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番外編3 一番の●●
関係?(2)
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「……なぁ、導王。これはまだ、ライトにも言っていないのだが……聞いてくれるか?」
ん? ライト様に言っていないのに?
「……勝手に言え」
内心とても気になるがそっけなく返事をすると、魔王は少し呼吸を整えて……決意のこもった声で話し出した。
「俺は、ライトのことを愛しい伴侶とも、子どもともペットとも思っている」
「……はぁ? 伴侶? 子ども?」
ペットは解るが……伴侶や子どもは、黒髪の王として絶対になれない関係だ。
何、馬鹿なことを言っているんだ?
「思っているだけだ。公言はできない。正式にそうなってもらえるわけでもない。だが……俺の中でのライトは、伴侶で、子どもで、ペットなんだ。一つの愛ではない、色々な愛をくれる、色々な愛し方をさせてくれる、俺が持つすべての愛を向けられる大事な大事な存在なんだ」
「……」
黒髪が家族を持てないと言っても、思うだけなら勝手だが……人間を伴侶? 子ども?
ライト様が特別なのは解るし、私だってファンだ。かわいいと……愛していると言っても良い。
しかし、人間だぞ?
魔法の使えない、守ってやるべきか弱い種族だろう?
かわいいから、かわいがる。
伴侶のように横に立ってもらうわけでも、子どものように育てていくわけでもない。
ただただ「かわいがる」存在だ。
「お前はどうだ?」
「え?」
「オファ様のこと、愛しているのだろう?」
「もちろん。オファはとてもかわいい。愛している」
「どういう愛なんだ?」
「……大事な大事なペットだ」
当然だろう? オファはかわいい人間なのだから。
かわいがるための存在なのだから。
ペットとして、深く愛している。
だが……
「とても、大きな愛に見えるが?」
「……」
私は、伴侶も子どもも作れない。作ったこともない。
子どもを愛する気持ちは、先代の導王様との関係で多少解るつもりだが、伴侶や恋人に対しての愛は……良く解らない。
ペットに対する愛と、どのように違うのか。
解らない。
◆
「やっとゆっくりできるな、オファ」
「はい!」
やっと魔王の魔力が戻って、城を出て行った。
三日ほどは付きっきりで魔力を付与してやって、後の七日ほどは体内の魔力精製を促進する魔法陣と医療魔法で面倒を見てやった。
付きっきりの間は仕事も趣味の研究も滞って、私の手を離れた後は溜まった仕事に忙しくて、なかなかオファとゆっくりする時間が取れなかったので、今夜は約一〇日ぶりの二人の時間だ。
もう風呂も済ませて、部屋着どころか二人とも寝間着で、オファはいつも結っている髪を降ろしていて……少しだらしないがベッドに座ってワインを傾ける。
「そうだ、導王様に届いたお手紙も読んでいいですか?」
「あぁ」
魔王の世話は面倒ではあったが、恩を売れたこと、ライト様のご負担を軽減できたこと、ライト様が「魔王さんのことよろしくね」とわざわざ手紙をくれたことは良かったとしか言いようがない。
「はぁ……ライト様ってなんでこんなにお優しいんだろう。魔王様にもお手紙が届いていたし……俺たちが喜ぶことが手に取るように解っているみたいですよね」
「そうだな、天才だな」
「解ったとしても、それを実行するかどうかは違いますもんね?」
「そうだな、お優しいな」
共通の好きなもののことを話す時間は、まるで友だちとの時間のようでとても楽しい。
こういう何気ない穏やかで楽しい時間に、ふと「オファのこと、好きだな」と感じる。
今日もそう感じたが……数日前に聞いた魔王の言葉まで思い出してしまった。
―― オファ様のこと、愛しているのだろう? どういう愛なんだ?
どういう……か。
ん? ライト様に言っていないのに?
「……勝手に言え」
内心とても気になるがそっけなく返事をすると、魔王は少し呼吸を整えて……決意のこもった声で話し出した。
「俺は、ライトのことを愛しい伴侶とも、子どもともペットとも思っている」
「……はぁ? 伴侶? 子ども?」
ペットは解るが……伴侶や子どもは、黒髪の王として絶対になれない関係だ。
何、馬鹿なことを言っているんだ?
「思っているだけだ。公言はできない。正式にそうなってもらえるわけでもない。だが……俺の中でのライトは、伴侶で、子どもで、ペットなんだ。一つの愛ではない、色々な愛をくれる、色々な愛し方をさせてくれる、俺が持つすべての愛を向けられる大事な大事な存在なんだ」
「……」
黒髪が家族を持てないと言っても、思うだけなら勝手だが……人間を伴侶? 子ども?
ライト様が特別なのは解るし、私だってファンだ。かわいいと……愛していると言っても良い。
しかし、人間だぞ?
魔法の使えない、守ってやるべきか弱い種族だろう?
かわいいから、かわいがる。
伴侶のように横に立ってもらうわけでも、子どものように育てていくわけでもない。
ただただ「かわいがる」存在だ。
「お前はどうだ?」
「え?」
「オファ様のこと、愛しているのだろう?」
「もちろん。オファはとてもかわいい。愛している」
「どういう愛なんだ?」
「……大事な大事なペットだ」
当然だろう? オファはかわいい人間なのだから。
かわいがるための存在なのだから。
ペットとして、深く愛している。
だが……
「とても、大きな愛に見えるが?」
「……」
私は、伴侶も子どもも作れない。作ったこともない。
子どもを愛する気持ちは、先代の導王様との関係で多少解るつもりだが、伴侶や恋人に対しての愛は……良く解らない。
ペットに対する愛と、どのように違うのか。
解らない。
◆
「やっとゆっくりできるな、オファ」
「はい!」
やっと魔王の魔力が戻って、城を出て行った。
三日ほどは付きっきりで魔力を付与してやって、後の七日ほどは体内の魔力精製を促進する魔法陣と医療魔法で面倒を見てやった。
付きっきりの間は仕事も趣味の研究も滞って、私の手を離れた後は溜まった仕事に忙しくて、なかなかオファとゆっくりする時間が取れなかったので、今夜は約一〇日ぶりの二人の時間だ。
もう風呂も済ませて、部屋着どころか二人とも寝間着で、オファはいつも結っている髪を降ろしていて……少しだらしないがベッドに座ってワインを傾ける。
「そうだ、導王様に届いたお手紙も読んでいいですか?」
「あぁ」
魔王の世話は面倒ではあったが、恩を売れたこと、ライト様のご負担を軽減できたこと、ライト様が「魔王さんのことよろしくね」とわざわざ手紙をくれたことは良かったとしか言いようがない。
「はぁ……ライト様ってなんでこんなにお優しいんだろう。魔王様にもお手紙が届いていたし……俺たちが喜ぶことが手に取るように解っているみたいですよね」
「そうだな、天才だな」
「解ったとしても、それを実行するかどうかは違いますもんね?」
「そうだな、お優しいな」
共通の好きなもののことを話す時間は、まるで友だちとの時間のようでとても楽しい。
こういう何気ない穏やかで楽しい時間に、ふと「オファのこと、好きだな」と感じる。
今日もそう感じたが……数日前に聞いた魔王の言葉まで思い出してしまった。
―― オファ様のこと、愛しているのだろう? どういう愛なんだ?
どういう……か。
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