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第25話 上手い

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「ん! ……あ……あ、ん?」
 
 遠野さんと話をした三日後の夜。伊月さんの家に行って、手料理を振る舞われて、一緒に俺が出ているドラマを観て……久しぶりにセックスをした。

「ん! んん……っ!」

 忙しくて、体調を崩して、一ヶ月半ぶり?
 その間、一人で後ろを弄ることもなかったから物理的にキツそうだし、久しぶりだから伊月さんもがっついてくるだろうからキツそうだしって覚悟したセックスだったのに……

「ここ、いい?」
「ん、うん……そこ……きもち、いいです……」

 いつも一気に奥までペニスを埋めるのに。
 今日は前立腺で止まって、先端で、括れで、そこを突いたり引っ掛けたり丁寧に刺激して、俺の性感を高めてくれる。

「ん、あ……あ、いい……あ、伊月、さぁん……」

 あー……いい。
 これ、いい。
 俺らしい、ちょっとかわいい爽やかイケメンらしい色っぽい顔で、喘ぎ声で、気持ち良くなりながらも余裕をもって伊月さんに媚びられる。

「アオくん……エッチな顔、かわいい。もっと見せて?」
「あ! あ、ん……あ……はぁ……ん」

 しばらく前立腺を責められて、時々乳首やペニスも愛撫してくれて、息が苦しくない程度のキスもしてくれる。
 セックスらしくていい。
 でも、なんで急に上手くなったんだろう?
 童貞卒業してもう十回目くらい? 余裕が出てきたのかもしれないけど……それにしても……?

「アオくん、そろそろ、奥もいい?」
 
 いつもは勝手に奥まで進むのに。

「ん、はい……きて、伊月さん」
「……うん。いくよ」

 ちゃんと快感でアナルが蕩けてから奥に来てくれるのが嬉しくて、ついつい快感で蕩けた顔の口角を上げると、伊月さんは一瞬驚いた顔をした後、特別に嬉しそうに笑って腰を進めた。

「あ、う! あ、伊月さ、ん……っ、ん!」

 ゆっくり奥を開かれて……結腸までしっかり、大きなペニスが埋まる。
 あー……ほら。とろとろに溶けてから開かれると、結腸も最初から気持ちいい!

「ん……あ、すごい……きもち、い……」
「いい? 奥だけど、苦しくない?」
「ん、あ、いい、あ! 奥、きもち……あぁ!」

 奥で、馴染ませるように小刻みに腰を振ってくれる。
 んんんんん! これいい!
 ちょっとずつ最奥が開いて、じわじわ快感が高まっていく。

「そっか……これがよかったんだ? 嬉しいな。アオくんが喜ぶことしてあげられて嬉しい。それに……」

 伊月さんは額に汗を浮かべながら満足そうに微笑む。
 余裕があるのかないのかよくわからないな。

「アオくんのいつもの翻弄されちゃっている必死で余裕のないイキ顔もかわいいけど……甘くとろとろに蕩けちゃう顔もすごくかわいい。気持ちいいことだけになっちゃって本気で感じるアオくんってこんなにかわいいんだ?」
「あ? あ、あんっ……あ!」

 奥、ゆっくりこねるように腰使われて……ねっとりペニス扱かれて、乳首にキスされて、舌が絡んで……うわ……うわぁ……!

「あ、あん……あ、い、いつきさん……あ、きもち、きもちい、イっちゃ……!」
「イっちゃう? じゃあ、俺も……ちょっとだけ激しくしていい?」
「ん、いい、いいよ。伊月さんの、イクやつ……」

 激しく。
 普段なら苦しいけど、これだけとろとろにされた状態で激しくされるのは……多分イイ。

「ん、アオくん……っ、ふ!」
「あ、あ、あ、ッ、あ、ふっ、あ、あぁぁ!」

 とろとろになった中を伊月さんの大きなペニスが激しく突き上げる。
 これはいつものセックス。いつもの、童貞卒業したばかりの激しい容赦ない腰振り。
 でも……でも……中、とろとろだと、これぇ……!

「あ、いい、あ、あい、いつ、きさ、あ! あぁ!」
「はぁ、くっ……アオ、くん……アオくん、かわいい……すごく、かわいい、アオくん!」

 気持ちよくてアナルが伊月さんに媚びる。キュンキュンする。
 自分から抱き着く余裕もある。
 伊月さんもなんかすごく嬉しそう。
 そして、何より……

 最高に気持ちいい。

「あ、あ、イ、っ、い、く……あ、も、きもち、い、いく、あ、ッン!」
「くっ……ッ!」

 伊月さんに抱き着いて、擦り寄って、アナルキュンキュンさせて、めちゃくちゃ媚びながら快感を貪って射精した。
 射精している間も少し伊月さんは腰を振ってくれて、気持ちよくて、射精長くて、あ、伊月さんもイった?
 奥、腰が止まって、ぐりぐりして……押し付けられながら伊月さんの体が何度か跳ねた。

 あー……すごく気持ちいいのに伊月さんの射精を感じる余裕がある。
 コンドーム越しだけど、俺で射精しているびくびくするペニス、なんか……いい。

「ん……ん、伊月さん……」

 射精後に、汗ばんだ首筋に頬を摺り寄せて、耳元にキスをして、気持ちよくしてくれたお礼をする余裕もある。
 俺、こういうセックスの方が好き。

「ふぅ……アオくん……」

 俺がキスをすると伊月さんもすごく嬉しそうに頭を撫でてくれる。
 射精の余韻をしっかり味わえる。
 最高。
 でも……なんで?
 セックス中は「気持ちいい」に負けて、思考が追い付かなかったけど、射精して、快感が引いて、頭が冴えてくると……なんで?
 脱童貞したてで、俺が激しく求められるセックスが好きだって勘違いしていた伊月さんが急にこんなセックス……
 
「……あ」

 もしかして、三日前の、遠野さんとの会話?
 あの時、俺が激しすぎて困るって……遠野さんが、「アオはテクありのねっとりセックスが好き」とか言って……事務所の社用車だったけど、盗聴……?
 いや、さすがにそれは……ない、はず。
 あれだ! きっと、遠野さんが気を利かせて、こっそり伊月さんに言ってくれたんだ!
 絶対そう! そう……思いたい。
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