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第48話 近い
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「はい……っん!」
二回目だから挿入はスムーズ。
「はぁ……うわ……」
俺の上で、伊月さんがぎゅっと目を閉じて、耐えるような気持ちよさそうな顔をする。
正直に言うと、ローションをたっぷり足してくれたのもあって「なんか違う」とは思うんだけど、生だから特別に気持ちがいいかはわからない。
わからないけど……
「アオくん……これ、やばい。すごくいい……」
「んっ、ふふっ。伊月さん」
伊月さんは特別気持ちよさそうだし、好きな人とのセックスだから俺だってすごくいい。
今まで、どんな人でも、生でペニスを入れられるなんて絶対に嫌だったのに……伊月さんは嫌じゃない。むしろ、いい。気持ちよさはわからないけど、精神的な多幸感、すごい。
「だめだ。二回目なのに早い。これ、本当だめかも」
「ん、あ! 伊月さ、んっ、あ! いい、ですよ。大丈夫、動いて?」
しかも、伊月さん、そんなにいいんだ?
二回目で中が馴染んでいるというのもあって、性急にペニスが奥へ進む……ん!?
「ン! あ!?」
「はぁ……ごめん、俺……生、初めてだから……ちょっと、ごめん。よすぎっ!」
伊月さんが嬉しいことを言いながら、前立腺の辺りで腰を振る。
普通に、セックスらしく、俺を気持ちよくさせながら自分も気持ちよくなる、いつもの腰振り。
だけど、これ、あれ? え?
「あ、あ、え? あ、い、いつ、き、さ、あ!」
え? あれ? きもち、いい! え? コンドーム無いだけだよね? え?
「はぁ、なんか、すごく、ここ、いつもより……引っかかって、キュウキュウして……」
そう。なんか、コンドームがないと引っかかる? 前立腺に響く? 伊月さんのペニスのくびれ感じる。感じて、締めちゃうから、余計に伊月さんのペニスが引っかかって、形わかって、感じて、え? あれ? これ?
「あ、あ、い、いい、あ、あん!」
「はぁ……ん、アオくんも、いい? 生セックス、気持ちいい?」
「ん、あ、あ、いいぃ! きもちい、あ、いつきさん、いいよ、いつきさん!」
「ん……うわ……アオくん、そんな……!」
……!?
ぎゅって。
伊月さんが思い切り抱きしめながら、思い切り腰を押し付ける。
「……っ!?」
一気に奥まで突きあげられて、最奥に、コンドーム無しで伊月さんの先端が当たる。
深いところで、0.01ミリの壁も無く、深いところに、俺の体の奥に、伊月さん、生で来てる……!
「あ……あ、おく、奥……伊月さん……!」
気持ちいい?
嬉しい?
あれ?
なんか、よく解らないけど……
「はぁ……アオくん、アオくん、奥……アオくんの、お腹の中に、内臓に、精子注ぎたい……!」
「あ……」
射精したいとか、イキたいじゃないんだ。
俺の奥に……子供ができるような場所はないけど、俺に、注ぎたいから、イキたいんだ?
え……うわ……そんなの、そんなの、すっごく嬉しい!
「あ、い、いいよ、俺も、伊月さんの精子、お腹に欲しい。大好きな夫婦の、夫の、精子……出して!」
俺、こんなこと言っちゃうんだ?
やばい。
伊月さんのこと、好きすぎる。
「はぁ……アオくん、アオくん……っ!」
「あ、あ、い、いつき、さん、伊月さん!」
伊月さんが最奥で腰を振る。
気持ちがいいとかより、俺の中に射精したくてたまらない、俺を自分のものにするんだって顔で、腰つきで、すっごく激しく求めてくれる!
「あ、すき、伊月さん、好き。好きな人の精子、ほし、い、あ、あぁ!」
「俺も、すき、好きだよ、アオくん、好き……俺の、受け入れて? 好きだから。俺のこと、全部、受け取って?」
「ん、あ、うん。全部。全部、伊月さん、全部! い、あ、あぁッ!」
すごく激しいし、生で、粘膜がこすれ合うのが、カリの括れがよく解るのが、多分、実際の快感以上に体が喜んじゃって、もう、色々な意味で体が嬉しくて喜んで、やばい。
セックスって気持ちいいものじゃないの?
セックスってこんな……こんなに……
「っ、も、もう……出す、くっ……!」
「あ……!」
あ、幸せ。
奥、伊月さんの精液がじわっと広がって、あつい。幸せ。
「あ、あぁ、あ……!」
幸せだなって思った瞬間、俺もイっちゃって、でも、いつもの射精より、何か……幸せ。
「アオくん……っ、アオくん!」
「うぐっ!?」
射精しながら伊月さんが腰を押し付けて、膝をすくいながら上からプレスするように腰、ペニス、精液を最奥にぐいぐい押し付けてくる。
「はぁ……アオくん……大好きなアオくん……中に、少しでも深いところに……行かせて?」
「あ、う……あ、うん。きてぇ……」
そうか。
これ、種付けプレス。
ちょっとでも繋がって、一つになって、俺、いつきさんのものになるやつ。
「んんんっ!」
あれ? またイった? なんか、さっきから何度もイってる? なんで何度もイけるんだろ?
「ん……はぁ……アオくん、中で、ドライでイってる? 中、すごいよ。すごく気持ちいいよ……!」
「あ……あぁ?」
ドライ?
あれか、出さずにイクやつ?
出さないから、何度も……っ!
「くっ……!」
「あぁ!」
残りを全て出し切るように、伊月さんがパンっと強く奥へねじ込んで……またイった。
ドライなのかなんなのかわからないけど、すごく気持ちよくて、幸せで……
「いつき……さ……ん……」
セックスの後、「気持ちいい」よりも「幸せ」を強く感じながら気を失うなんて初めてだった。
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