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番外編3 一番の●●
報告(3)
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「こっちでは充電……この板を動かす燃料を補給できないから、そろそろいい? まだこれで、しないといけないこともあるし」
「あぁ、ありがとう。もう、充分だ」
本当はまだまだ、あと何百回だって、オファが帰ってくるまで見せてもらいたいが。
「この板はもうすぐ燃料が切れるし渡せないけど……これはあげる。ずっと持っていていいよ」
「……これは、絵……か?」
今度はライト様が、掌くらいの大きさの紙を差し出してくれた。
そこには今にも動き出しそうなオファの絵が描かれていた。
先ほどのベッドの上で、服装も同じだ。
「観たままの風景を絵にしたようなものかな……まぁ、絵と思っておいて」
笑顔や、照れた顔、横顔……五枚もある。
まさか、こんなものがもらえるとは思わなかった。
ただ単に「調子はこう、いつ帰れる」という報告を聞くだけだと思った。
ライト様は……お優しい方だと思っていたが、こんな……こんなにも……。
「あぁ……わかった。ありがとう、ライト様。オファの治療の手配だけでなく、オファの心や、私の心にも寄り添ってくださって……なんと礼を言えば良いかわからない……ライト様は、本当にお優しい……!」
素直に頭を下げたが、ライト様は魔王の首に抱き着きながら首を傾げてしまう。
「んー……引き受けたからには、中途半端にしたくないし……魔王さんに頼まれたことだし」
「え?」
「あ、ラ、ライト!」
「あれ? 言っちゃだめだった?」
ライト様を膝に乗せたまま、魔王が思い切り慌てて……え?
そうなのか?
てっきり、お優しいライト様が、最初に提案されたのかと思っていた。
「魔王、お前……自分からライト様と長期間離れるような提案を……?」
「あ……そ、……まぁ」
魔王が口ごもってしまうが、ライト様は笑顔で続ける。
「導王様のところから連絡来てすぐ、俺に『ライトの力でなんとか救ってやれないか!?』って聞いてきたよね?」
「……」
魔王が気まずそうに視線を逸らす。
「導王様、俺のこと優しいって言ってくれているのに幻滅させちゃうかもしれないけど、俺は反対したんだよ? 一人をこのやり方で助けたら、今後同じように助けてって言う人が沢山出てくるかもしれない。その人たち全員を異世界に送るのは難しいと思う。だから……一人も送らない方が良いって、俺は言ったんだ」
「……いや、ライト様の言うことは正しい。秩序が保てなくなる」
私も、自分に関係がなければそう言うと思う。
おそらく、一番が生きていれば一番も。
「でも、魔王さんがね……『導王が、嫌っている俺に頼るなんてよほどのことだ。友だちだから、どうしても助けてやりたい。今後については俺が必ず考える』って」
魔王……?
「友だち思いの魔王さん、すっごく優しくてかっこよくて素敵だなって思っちゃった! だから俺も頑張らないとね?」
「素敵……と思ってくれたのか?」
「うん。俺、魔王さんのそういう優しいところ大好き」
「あ、そ、そうか……」
照れた魔王とライト様が目の前で頬にキスをしあってイチャイチャする姿は、腹立たしくも羨ましくもあったが……久しぶりに声を漏らして笑ってしまった。
「ふふっ……そうか……」
なぁ、一番。遅くなってすまない。
流石に私も認める。
国民だけでなく私まで、ここまでしてもらったんだ。認めないといけない。
無茶をして、周りを巻き込んで、周りがついて来てくれて……そうして奇跡が起こるのだと、自分の国の戦後復興でも身に沁みてはいたが……。
魔王は、こんなにもアッサリとそれをしてしまうんだな。できてしまうんだな。
魔王の国の王は……お前よりもお前の大事な弟の方がふさわしいな。
「あぁ、ありがとう。もう、充分だ」
本当はまだまだ、あと何百回だって、オファが帰ってくるまで見せてもらいたいが。
「この板はもうすぐ燃料が切れるし渡せないけど……これはあげる。ずっと持っていていいよ」
「……これは、絵……か?」
今度はライト様が、掌くらいの大きさの紙を差し出してくれた。
そこには今にも動き出しそうなオファの絵が描かれていた。
先ほどのベッドの上で、服装も同じだ。
「観たままの風景を絵にしたようなものかな……まぁ、絵と思っておいて」
笑顔や、照れた顔、横顔……五枚もある。
まさか、こんなものがもらえるとは思わなかった。
ただ単に「調子はこう、いつ帰れる」という報告を聞くだけだと思った。
ライト様は……お優しい方だと思っていたが、こんな……こんなにも……。
「あぁ……わかった。ありがとう、ライト様。オファの治療の手配だけでなく、オファの心や、私の心にも寄り添ってくださって……なんと礼を言えば良いかわからない……ライト様は、本当にお優しい……!」
素直に頭を下げたが、ライト様は魔王の首に抱き着きながら首を傾げてしまう。
「んー……引き受けたからには、中途半端にしたくないし……魔王さんに頼まれたことだし」
「え?」
「あ、ラ、ライト!」
「あれ? 言っちゃだめだった?」
ライト様を膝に乗せたまま、魔王が思い切り慌てて……え?
そうなのか?
てっきり、お優しいライト様が、最初に提案されたのかと思っていた。
「魔王、お前……自分からライト様と長期間離れるような提案を……?」
「あ……そ、……まぁ」
魔王が口ごもってしまうが、ライト様は笑顔で続ける。
「導王様のところから連絡来てすぐ、俺に『ライトの力でなんとか救ってやれないか!?』って聞いてきたよね?」
「……」
魔王が気まずそうに視線を逸らす。
「導王様、俺のこと優しいって言ってくれているのに幻滅させちゃうかもしれないけど、俺は反対したんだよ? 一人をこのやり方で助けたら、今後同じように助けてって言う人が沢山出てくるかもしれない。その人たち全員を異世界に送るのは難しいと思う。だから……一人も送らない方が良いって、俺は言ったんだ」
「……いや、ライト様の言うことは正しい。秩序が保てなくなる」
私も、自分に関係がなければそう言うと思う。
おそらく、一番が生きていれば一番も。
「でも、魔王さんがね……『導王が、嫌っている俺に頼るなんてよほどのことだ。友だちだから、どうしても助けてやりたい。今後については俺が必ず考える』って」
魔王……?
「友だち思いの魔王さん、すっごく優しくてかっこよくて素敵だなって思っちゃった! だから俺も頑張らないとね?」
「素敵……と思ってくれたのか?」
「うん。俺、魔王さんのそういう優しいところ大好き」
「あ、そ、そうか……」
照れた魔王とライト様が目の前で頬にキスをしあってイチャイチャする姿は、腹立たしくも羨ましくもあったが……久しぶりに声を漏らして笑ってしまった。
「ふふっ……そうか……」
なぁ、一番。遅くなってすまない。
流石に私も認める。
国民だけでなく私まで、ここまでしてもらったんだ。認めないといけない。
無茶をして、周りを巻き込んで、周りがついて来てくれて……そうして奇跡が起こるのだと、自分の国の戦後復興でも身に沁みてはいたが……。
魔王は、こんなにもアッサリとそれをしてしまうんだな。できてしまうんだな。
魔王の国の王は……お前よりもお前の大事な弟の方がふさわしいな。
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