだしそうに怖い。
怖いけど……
「俺、友達が困りそうなことは……ちょっと……」
『ん? あぁ、結果的には絶対にアオくんは幸せになるから大丈夫だよ』
「いや、でも……」
『俳優業にはなるべく影響が出ないようにする。そのために週刊誌に頼むんだよ』
さっき言っていた、記者に悪役になってもらうとかそういうやつ?
確かに、熱愛報道が出て、報じた側を悪く言う場合もあるけど……かなり悪い報じ方の場合だよな?
そのために自分の恋人のことをいやらしく記事にさせる?
怖っ。
『これくらいしないと、アオくんが逃げられないヤバイ人がいてね。強引な手ではあるけど、男の恋人がいるとわかれば向こうから離れてくれるだろうし、そうなればアオくんも気持ちの整理がつくと思うんだよね』
逃げられないヤバイ人ってあなたでは? と言いたいけど……は? 波崎くん、この社長以外にもヤバいのに絡まれているのか?
しかも、波崎くんの気持ちの整理?
やっぱり外堀埋めて自分に依存させる方に気持ちを持っていくつもりなんじゃ……?
「……」
たとえ、事情があって波崎くんにプラスになることだったとしても、「波崎くんは知らない」「芸能人の秘密を勝手に公にする」がどうしても納得できない。
だから、本当に護りたいなら……
「波崎くんにそれを説明して、同意を得てすることなら……いくらでも協力します」
俺の落としどころとしてはこれか。
これなら俺の倫理観的にはオッケーだ。
でも……
『うーん……アオくんはまだ、あの人たちへの未練があって、俺を選んでくれないだろうから難しいな。アオくんのそういう一途なところが大好きなんだけどね』
「……?」
未練? 一途?
よくわからないけど、元カレとかそういうことか?
でも、「あの人たち」だから複数?
「……」
伊月社長の言葉がすべて本当だとしても……それ、本当に波崎くんの幸せか?
波崎くんが未練のある誰かとの仲を完全に引き離そうとしているんだよな?
これ、やっぱり俺……
でも、断ると……
『……まぁ、フユキくんには信じてもらえないか。いいよ。忘れて』
「あ、えっと……」
あれ? 意外とアッサリ引いてくれる……けど、これ、俺、切られる……?
やばい。
でも……
えっと……
言葉に詰まっているうちに、電話の向こうで伊月社長がなぜか嬉しそうに笑った。
『ふふっ、フユキくんがここで簡単に頷くような子じゃないってわかったのも、ある意味嬉しいよ』
「嬉しい、ですか?」
『俺と違ってまともで常識のある子が、アオくんの友達でいてくれるのは安心だな』
「え、あ、はぁ……?」
自分がまともじゃなくて非常識という認識はあるんだな、この人……
『でも、そんなフユキくんなら友達が困ったときはフォローしてあげるよね?』
「え、えぇ……」
『それはよろしくね』
「……はい」
俺が返事をすると、通話は終了した。
これ……
記事が出ることは止められないんだろうな。
伊月社長ほどの人なら、ほかの伝手を探すのは簡単だと思う。
俺の力でそれを止めることは……できる気がしないし、なんとかできたとしても俺への影響は?
俺の、大事な仲間への影響は?
「ごめん、波崎くん……俺、中途半端だ。ごめん」
自分の手を汚せない、自分の大事なものを差し出せない、中途半端な友達で、ごめん。
どういう策略かわからないけど、波崎くんに恋人がいること、ゲイであることは報道されてしまう。
せめて……せめて、報道が出たときには全力でフォローしよう。
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