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【後日談】
俺だって溺愛したい【6】
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「……!」
後ろで、浅野さんが腰の辺りをもぞもぞさせているなと思った後、二人分の服越しに、俺のお尻の割れ目の部分に浅野さんの昂ったものがぴったりと当たった。
「……ぁ」
や、やばい。
後ろからソレを押し当てられることなんて何度もあったのに。
今は、やばい。
だって、俺はもう、それがそこに……今、ぐりぐり押し当てられているお尻の中に、入ってくる気持ちよさを知ってしまっていて……だから……。
やばい。押し当てられるの、めちゃくちゃ興奮する。
「ふっ……」
電車の揺れに合わせて、浅野さんがセックスの時みたいに腰をぐっぐっと押し付けてくる。
耳元にかかる息もあつい。
やばい。これ、やばい。
体震える。ゾクゾクする。
俺の、触っていないのに、ちょっと勃ったどころじゃない。完全に……え? これ、下手したら、このまま出るんじゃ……?
直接触られてもいないのに?
電車の中なのに?
だめだ。流石にだめだ!
「ん……んっ!」
乳首に触れていた浅野さんの腕を掴んで、微かに顔を横に振ると、浅野さんはすぐにそこから指を離してくれ、腰の動きも止まった。
……まぁ、当たってるけど。
「すみません」
耳元で、優しい声で囁かれる。
もういつも通りだ。
優しく、でもしっかり体を支えられるだけ。
まだ強張っている俺の体をあやすように、ぽんぽんと肩や頭を撫でてくれるだけ。
落ち着く、癒されるいつものやつ……なのに。
「んっ……」
一度入ってしまった興奮のスイッチは、なかなか切り替えることができない。
抱きしめられているだけでドキドキする。
動かずに当たっているだけで欲しくなる。
頭の中が、浅野さんでいっぱいになる。
同じことをされているはずなのに、恋人になる前と、恋人になってからでは全然違う。
離れないと……と思っても、しっかり抱きしめられているし、体の力は抜けているし、そもそも満員電車で逃げ場はない。
このまま駅で降りて……改札まで歩ける気がしない。
やばい。どうしよう……。
――次は、終点……
あ、最寄り駅に着く。
目の前のドアが開くし、降りないと。
でも、この……スーツの前が思い切り盛り上がった状態で……? 鞄もないし……ジャケット脱いで持つとか? いや、力抜けているし狭いし降りるまでにそれができるとも思えない。
どうしよう。
後ろの浅野さんだって……これ、多分一番大きくなっている状態で……。
「桜田さん、着いたら肩かしますから」
「え?」
焦っているうちに電車が駅について、ドアが開く。
終着駅だから降りる人の数が多く、押し流されるように慌ててホームに降りて……浅野さんが宣言通り肩を組んで俺を支えてくれた。
「大丈夫ですか? 向こうにトイレがあるので、そこまで我慢してください」
「あ……はい」
本当に心配そうに、しっかりと俺を支えながら歩いてくれる浅野さんは、一〇センチ低い俺に合わせているから前かがみになっていて……うん。これ、「酔った俺を介抱している」ように見えるし、二人とも前かがみで股間が誤魔化せるし、力の入っていない俺を支えてもらえるし、ちょうどいい。
ちょうどいいけど……。
「浅野さん……」
「はい?」
至近距離で浅野さんが俺の顔を心配そうに見る。
そう。
距離が近い。体の左側はべったりとくっついている。
だから……つまり……。
「あんまり、我慢できない、です」
「……っ!」
俺の訴えに浅野さんが心配そうな顔を強張らせながらごくりと喉仏を大きく動かして唾を飲んだ。
「あ、じゃあ、早く……」
もうなりふり構っていられず、二人で駅の奥まった場所にあるトイレに駆け込んだ。
後ろで、浅野さんが腰の辺りをもぞもぞさせているなと思った後、二人分の服越しに、俺のお尻の割れ目の部分に浅野さんの昂ったものがぴったりと当たった。
「……ぁ」
や、やばい。
後ろからソレを押し当てられることなんて何度もあったのに。
今は、やばい。
だって、俺はもう、それがそこに……今、ぐりぐり押し当てられているお尻の中に、入ってくる気持ちよさを知ってしまっていて……だから……。
やばい。押し当てられるの、めちゃくちゃ興奮する。
「ふっ……」
電車の揺れに合わせて、浅野さんがセックスの時みたいに腰をぐっぐっと押し付けてくる。
耳元にかかる息もあつい。
やばい。これ、やばい。
体震える。ゾクゾクする。
俺の、触っていないのに、ちょっと勃ったどころじゃない。完全に……え? これ、下手したら、このまま出るんじゃ……?
直接触られてもいないのに?
電車の中なのに?
だめだ。流石にだめだ!
「ん……んっ!」
乳首に触れていた浅野さんの腕を掴んで、微かに顔を横に振ると、浅野さんはすぐにそこから指を離してくれ、腰の動きも止まった。
……まぁ、当たってるけど。
「すみません」
耳元で、優しい声で囁かれる。
もういつも通りだ。
優しく、でもしっかり体を支えられるだけ。
まだ強張っている俺の体をあやすように、ぽんぽんと肩や頭を撫でてくれるだけ。
落ち着く、癒されるいつものやつ……なのに。
「んっ……」
一度入ってしまった興奮のスイッチは、なかなか切り替えることができない。
抱きしめられているだけでドキドキする。
動かずに当たっているだけで欲しくなる。
頭の中が、浅野さんでいっぱいになる。
同じことをされているはずなのに、恋人になる前と、恋人になってからでは全然違う。
離れないと……と思っても、しっかり抱きしめられているし、体の力は抜けているし、そもそも満員電車で逃げ場はない。
このまま駅で降りて……改札まで歩ける気がしない。
やばい。どうしよう……。
――次は、終点……
あ、最寄り駅に着く。
目の前のドアが開くし、降りないと。
でも、この……スーツの前が思い切り盛り上がった状態で……? 鞄もないし……ジャケット脱いで持つとか? いや、力抜けているし狭いし降りるまでにそれができるとも思えない。
どうしよう。
後ろの浅野さんだって……これ、多分一番大きくなっている状態で……。
「桜田さん、着いたら肩かしますから」
「え?」
焦っているうちに電車が駅について、ドアが開く。
終着駅だから降りる人の数が多く、押し流されるように慌ててホームに降りて……浅野さんが宣言通り肩を組んで俺を支えてくれた。
「大丈夫ですか? 向こうにトイレがあるので、そこまで我慢してください」
「あ……はい」
本当に心配そうに、しっかりと俺を支えながら歩いてくれる浅野さんは、一〇センチ低い俺に合わせているから前かがみになっていて……うん。これ、「酔った俺を介抱している」ように見えるし、二人とも前かがみで股間が誤魔化せるし、力の入っていない俺を支えてもらえるし、ちょうどいい。
ちょうどいいけど……。
「浅野さん……」
「はい?」
至近距離で浅野さんが俺の顔を心配そうに見る。
そう。
距離が近い。体の左側はべったりとくっついている。
だから……つまり……。
「あんまり、我慢できない、です」
「……っ!」
俺の訴えに浅野さんが心配そうな顔を強張らせながらごくりと喉仏を大きく動かして唾を飲んだ。
「あ、じゃあ、早く……」
もうなりふり構っていられず、二人で駅の奥まった場所にあるトイレに駆け込んだ。
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