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第5話 枕営業/本番(3)
しおりを挟む「うっ……はは、中締まった。アオくん、さっきのおねだりも上手だったよね? エッチだなぁ……童貞のチンポでも欲しがってくれるんだ?」
「あ、ちが……あ、あぁ!」
逃げようと少し腰をよじった瞬間に、反射的に中を締め付けてしまっただけで、そういうことじゃない。
でも、反論しようにも、逃げようにも、伊月さんはもう腰を振り始めて……え? あ、これ、ちょっと、やばい。これ!
「はぁ、アオくん……すごい、中……はぁ……きもちいい!」
「あ、ま、まって、はげし、あ、いや、あ、あぅ、ぐ!」
最奥まで埋まった大きなペニスが遠慮なく俺の中を突き上げる。
話している間に多少は馴染んだけど、まだ苦しいのに、遠慮なく、ガンガン、深く、勢いよく……!
「激しい? でも、言ったよね? 煽られたら理性無くしちゃうって?」
「う、うぅ、あ、でも、あ、や、はげし、はげしい……!」
「うん。激しいね? 激しく求めてくれるの、嬉しんでしょう?」
言ったけど!
でもそれは、そうじゃなくて……その……だから……!
「う、うぅ……」
苦しい、怖い、苦しい。怖い。
今までの相手は、みんな遊び慣れた大人で、「こんな人気者が抱けることがステータス」とか「壊すのはマズイおもちゃ」くらいには思ってくれていた。自分勝手なセックスや多少変態じみたプレイをする人はいても、「気持ち悪い」「ちょっと痛い」だけで「怖い」は無かった。
どうしよう。
どうすればいい?
冷静に考えたいのに、下半身からの刺激が強くて、思考がまとまらない。
胸板を押してみるけど、強張った体は力が入らなくて、そもそも体格差があって、俺の顔を至近距離で観ようと体重を掛けてくる伊月さんの力の方が強い。
されるがままに受け入れるしかない。
「あー……本当、最高。セックスってこんなに気持ちいいんだ? ね、キスもしていい? 恋人同士らしいエッチなキスしよう?」
だから恋人じゃない! ……っと、返事をする前に唇をふさがれる。
「う、ぐ……う……!」
貪るようなめちゃくちゃなキス。
唇も、舌も、最初から深くて、恋人らしいとか言いながら甘ったるいいやらしいキスじゃない。
童貞の、手加減を知らないキス。
舌が深く入ってえずく。息継ぎのタイミングが解っていないから酸欠。
苦しい。
その間も結合部はガンガン深く突かれて、苦しい。
頭がボーっとする。
何も考えられない。
体の力も抜ける。
抜けて、強張っていた、力が抜けて……体が、もう抵抗するよりも受け入れた方が苦しくないと気づいてしまった。
「ふ、ん……!」
力が抜けると、受け入れると、元々弱い結腸が開いて、悦んで伊月さんを受け入れてしまう。
「はぁ……あぁ、キス、気持ち良かった? 中も、顔も、とろとろだね、アオくん」
童貞の癖にちゃんと気づくのか……だめだ、調子に乗らせた。
もう、俺……ここからは、俺……
「本当に激しいのが好きなんだ? かわいいなぁ」
伊月さんが何度も、何度も、顔の角度を変えてキスをする。
キスをしながら、嬉しそうに奥ばかり突いて……
「いっぱい、してあげるからね?」
「あ、アァッ!」
すごい。
ピストン、すごい。
すごいけど、絶対に上手くはないはずなのに!
童貞が興奮しきってむちゃくちゃに腰振っているだけのはずなのに!
「あ? あ、あ! あぁ! あ!?」
「ははっ、童貞の鬼ピストンで感じちゃう? あぁ本当、かわいいなぁ。かわいい、アオくん」
枕営業ですっかり、最奥まで開発されて、どんなセックスでも喜べる体になってしまった俺は、これ、こんなの、くやしいけど、くやしい、けど……!
今までの誰よりも遠慮なく俺に踏み込んでくる腰振りが、ペニスが、強すぎる刺激が……気持ちいい!
「あ、あん、おく、だめ、きもち、だめ、よすぎ、つよい、だめ、だめだめ!」
「俺の童貞チンポでちゃんと気持ちいいんだ? 嬉しいよ。エッチなアオくんもかわいい。大好き。アオくん。大好きだよ。好き……好き、アオくん!」
また何度もキスされて、酸欠状態で体の力が抜けて、胸板を押していた手ももう力が入らない。
体の力が抜けると、中が緩んで更に深く咥え込んでしまう。
気持ちも、緩んで、枕営業とか、演技とか、立場とか、もう、考えられなくて、ただただ強すぎる快感を受け入れるしかなくて……。
「あ、あ、や、も、もう……い、あ、アァ!」
イった……と思う。大きな快感の波にぐわっと乗せられた気がする。
普段の射精ならこの後波は引いていく。
少し冷静になれる。
はずなのに。
「うわ……うっわ! アオくんイった? 俺でイった? えぇ……嬉しい、いや、感動……しかも……」
快感が引きかけた瞬間……
「顔、エロ過ぎるよ。童貞には刺激強すぎ」
伊月さんが舌なめずりをして、少しゆるくなっていたピストンがまた強く……え? え? あ、ちょっと、え? えぇ!?
「はぁ……ふっ、く……あぁ、アオくん、アオくん!」
快感が引ききらないうちに、先ほどイかされたよりも激しいピストンが始まる。
「あ、あぁ、や、あ、まっ、あ!」
童貞の無駄にデカいペニスで、手加減なしの激しすぎるピストン。入り口も、前立腺も、結腸もその先もガンガン擦られて突き上げられて、全身が震える。
痛い、苦しい……気持ちいい!
気持ちよすぎて苦しいし、苦しすぎて気持ちいいし、もう、ぜんぶ、なに? なにこれ?
激しすぎて、むちゃくちゃで、もうよくわからなくて……
「はぁ、アオくん、好き……はぁ、アオくん……ふっ……好きだよ、好き。俺、イくよ、アオくんの中で、もう!」
一層強くなったピストンに、快感が引ききらないうちに上書きされる刺激に、もう、演技ができないどころか、意識も、もう……もう……
「はぁ……アオくん、ずっと、ずっと欲しかった。離さない。もうアオくんは俺のものだから……絶対に俺が一生幸せにするから……」
呻くような言葉は耳には入っていたけど……意味を理解する気力は無かったし、理解しようという気にもなれなかった。
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