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番外編3 一番の●●
順調と懸念
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外見が好きすぎて選んだオファに、まずは一年間、お試しでペットをしてもらうことになった。
日帰り、一泊、二泊、一週間、一月と徐々に城にいる時間を長くして、私との時間も長くして、徐々にペットに慣れてもらう。
そして、オファでも私でも、どちらかが「無理だ」と思えば今のうちに断る。そういう期間だ。
じっくり一年かければお互いに納得できるだろう?
……まぁ、今回で言えば私の気持ちはもうオファで決まっているが……正直、少しくらい性格に難があっても良いと思えるくらい外見が好きすぎるのだが……。
オファはなんと! 性格までかわいかった!!!!!!
「オファ、対話審査の時に球技が好きと言っていただろう? このボールで、好きなだけ中庭で遊ぶといい」
蹴球用のボールなんて安い物だが、初めて城に来てくれた日にプレゼントとして渡すと、こんなに笑顔って眩しいのかと驚くほど笑ってくれた。
「わぁぁぁぁ! ありがとうございます! いっぱい遊びます!」
全身で、全力でお礼を言ってくれるのもかわいかった。
美味しいお菓子や食事を用意すれば、それはもう、蕩けそうな顔で食べてくれた。
あぁ、かっわいい!!!!!!!!
かわいさ、元気さ、私に向けてくれる笑顔……歴代五人のペットが教えてくれた「人間の魅力」が、全て詰まったかわいい子だった。
今までの賢く従順で控えめなペット達に比べると、素朴で素直で……でも、そういう裏表の全くない、表情豊かなところがかわいくて仕方が無かった。かわいがりがいがあった。
今までのペットよりもついつい甘やかしてしまったと思う。
ぽっちゃりさせたいし……
六人目で慣れてきたという油断と、
とにかくかわいくてかわいくて、浮かれていた。
◆
かわいいペットが側にいてくれるし、国の課題であった魔法石は順調に製造できているし、人口が増えて、他の産業も安定してきた。
魔法石が潤沢にあっても、国民は変わらず真面目で勤勉で、国内の魔法技術も産業も順調に発展している。
優秀な大臣や専門職もそろって、私が魔法の研究をする時間も増えて、最近は自分のためにも黒髪用の魔法回復薬の研究に取り組んでいる。
一人の魔族としても、王としても、順調。
しかし二つだけ、懸念材料があった。
一つは、後継者の黒髪がまだ生まれていないこと。
これは天に任せてじっと待つしかない。
私もまだ、あと一〇〇〇年は現役のはずだ。まだだ。まだ焦る段階ではない。
そして、もう一つは……外国、特に魔王の国との関係だ。
自分で言うのもなんだが、私は国民に好かれている。
王として人格者だからというよりは、「人工魔法石」というこの国の希望を創り出した魔法研究者として好かれているのだと思う。
黒髪であることも併せて、私を「国の宝だ」と言ってくれる者も多い。
私の言葉をよく聞いてくれ、妄信に近い者もいる。
私が人間のペットが好きだと言えば、国内でも人間を可愛がる者が増えた。これはペットを迎えた狙いの一つでもあったので嬉しいことだ。
しかし、私がダンスが苦手だと言えば、一気にダンスが廃れかけた。慌てて「自分で踊るのは苦手だが見るのは好きだ」と言えばすぐに元に戻ったが。
政治的にやりやすい部分もあるが、発言に気を遣うようになった。
ただ……自分の発言ではどうにもフォローできないこともあった。
日帰り、一泊、二泊、一週間、一月と徐々に城にいる時間を長くして、私との時間も長くして、徐々にペットに慣れてもらう。
そして、オファでも私でも、どちらかが「無理だ」と思えば今のうちに断る。そういう期間だ。
じっくり一年かければお互いに納得できるだろう?
……まぁ、今回で言えば私の気持ちはもうオファで決まっているが……正直、少しくらい性格に難があっても良いと思えるくらい外見が好きすぎるのだが……。
オファはなんと! 性格までかわいかった!!!!!!
「オファ、対話審査の時に球技が好きと言っていただろう? このボールで、好きなだけ中庭で遊ぶといい」
蹴球用のボールなんて安い物だが、初めて城に来てくれた日にプレゼントとして渡すと、こんなに笑顔って眩しいのかと驚くほど笑ってくれた。
「わぁぁぁぁ! ありがとうございます! いっぱい遊びます!」
全身で、全力でお礼を言ってくれるのもかわいかった。
美味しいお菓子や食事を用意すれば、それはもう、蕩けそうな顔で食べてくれた。
あぁ、かっわいい!!!!!!!!
かわいさ、元気さ、私に向けてくれる笑顔……歴代五人のペットが教えてくれた「人間の魅力」が、全て詰まったかわいい子だった。
今までの賢く従順で控えめなペット達に比べると、素朴で素直で……でも、そういう裏表の全くない、表情豊かなところがかわいくて仕方が無かった。かわいがりがいがあった。
今までのペットよりもついつい甘やかしてしまったと思う。
ぽっちゃりさせたいし……
六人目で慣れてきたという油断と、
とにかくかわいくてかわいくて、浮かれていた。
◆
かわいいペットが側にいてくれるし、国の課題であった魔法石は順調に製造できているし、人口が増えて、他の産業も安定してきた。
魔法石が潤沢にあっても、国民は変わらず真面目で勤勉で、国内の魔法技術も産業も順調に発展している。
優秀な大臣や専門職もそろって、私が魔法の研究をする時間も増えて、最近は自分のためにも黒髪用の魔法回復薬の研究に取り組んでいる。
一人の魔族としても、王としても、順調。
しかし二つだけ、懸念材料があった。
一つは、後継者の黒髪がまだ生まれていないこと。
これは天に任せてじっと待つしかない。
私もまだ、あと一〇〇〇年は現役のはずだ。まだだ。まだ焦る段階ではない。
そして、もう一つは……外国、特に魔王の国との関係だ。
自分で言うのもなんだが、私は国民に好かれている。
王として人格者だからというよりは、「人工魔法石」というこの国の希望を創り出した魔法研究者として好かれているのだと思う。
黒髪であることも併せて、私を「国の宝だ」と言ってくれる者も多い。
私の言葉をよく聞いてくれ、妄信に近い者もいる。
私が人間のペットが好きだと言えば、国内でも人間を可愛がる者が増えた。これはペットを迎えた狙いの一つでもあったので嬉しいことだ。
しかし、私がダンスが苦手だと言えば、一気にダンスが廃れかけた。慌てて「自分で踊るのは苦手だが見るのは好きだ」と言えばすぐに元に戻ったが。
政治的にやりやすい部分もあるが、発言に気を遣うようになった。
ただ……自分の発言ではどうにもフォローできないこともあった。
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