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第9章 その後の世界 / 新しい仲間と遊びの話
お泊り会(2)
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「「ライト様の手作りですか!?」」
「うん。そうだよ。大事なお友達だから自分でおもてなししたくて」
二人とも、大きな目を一層大きく見開いて……よくわかんないけど反応はかわいい。
「ペット様自ら厨房に?」
「ま、魔王様じゃなくても作っていただけるのですか!?」
あぁ、そこか。
言われてみれば歴代のペットちゃんたちはこの部屋から出たことがなくて、料理なんてしてこなかったと思うけど。
「ミチュチュちゃんたちはお料理しない?」
「それは……僕たちはお城のペットではないですし、ハレアザート様の方針として生活能力を磨くように言われていますから……」
「パンケーキや肉を焼くくらいはできますけど……」
ギルドマスターさんはそうだよね。かわいがるだけじゃなくて、きちんと育てて将来困らないようにしてあげるかわいがり方……お父さん的な?
二人にとってはそれが当たり前だと思うのに、こんなに驚くってことは、ギルドマスターさんのようなかわいがり方って本当に少数なんだな。いいと思うのに。
「ライト様には驚かされることばかりです」
「お城のペット様が……いや、お城に限らず、ペットが家事をするなんて……」
まぁ、この世界で人間はペットなんだからそうか。
元の世界の感覚なら、飼っている猫ちゃんが家事をするなんてありえないよね?
そもそも、家事をしなくていいならラッキーだしね? 普通はしないか。
「普段はしないよ? 特別な時だけ。ほら、導王様のところのオファちゃんも最近、料理にハマっているし」
「あぁ、あれですよね? トンコツメン?」
「そうそう。俺も時々食べさせてもらうけど、すっごくおいしいよ!」
「はい! 僕も先日、商談でうかがった際にいただきましたが……美味しくて夢に見ます」
ミチュチュちゃんがうっとりと瞼を閉じる。
トンコツメン……元の世界の「豚骨ラーメン」風のものだ。こってり濃厚でこの世界にはない美味しさだよね。
「あの料理は、もともとはライト様の世界のものですよね?」
「うん。そうだよ」
導王の国の王様、導王様のペットのオファちゃんは、四年くらい前に大けがをして、その治療のために俺と一緒に元の世界に行ったんだけど……
オファちゃんがさ、なにを食べさせてもすごくいい反応するからつい。
ついつい、俺や弟が美味しいものをたくさん食べさせちゃって……
かわいそうなことしたなぁ……って反省した。
俺はね、いいんだよ?
人生で美味しいものは十分食べてきたから。
でもオファちゃんは……
――ライト様の世界で食べた奇跡のような食べ物の数々、忘れられません!
この世界に戻ってから、もう食べられないラーメンや回転寿司、カップ焼きそば、コーラ、コンビニのおにぎりの話を何度されたか。食べられないことがどれほど悔しそうだったか。
本当に申し訳なかった。
申し訳なかったんだけど……
オファちゃんって俺が思っていたよりも勉強熱心で根性のある子だった。
俺が持ち帰らせてあげた書籍で勉強して、自力で再現しちゃったんだよね。
「導王の国のレストランでも食べられるようになりましたし、東の国にも卸してもらえないか交渉しているんですがなかなか……はぁ、思い出したらまた食べたくなってきました」
そうそう、お店のラーメンはオファちゃんが作っているわけではないけど、監修頑張ったって言ってたな。
レシピは門外不出らしいし、元の世界の有名ラーメン店みたいだ。
「あの……」
「ん?」
うっとりしているミチュチュちゃんの横で、イユリちゃんがなぜか神妙な顔になっていた。
「ライト様は、あのお料理がオファ様のものになってしまっていいんですか? 権利というか……」
権利? 商工ギルドの人間だからそういうところが気になっちゃうのかな?
「うん。そうだよ。大事なお友達だから自分でおもてなししたくて」
二人とも、大きな目を一層大きく見開いて……よくわかんないけど反応はかわいい。
「ペット様自ら厨房に?」
「ま、魔王様じゃなくても作っていただけるのですか!?」
あぁ、そこか。
言われてみれば歴代のペットちゃんたちはこの部屋から出たことがなくて、料理なんてしてこなかったと思うけど。
「ミチュチュちゃんたちはお料理しない?」
「それは……僕たちはお城のペットではないですし、ハレアザート様の方針として生活能力を磨くように言われていますから……」
「パンケーキや肉を焼くくらいはできますけど……」
ギルドマスターさんはそうだよね。かわいがるだけじゃなくて、きちんと育てて将来困らないようにしてあげるかわいがり方……お父さん的な?
二人にとってはそれが当たり前だと思うのに、こんなに驚くってことは、ギルドマスターさんのようなかわいがり方って本当に少数なんだな。いいと思うのに。
「ライト様には驚かされることばかりです」
「お城のペット様が……いや、お城に限らず、ペットが家事をするなんて……」
まぁ、この世界で人間はペットなんだからそうか。
元の世界の感覚なら、飼っている猫ちゃんが家事をするなんてありえないよね?
そもそも、家事をしなくていいならラッキーだしね? 普通はしないか。
「普段はしないよ? 特別な時だけ。ほら、導王様のところのオファちゃんも最近、料理にハマっているし」
「あぁ、あれですよね? トンコツメン?」
「そうそう。俺も時々食べさせてもらうけど、すっごくおいしいよ!」
「はい! 僕も先日、商談でうかがった際にいただきましたが……美味しくて夢に見ます」
ミチュチュちゃんがうっとりと瞼を閉じる。
トンコツメン……元の世界の「豚骨ラーメン」風のものだ。こってり濃厚でこの世界にはない美味しさだよね。
「あの料理は、もともとはライト様の世界のものですよね?」
「うん。そうだよ」
導王の国の王様、導王様のペットのオファちゃんは、四年くらい前に大けがをして、その治療のために俺と一緒に元の世界に行ったんだけど……
オファちゃんがさ、なにを食べさせてもすごくいい反応するからつい。
ついつい、俺や弟が美味しいものをたくさん食べさせちゃって……
かわいそうなことしたなぁ……って反省した。
俺はね、いいんだよ?
人生で美味しいものは十分食べてきたから。
でもオファちゃんは……
――ライト様の世界で食べた奇跡のような食べ物の数々、忘れられません!
この世界に戻ってから、もう食べられないラーメンや回転寿司、カップ焼きそば、コーラ、コンビニのおにぎりの話を何度されたか。食べられないことがどれほど悔しそうだったか。
本当に申し訳なかった。
申し訳なかったんだけど……
オファちゃんって俺が思っていたよりも勉強熱心で根性のある子だった。
俺が持ち帰らせてあげた書籍で勉強して、自力で再現しちゃったんだよね。
「導王の国のレストランでも食べられるようになりましたし、東の国にも卸してもらえないか交渉しているんですがなかなか……はぁ、思い出したらまた食べたくなってきました」
そうそう、お店のラーメンはオファちゃんが作っているわけではないけど、監修頑張ったって言ってたな。
レシピは門外不出らしいし、元の世界の有名ラーメン店みたいだ。
「あの……」
「ん?」
うっとりしているミチュチュちゃんの横で、イユリちゃんがなぜか神妙な顔になっていた。
「ライト様は、あのお料理がオファ様のものになってしまっていいんですか? 権利というか……」
権利? 商工ギルドの人間だからそういうところが気になっちゃうのかな?
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